それから数日。やってきたのは、いつものショッピングモール。ここって色んなテナントが入ってて大体何でも揃うから便利なんだよね。
「ここが水着売場ですか?」
「うん、たくさんあるね~」
カラフルなビキニ水着や、競泳水着に近いワンピースタイプ、パッと見ではただのショートドレスにしか見えない水着など様々な女性用水着が並んでいる。それに奥の方には日焼け止めや帽子、レジャーシートにクーラーボックスなどビーチ用品も置いてある。
「アイカちゃんはどんな感じにするの~?」
「あたくしですか?そうですわね……」
自分で言うのもなんだけど、この体は結構スタイルが良い。寄せて上げなくても谷間ができるくらいには胸もあるし。それを活かせるのはやっぱり…。
「ビキニタイプ、でしょうか。でもあまり肌を見せるのは恥ずかしいので……パレオも欲しいですわね」
「うんうん、良いと思うよ~。マアサちゃんは?」
「どれが良いかはわからないので、任せます」
「ふふっ、じゃあしっかりわたしが選ばないとね~。マアサちゃんはうーん、ワンピース型がいいかな……」
そうして水着を各自で選び始める。マアサとマイハはどんなのをチョイスするのか楽しみだ。
◇
「アイカちゃん、どう~?決まった~?」
「はい、決まりましたわ。そちらは?」
「こっちも大体決まったよ~」
「そうですか、では……」
試着して見せ合うとしよう。そういうわけで、まずは僕から選んだ水着に着替える。
「あたくしはこういった感じですの。どうでしょう?」
瞳と同じ薄青色をベースに、水色の花飾りとリボン、そして白いフリルのついたビキニ水着だ。何個か迷ったのはあるけど、最終的にこれがいいかなと思った。
「うん、すごくかわいいよ~!」
「すごいですね」
「褒めていただけているようで何よりですわ。次はお二人ですわね」
だいぶ好評らしい。自分でも、試着室の鏡で見たけど自分なのにずっと眺めたくなったくらいだ。
僕は制服に着替え直してから、次はマイハとマアサ。二人ともどんな水着にしたんだろう、と着替えを待っていると。
「できたよ~じゃーん!」
「これでいいですか?」
マイハは黄緑の紐ビキニで、ボトムは短いスカートが付いているタイプ。僕よりも身長が高くてグラマラスな彼女の強みを存分に活かしつつも、可愛らしい感じの仕上がりだ。
一方のマアサは薄い水色を下地にピンク色の花柄があしらわれた、ミニ丈スカートのワンピース型の水着。若干子供っぽい気がしないでもないけど、僕やマイハより身長が低めなマアサにはよく似合っていた。
「お二人共、とても素敵ですわ。似合っていますよ」
「でしょ~?ふふふ~」
「よく分かりませんが、似合っているのならいいです」
いやー、ちょっとの間とは言え美少女二人*1の水着姿を拝められるなんていいものだね。海に行く日がより楽しみになってきたな。
◇
そうして水着に加えて帽子や浮き輪、パラソルなどの必要そうなものを無事に買い終えて昼食も済ませ、ショッピングモールを出るとある大人に出くわした。
「"アイカ、マイハ、マアサ。こんにちは、みんなでお出掛けかな?"」
そう、シャーレの先生。今はトリニティで補習授業部を受け持っているが、何か用事でもあるのだろうか。
「あら、先生。ええ、水着を買いに来ておりましたの」
「"そうなんだ。私の方も、補習授業部の皆が勉強の息抜きに映画を見たいって言うから引率で来たんだけど……。"」
「だけど?」
「"はぐれちゃったから一旦建物の外に出たんだ。まあでも、連絡もしたしあの四人なら私が見てなくても大丈夫だと思うけど……。"」
「そうだったんですね~。そう言えば、補習授業部ってどんな子がいるんですか~?」
マイハの質問で思い出す。確かこの前、補習授業部について調査する時に、まずは先生に接触してメンバーを確認しようってことになってたんだっけ。
「"補習授業部の?えっと、ヒフミ、ハナコ、アズサ、コハルだね。それがどうかしたの?"」
それを聞いたマイハはどこからメモを取り出して聞いた情報を書き出し始めた。チラッと内容を見ると、名前しか言われていないのに名字まで書いている。もしかしてある程度目星を付けてて確認のために聞いたとか、あるいはまさかトリニティの全校生徒のフルネームを覚えてるとか……。
「ふむふむ……あ、安心してね先生~。わたし、自慢じゃないけど学力には自信があるから、その子たちの手助けをしてあげたいって思ったの~」
「"手伝ってくれるなら、とても助かるよ。"」
そうやってやり取りしていると、なんだかショッピングモールの方が騒がしくなってきた。建物から飛び出して逃げ出す生徒たちの姿が見える。
「あら……何やら尋常ではない様子ですわね。不良生徒が暴れているんでしょうか」
個人的には曰く付きだしなぁ、このショッピングモール。そうやって嫌な記憶を思い返していると、先生は駆け足で建物に戻っていった。
「"何が起こってるのかわからないけど、あそこには補習授業部の皆がいる。早く行かないと。三人も気をつけてね。"」
「そうでしたか、先生もお気をつけて」
「じゃあね~」
「騒ぎが起きているなら私たちも鎮圧に向かった方が良いでしょうか?」
そう言ってマアサはショッピングモールの方に視線を向ける。うーん、でも用事済んだしなぁ……戻る意味特にないんだよね。
「スケバンの人たちが暴れてるくらいなら正実に任せておけば大丈夫じゃないかな~」
「あたくしも……せっかく買ったものに傷でも付いたら嫌ですし」
「……そうですね、無理に介入する必要もないでしょうか」
そういうわけで、とりあえず面倒ごとに巻き込まれる前に帰ることにした。
ちなみに後で聞いたところによると、あの騒ぎは不良が暴れたのではなく警備用の巡回ロボットがシステムエラーを起こして一斉に暴走し始めたせいらしい。なんか聞いたことあるな……。
なお、補習授業部関連のゴタゴタで水着披露はこれから10話ぐらい後になる模様。