生えてたていどのJcを連れ歩くだけのDQ   作:おーり

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2話だぜ!


第2話

 エミリオは激怒した。必ずあの邪知暴虐の以下略。

 

 冒頭憤慨を暴投咬ました赤メッシュ黒髪の青年が、すわそうなるのも仕方のないことだとギルド内の誰もが思っている。

 と、いうかいちまい、どころか数枚ほど今回の事件に自分らも咬んでいる。

 

 青年が激怒しながら扉を破るように開け放ち、封印を解かれた古巣の竜のようにグルルルと唸って現れて、そりゃあそうなりますよねぇ! と常連の方々はしっかりと自覚した。

 自覚しつつ顔を背けた。

 やっべ、メチャクソ怒髪天じゃん、目ぇ合わせらんね。

 

 そんなムカ着火激おこぷんぷん丸ファイヤーなエミリオ青年に、とててて、と駆け寄って往った幼女が方々の目の端に入った。

 他でもない【原因】となった、今まさにすわ捕食される寸前に値するイノリたんである。

 

 流石にお見逃し推奨を続けられるわけもないギルドの方々は、ホアッホアアアアアーーー!? と幼女の接近を阻止しようとしていたがもう遅い!

 

 

「あ、あのっ、エミリオさまっ、おまちしてましたっ」

「ほぉ…! よくもまぁおめおめと俺の前に姿を現せられたなクソガキぃ…!」

 

 

 噴き出す寸前の火竜の咆哮(ドラゴンブレス)を、誰もが幻視した。

 

 だから、

 

 

「ちょ、ちょいちょいちょっとぉ! 待て待て待って! イノリに何をする気だよお前ぇ!?」

 

 

 話をよく知らない、初見で初対面のまひろが嘴を挟んでいった。

 

 

「あ゛? なんだお前?」

 

 

 チンピラみたいなブチ切れモードのまま、幼女を庇う幼女を見下ろす青年。

 タッパの差は頭ふたつ分くらいはあった。多分170くらいある。

 

 

「ヒェッ…! い、良い大人がこんな子供にっ、恥ずかしくないのぉ!?」

 

 

 臆した。

 ので、半ば煽るようなクソガキ構文がまひろの口から漏れて、自分でもやっちまったのではこれ!? と思った。

 方々も思ったが、見守るしかない。この流れは。

 

 

「あぁ…? クソガキがギルドでその『良い大人』に隷属するような発言したお蔭で今さっきまで留置所にぶち込まれていた俺に、…なんだって?」

 

「出過ぎました。ゴメンナサイ」

 

 

 この国では奴隷制は認められていないらしい。

 話の流れでギルド内からの通報によって青年はここ一週間ほど拘留されていた。

 そりゃあ後ろめたいですよねぇ!

 

 

 

  ■

 

 

 

 ごめんなぁ! と方々から酒と摘まみを振る舞われて、ようやく人心地ついたエミリオさん。

 絶対許さん、お前らは。と荒んだ目で睨みつけながらも、差し出された娑婆の味を呑みつつ、彼は話の本題を突き合わせることとした。

 理性はあった。良かった。

 

 

「で? 結局お前はなんで俺に『ご主人様』とか口走ったクソガキ。お蔭でダメな大人やら正義の味方やらにつっかけられて、俺の希少で貴重な生活時間を浪費させられたわけなんだが?」

 

 

 ぶっちゃけ名前も知らねぇよお前。と同卓にちょこんと座っているイノリを指さすエミリオ。

 奴隷かぁ、云われて見るとタイプはてな辺りが好きそうな幼女だ。と前々世(ニート時代)記憶(同人)を思い起こして同席しているまひろは口を開く。オマエモナー。

 

 

「それこそ、どっかの奴隷商から助けてもらったとか、そんな関係なんじゃないのか?」

 

「お前はなんで混ざってるんだ。つーか何処のガキだ、お前も」

 

「はい、その通りです。わたしはエミリオさまに助けていただいたんです」

 

 

 初見で無礼な態度を取ってしまった手前、今更礼を整えるのもなぁ、と美少女ムーヴは諦めているらしいまひろを肉串(ツマミ)の串で指摘しつつも、そんな彼らの言い分をスルーしてイノリは口遊む。

 

 この【ブリアレスタの山峡街】に来る以前、生まれ故郷である【ジャロセッカの港町】から違法奴隷として売られていったイノリ少女。

 馬車で片道3ヶ月はかかる旅路を越えて、この先どうなってしまうのだろう、と少女はすっかりと心が折れてしまっていた。

 訊けば数えて9つと幼い彼女は、親から売られてしまった事実に打ちのめされて、泣いても喚いても誰も助けてくれない現実に圧し折れて、

 

 そんな彼女を助けてくれたのが、颯爽と現れて奴隷商らを捕まえてしまったエミリオであった。

 帰る寄る辺も無い彼女を憐れんだのか、青年は報酬だったはずの金貨を使って護身のために魔法道具を買い与える。

 しかし少女には何の見返りも求めず、青年は立ち去って往く。

 そんな彼の背中を見送って、イノリは必ずご奉仕しよう、と胸に決意を秘めていた――。

 

 ――そんな話をギルドに吹聴していたらしい。

 もう何度も語ったと、イノリは自信満々に言い放った。

 

 

「何してくれてんのお前ぇ…!」

 

 

 どおりで方々の眼差しが妙に生あったかいはずだよ…!

 エミリオのヒーロームーヴを茶化そうという雰囲気こそ無いが、『やるよな、アイツ…』『カッコいいじゃねぇか、背中で語る男の姿…』とだいぶ大好評の眼差しであった。

 むず痒い! と苦い顔付きで青年は木杯を煽る。

 

 

「イノリちゃんが事情を話してくれたから釈放になったんだよー、感謝しときなー。お蔭で商業ギルドにもお仕事の確認取れたしねー」

 

「このガキが余計なこと言わなきゃそもそもぶち込まれてねぇんだよ! おかわり!」

 

 

 うっひゃっひゃっひゃっひゃ、と美人であったはずの受付のお姉さんが三下みたいな笑い方で、エミリオの空になった杯を受け取っていった。

 笑顔の絶えない職場である。

 

 

「その護身用の魔法道具、って子供にやっていいもんなの?」

 

「アレ系は基本使い捨てだ。最初に扱ったヤツ専用になる、壊れるまで限定のアイテムだから貴族なんかが欲しがる。ダンジョンなら割とすぐ手に入る奴だ、はした金だよ端金」

 

「でもりゅうつう? の点でだんじょんがある街いがいでは『こうとう(高騰)』している、ってお姉さんがいってました」

 

 

 イノリの注釈で、苦い顔のままエミリオは顔を背ける。

 どことなく偽悪ムーヴを執っていたようにも思えなくもないが、その辺の化けの皮はだいぶ薄皮に伺える。

 やっぱいいひとじゃん、このひと。まひろもイノリが慕う理由をよく把握できていた。

 

 その果てに行き付いたイノリの思考はなんか色々とアレだが。

 流されたけどなんだ、奉仕って、何する気だったんだ。

 

 

「丁度良いわねー。エミリオ、あんたこの子たち連れて潜ってきなー」

 

 

 おかわりを持って戻って来たお姉さんが、ちょっととんでもないこと口走っていた。

 え、いきなり何の話? とイノリへ胡乱げだったまひろが思考のベクトルを変える。

 

 

「は? ガキども連れて初心者講習か? なんで俺が」

 

「ウチを通さずに受けていたお仕事だからー、事情聴取にだいぶ手間とられたのよねー。まあー、『外』の仕事だから仕方ないんだけれどー」

 

「う。いや、しかし拘留されて身体は鈍ってるから、」

 

「アンタ魔法使い(ソーサラー)じゃん。関係ないっしょー」

 

「そもそもソーサラーをソロで潜らせようとすんな」

 

「普段からソロでもできるって豪語してたのはどこのどいつだー?」

 

「――めんどくせー!」

 

「せめてもっとマシな言い訳で締めなー」

 

 

 あれよあれよ、と噺が勧む。

 吞み乾した木杯をお姉さんへ突っ返し、それを持ったまま手を振りつつ去って行く彼女を見送って、「さて」まひろは再び青年へ顔を向けた。

 テーブルの上には2枚のスクロールが敷いて在り、それを眺める序で幼女らも睥睨されていた。

 何処か、測るような眼差しで。

 

 

「先に言っておく。冒険者(バリエンテ)の仕事は多々有れど、俺のメインは外注よりは探索、特にダンジョンに潜ることで、冒険者のメインも例に漏れない。ダンジョンから何某かを持ち帰ることが冒険者(俺たち)に求められる役割だ。だから、」

 

 

 エミリオが読んで、巻き絞めたスクロールは煙のように溶けていた。

 使い切りタイプでしたか…。

 

 

「向き不向きは当人にしかわからん。本気で嫌になったら言え、先ずは――チュートリアルの時間だ」

 

 

 ニヒルに哂って立ち上がって、イノリもそれに合わせてゾイのポーズでふんすと席を立つ。

 及び腰ながらもまひろも慌てて追いかけて、いきなり実践ですかぁ!? と言いたげに涙目だった。締りがねぇ。

 

 

「その前に年齢制限とか無いの冒険者って!? さっきスルーしたけどイノリちゃん9つぞ!?」

 

「だから向き不向き測るためのチュートリアルだっつってんだろ。ステータスだけで人間知れたら世話ねぇわ。つうか言ってるお前はおいくつよ」

 

「14ですぅ!(半ギレ」

 

 

 ギルドの外から響いた遣り取りに、方々が反応していた。

 「「「「え!? 合法!!!?」」」」

 

「おいこらクソどもー、法上アリでも見た目のアレに手を出したら捥ぎるかんねー」

 

 

 ナニをですかお姉さん(震え。




少年漫画風プロット、どこ…?(プロット通り続けられるとは確約できない
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