右脚を吹き飛ばされたオール・フォー・ワンは吹き飛ばされた脚から弾丸を撃ち込んできた場所を特定。
周囲のヒーロー達を全方位に及ぶ衝撃波で吹き飛ばしてレディ・ナガンを数百メートル先に殴り飛ばしアウルムの作ったワッケーロとコンキスタドールへ干渉し封じるとアウルムの腹部にその腕を突き刺して貫通させる。
「やはり君は邪魔だった、ワン・フォー・オールよりも何よりも先ず真っ先に君を排除しておくべきだったと今更ながら痛感してるよアウルム・ミダスティア」
腹に大穴を開けられて大量に血を吐く、唯一の救いは内臓や主要な血管は黄金化している為に今以上には傷が広がらない事だろうか。
そう思案した瞬間に主要な血管や内臓、そして骨や臓器の黄金化が突如として干渉されて無理矢理に解除され両腕の骨を砕かれ動脈や静脈の主要な血管が千切れて内臓の一部が腹を貫いているオール・フォー・ワンの手により損傷し更に多くの血を吐くがアウルムは息も絶え絶えになりながらオール・フォー・ワンを睨みながら語る。
「私の個性……複製した物を脳無から奪ったのですか」
そう血を吐き捨てながら言葉を紡ぐアウルムに対してオール・フォー・ワンは告げる。
「あぁそうさ、君の『個性』は素敵だ……だがいかんせんベストジーニストと同じで凄まじい練度と実践経験により培われた個性だ、普通はこんな『個性』は奪わないんだ……凄まじい練度と圧倒的な経験に培われた『個性』なんて……現に今も僕の使う『黄金』は君程の力を持ってないし、僕は君に黄金化された場合もう対処できない」
無理矢理に解除された血管と内臓の黄金を張り替え直して即座に千切れた血管を
込み上げてくる大量の血を抑えきれずに大量に吐き余りにも短時間で大量の血を失い意識が飛びかけるが微かな意識で黄金の針を作りそれを自身の片耳の鼓膜に思い切り突き刺す。
激痛がアウルムの身体を走り抜けるが良い気つけになった。
お陰で飛びかけていた意識が戻り黄金操作を行いオール・フォー・ワンを睨みながらアウルムは語る。
「ならば……尚の事よかった、最後の力で……複製品がオリジナルに勝てる道理は無いですね……このまま黄金化して終わらせます」
アウルムは痙攣し続ける自身の腕でオール・フォー・ワンの腕を掴もうとする。
腕を掴んで即座にオール・フォー・ワンを彫像と変化させればアウルム達の勝ちなのだ。
掠れて色が消えていく視界でありったけを込めて、骨が砕けており動かす事すら辛い腕を無理矢理動かしてオール・フォー・ワンの腕を掴もうとした刹那、オール・フォー・ワンが口を開く。
「あぁ、そういえば……君の個性は本当に素晴らしいし絶え間ない修練を積み上げれば今の君のように実に魅力的な個性にまで成長する、だからね……10年前に
その言葉に……思考が追いつかずにアウルムの動きが止まる、止まったまま動かずに居た。
B組の面々や緑谷や爆豪や他のプロヒーロー達が焦った様子で叫ぶがアウルムの身体が動き出す様子がない。
アウルムは血反吐に塗れながら、折れた腕の痛みを無視しながら、呼吸するのも辛いのを無視しながらたった一言、絞り出すように言の葉を紡ぐ。
「……………………………………え?」
アウルムのか細い声音が、弱々しく発せられた声が響き渡る。
それを聞いたオール・フォー・ワンが再度言葉を紡ぐ。
「つまり、君を監禁していた奴は方法はどうあれ君を助けてたんだよアウルム・ミダスティア……この僕や僕の差し向けた追っ手からね、君は両親の仇と今でも憎んでいるようだけれどね……どんな気分だ? 教えてくれよ『親の仇』と憎んでいた相手から助けられていたという事実を知った気分を」
そしてそれを聞いたアウルムは……今まで限界まで酷使していた
「う……そだ、そんなの……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」
完全に
いつもならば、平時であるならばそんな事に気を取られて
しかし、死柄木弔から数万の
アウルムの動きが完全に止まる。
オール・フォー・ワンの呟いた、その言葉の真実味は薄いしそれを真実だと断定するモノは何一つない、オール・フォー・ワンの語った言葉を本当にそうだったと証明するモノは何一つない、しかしながら……
しかし、その言葉でアウルム・ミダスティアの動きは止まった、完全に動かずにずっと『嘘だ』と繰り返しうわ言の様に呟き続けている。
そして生まれた値千金の絶大な隙、オール・フォー・ワンはアウルム・ミダスティアを殺す為に、腹に刺した己が手を抜きその頭に手を置こうとした。
刹那、銃声が鳴り響きアウルムの頭に手を置く前にオール・フォー・ワンの両腕が弾き飛ばされる。
数百メートル先の山まで吹き飛ばしたナガンからの狙撃であった
マクミランTAC-50を構えたナガンは再度銃を構えて排莢した後、黄金を弾薬として装填し残った最後の1発を放つ。
その最後の1発はオール・フォー・ワンの脇腹を抉りとり一瞬の隙を与えた。
刹那、爆豪勝己がオール・フォー・ワンに爆撃を行い緑谷出久が落下するアウルムを助けるが腹に空いた大穴からは止まる事のない血が流れていた。
生きてはいるが、それは何とか生きているだけ……うわ言を呟き続けながら。
それ以外の動きが完全に止まっているアウルム、腕を引き抜く際にオール・フォー・ワンが黄金化に干渉し体内の黄金化を解除した為にアウルムの体内が、特にオール・フォー・ワンが手を引き抜いた際に黄金化の解除以外に何かをしたのか内臓という内臓がズタズタになっていた。
そして……アウルム・ミダスティアは死にかけていた。
血を大量に流して冷たくなっていく身体、腹に空けられた大穴が原因となり秒単位毎に動かなくなっていく身体、多量の失血とそれによる循環血液量減少性ショックで薄れていく意識。
皮膚が蒼白くなり、冷汗が出て、脈が弱く早くなって虚脱と呼吸不全を起こしており……。
アウルムの身体は……刻一刻と、急速に死へと向かっていた。