THE・MARGARET (ザ・マーガレット) 作:しゅみタロス
マーガレット「役員会議、唐突ですね?」
朝食中、社内の食堂でガーデンサラダを食べる私は社長の話を聞いていた。
社長はソーセージを挟んだタコスを齧る。
名倉「どうしても役員に伝えたい事がある、それにFF7もアメリカに帰っている今なら好都合だ。とまあ、この時点で察する通り完全に良くない話なんだが」
私自身もこの会社ではそうしたゲーム開発の方針はよく分かっている、利益の出る出ない以前に名倉マークによる技術とセンス、そして私情によって方針を変えるのもザラなのだから。
何故かって、その理由は今の私達の仕事にそれはある。
現在PS、Xボックス向けに開発中のFPS『ザ・ダーク・ジョー』。このゲームは去年の11月に開発がスタートし、ゲームの4割ほど完成しているがその一方で実際にプレイした社長により計30に渡る修正点と15に渡るシナリオ変更があり、クリエイターたちをかなり振り回している。その傍若無人さたるや元プロゲーマーとしてゲームの評価も他の追随を許さない的確な正論をぶちまけるなど人もルールも選ばない。だが社長になれたことも含めて彼には誰かを引きつけて止まない何かがあったりする。
名倉「まあ、とりあえず、あの二人を呼んどいてくれ」
マーガレット「わかりました、すぐに伝えます」
社長室
ローゼス「まさか、俺が呼ばれるとは、何か良くない事だろうな」
ローゼス・エリオ・センテンス、名倉エンタープライズ開発部長でアフリカ系アメリカ人の黒人である。 ピザが大好き。
夢萌「名倉社長のお誘いとは、どんな激しい事してくれるのかニャ~」
浜波アーデルト
七海「まあ、揃ったところで会議を始めましょう」
夢萌「ちょっと~、名倉君に折角呼ばれたのにパイタッチしないとかマジありえないんですけど~」
名倉「そんなにヤりたきゃ仕事しろ、幾らでも身体弄んでやるから」
夢萌「ハーイ、にゃかりました~♡」
とりあえず浜波さんは置いとくとしてまずは仕事に専念しましょう。
名倉「じゃあ、会議を始める。まず一番言いたい事として簡潔に話すと……
M社がBSD社と結託してXボックス向けにゲームを開発中らしい、
それも大型オープンワールドファンタジー、ジ・エルダー・スクロールズ6と言うタイトルをな」
ローゼス「ジ・エルダー・スクロールズ6だって!!超大型タイトルじゃないか!!」
マーガレット「M社があのゲームを……」
ジ・エルダースクロールズ。通称TES、アメリカのBSDが開発したPCゲームをルーツとし、当時としては制約がほとんどない何をやっても自由なオープンワールドアクションファンタジーの先駆的存在のゲームだった。BSDがM社の傘下企業になってからはそれが枝を広げて様々な大陸や王国を舞台に多くの設定が登場し、それらがゲームにより一層深みを与えている。
名倉「今のスイッチ黄金期の日本のゲーム市場はPS、Xボックスからしてみれば考えは単純だ、どのゲームでどの大型タイトルが遊べるか?今の市場はキャラクターコンテンツがモノを言い、大型タイトルを買収しなければ将来的にゲーム機の寿命を縮める事に繋がる。中でもゲーム大手のN社のマリオやポケモンの人気はこの娯楽の充実した今の世の中では一強だ。ゲーマー層のレベルが段違いだからな」
話を聞いたローゼスの額に汗が流れる。まるで何かを察したように。
ローゼス「もしかして……M社がTES6を出そうとしてるのって、スイッチにほぼ独占されてる日本のゲーム業界でN社や大手電機企業からゲーマー層を奪おうとしてるんじゃ……もしそうだったら……」
名倉「間違いなく、日本を舞台に大手メーカーによるゲーム開発戦争になるな。と言うか寧ろそうなるように挑発の意味でこの情報をリークした可能性すらある」
夢萌「そうなると全世界のゲームソフトメーカーから独占タイトル開発、ひいてはメーカーの買収によるゲームタイトルの自社コンテンツ化など色々な弊害も出て来るにゃ、M社が日本のゲームで何かしらのジャパンタイトルを開発している可能性も出てきたわけにゃ」
名倉「!!」
すると社長は何かに気付いたらしい、そんな顔をしている。
名倉「プロジェクトストリングス……」
七海「社長、今プロジェクトストリングスと言いましたか!!」
物凄い顔で詰め寄り、フレディは問い詰める。
七海「何か、知ってるんですか……」
名倉「まさかとは思うが……
Xボックス向けのジャパンタイトルがあるとすれば……BN社にはゴッドイーターシリーズやコードヴェインがある、日本でXボックスを売るならこのシリーズのようなアクションゲームを念頭に置いているはずだ」
ローゼス「つまり、BN社製のアクションゲームって事か?」
七海「少し調べる必要がありそうですね」
名倉はフレディの肩を叩いた。
名倉「お前に任せる、M社の開発部に行け」