THE・MARGARET (ザ・マーガレット)   作:しゅみタロス

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CHAPTER1 剣聖女王(ロード・クイーン)

 

2019年 2月 アメリカ ロサンゼルス 名倉エンタープライズ本社。

 

バタバタバタバタバタ

 

足並みを揃え、資料を手に群がる情報部の人間。私はその横を決して離れることなくついていく。

 

情報員1「社長、今期のPS4におけるフェアリーズストーリー2リマスターの売り上げのデータです」

 

資料を手に取るとその男、名倉マーク社長がそれを確認する。

 

名倉「上出来だ、やはりイーグルジャンプはやってくれる。海外展開も予測通りだ」

情報員2「社長、現在わが社で開発中のゲームの進捗です」

名倉「成程、ここまで出来れば十分だ。後で開発室に向かう、テストプレイの準備をしてくれ。俺が確認し、修正部分はメールでまとめて送っておく」

 

一通り社長が資料を見るとそれを返す、そして情報員2人に伝えた。

 

名倉「そこの2人、メイクで誤魔化しても顔で疲れてるのがバレバレだぞ」

情報員1・2「ええッ!!」

 

社長はため息をつくと二人に近付く。

 

名倉「会社の為に大いに貢献してくれるのは結構だが自分の生活をないがしろにしていたら何れ自分が楽しむことを忘れちまう。俺はそんな事を強いるためにお前たちを雇ったわけじゃねぇ、

 

会社の為だ、今日は帰って休め」

情報員1・2「社長、ありがとうございます」

 

私は知っている、ここまで見てくれた通り、社長は良い人なのだ……

 

名倉「マーガレット、この後予定は?」

マーガレット「いえ、私は特にありませんが……」

名倉「それなら、頼みたい仕事がある。

 

来週提出するSE社のファイナルファンタジー14オンラインの開発スタッフの派遣書類纏めといてくれ」

マーガレット「ええ!?それ人事部の仕事ですよね!!」

名倉「すまんな、アメリカのM社からの圧力があってな。マーガレットにやって欲しいと言われてるんだよ」

マーガレット「何故私に……」

名倉「M社が言ってたぜ、

 

剣聖女王(ロード・クイーン)のファンだってさ」

マーガレット「ああ、そういう事でしたか……」

 

すると社長はスマホをタップする。

 

名倉「よし、これで俺も今日は退勤だ」

マーガレット「ちょっ、何しれっと退勤ボタン押してるんですか!!」

名倉「実は以前買ったロボティクスノーツ・ダッシュがまだ未開封でな、これからスイッチの携帯モードでじっくり遊ぶつもりだ」

マーガレット「全く、社長としてノリが軽すぎるんですよ」

名倉「まあ、期待してるからマーガレットに頼んでるんだがな。まあ、後はマーガレットの好きにすればいいさ」

 

そう言うと社長は鍵を手に会社を出ると白のランボルギーニに乗って去っていく。

 

私は一人、誰もいない会社の中で寂しく仕事を続けることにした。

 

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

パソコンに向かうとそこには会社のデーターベースに登録された何人ものゲーム開発者たちの名前、大手ゲーム会社で活躍し、この名倉エンタープライズに草鞋を脱いでいる凄腕たちである。

 

マーガレット「誰を送れってんのよ、このメンツ」

 

見るだけで豪華メンバーが揃っている、この中で一人SE社に送り込む人間ともなれば話が必要だ。

 

私はSE社にメッセージを入れるとパソコンを閉じ、夜の街へと紛れるのだった。

 

 

ここで少しだけ、私の事について話そうと思う。

 

私はマーガレット・ナスタ―シャ23歳、ロシア系アメリカ人。1年前まで大手電機企業のアメリカ支部で技術者をやっていた。大手電機企業とはかつて大学時代に傘下のプロゲーマーとして活躍し、アメリカで大人気のEスポーツ番組、モンスターゲームTVにてソウルキャリバー5で不敗神話を打ち立てた、故に剣聖女王(ロード・クイーン)と言う二つ名でゲーマー界隈で有名になっている。それをきっかけに私は大手電機企業にスカウトされて入社した、現在は名倉エンタープライズの社長秘書に抜擢され、名倉マーク社長の下で行動している。

 

カラン

 

とあるバーに着くと私はジャパニーズ製のビールを頼む、日々の仕事の都合上酒は結構飲むタイプだ。

 

店主「今日も仕事はハードだったか?」

マーガレット「ええ、この後家に帰ってネット配信のソードアート・オンライン見るつもり」

店主「相変わらず嬢ちゃん日本のアニメ好きだねぇ」

マーガレット「ヲタクの生きがいって奴よ」

 

私は常に日本のヲタクカルチャーに敏感だ、アメリカにはない文化、メイド喫茶・コスプレ・アキバ・中古屋。どれもそそられるものばかりだ。自らそれらに憧れ、今となっては日本に行き、ヲタクの沼に浸かる事が私の仕事の原動力になっている。

 

マーガレット「出張かなんかでもいいから日本に行けたらなぁ……」

七海「苦労されてるんですね、マーガレット先輩」

マーガレット「ふ、フレディ!!」

マーガレット「お久しぶりです」

 

突然現れたこの男、名倉マーク社長とは長い付き合いの男、藤原フレデリカ七海、私はフレディと呼んでいる。ずっと日本にいると思ったらいつの間にか帰って来ていたらしい。

 

マーガレット「帰って来るなら連絡しなさいよ、驚くじゃない」

七海「すみません、この後また3日後には日本に戻らないといけないので」

マーガレット「じゃあ、何をしにロサンゼルスに戻って来たのよ」

七海「ちょっと調べたい事があるんだ」

 

フレディはタブレットを取り出し、私に何かを見せた。

 

マーガレット「これは……」

七海「M社が以前に話し合っていた次世代型Xボックスで開発されているゲーム、プロジェクトストリングスのデータです。アンリアルエンジン公式からリークされた模様です」

マーガレット「開発場所は……BN社?鉄拳やテイルズオブシリーズの会社じゃない?」

 

フレディは答えた。

 

七海「このゲームの真相を突き止めたいんだ、じゃなきゃ日本に良くない事が起こる。そう思うんだ……

 

協力してほしい」

 

 

 

その頃名倉は

 

名倉「さて、ルート分岐、どうしようっかな~」

 

リリリリリ

 

名倉「なんだ、M社から」

 

スマホに送られた資料、それを見た名倉はスイッチをスリープモードにする。

 

名倉は呟くのだった。

 

 

 

名倉「M社のやつ……本気で戦争を始めたいらしいな。日本のゲーム市場で……」

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