『で、本題なんだが…ついに囚人十二人が確保できたぞ!』
「マジで⁉」
俺は今、久しぶりにウォルターパークで社畜ってる父さんと電話をしていた。
ようやく…ようやくだ。やっとペスト医師の進化ができる。
『ああ。ウォルターパークとは違う伝手で手に入れたんだが、どうせ死刑だから自由にしろ。だが最後には殺せ。だそうだ!』
『儀式に使うなら死ぬし、問題ないよな!』
「うん。とりあえず…明後日でいい?明後日休日だし、その時魔官署に母さんの弁当持っていくよ」
『いや、魔官署じゃないんだ』
ヴェ!?ナンデ!?
『カルエゴ卿が、「拷問も終わったからやる」と言っていたもんでな。魔官署の拷問所からそのまま引き渡し、その場で儀式を行ってもらうそうだ。二次被害が出ないように、離れた場所でやると言っていた』
で?その肝心な場所は?
『それは…』
ゴクリ
『魔霧の森』
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!」
『うわっ!うるさッ!』
ハァァァァァァァァァァァーーーーーーーー!?!?なんで?なんで魔霧の森なの?
『まぁキンザ、魔霧の森苦手だもんなぁ』
『まあいいか。あっあと、今まで俺が話してきた魔霧の森のエピソード全部嘘だから!』
「ブチ殺すゾクソ親父ィィィィーーーー!!!!」
『怖い怖いwじゃぁなー!』
プツッ!ツー、ツー、ツー…
…電話切りやがった…
「ハァ…」
まぁ、父さんがああなのは昔からだし。ウソってわかったからもう魔霧の森も怖くないし、明後日行くかぁー…
そう思いながら、俺は「ピッ」と電気を消して、眠りにつくのだった。
<><><><><><>
翌々日、俺はさっそく魔霧の森へと来ていた。
「よっ。父さん」
「おー!来たな!こちらが【ナベリウス・ナルニア】卿だ。失礼のないようにな」
「………」
ナベリウス卿は無言でそのまま立っている。
「いやー、スイマセンね。あんま話さないたちで」
「で、こちらが付き添いの【フェンリル】さん」
フェンリルッ⁉
「えーっと…確かフェンリルって神殺しをなした神獣の名だったと思うんですが…」
「お、よく勉強してますね。それは本当で、そのフェンリルに近しい家系なので【フェンリル】を名乗ってるんです」
マジカ。すごいなぁー。
「よし、キンザ。本題の十二人の引き渡しだが…」
そこまで言うと、ナルニア卿が「パチンッ」と指を鳴らし、それと同時に石造りの建造物が現れる。
「こっちだそうだ」
そのまま引き連れられ、十二人の前へと出される。
「ヒッ、ヒィィーーッ!ご、拷問はもうやめてくれッ!」
「助ッ、助けてッ!」
「アハハハハハハハハ!!」
「もうだめだぁおしまいだぁ…」
…可哀そうに。壊れたんだな。ま、いっか。【L社】じゃ日常のことだ。
「さて、あなたたちは、神に祈ることができますか?」
俺が話しかければ、囚人たちは体をビクゥッ!と反応させ、静かに俺の方を向いてくる。
そして、腹を裂いてから【ペスト医師】に出てきてもらい、
「神に祈りなさい。さすればあなたたちは、報われるでしょう」
そして、その言葉を聞いて自主的に。もしくは、ペスト医師の【魅了】により強制的に、十二人が首を垂れる。
「祈るのならば、赦しましょう」
十二人にギフトが与えられ、
「これが…これこそが…」
全員にギフトが付与されたのを確認してから、俺もペスト医師に向かって祈りをささげる。
「お、おいキンz「これも儀式に必要なことです。邪魔しないで」…わかった」
そして、ペスト医師は変質を始める。
「祝福です」
…俺には仮面が与えられ、囚人十二人は、異形へと変化した。
「「「「「「「「「「「「グギュルグアアアァァァァァァアアァァァァアァァアーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」」」」」」」」」
その咆哮に、魔官署の二人がとっさに戦闘態勢をとる。
「ああ、大丈夫ですよ…白夜。止めてくれるか?」
《[エエ。もちろん]》
そして、十二人の【使徒】が一瞬にして消滅する。
「じゃ、この中戻ってくれ。あとで会いに行く」
《[分かりました…では、お待ちしています]》
そう言い残し、白夜は腹に入っていく。
「はい。終わりました」
俺は、呆然としている三人に向かってそういうのだった。
カウント・ザ・アブノーマリティ!
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