【完結】黄金郷のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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黄金郷のヒーローアカデミア

「ショート‼︎ この時間帯は人が多い‼︎ 800m先の大通りには絶対行かせない様に‼︎」

 

 連続強盗殺人犯を追い詰めたショートは避難誘導を行っているアウルムからインカム越しにそう告げられる。

 ショートが逃走経路を全て先回りして退路を潰すと眼前の(ヴィラン)へと投降勧告を行う。

 まぁ……強盗殺人を行った際の個性行使でめちゃくちゃ罪が重くなってるから素直に従うわけがない。

 何より強盗殺人は無期懲役か死刑のどちらかしか無く(ヴィラン)の余罪も含めれば恐らくは死刑、そして違法個性行使で行き着く先は対個性無力化収容施設タルタロス。

 故に相手としても実力行使となる。

 空間を削り壊す個性を行使してきたがショートは黄金化した炎を繰り出して火傷による痛みを与えて気絶させながら黄金化させる。

 

 捕縛したのちに警察へと引き渡し必要書類を記入して対処を終了する。

 

 ショートが警察署から出ると眼前に居たアウルムから自販機で購入したと思しきペットボトルに入った麦茶が投げ渡される。

 

「ご苦労様です、ショート……にしても月日が経つのは速いですね……少し前まで高校生活を謳歌していた気がするのですが、成人式を終えて……そして今やプロヒーロー……そうは思いませんか? ショート」

 

 投げ渡されたペットボトルを開けて飲み干しつつショートは眼前のアウルムへと言葉を返す。

 

「確かに月日が経つのは速いけど……」

 

 あれから2年後……。

 無事に雄英を卒業して正式にプロヒーローとなったアウルム達。

 

 アウルムは卒業して直ぐに轟焦凍との連名で焦凍を所長、アウルムを副所長としてヒーロー事務所を立ち上げた。

 立ち上げた最初期こそ安定収入が無くおおよそ3ヶ月で経営破綻しかけたが徐々に軌道に乗せる事が出来て今や1日300件以上の依頼を捌く大手事務所となった。

 

 事務員90人、サイドキック90人を抱える事務所であるがなんの苦労も無かったか、と言われると艱難辛苦であったと言わざるを得ない。

 

 最初期は人を雇う余裕などなく全ての業務を焦凍と2人だけで熟していたのだから。

 互いに思い返す。

 最高で150連勤し休日などナニソレオイシイノ状態で2人で光を失った虚無の眼をしながら書類仕事や雑務に追われていた日々……。

 公務員故に月給はしっかりと出るが人を雇うまでの収入が無く時折来る要請で(ヴィラン)を捕らえつつその報酬で自転車操業をする日々。

 

 当時、何とか空いた時間で不定期の動画投稿を行い次第にそれが伸びていきそれが仕事に繋がり安定収入を得れる様になった。

 

 やっかみも無いわけではないが……最初期を知る者達程やっかみはない。

 

 

「まぁ……それはさて置き……2週間後ですね〜1-Aの同窓会」

 

 過密なスケジュールを互いに前倒しに前倒しを重ねて調整を重ね何とか作った……と言うより同窓会があると言う事が周知された瞬間にサイドキックと事務員の皆から『全ての業務をこっちで割り振ってお前ら休みにしといたから行ってこいワーカーホリック共』との御言葉を頂戴した。

 ほんとありがたい……というか優秀すぎる。

 

 この前アウルムと焦凍が2人して休みの時に少しだけ調べ物と仕事の残りを処理しようと事務所へ行ったら調べ物も残っていた仕事も全て終わってた挙句にサイドキックと事務員達から口々に『2人して休みの日に何でいるんですか、こちらで終わらせておいたので……ワーカーホリックも大概にしてください』とその場に居た人達全員からめっちゃ怒られたのは記憶に新しい。

 

 その後、日程調整や各種打ち合わせ、その他諸々の業務を終えて家に帰宅する。

 アウルムと焦凍は雄英を卒業した直後から同棲生活を送っており2年が経つ。

 

 事務所から程近い賃貸マンションを棲家としており家賃は共益費や諸々全てを含めて20万。

 家賃や食費、水道光熱費や消耗品の購入費は同棲を決める前に折半と互いに話し合った為に特にこれといった問題なく同棲生活ができている。

 近くのスーパーで買った食材を詰めた袋を置きながら上着をハンガーに掛けて焦凍とアウルムは互いにやるべき事をやる。

 

 焦凍は風呂掃除、アウルムは食事の準備。

 3人分(・・・)の食器を並べて準備を進める。

 

 雄英在学中と同棲する前に焦凍は一通りの料理の基礎をアウルムから学んだが……結果、アウルムからやんわりと『炊事は全て私がやります』と告げられた。

 

「さて……と、そろそろ()も学校から帰ってきますし……とっとと終わらせますか」

 

 そう言うと急いで仕込みを行うアウルム、そして30分が経過して食事の準備が整ったと同時にドアが開いてただいまと声が聞こえる。

 アウルムと焦凍はおかえりと優しく告げて娘に声をかける。

 

「学校お疲れ様……壊理」

 

「お帰りなさい壊理」

 

 アウルムと焦凍は事務所を立ち上げて軌道に乗った2週間後に壊理ちゃんを引き取った。

 だから今は『轟壊理』として過ごしている。

 

 食事の準備が終わり食卓に着くと食事となる。

 今晩の食事は野菜炒め、コンソメスープ、アボカドサラダである。

 食事を進めながら焦凍は口を開く。

 

「そう言えば……緑谷と麗日の事聞いたか? ようやくちゃんと告白したらしいぞ」

 

 そう告げてくる焦凍。

 それを聞いてアウルムも口を開く。

 

「ようやくですか……私は直接聞いた訳ではありませんが……確かなし崩し的に麗日さんが告白したんでしたっけ? その後から在学中に殆ど進展しませんでしたからね……あの2人は、麗日さんは確かガンヘッドさんの所でサイドキックとして働いて、緑谷さんは……エンデヴァーの所から独立して事務所立ち上げたんでしたっけ?」

 

 麗日お茶子は雄英卒業後、しばらく経験を積むとの事でガンヘッドさんの所へと就職。

 緑谷出久もしばらくはエンデヴァーの事務所でサイドキックとして働いていたが独立したらしい。

 

「まぁそこら辺は同窓会で詳しく聞き出しましょうか……」

 

 アウルムはそう告げて娘である壊理との会話を焦凍と共に弾ませながらアウルムは過去に壊された『家族』と言うものを実感していた。

 あぁ……ようやく切望していたモノが掴めたのだと。

 そう思いながら幸せな日々を送っていた。

 

 こんな幸せが願わくばずっと続きますようにと、そう願いながら。

 

 これからもこの平穏で変わらぬ日常をずっと送れますようにと、そう願いながら。




これにて本編は完結となります
だいぶ駆け足となりましたが楽しんでいただけましたら作者としても嬉しい限りです。

後はオリ主と焦凍の結婚式を投稿してその後の話しを数話投稿して締めたいと思います。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました

感想・ブクマ・特に評価。飢えております。  低評価をもらったら少し傷つきますが、傷も創作のプラスになることはある(私の場合です)。でも無評価=虚無は創作のマイナスにしかならないッス(私の場合です)!  なので、無言で投げれるので、ぽちぽちっと☆を頂けると嬉しいです。多い分には困りませんよ‼︎

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