【完結】黄金郷のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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Merry Christmas

 相澤先生や壊理ちゃん、それにクラスメイト達がいる中。

 クラッカーが鳴り響いて共有スペースのテーブルには所狭しと飲み物や料理が並べられている。

 ジュースやお茶、紅茶は当然として。

 サンドイッチやサラダに多種多様なブルスケッタ、フランクフルトやアメリカンドッグ、牛肉を使用したシェパーズパイ、数種類のスープなどの軽食、ローストビーフやミートソースパスタやターキーなどのメインに据えられる料理、グラタンやドリア、箸休めとして数種類の香の物や吸い物や和え物が並び、肉料理はチキン南蛮や鴨のローストにハンバーグなどが並んでいる。

 ドルチェに関しては砂藤とアウルムが腕を振るって作ったホールのフルーツケーキやアップルパイやレモンパイ、ピーチパイ、太陽を模ったガレット・デ・ロワやスフレ、プディング、ババロアにクッキー、冷菓類はアイスクリームやソフトクリーム、シャーベットやソルベやジェラート、グラニテなどが10数種類の味で並んでいる。

 しかもアウルム作のドルチェはアウルムが然るべき資格さえ取得していれば店に卸せる程の出来栄えとなっている。

 砂藤作のドルチェも負けず劣らずの出来栄えとなっている。

 中には合作のドルチェもある程でお菓子作りや料理に関しては少なくともA組に置いてはこの2人の右に出る者は居なかった。

 冷菓類は暖房を効かせた部屋で食べるアイスとか最高でしょとの声が多く作る事となった。

 プレゼント交換会を行ったり、耳郎さんが歌を歌ったりで楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

 料理はかなりのスピードで皿から消えていくが減った側から皿に盛り付けられていく。

 

「お代わりはまだ沢山ありますからね」

 

 エプロンをし三角巾とマスクを着けたまま厨房に立ち料理を続けるアウルムの顔は笑顔に染まっていた。

 クリスマスパーティーから3時間、肉料理の皿が空になりそうだった為に砂藤が厨房へと入り残った肉と食材で軽く何かを作ろうとするがアウルムが砂藤のその手を掴んで止める。

 

「もうパーティーから3時間は経過している、皆の箸の動きもかなり緩慢になっているしここで肉が入った重い物を出しても作った料理は1割も減らんよ、ここら辺の時間まで進むと重い料理は卓上に残ってる肉料理だけで充分だ、あとはサンドイッチなんかの比較的軽いものだけで良い……それよりもほら、皆と楽しんできたまえよ、ここは私がやっておく」

 

 手早く最後のデザートを作る作業をしながら砂藤へとそう告げるアウルム。

 しばらくすると笑い声が響き渡りそれを聞きながら悦に浸るアウルムであった。

 

 そしてクリスマスパーティーもほぼほぼ終わりへと近づいてきた時刻……1人で洗い物を全て済ませると最後の締めとして色々な形状のクッキーを皆に配る。

 そしてアウルムが笑顔で言葉を紡ぐ。

 

「それでは宴もたけなわでございますがそろそろ時間となりました、最後にご唱和ください‼︎ せーの‼︎ メリークリスマス‼︎」

 

 最後に皆でメリークリスマスと言い合いクリスマスパーティーは終わった。

 夜も更けて皆自室に入り寝ている為にアウルムは誰も居なくなった共有スペースのソファに1人で座り伸びをしながら自分用に選り分けていた黄金化させて鮮度や温度を保っていた料理を食べようとしラップを取りお茶を飲みながら共有スペースのソファにもたれかかってグラスを持った自身の手を見ながら1人、小さな声音で呟く。

 

「……メリークリスマス

 

 誰にも聞こえないであろうその呟きを目を閉じてゆったりと聞いて料理を食べようとしたアウルムの背後より声が掛けられる。

 

「メリークリスマス、アウルム」

 

 アウルムは聞き慣れた彼氏の声に目を開けて食べようとしていた料理を一旦テーブルへと置いて振り向く。

 

「てっきりもう寝たものだとばかり……どうしたのですか? 焦凍」

 

 そう言って隣に座ってきた彼氏に問いかける。

 

「いや……アウルムにも話しておこうと思ってな……ラビットヒーローミルコの所、インターンシップ断られたって聞いたからさ……ミルコさん忙しいらしいな……良かったらエンデヴァーのところ……来るか?」

 

 アウルムは顎に手を当ててしばし考えこむ。

 脳内でメリットとデメリットとを選り分ける事数十秒。

 

「それではお願いできますか? それにしても爆豪勝己と緑谷出久と焦凍に私……エンデヴァーも4人を見ながらとは……さすがNo. 1ですねぇ」

 

 お茶を飲みながらゆっくりとそう語るアウルム、焦凍がふっと薄く笑みを浮かべて席を立とうとしたところをアウルムが呼び止める。

 

「っと、焦凍……」

 

 呼び止められて振り向いた刹那、顎をクイッと持ち上げられアウルムに唇を奪われる焦凍。

 1分ほど濃密なキスを交わした後にゆっくりと唇と唇を離してアウルムは妖艶さを醸し出しつつ語る。

 

「私から貴方へ、2つ目のクリスマスプレゼントです……ではおやすみなさい」

 

 そして……クリスマスパーティーも終わり数日が経過。

 

 

 大晦日となった。

 この日ばかりはクラスメイト達は皆が皆、我が家で過ごす事になったのだが天涯孤独で寄る辺が無いアウルムは広い寮内にたった1人で残っており戻るべき家は無い。

 アウルムは朝9時過ぎから寮の共有スペースに設置してあるテレビを見ながらぼーっとしながら寛いでいた。

 しかしながら余りにも退屈で、余りにも究極的に手持ち無沙汰であり暇に殺される。

 スマホを確認するも流石に今日この日ばかりは皆、我が家で家族と過ごしている為にトークアプリのグループトークはほぼ稼働してはいない。

 

「……暇だ……大晦日だから何処に行こうにも店は早仕舞いだし……そもそも外出許可出してないし……仮に出していたとしても夜まで時間を潰せる場所はないし……もう一回風呂にでも入るかなぁ」

 

 本日既に3度目の入浴である……しょうがない、この広い寮内ではあるが自室にいても共有スペースにいてもやれる事などたかが知れており自室で引き篭もっているよりは共有スペースで厨房に立ち料理でもと考えていたが今日に限って絶妙に食材が足りない。

 という訳で3度目の入浴を終えて1時間後に4度目の入浴となる訳であるが流石にアウルムが如何にお風呂が好きと言っても限度がある。

 風呂も飽き、共有スペースの掃除でもするかと思い立ち掃除をするが全然汚れていない。

 もとより共有スペースである為に皆、汚さない様に心がけており仮に汚れてもすぐに掃除をする為に汚れようがないというのがこの日ばかりは裏目に出ていた。

 

「ひ……ひまだ……ひまに殺される」

 

 共有スペースのソファに横になりながらスマホを見ていたアウルムだが流石に4度も風呂に入った為か疲れが出たのかソファに横になったままうたた寝をしてしまったらしく……16時、スマホのバイブで起こされた。

 何事かと確認すると目覚ましがかけっぱなしであり……それで起こされたのかと苦笑する。

 

「ふふ……まぁ……こういう日も悪くはありませんね……暇を持て余して暇に押し潰されそうになるのも偶には悪くない」

 

 そう1人、誰もいない寮の中でそう言って本日5回目のお風呂へと入るアウルムであった。




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