【完結】黄金郷のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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デート

 そうして……日曜日となり事前に決めていた待ち合わせ場所で会う。

 アウルムの格好はいつも通り黒ワイシャツに黒のジーンズに黒のスニーカー、そして絹の様に薄い、いつもの手袋に黒のハンドバッグ、黒で統一しているがそれがアウルムの透き通る様な白い肌と金髪、そして何より……コーンフラワーブルーの碧眼の美しさを更に際立たせていた。

 

「お待たせしました、焦凍……では、今日1日よろしくお願いします」

 

 駅の構内を待ち合わせ場所にしていた為にそのまま焦凍と手を繋ぎながら散策を行う。

 散策をしながら取り止めの会話を行う。

 髪型がどうとか最近の授業の内容が濃密すぎて大変だとか、雑談を歩きながら行う。

 最初に着いた場所は科学博物館……入場料を払い常設展を観回る。

 生物の展示展に着くとアウルムは蝶を観ながら告げる。

 

「生き物とは不思議ですねぇ、焦凍……多種多様な姿がある、例えばそう……この蝶々、触角や紋様や羽の大きさ、分布しているその地域、生き物とは本当に素晴らしい」

 

 そう小声で呟きつつ他の展示物を見回る。

 人間の歴史や海洋生物、宇宙の成り立ちなどなど。

 そうしているうちにあっという間に時間が過ぎていき併設しているプラネタリウムに行き天体についての理解を深める。

 プラネタリウムが終わり外へと出るとちょうどお昼時であった為、お昼にしようという焦凍の言葉に笑顔で応じて焦凍が決めていたお店へと入ろうとしたが店に入る前に焦凍から確認がてら問いかけられる。

 

「ここだ、アウルム……先に聞いておくが蕎麦は好きか? 店に着いてから気づいたんだが……アウルムが麺類を食べているのを余り見ないと思い出した……もしも苦手ならば別の店に……」

 

 そう問いかけられるがアウルムは笑顔で焦凍に言葉を返す。

 

「麺類は普通に大好きですね……あんまり食べないのは……その、食べ過ぎてしまうのと……その、太ってしまうので……でもそんな事気にせずに行きましょ、焦凍、今日は貴方のデートプランを楽しむと決めているのです」

 

 アウルムは焦凍の手を取り店の中に入る。

 そして頼むのは焦凍が盛り蕎麦、アウルムがかけ蕎麦である。

 

 アウルムは蕎麦を啜りながら焦凍に問いかける。

 

「この後のプランを聞いても良いですか? 秘密にしておきたいというのならばカッコよく秘密にしとくぜ、と返してくれてもいいですけど」

 

 そう焦凍に聞くと焦凍は水を飲み干しながら告げる。

 

「午前中は科学博物館を見たりプラネタリウムで天体観測をしてたからお勉強染みてたからな……ここで昼食を済ませた後は……カラオケとボウリング場、その後に街を散策して夕飯って感じだな」

 

 アウルムはこの後のデートプランを聞いて和かな笑みを浮かべて言の葉を返す。

 

「そうですか……嬉しいですよ、焦凍……とても楽しみです」

 

 そうして昼食を終えると焦凍の手を取り手を繋いで一緒に目的地まで他愛のない会話をしながら歩いて行く。

 

 カラオケ屋に入り1時間半コースを選択、そして……どうせならばという事で合計点での競い合いをする事となった。

 互いに10曲歌い互いの合計点は焦凍が991点、アウルムが989点。

 アウルムは惜しくも負けた……舌をちょこんと出して悪戯っぽく笑みを浮かべ焦凍に告げる。

 

「あらら……負けてしまいました……残念です、にしても焦凍、歌上手いですね……聞き惚れてしまいました」

 

 焦凍は烏龍茶を飲みながらゆっくりと告げる。

 

「それを言うならアウルムもだろ? いい歌声だったよ……」

 

 そう告げると丁度退出時間になったのでカラオケ屋を出ると道を歩きながらボウリング場へと向かう、その最中……アウルムは思い出したかの様に焦凍へと告げる。

 

「そう言えば……先程のカラオケの点数勝負……私は負けてしまいましたが何かあるのですか? 敗者に対する命令的なモノ」

 

 そう悪戯っぽい笑みを浮かべつつ自身の身体を焦凍に押しつけて歩きながら告げる。

 焦凍は顔を赤くしながら空を見上げて呟く。

 

「正直言って……その発想は無かった、そう言われると悩ましい……」

 

 ウンウンと唸る焦凍を見ながらアウルムは再度柔和な笑顔で焦凍の手を取って告げる。

 

「今思い浮かばなければ……そうですね、決まるまで保留という事で……決まったら教えて下さいね」

 

 そう告げるとボウリング場へと到着した為、カラオケと同じく合計点の競い合いをする事になり3ゲームの合計得点で競い合う事となった。

 最初のうちはアウルムが連続でストライクを取り、焦凍も負けじとストライクを連発していた。

 しかしながら後半に行くにつれて疲労が溜まってきたのか動きに精彩を欠くアウルム。

 

 合計点は焦凍の方が僅差で上回った。

 それを見たアウルムはまたもちょこんと舌を出して悪戯っぽく笑いながら語る。

 

「あららら……また負けてしまいました……カラオケの時と同じく敗者に対する命令権を得ましたね……まぁ今言われても直ぐには出てこないでしょうし……これも保留にしておきますか? さてさて、良い具合に時間ですね、散策して夕飯としますか?」

 

 そうアウルムが告げると焦凍は笑顔を作り言の葉を紡いできた。

 

「そうだな……さて……と、実はあともう一つ……連れて行きたい場所があるんだアウルム」

 

 そう言われて焦凍はアウルムの手を取り歩き出す焦凍。

 しばらく歩くと……目的の場所へと到着しアウルムは言葉を溢す。

 

「ここは……」

 

 焦凍はアウルムに告げる。

 

「露店のジュエリーショップ……ブレスレットやネックレス、髪飾りとか色々売ってるんだ……俺はアウルムの好きな物を手探りで探している状態だ……この中にアウルムの好みのものがあれば……嬉しい」

 

 そう言って焦凍はアウルムに装飾品を選ぶ様に告げてきた。

 並んでいる商品を見ながらしばし悩むアウルム。

 

「これにしましょう」

 

 そう言って選んだのは桔梗をあしらったデザインのブレスレットであった。

 アウルムは何故か同じ物を2つ購入すると露店を離れ夕食を焦凍が決めていたチェーン店にて食事を取った後、店を出て夜風に当たりながら公園のベンチに座って他愛のない話をしていたアウルムと焦凍であるがアウルムがそういえばと前置きした後に装飾品の入った紙袋を開けて先程購入したブレスレットの2つの内1つを焦凍に渡しながら笑みを浮かべながら告げる。

 

「焦凍、私から貴方にプレゼントです……桔梗の花言葉は『永遠の愛』や『変わらぬ愛』……その花言葉通りに貴方と私の関係が続いてくれると願って……最高のデートでした……最高に楽しい1日でした、ありがとう焦凍」

 

 そう告げるとアウルムは一度言葉を切って焦凍に抱きつくと自身の唇と焦凍の唇を重ね合わせた。




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