「う〜ん、暗視でも出来るのかな?そういえば、全身を線のようにしていたし、目も良く分かってないなぁ。スライムでもこんな思考出来るし、強い化け物とかいそう。というか俺自身も化け物のうちに入るんだけどさ」
夢だという考えと異世界じゃないかという考えが混ざり合い、不安が募るばかりだった。
「あれ?そういえば、思考が纏めやすいし、呂律悪かったのに」
体感時間では二日ほどが経った気がする。その間は、小動物を食べて飢餓感を抑えていた。成果はその間に人間と出会い、スライムは分体を作れることが分かった。しかも、多少は俺の言うことを聞いてくれる。
「さぁて、次は何が出てくるかなあ」
成雪は完全に冒険をしている気分だった。おそらく、夢かどうかなんてもうどうでも良くなったんだろう。それほど、飢餓感が強く、襲われるのが怖かった。
ガサガサと誰かが草むらを通る音がする。
「………スライムだぁ。はなさツウじる?つうじないならワタシがたべちゃうけどねぇ」
初めて聞いた言葉は、スライムのものだった。何体かのスライムと会話を試みたがこんなところで喋れるスライムと出会えるなんて、ラッキーだ。
「あぁ、話は通じるぞ」
「そおぉ、わたしクルルって名前ね。チシキのあるぅ、スライムしか入れないムラくる?」
「行きたい。寂しかったからな。ちなみに俺は成雪だ」
「そう、ナリユキぃ、なら、こっちきてねぇ」
手慣れているのかどんどんと木々が生い茂っている森のところまで来てしまった。
「そういえばぁ、アナタなんさい?」
「俺は、スライムになってから二日くらいかな」
「すごいわねぇ。ワタシが14さいくらいなのにぃ。それじゃあ、『技巧表示』はシってる?」
「知らない」
そう成雪が答えると嬉しそうに笑った後に詳細について話だした。どうやら、ステータスは見えないが天から認められると貰える‘‘技巧’’に関しては分かるらしい。
「技巧表示!」
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ノーマル
『暗視』「1」 『物理耐性』「3」
ユニーク
無し
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「意外としょぼいな。暗視と物理耐性だけだ」
「あんがい、フツウねぇ。あ、ついたわよ」
スライムは触手で指差すが、あるのは二本の少し大きな何かの力を纏った木だけだった。スライムが中に入っていくので、成雪が着いていく。
何か変なものを通った感触があった。
不意にスライムになってから一度も無かった睡眠欲を感じて寝てしまった。
「そういえばぁ、長ロぉにミトめられないと、マジュツをかけられるんだった。ま、ハコベばいいかしらァ」
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―――ここに来た時みたいな不思議な感覚だ。端から消えていくのに芯は消えずにぷかぷかと暖かい海を泳いでいるみたいだ。
正直、このままでいたい。ただ、夢なんだからいい加減目を覚まさないと………。
急に無いはずの四肢に痛みを感じた。
「幻肢、痛……」
「やぁ、目が覚めたようだね」
目の前に広がるのは木の天井?だった。周囲を見ると話かけていたのは成雪の三倍ほどの大きさのスライムだ。
「こんにちは、それでここはどこでしょうか。それに貴方は誰でしょうか。クルルさんといたんですが」
「クルルはもう家に帰りましたよ。これからは長老であるツェルトが貴方を見ていきましょう。能力値を調べるために手、というか触手を出してください」
「わ、分かりました」
触手と触手重ね合わせると体の内側から調べ上げられるようなとてつもない不快感を感じた。長老がすぐに触手を離して、それについて話していく。
「貴方は知力以外は能力値が1桁ですね。まぁ、生まれて二日だけならばそのくらいでしょう」
「ちなみに知力何桁ですか?後、能力値ってそんな変わるもんですかね?」
「知力は2桁ですね。能力値は変わりますよ。魔物は長寿な者ほど能力が上がります。知力が高いので、スライムの里への交通証をお渡しします。そうすれば、もう眠くならないはずです」
五つの花が少しズレながら重なっているものを渡してもらった。