ティーパーティーの田舎令嬢   作:サンタクララ

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評価、感想ありがとうございます!目を通させていただいています。



02 学園生活の始まり

 荷台にポンポン砲を設置したトラックを走らせ、田園地域からトリニティの中心部へと入っていく。まあ走らせると言っても、ミレニアム謹製の自動運転AIを組み込んでいるので僕が運転する必要はなくて、ただ座席に座ってるだけ。見た目こそ古っぽいボンネットトラックだが最新技術が盛り込まれているのだ。

 あと、これをただトラックとだけ呼ぶのは味気ないので入学を機に名前を付けることにした。

 

 ──ロイアルティー号。綴りは“Loyalty”で*1、忠誠、誠実といった意味がある。「いかなる時も、職務に忠実であれ」という自分への誓いと、どんな時もこの車と荷台にあるポンポン砲が僕に忠実であってほしいという願いを込めた名前だ。

 

 それはさておき、そろそろ目的地のトリニティ総合学園の寮だ。寮の駐車場に着いたら、周囲に車のない区画に止めて、駐車管理機にピカピカの学生証をスキャンする。これで駐車は完了。出庫する時はまた学生証をスキャンすればいい。在学中のトリニティ生なら無料で利用できるのがこの駐車場だ。

 

 ……もし生徒でもないのに無断駐車したらどうなるか?まあ、戻ってきた時に正実に銃痕だらけのスクラップにされていても文句は言えないだろう。

 

 さて、ポンポン砲と一緒に積んでいた手荷物を下ろして自分の個室に運び込むとしよう。そこそこの重さと大きさがあるけど、畑作業でなれた体ならそこまで苦ではない。寮の受付で自分の部屋を確認して移動する。

 

「ふぅ、これでよし……っと」

 

 荷物の入った箱達を積み上げて額を拭う。パソコンや参考書、学生手帳、文具などの最低限のものだけ取り出したら、続きは学校から帰ってきてから。

 

「今日からいよいよ、ですわね」

 

 バッグに必要なものを入れたら、またすぐに部屋を出る。そう、トリニティ総合学園での学生生活が始まるんだ。

 

 

 

 とは言っても、授業は来週から始まる。今週中は履修登録期間だ。なんだか、前世での大学の講義みたい。昨日に説明会で紹介された授業風景も、BDを使用した映像学習で高校の授業というよりは大学の方が近い。

 

 校舎に着いたら、PCルームへ向かって授業登録ガイドとにらめっこしながら履修登録をする。前世とは全く別の世界だからか、ちょくちょく講義名に見慣れないものがあったけど、問題なく登録を終えた。

 

 その後は購買で昼食にサンドイッチとスコーン、ハーブティーを買い、寮へと戻る。トリニティ総合学園は広くて生徒数が多い。それゆえか、ここまでの道のりで前世で知っている生徒には中々会わなかった。偶然鉢合わせたら挙動不審になりそうなので助かったと言えば助かったけどね。

 

 

 

 自分の部屋に戻ってきたら、段ボール箱から荷物を取り出して整理をしていく。

 

「……ふふっ、アデリーさんはこっちですわ」

 

 アングリーアデリー。モモフレンズの一人で、ピンク色の顔のペンギンといった感じ*2。その何考えてるか分からなそうな瞳が面白くて好きだ。バッジを通学鞄に付けるくらいお気に入りだったりする。誰だ「ずっと見つめてると気分が悪くなる」*3とか失礼なこと言ったの。

 

 まあそれは置いといて、このぬいぐるみを実家からわざわざ持ってきたのは抱いているとよく眠れるから。恥ずかしながら、高校生になっても未だに僕はぬいぐるみの類いに目がないのだ。

 

 ちなみに他のモモフレンズについてはそこまで熱狂的なファンというわけではない。特にペロロ様については…うん。目がイっててちょっと怖い。

 

 そんな「あはは……」されそうなことを考えながら荷物の整理を進めていく。大方作業が終わった頃には、窓からは夕陽が差し込んでいた。寮から近いコンビニ*4で夕食を済ませて、シャワーを浴びたらちょっとスマホをいじって眠りについた。

 

 

 

 

 授業が始まるまでの一週間。履修登録を済ませたらそれで終わり……と言うわけには行かず。委員会活動への勧誘の参考にするため、簡易の試験や身体測定、さらには銃の扱いのテストまで受けることになった。

 

「あれ、もしかして結果次第で正実に推薦されたりするのでしょうか……?」

 

 正実……正義実現委員会。他の学校で言えば風紀委員会などにあたる、主にトリニティの治安維持を行う部署だ。どうにも委員長である剣先ツルギ*5、副委員長の羽川ハスミ*6をはじめとして武闘派な印象があってちょっと怖い。もちろん、普段は良い人たちなのは前世のゲームの内面描写で知ってるけど……。

 

「まあ、あたくしのようなただの田舎娘に目を付ける方なんていないでしょうし大丈夫ですわよね」

 

 そういうことにしておこう。農作業でちょっと鍛えられただけなので戦闘とかはそこまで得意じゃないんです。

 

 

 

 

 ──だが、数週間後。こんなただの田舎娘に目を付ける人物がいたということを実際に知ることになるのだけど、それはまた別の話だ。

 

*1
Royal Teaではない。

*2
アングリー、という名前からずっと怒っているから紅潮してピンク色という説もあるとかないとか

*3
原作ゲームにて登場する、アングリーアデリーのバッジの説明文。

*4
シャーレにも入っているエンジェル24

*5
戦闘での様子がヤバい

*6
ゲヘナに対する態度がヤバい





本文が短めなのでアイカのプロフィールでも載せておきますか。
ちなみにアイカの実家はブランド作物を卸す大農家という設定で、不作などが起きない限り問題なくトリニティの学費を支払える余裕はあります。あと寮生活なので月百万円の紅茶風呂にも入ってます。




名前    アイカ
フルネーム 祇園アイカ(ぎおんアイカ)
武器種   AC(ヴィッカース QF 2ポンド・ポンポン砲)
学園    トリニティ総合学園1年生
部活    ティーパーティー
年齢    15歳
誕生日   7月10日
身長    161cm
趣味    ピアノ、手芸


基本情報:
トリニティ総合学園所属、生徒会である「ティーパーティー」の中でもフィリウス派の一員。

トリニティ自治区の中でも郊外の田園地域に住んでいたが、もっと広い世界を知りたいとトリニティ総合学園へ進学した。
内向的で温和な性格の、ぬいぐるみが大好きなあか抜けない少女。
…だが、そんな普段の様子からは想像も付かないほど、敵対者には容赦がない。


「トリニティ総合学園、ティーパーティーの祗園アイカですわ。これからお願い致しますわね、先生」

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