ソードアート・オンライン ~双角の鬼人~   作:句読仮名丸

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初投稿です。対戦よろしくお願いします。


Aincrad
プロローグ -Welcome-


2022年 11月6日 午後12時50分

 都内某所、ある一軒家にて電話越しに話す2人の男女がいた。

 

 

『あと10分……あと10分だよ天音(あまね)ぇ……』

「落ち着け(みこと)。声震えてんぞ」

 

 

ブルブルと電話越しにも分かるほどに震えた声を出す少女。それに対し冷静に返す少年。

なぜ、少女がこれ程までに興奮してるのかと言うと……

 

『だ、だってぇ!あと10分で始まっちゃんうだよ!待ちに待った《SAO》』が!!』

「分かってる、分かってるから落ち着けって!声デケェって!」

 

そう、《ソードアート・オンライン》…縮めて《SAO》の正式サービス開始がもう目と鼻の先なのである。

 

『もうなんでそんな落ち着いてられるのかな!?わたしは今にもこの興奮が溢れ出しそうなのに!』

「オレはβテストん時に1回入ってるからな。その感覚は1ヶ月前に体験済みだ」

『嫌味か?』

「んなわけないじゃないですかヤダー」

 

 少女──左波尊(さなみみこと)の1オクターブ低くなった声に、先程の彼女以上に震えた声で少年──右京天音(うきょうあまね)は弁解する。

 

 《ソードアート・オンライン》は、世界初となるフルダイブ型のVRMMORPGである。初回ロットが国内で1万本しかないにも関わらず即時完売。その話題性から、公開から今日に至るまで、半ばしつこいほどにメディアに取り上げられてきた。普段ゲームをやらない者ですら、名前を聞いた事がある程である。

 

 『フルダイブ』とは、仮想現実と五感を接続することで、映像や音声を感じるだけでなく、意識全体が仮想世界に入り込める技術……もっと簡単に言ってしまえば、ゲームの世界に飛び込んで自ら体を動かしてゲームをプレイできるのである。

 

 その時代をいくつか飛ばしたんじゃないかと疑いたくなるような技術を目の当たりにしているのだ。尊でなくとも、ゲーマーであれば喉から千手が出るほど欲しいであろう。

 

「ま、まあ何にせよ、良かったじゃんか。あんだけやりたがってたSAOを、初日だけとは言えプレイできるんだからさ」

『ホンットーに、譲ってくれたお父さんには感謝。帰ってきたら感想を1番に伝えたげる』

「それ半分嫌がらせじゃね?」

 

 軽口を叩き合いながら、何とか長い長い10分を乗り越えようとする2人。尊はともかく、天音も平静を装いながらも楽しみでしょうがないのだ。

 

 SAOを購入した1万名のうち、その中でも抽選で選ばれた僅か1000名しか参加できないβテストの権利を掴み取り、天音は尊よりも一足早くあの世界に足を踏み入れていた。

(あの世界をもう一度、しかももっと長く楽しめるなんて……あ~、オレも尊のこととやかく言えないな)

 そうして、サービス開始1分前。

 

「よし、じゃあ最終確認だ」

『イエッサー』

「時間」『よし』

「アバター」『作成済み』

「集合場所」『中央の噴水前ね』

「心の準備は?」

『ばっちオッケー!!』

 

「うっし、じゃああっちでな」

『うん!ばいばーい!』

 

 通話を終え携帯をベッドの側に置き、その隣からヘルメットのようなヘッドセットを取り上げる。

《ナーヴギア》。あの剣の世界へのアクセス手段。

頭をすっぽりと覆うそれを被り、天音は異世界へと飛び込む魔法の言葉を唱えた。

 

 

 

「リンク・スタート!」

 

 

 

 色彩鮮やかな背景が駆け巡り、文字が現れる

 

 

    『Welcome to Sword Art Online!』

 

 

 少年の意識は、彼方の電子世界へと吸い込まれた。

 

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