炎の中のウマ娘に転生したオリ主は新たな物語の一部となる 作:心にグサッとぐっさん
1.私自身がアニメの視聴が不完全だから。
2.こっちの方がある程度自由が利くから。
大変シンプルな理由ですがアニメの設定が欲しいと考えたらちょっと入れると思います。まぁ公式も“未来のレース結果はまだ誰にもわからない”って言ってるので
あくまで二次創作の域を出ることのない作品です。解釈の違いがあるかもしれませんし、見てて不快になる表現があるかもしれません。それでもよろしければぜひ楽しんでください。
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...痛い。
...息ができない。
何だ? 僕は今どこに居るんだ?
何で、何でこんなにも
「熱いんだ?」
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〈目覚め〉
瞼の上から顔をしかめたくなるような光が差し込んでいる。ゆっくりと目を開ける
真っ白で真っ白で小綺麗な天井、薬臭い布団とベッド
「ここは、....ッ?!」
声を出して驚いた。
声が高い。
「え?」
聞きなれない高い声が自分の喉から聞こえる。おかしい、自分は今どうなっているんだ? 言葉にできない違和感の正体が知りたい。
鏡、鏡は無いか?
辺りを見回す
あった。壁にかかった鏡がある。自分の顔を見に行く為にベッドから足を下す。地面に付いた足を進めようと前に動かすとそのまま前のめりに倒れてしまった。
『ガシャン!』
派手に音を立てながら柱が倒れる。どうやら点滴が付いていたらしい。起き上がろうと腕に力を入れる。動かない。起き上がれない。なんだ? 何があったんだ? 全てが理解できないまま地面に突っ伏しているとガラリと音がする。
「どうかしましたか? って?! キャー!! 何してるんですか?!」
慌てて駆け寄って起してれくたその人に口の動くままにまくしたてた。
「あの……鏡が見たくて、立ち上がったら体が動かなくてそれで、ここって病院ですよね? 貴女は誰ですか?」
焦って口から出た言葉は彼女に僕自身の混乱を伝えるには十分だったようで肩を貸しながら教えてくれた。
「はい。ここは県立病院ですよ。そして私は佐藤、看護師ですよ」
ベッドに腰を下ろすのを確認すると
「驚かないでくださいね。結構深い傷なので完全に消えるにはかなりの時間が掛かるんです。それでも今の技術なら治るまでの時間は格段に短くなりますよ」
そう言って渡された手鏡の中には見たことのない女の、
【ウマ娘の顔が視線を合わせてきていた】
「誰だこいつ?」
思わず呟いてしまった。
だっていつも見ている顔とは全く違う。そもそもウマ娘なんてアニメとゲームの存在だ。この世にいるわけがないんだ。だが手鏡の中には明らかに人間ではない耳を頭部に着けた若いというか幼くも見える少女だ。訳が分からない。
「え??」
耳が自身の意思とは関係なくそしてせわしなく音のする方へ向く。
「え?? 、え??」
あまりの混乱に言葉が出ない呼吸が出来ない。何これ、なんだこれ、誰これ。終わらない疑問はスっと背中に当たる柔らかな暖かさで止まった。先ほどから側に居てくれた佐藤さんが背中をゆっくりと撫でてくれている。頻りに
「大丈夫だよ。落ち着いて」
そう声をかけてくれている。
「……ありがとう」
ふいに出た言葉に彼女はその手を止めた。
「先生を呼んできますね」
微笑んだ顔でそう言って、また私は一人になってしまった。もう一度手鏡を覗く。先ほどは自身がウマ娘になっていることに驚き気にしなかったが火傷の跡が酷い。ガーゼの下から血とは違う赤茶色の液体が染み出いて痛々しい。気にし始めると患部がどんどん痛くなってきた。そんな風に考えていると再び扉が開き初老の男性と、佐藤さんが入って来た。
「目が覚めてよかったです。私は貴女の治療をしました田中です」
そう言ってネームプレートを見せてくれた。
「貴女は丁度二週間前に起きた大火災で救助されたんです。覚えていますか?」
知らない話だ。でもこの火傷はそこでできたのかと理解したそして田中医師の目を見て首を横に振る。すると彼は渋い顔をしながら続けた
「そうですか。貴女はその火災で唯一の生き残りなんです。何か知っているなら是非教えてほしいですよ」
そうは言うが僕は一番大事なものだって知らないのだ。
「あの、私の名前って何ですか?」
それは至極当然の質問のつもりだった。僕が僕の顔を知らない様に僕はこの顔の名前を知らないのだ。
すると彼は先ほどとは違う声色になり
「名前も覚えてないの? 覚えてることは何もないの?」
覚えていないというか
「何も分からないです」
そのあと田中医師は頭をかいて出て行ってしまった。
残った佐藤さんが色々と教えてくれた。僕が生きるか死ぬかの瀬戸際だったこと。火災の犠牲者はわかるだけでも二百人を超える歴史的な悲劇だったこと。僕が自分の名前を知らないと僕の身元は分からないままだということ。
「誰も私のことを知らないの?」
素直な疑問だった。
でも佐藤さんは苦虫を嚙み潰したような顔をして申し訳なさそうに口を開いた。
「警察もあなたの身元を調べたんだけど情報は何もなかったみたいなの。おそらくあなたの家族も火災で....」
つまり僕のことを知っている人はもうこの世に一人もいないかもしれない。記憶のない僕が言葉にするのは簡単だ。でも、やはり少し来るものがあるな。
「ごめんなさい。嫌な話をしてしまったわね」
「気にしてないです。今の私からしたら例え死んだのが家族でもそれは
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それからは早かった。体を動かすリハビリをし、退院の準備も進みつつ警察への事情聴取も執り行われた。その後警察の紹介で病院から少し離れてしまうが希望に沿ったいい施設も見つかり新しい宿も見つかった。と思ったが、警察に
「あなたの名前はどうしますか?」
と聞かれ固まってしまった。考えてなかった。どうしよう、
「アフィアスターター……うん。私の名前は今からアフィアスターターです」
そう考えていると後ろから田中先生が来て言った
「ではアフィアスターターさん。退院の日が近づいて来たので色々と手続きをしましょうか」
次の週僕は無事退院をし、新しい家に住み始めた。
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『アキレア』この施設に来てからもう半年が経った。此処の生活はかなり快適だ。衣食住は勿論掃除も洗濯も施設で見てくれるのだからこちらも伸び伸びと過ごせるというものだ。
僕がこの施設に決めたのはこれもあるが決め手になったのは別のことだ。
なんとここは外で働くのも何日も開けて外出するのもがOKというかなり放任的なのだ。悪く言えば非干渉的なのだがそれもあって施設の全員のことは把握していない。
だがお陰でフルタイムで働いて貯金もできるようになった。
最初のうちは目立つ火傷の跡に仕事でほとんど居ない変人とあってかなり怖がられた。それでもウマ娘の居住者は珍しいらしく話しかけてもらえる機会も増えつつあった。
子供と呼ぶほど幼い子は居ないがそれでも明らかに年下の奴らは僕を姉のように慕ってくれる。
それでもやっぱり困るのは
「フィア姉はやっぱり走るの? レースとか出たいの?」
弟妹達の純粋な質問、こればっかりは簡単に答えられない。何故なら僕には人間の記憶があるから気安く走るとは言えない。全力で走るウマ娘の速さは自動車[約70m/h]とほとんど変わらない速さだ。それ故に道を歩くとウマ娘の速度規制に走るウマ娘専用の道を見ることができる。ウマ娘が日常に溶け込んでいる反面周りから凶器と認識されるほどの速さで走るのは少なからず恐怖がある。だから僕は
「走らないかな。足のケガもまだ痛いし」
いつも走ることには否定的だった。
─────────────────それから───────────────────
私が『アキレア』で暮らし始めてが二年経った三月。火傷の跡は消えなかったが周りも気にせずに接してくれ退屈しなかった。そして先達の多くは自分の道を見つけ、追うためにここから離れていった。かく言う私もそれなりに貯まってきたのでボチボチ『自立』を意識し始めた。そんな中定期健診で
「もう大丈夫だね」
そう言って田中先生は笑顔で私の顔を見る。
「大きくなったね。もう身長抜かれちゃったよ」
優しく頭をなでる先生は少し寂しそうに
「では予定通り今回の通院が最後でいいでしょう。お疲れ様でした」
よかったよかったと涙声で言いながら頭をぐしゃぐしにゃされた。
そのあと私は私の状況を理解し、親のように可愛がってくれた先生にお礼に何か贈り物をしようと思い考えを巡らせると立派で大きな施設が見えてきた。
『日本ウマ娘トレーニングセンター学園』通称トレセン学園。ここはこの世界の主役の集う場所。私とは縁のない遠い世界。そんな風に思っていると
ピーンポーンパーンポーン「○○さんルドルフ会長がお呼びです。至急生徒会室へお願いします」
シンボリルドルフ。競馬に興味がなくても聞いたことのあるほどの名馬の名前が呼ばれた。
「凄いな。やっぱり次元が違うわ」
独り言を零すと贈り物を探しにこの辺で一番大きなショッピングモールへと向かった。
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「多分消耗品の方がいいよね」
そんな独り言をつぶやきながら贈り物用の食べ物のエリアをぐるぐると廻る。
「高い物を送ればシンプルに感謝の気持ちは伝わるよね。でも日持ちするのを送ったほうが助かるかなぁ、いっそのこと高めのお菓子にして、うーん食べ物以外も見てみる?」
そんな風に唸っているとふと目に入ったものが視線を釘付けにしてきた。
「『トレセングッズ販売』....許可とってんのか?これ?」
でもいいものを見つけた。これを今度お菓子と一緒に送ろう。そう思って『トレセン学園秋川理事長風二字熟語湯吞【感謝】』を買った。
安くない買い物だった。綺麗に梱包された湯吞と一番人気と書かれた高いクッキー人数に合わせてこれだけで二万円飛んだのだから笑えない。どちらも割れないように抱えて帰路につく。すると強い風が吹いたと同時に誰かから突き飛ばされ目の前にある街灯にぶつかった。ゴシャっと嫌な音がして紙袋の中を見るとクッキーの箱が潰れている。ショックを受けていると後ろで「ひったくりだ!」と男の大きな声がする。振り返るとおばあさんが倒れていた。私を突き飛ばしたのはおばあさんでありひったくりなのだと理解するとプチンと何かが切れる音がして私は考えるより先に脚が動く。
「待てやこの野郎!」
怒りながら足を動かし、力に任せて小さくなった黒いバイクを追いかける。
「haあ"あ"あ"あ"あああぁぁぁあああああ!!」
加速が止まらない。周りの景色が風のように通り過ぎ
加速、加速、加速! 交通規制で少し込み始めバイクもスピードを落とす。
捉えた。もうナンバープレートも見える。
だが渋滞は進みバイク一台程の隙間も生まれる。私は再度出発させまいと思い切り踏み込みバイクに向かって蹴りかかる。
「待てって言ったよなぁあ"!!」
バーン! と凄まじい音を立てバイクが吹っ飛び乗っていたフルフェイスマスクの男は振り落とされた。男は地面に落とした腰を引きずりながら逃げようとする。潔の悪さにイライラし一言文句言ってやろうと胸ぐらをつかみ
「ハァ、ハァ……。おい! てめえクッキー弁償しろよ!」
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警察署にて
「それで? 君は制限速度の倍以上の速度でひったくり犯を5kmも追いかけて挙句の果てに勢いそのまま飛び蹴りをかましたと、そういうわけだね?」
めんどくさそうに書類に目を通す警察官に睨まれながら質問される。
「はい、ひったくりと聞いて咄嗟に捕まえようと思いまして、それと、そのぉ、速度については夢中だったので覚えてないです」
噓偽りない本当のことを話すと
「あのねぇ君、今回はたまたま犯人が常習犯で持ち物から凶器が見つかったし、被害者のおばあさんやその家族からの証言があって温情をかけてほしいと一声貰っているからこうして事情聴取だけで済んでるけど相手は人間で君はウマ娘だ。運良く犯人の怪我は命にかかわるものじゃなかったけど。それでも腰の骨にひびが入っている。簡単に言うと重症だ。そのことは忘れないように」
しっかりと釘を刺されてしまった。だが一応アフィアスターターという名前は色んな意味で有名だったらしくかなり甘い対応だったのだろう。荷物は帰ってきたがクッキーの四割は粉々になってしまった。買いなおしに行こうにももう辺りは真っ暗になっている。
「流石にさっきの今で終電回避のために走るのもあれだな。タクシー代とビジホに一泊どっちが安いかな」
そうぼやいていると
「君がバイクのひったくりを走って止めたウマ娘かい?」
小綺麗な恰好をした男に声をかけられた。
「ナンパとかなら一歩下がっておまわりさんに助けを求めるけど」
怪しすぎるので睨みつけると男は
「違う違う。私はこういうものです」
と慌てながら蹄鉄のロゴの入ったバッジを見せてきた。
「何これ弁護士バッジ?」
そう言うと目を開いて驚かれた
「これ知らない? えーとね僕はトレセン学園に勤務しているトレーナーなんだよ。君の走りは一部だけ見させてもらったよ。少し話がしたいんだ。いいかな? こんな時間だからね、勿論ご飯も奢るし送ってあげよう。それに理事長にも今回の件で君は悪くないと伝えておこう。どうかな?」
「いいけど私は学生じゃないよ」
そう言うとトレーナーはもっと驚き口を開けたまま固まってしまった。
「奢らなくていいけど送ってよ。タクシーに金払いたくないんだ。移動中に色々と答えてやるから頼むよ」
そう言ってそいつの背中をポンと叩くと彼は我に返った。
「待ってくれ。じゃあどんなトレーニングをしたんだ? バイクに追いつく速さもそうだけどあの距離を減速なしで走り抜けるなんてトゥインクルシリーズを目指している子にもそういないぞ?」
すごい早口で聞かれたのでたじろいでしまったがすごい熱量だ。レース自体走るつもりはないが、ちょっと面白そうなので話してみたいと思った。
「早く送ってよ。家に着くまでならなんでも答えてあげるって言ってるでしょ?」
そうして彼は走って出ていくと小洒落た車に乗って戻ってきた。それに乗り込む。するとアクセルを踏むと同時に質問の嵐になった。流石に記憶がないことは言えないのでふんわりと噓ではない話を盛り込み可能な限り答えた。彼は火傷のことなどは触れなかったし施設生活などを話すと一言「そうか」と、それ以降は触れてこなかった。
「あんたのことも教えてくれよ。名乗ってもないだろ?」
そういうと色々と教えてくれた。彼は金城、去年からトレーナーになったピカピカの新人さんだった。今はサブトレーナーとして研鑽をしているとのことだった。それと私の走りを一部見たというのは噓で最初に「ひったくりだ!」と叫んだとのはこいつだった。つまり
「お前は最初から最後まで全部見てたわけだ。やっぱ引き返して警察にストーカーの相談するわ戻ってよ」
「待ってくれよトレーナーの性なんだ。ウマ娘を見たら観察せずにはいられなし走り出したら追ってしまうんだよ」
冗談のつもりだったが割と本気で謝罪された。
「冗談だよ。お前詐欺とか気を付けろよ。っともうそろそろだな、そこ左曲がると早いから」
アキレアはもう消灯していた。
「ありがとう。あんたもトレーナー業頑張れよ金城さん」
礼を言うと
「なあ。最後に聞かせてくれ! 初めて全速力で走った感想を」
「そうだな、怒ってたから全然覚えてない。……けどもう少し加速できるとは思ったかな」
少し沈黙し身をひるがえそうとすると
「なあ、アフィアスターター! やっぱり俺はお前をスカウトしたいんだ。もしトレセンに来られるなら俺のスカウトを受けてくれないか?」
「受験しないよ?」
「それでも俺はお前とてっぺんを取りたい! 何とかするから。トレセンに入れるようにして見せるから!」
「そうだね。もしもその滅茶苦茶な発言が実現したら一緒に目指してもいいよ」
適当にあしらうと彼も車を発進させ見えなくなった。
面白いやつだったな。
「トゥインクルシリーズねぇ」
まだ強い寒さの残る夜の闇にそんな独り言と白い息が溶けて消えていった。
序章に当たるこのクソ長い怪文書を最後まで読んでいただきありがとうございます。
え? 全部読んでない? まあ別にいいです。開いてくれただけでも万々歳なので気にはしません。
今後は少しずつかもしくはハイペースで既存のウマ娘が登場します。育成経験のある娘が主にかかわると思うので自分の推してる娘が出なくても「あwこいつ○○持ってねぇんだ」と鼻で笑ってください。どうしても出したい場合はアニメとアプリストーリーの記憶を持ったキメラが生まれるかもしれません。
と、タッカーな発言を最後に後書きとさせて頂きます。
ではサヨウナラ