あとオリ設定も含みます。
どちらもご注意ください。
……どれくらい泣いたんだろう。
すごく長かった気もするし、そんなに時間が経ってない気もする。こんなにに泣いたの、中一のあの時以来じゃないか。
思えば、ナギと会ってから1人でこんなに泣いたのは初めてだ。泣きたいくらい申し訳ない気持ちになる事は何度かあったけど、実際に涙が出たのは初だ。それくらい、皆の気持ちが伝わった、皆にとっては成功したはずなのに、それをこんな形にしてしまったと思うとまた自責の念が湧いてくる。
「……駄目だな、頭がネガティブになってる」
もうそろそろ戻らないといけないだろう。誰かが起きたら、心配させてしまう。幸い、この世界で泣いても涙の跡とか鼻水とかは出ないから、笑顔を作るだけでいいだろう。今すぐには上手く笑えないが。
「どこまで来ちゃったんだろ。早く帰らないと……」
「───どこにだい?」
座った姿勢から立ち上がろうとした時、すぐ目の前からその声がした。
心配するような、慰めるような───なのにひどく冷たくて感情の篭っていない気持ち悪い声が。
「─────!!」
わたしは咄嗟に体を後ろに倒し、足を大振りに振って目の前の敵を蹴ろうとした。しかし距離感を間違えたのか、そいつには当たらず足は空を切った。
そのまま飛び上がり、洞窟の出口の方へと移動した。
「ハァッ、ハァッ、ハッ……」
息が整わず、全身から嫌な汗が吹き出る。普段から察知系のスキルを全開にしているからこそ、いきなり目の前に現れた存在に恐怖していた。
その感情は、その存在を認識してより強くなった。血を頭から被ったような赤黒いポンチョのようなローブを被り、その背には槍が背負われている。
「……
「イエース!
名前を言われた男は、ニヤリと口を歪めて答えた。
◇◇◇
───こいつとは、以前1度だけ遭遇している。まだ
『ギャアアァァァァァ!!!』
そこで、聞いた。内蔵まで全て吐き出す勢いの、何かに怯え切った男の人の悲鳴を。
わたし達は急いでその叫びの主へ向かった。少し走った所にあったトラップ部屋らしき小さなフロアに、その元はいた。
『ん? あちゃー、見つかっちゃったか』
地面に転がり、泣き叫ぶ男を串刺しにしながら、くすんだ血の色のポンチョを被ったそいつはイタズラを見つかった子どもみたいに頭を搔いていた。
『やめろ!』
『やめろ?…… あーはいはい、そういう事ね』
ナギの怒鳴りに2Pはニヤリと笑い、刺していた槍を抜いた。そこでもまた男から悶える声がする。
わたしもナギも、その光景に違和感があった。SAOにおいて、アバターは傷つけられても痛みは感じない。《ペインアブソーバー》が設定されているからだ。おかけでプレイヤーはダメージを受けても、せいぜいが不快感を伴う痺れがあるくらいだ。
けれど、目の前の男は明らかに異常だった。死ぬかもしれない恐怖や、体に異物が入り込む感覚で叫ぶ人は何人か見てきたけど、ここまで過剰に叫んだりはしない。
そこまで考えて、凪が2Pに斬りかかろうとした時、2Pの槍が男の背中を切り裂いた。
『ガッ───』
『キヒッ』
男のHPはそこで尽き、体は砕け散った。最期に、時分を殺した男の気色悪い笑い声を聞きながら。
『お前っ……!』
『キミがやめろって言ったんじゃないか。お望み通り、ボクが彼にやってた事はやめたぜ?もっと喜びなよ』
おどけて笑うその姿を見て、ナギから奥歯を噛み締める音が聞こえた。わたしも、実力を見誤っていたらすぐにでも飛びかかりそうなほど怒りが湧いていた。
わたしとナギが動いたのは同時だった。いつものように、2人で左右から同時に標的の足を切り裂こうとした。しかし、ギリギリで身を翻して避けられた。
『Oh!はっやいねえ!』
そう言って軽い動きで着地する。さっきと立ち位置が逆転してしまった。相手の方が出口が近い。が、2Pは足ではなく口を動かしてきた。
『ねえ、何であの人があんなに叫んでたか、気になるんじゃないの?』
『別に。お前と話す時間も無駄だ』
『まあそう言うなよ。今から教えてあげるからさぁ』
頼んでもないのによく回る口だと、ナギが舌打ちする。何がそんなに可笑しいのか、2Pはとびきりに口角を上げながら話し出した。正直、今すぐにでも無力化したかったが、先の攻撃を避けられたことで力量差に気付いた。隙を狙うために、今は聞くしかない。
……そう思っていたが、すぐにその考えを放棄して斬りかかりたくなった。2Pの口から出た、おぞましい内容を聞いて。
『ウィンドウの下の方にさ、倫理コードってのがあるんだよ。知ってた?それ自体はさ、こっちの世界でヤる為に作られたみたいなもんだと思ってんだけど……あ、ヤるってのは、そういう事ね?』
そうわたしの方を見てニヤリと笑ったので、咄嗟に体が強ばってしまう。ナギがわたしを後ろの方に誘導して、より険しい表情になった。
『ククッ……話の続きね。まあ本来はヤる為に解除する倫理コードなんだけど……実は面白いのを見つけてさ。倫理コードを解除すると、基本設計のとこを色々弄れるようになるんだよ。本来はプレイヤーが変更できないところをさ』
倫理コードについては、そういうものがあるのだとナギから聞いている。まだわたし達は試した事ない……というか、わたしの方がそういうのをする勇気がないから、まだやってないけど。
『基本設計のずっと下の下の方にさ、あるんだよ───
『っ……、お前っ……!』
何をしたのか理解したナギが、怒りで声を震わせた。
『初めて気づいた時は震えたよ。最っ高の楽しみができたじゃん!ってさ。まず
遅れて、わたしも気付いてしまった。コイツの考えを、
『で、手をこっちで動かしてやって設定変更、ペインアブソーバーずんずんダウンさせると……』
コイツが、今までやってきたであろうことを、
『……ハイ!これで痛みに悶えるかわいそ~なオモチャの出来上がり!いや〜、我ながらコレを見つけた時は天才だと思ったよ。ねぇ、キミたちもそう思うだろう?』
───コイツは、野放しにはしておけないということを。わたしとナギは直感的に悟った。
絶対にこの場で討伐すべく、わたし達は2Pに駆けた。
その後2人がかりで戦ったが、のらりくらりと躱され、逃してしまった。
◇◇◇
息を整え目の前の存在を睨む。口元しか見えない程目深に被った姿に、野薔薇を思わせる毒々しい棘の付いた槍、数ヶ月前と何も変わらない。
「何しに来たの?悪いけどナギはいないよ」
「ボクが彼だけを狙ってると思ってる?キミのことも大好きなんだぜ?ボクは」
「なら、もう少しわたしに興味持ったら?その顔、わたしのこと見えてないでしょ、嘘つき」
「…………やっぱ嫌いだな、キミ。剣は軽過ぎて全然痛くないし、動きがすばしっこいだけで避けられるし。彼の方が何百倍も魅力的だ」
彼は笑みを解き、舌を出して「おえっ」と戯ける。
前の遭遇時も、コイツは何故かナギだけを執拗に攻撃しようとしてきた。2人で攻撃していたはずなのに、わたしにはほとんど一瞥もせずに。
「……でもね。嘘つきってのは、誰のことかなぁ?」
「この状況であなた以外いる?」
「
その言葉に、体がビクッと震えた。
「アッハ、図星じゃん」
「……わたしは、嘘なんかついてな…」
「はい、
まさかお気づきでない?と、口を手元にやってふざけるが、今はそれすらどうでもよかった。
わたしの頭には、『嘘つき』という言葉がずっと渦巻いていた。その言葉が、余りにもわたしの深くに刺さった。動揺して震えた声になりながらも、わたしは2Pに問いかけた。
その答えを、わたしはもう知っているのに。
「……何が、言いたいの」
「うーん……まあいっか。それじゃあ教えてあげる。キミさぁ………
─────愛してないだろ?
……
「わ、わたしは……」
「お、すぐに否定しないって事は、もしかして自覚あり?だとしたら、マジモンのクソ女だねぇ!!」
否定しない?違うだろう。わたしは否定出来なかったんだ。それが、紛れもない真実だったから。彼の言ったことに、嘘なんてなかったから。
なのに、わたしは理不尽にも感情の矛先を相手に向けた。
「っ!!」
「うぉっと、ハハッ!ヒステリックにも目覚めたかよ!」
「黙って!」
刀を抜き、2Pへと斬りかかった。やたらめったら、剣筋なんて何も考えず、ただ目の前の相手を殺すために。
「前会った時、最後に言わなかったっけ?キミよりボクの方が、彼に相応しいってさぁ!」
「黙って!!」
「嘘の皮をずっと貼り付けてる奴がさぁ!彼の隣で心にもねぇ笑顔浮かべてんの、気色悪くてしょうがないんだよお!」
「黙れ!!!」
2Pが攻撃をいなしながら口から出てくる事にも、わたしは声を荒げて遮ることしかできない。心の中では、気付いていたのかもしれない。
上段から振るった刀身を槍の柄で受け止められ、腹に重い蹴りを入れられた。体は洞窟入口の壁まで吹き飛び、衝撃で刀が手から落ちた。そこに麻痺効果が付与されたナイフを太ももに投げ刺され、動けなくなった。
「くぅ……」
「まあそれでも、
「……あ、あなたは……」
「え?なんて?聞こえなーい。もっと大きな声で言って、よ!」
「あぐっ!」
首を持ち上げられ、足がブランと垂れ下がる。「あなたは愛してなんかいない」と言おうとした口からは乾いた呻き声が漏れる。言ったとして、彼はどの口がと言うだろうが。
首を捕まれ絞められる感覚に、仮想世界にも関わらず呼吸が苦しくなる。その鈍い痛みの中で、霞む目が見た。
『来るなぁぁ!!』
『アンタなんか……!』
錯乱し、目の焦点が合わない男。泣きながら、こちらを睨みつける女性。2人がダブって見えた。
1つは、わたしを死の手前まで追いやった者。
もう1つは、わたしの奥深くで、今も尚わたしを縛る呪いをもたらした者。
どちらも、わたしに消えない傷を負わせた者。
「カッ……ハァ……」
「安心しなよ、まだ殺さないから。とりあえず足だけ落として、彼を呼ぶエサにしよう。キミに話しかけたのも、最初からそのためだしね」
2Pの声は、わたしには聞こえなかった。
幻の中の2人が、わたしに対して吐く恨み言しか聞こえなかった。逃げようとしても、手足が動かない。声も出せない。ただ、涙を流すことしか出来なかった。
やだ、やだ、やだ。
痛いのも、苦しいのも、怖いのも、もう経験する事なんて無いと思ってたのに。今更その感覚を思い出す。
わたしがナギを愛せてないから?わたしが、
昔のわたしなら、受け入れたかもしれない。仕方がない事だと。
なのに、今のわたしは。皆から愛されてるなんて思っちゃったから。自己肯定とか、一瞬でも考えてしまっていたから。ここで生きたいと思ってしまっている。
助けて貰う資格なんてない筈なのに、彼に……
(助けて………助けてよ……………ナギ……)
視界がゆっくりになる。そろそろ意識が途切れる。ぼんやりした頭の中で、わたしは助けを求めた。
───落ちていく瞼の隅に、赤い光が走った。
次の瞬間、わたしの首を掴んでいた2Pの右手が斬り飛ばされ、その体が吹き飛んだ。わたしの体は支えを失い落下していく途中、何かに優しく抱えられた。
「……え……?」
「……ククッ……クッハハハハハ!! やっぱり最高だよ!キミは!!」
回復結晶により、いつの間にかミリだったHPが回復し、視界が回復する。そして、今わたしを抱えている人を見た。
刀の刃のような髪色に、炎のような羽織を着た人。わたしを左手に抱えながら、右手の刀の切っ先を前方にいる敵を突きつけている。
その姿に、否応なく目から熱いものが流れてくる。
「あっ……」
「───ミコトに触れるな。クソ野郎」
◇◇◇
危なかった。間一髪だった。
あともう少し来るのが遅れていたらと思うと、背筋がヒヤリとする。手遅れになる前で良かった。
しかし、だとしてもオレの中は激情が荒れ狂っていた。ミコトを傷つけた、泣かせた目の前のクソ野郎に、耐え難い怒りが湧き上がってくる。
2Pは斬り落とされた右手の断面を見て、込み上げてくる笑いを抑えているようだった。
「何が可笑しいんだよ」
「ククッ、ああごめんごめん。久しぶりにキミに斬られて興奮しちゃってさ」
「気持ちわりぃんだよ、クソマゾが」
斬り口を撫でながらそう言う男に、心の底からの罵倒を投げる。それすら意に介してしないようだった。
コイツはPKの時、相手のペインアブソーバーの設定を弄る。本気で痛がり、苦しむ声を聞くために。真性のクソ野郎だ。
そしてさらに、コイツは自分のペインアブソーバーも常時下げている。前に戦った時も、オレが斬る度に顔を上気させていた。今思い出しても気持ち悪い。
人に痛みを与えるのも与えられるのも、コイツにとっては唯の楽しみで、娯楽でしかない。仮想世界で与えられる痛みは脳の信号に直接働きかけるというのを聞いたことがあるので、それがどれだけ異常なことなのか分かる。
「あ〜、やっぱりキミの太刀筋は良い。荒々しくて、重くて、それでいて綺麗だ。流石は《赤の鬼人》だね」
「黙れ。これ以上お前の声を聞くと脳が腐る」
「つれないねえ」
もうソレに反応はせず、抱えていたミコトを壁にもたれ掛からせる。HPの心配はもうないが、刀が少し離れた位置にあるので戦闘に巻き込まれないようにしないといけない。
「……ナギ……」
「待っててくれ。すぐに終わらせるから」
目に涙を浮かべるミコトに、安心させるように頭を撫でる。そして、ミコトを泣かせた奴に報いを受けさせる為に立ち上がった。
「ちなみにさぁ、何でここが分かったの?迷宮区だよ?」
「層は移動してないだろってのと、かつマップに表示されない場所。それなら迷宮区しかない。あとは虱潰しにだ」
「ヒュウッ、これも愛の力ってやつ?ボクとキミのさ」
「気色悪いこと言ってんじゃねえ。オレとミコトのだろ」
「ハッ、彼女嘘が上手いんだねえ。キミにも気付かせないなんて」
「……何の話だ」
「まあいいよ。後でじっくり教えてあげるさ……」
互いに武器を構える。
が、2Pの右手はオレが斬ったので、左手で槍を回そうとして落としていた。
「あ、ごめんね。左手だとなれなくてさあ。うーん、片手でやろうかと思ってたけど、やっぱ両手の方がいいね」
そう言って、2Pは持っていた槍を頭の横に掲げ……自分の頭を突き刺した。
すると右手が光り、元通りに復活した。部位欠損の回復エフェクトと同じだ。
コイツが持つ野薔薇の茎を模した槍。《
この槍は、攻撃した相手の減った分のHPの3割を槍に貯め、自分の最大HP分までストックしておく事ができる。そして自分を刺すことでHPを回復、さらに状態異常も治す破格の武器。
厄介なのは、HPの吸収対象がモンスターだけでないこと。つまりプレイヤーを攻撃しても回復する分を貯められるということだ。
ついでに言うと、コイツは自分のペインアブソーバーを意図的に押し下げている。自分を刺せばその分の痛みは感じるはずなのだが、コイツには痛がる様子がない。
「キミのせいだぜ?キミの太刀筋があんまりにも良すぎるから、最近自分でこうしてもそこまで気持ち良くないんだよね」
「文句ならその変態体質の自分に言え。これ以上話してると本当に脳ミソが腐りそうだ」
「ホーント、優しくない、ねっ!!」
セリフと同時に投げ放たれた槍を、刀を振り上げて弾く。上空に放物線を描いた槍を奴は空中でキャッチし、落下の勢いのままオレに突き降ろした。
それを後方に跳んで避け、中段に一撃を放つ。しかし地面に突き立てた槍で刃は受け止められ、ポールダンスのように体を持ち上げてドロップキックを見舞われる。
「くっ……」
「アッハ!」
怯んだ隙を逃さずこちらに突進してくるが、飛び出した槍の棘に刀を引っ掛けて体に届く前に動きを止めた。テコの原理で引っかっけたところを支点に、槍を左に弾く。筋力値ではこちらの方が上な筈だから、この後の怯みはオレの方が短い。
槍を弾かれて胴がガラ空きになり、無理やり軌道を戻して2Pの体を袈裟斬りにした。
先程と立場が逆転し、2Pに明らかな隙ができる。
「っ……」
「……ちぇっ、来ないか」
突撃しようとした時、奴の口が弧を描いた。よく見ると槍を持ってない方の手が懐に伸びている。大方毒ナイフか何かだろう。全く油断ならない。
「
「……どこまでお前はっ……」
「ここまで突発的な行動しちゃ、後で
「逃がすと思ってんのかよ。お前はここで確実に黒鉄宮に送る。二度とミコトを傷つけさせない」
コイツは悪だ。
「……いーや、逃がすよキミは。だって優しいから」
奴は槍をしまい、懐から転移結晶とナイフを取り出した。そしてナイフをオレではなく、その後ろにいるミコトへと投げつけた。
「クッソ!?」
「ハハッ、じゃ〜ね。《双角の鬼人》。またいつか、ボクはキミたちの前に現れる。今度こそ、キミたちに最高の苦悩と苦痛をプレゼントしてあげるよ。
手をヒラヒラとさせながら、2Pは転移の光に飲まれて消えた。後を追いたいところだが、今はミコトの方が先だ。
「ミコト?」
「……ありがとね、ナギ」
「起きたらどこにもいなくて滅茶苦茶焦ったぞ。何でこんなとこに1人で来たんだ」
「……ちょっと考え事だよ! さ、アスナんち戻ろ。心配させちゃ……」
「───待て」
ミコトがいつも通り
「……どうしたの?」
「それはこっちの台詞だ。変だぞ、ミコト。2Pに何か言われたのか?」
「いつもこんな感じでしょ?」
「……それがいつも通りだと思ってんなら、やっぱり何かあるんだろうが」
気付かない訳が無い。声に覇気はないし、動きにも軽快さがない。手を掴んで分かったが震えている。何より、『いつもの感じ』じゃない。戻ろうとした時も、どこか逃げるような雰囲気を感じた。
ミコトは少し躊躇う素振りを見せながらも、観念したように口を開いた。
「…………分かった。話すよ、わたしの事」
「……ああ」
オレたちは転移結晶を使い、アスナの家ではなく今使っている宿屋へ移った。皆にはまだ伝えたくないらしい。移動の際は会話はなく、距離も離れていた。ミコトはオレから近づこうとすると、拒絶するように距離を開けた。
部屋のベッドに腰かける。やはり1人分の距離をあけて。そして、ずっと俯いていたミコトはそのまま自嘲気味に話した。
「どこから話そっかな。……そう言えばさ、わたしの子どもの頃の話とか、した事なかったよね。わたしが避けてたから」
「そうだな。そういう話題になると必ず席立ってた」
「……本当はずっと黙っておきたかった。話したら、ナギがどう思うか分からないから」
それから、始めた。ミコトの過去を。
……きっと、今までずっとミコトを苛み続けてたのであろう、昏い過去の話を。
ペインアブソーバーの件は完全に独自解釈、設定です。多分本来のSAOにこんな機能付く筈ありません。完全に2Pさんの為に作り出した設定となります。
オリ主ズ以外で最初のオリキャラとなる2Pさんですが、キャラを立たせる為に色々盛ったら、
『ペインアブソーバーを下げて相手を痛めつけてその声を聞き、自分のも下げて痛みを味わい、それらを楽しみ快楽とする最強の嗜虐&被虐趣味のナギの同担拒否ストーカー』
という、かなりのヤベー奴に仕上がりました。正直所業をエグくし過ぎたのでこれからどうしよって感じです。
ちなみに、《
次回はミコトの過去です。
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