敵を炎の檻に閉じ込め、焼滅させる
古の使徒、オルセーが見出した神威
多くの生物は、その呼吸に酸素を必要とし
大抵の“魔”も、その例外ではない
世界を乱す罰には、苦悶の末路がよく似合う
一方、崚とクライド、そして
びょうびょうと吹き荒ぶ吹雪の中に混ざり、拳大の氷礫が飛んでくるのを、寸でのところで躱し続ける。この加速度では、掠っただけでも殺人級だ。時に身を翻して避け、時に焼き溶かして凌ぐ。二人は防戦一方で、場を支配している
「ははははは! その程度かい!? 先ほどまでの威勢はどうした!?」
「うるせえ死ね!」
げらげらと哄笑する
吹雪を掻き裂いて振るわれる白刃、その軌跡から、ぶわりと閃光が迸った。可視化されるほど凝縮された光の波濤が、邪悪なる魔を斬滅せんと押し寄せる。
「おっと!」
しかしひらりと躱した
「ほらほら、もっとしっかり狙い給え! それでは雉も撃ち落とせないよ?」
「ガンガン視覚妨害してきといて何言ってんだこのクソッタレ!」
「……元気だな、あいつ……」
吹雪に乗せて嘲笑を浴びせてくる
とはいえ、この程度で怯んでいても仕方がないのが現状だ。クライドは穂先に魔力を集中させると、ぼぉと橙色の火焔を滾らせ、
橙と白が衝突し、どんと重い衝撃が生じた。大質量の水蒸気をともなう衝撃波が周囲の霜柱を砕き、なお相殺しきれなかった火焔と氷礫が、反動でばらばらと砕けながら放散する。そのうちの一塊の橙が、崚へと飛来した。
「ギャーッ!?」
「あっ、すまん!」
崚は悲鳴を上げながら、大袈裟に飛び退いて回避した。ごろごろと地面を転がる中、砕けた霜柱の破片が口に入った。
起き上がった崚は、きっとクライドを睨みつけて叫んだ。
「焼き殺す気かこのバカタレ! 毎度毎度狙いが雑なんだよ、このノーコン野郎!」
「お前に言われる筋合いもないんだが!? さっきだって鼻先を掠めていったんだぞ!」
「……きみたち、もう少し真面目にやらないかい?」
斃すべき敵を放り出し、互いを睨んでぎゃんぎゃんと言い合う様は、
ともかくも、一方が他方を殺し切らねばこの千日手は終わらない。その了解を忘れていない三者は、再びそれぞれに得物を構え――そこでぴたりと、
何かを見つけた様子ではない。崚とクライドとを視界に捉えたまま、しかし心ここにあらずといった様子で、呆然と宙に浮いていた。吹雪も止み、辺りにはしんしんと霜の降り散る冷気だけが残された。
「――死んだ」
ぽつりと呟かれた言葉は、二人に向けられたものではない。しかし確かに聞き届けた二人は、互い目を合わせることなく、その言葉の真意を悟った。すなわち、契約者の死だ。
「――やったのかな」
「……おそらく」
カルドクらが仕事を果たしたのだろう。これで、作戦の第二段階は完了した。最後の問題は――『契約』という軛から解き放たれた目の前の悪魔が、どう動くか。
「死んでしまった。我が愛しき契約者が。
当の
「――ほざくな、悪魔ふぜいが」
「『物は言いよう』にも限度があんだろ、タコ」
「……『タコ』ってなんだ?」
「え、タコないの?」
クライドと崚はそれに流されることなく、それぞれに吐き捨てた。が、崚の言葉に不審な引っかかりを覚えたクライドが尋ね、両者の空気は少しだけ弛緩した。ちなみに
「――では、仕方ない」
そして、当の
「まったく仕方ない。――
にぃと悪辣な笑みを浮かべた。
同時に、止んでいた吹雪が再び暴威をもって吹き荒れた。その
――その
白刃を振りかぶった崚である。
「ほざくな、猿まがい! そんな義理堅いクチじゃねーだろ!」
「『どうせ悪魔だから』と一括りに考えていないかい? ひどいなァ、それは偏見というものだよ?」
「その
片や殺意に満ち満ちた崚、片や涼しげに嗤う
(――どうする!? まるで弱体化って様子じゃない! 多少でも威力が落ちないと、こっちのスタミナが――)
早速思惑が外れた。
その思考は強引に掻き消された。
「――何だ!?」
クライドはばっと大岩の飛来した方を見た。果たして、そこには――
『ヤッホー、元気ぃ!? まだ生きてるぅ?』
『生きてるか、英傑共! 手助けは必要か!?』
拡声器のようなハウリングとともに、
「あれは……シルヴィア様!? それに、あちらは――まさか、
カドレナ公女シルヴィアと、ランガ氏族の戦士ラシャルだった。クライドの声に応えるかように、おおぉぉ、と
それを見る反応は三者三葉だった。驚愕に唖然とするクライド。新たな敵を煩わしそうに眺める
「たった今死にかけたわボケ!!」
「ば、馬鹿! なんてことを!」
崚はシルヴィアに向けて中指を立て、渾身の罵声を浴びせた。悲しきかな、そのジェスチャーが通じる者はいなかったが、どうも不敬の意思が込められているらしいと察したクライドが、慌てて止めにかかった。
一方、そんな騒ぎは露ほども関心しないシルヴィアへ、傍に控えていた魔導士隊の隊長が口を開いた。
「目標確認! 未だ健在です!」
「ま、そうでしょうね。――さ、フェーズ1開始! じゃんじゃか撃つわよー!」
「了解! 射撃準備、始め!」
シルヴィアが威勢よく命じるとともに、魔杖を構えた魔導士たちが続々と前に進み出、そして呪文を唱え始めた。
火焔が、氷塊が、雷撃が、水弾が、岩塊が――一個中隊を容易く皆殺しにできる魔導弾が次々に現出し、一斉に放たれた。必殺の魔弾、その数々が、
「オギャー!?」
「ちょ――シルヴィア様ぁ!?」
「殺す気かあの馬鹿女ァ!!」
それは当然、
一方、シルヴィア配下の魔導士隊は、魔導弾を放つと後ろに下がり、後続の魔導士たちと入れ替わった。間断なく放たれる、魔導弾の一斉射撃。約四百年前にレノーン聖王国で提唱され、しかし絶対数としての戦術魔導士の不足から実現困難とされた、魔導士隊の戦術論――『三段撃ち』の再現である。
「おほほほほ! きっもちいいぃー!!」
巨大な魔導弾が雨霰とばかりに降り注ぎ、眼下の川岸がぼこぼこと荒廃していく光景を見下ろしながら――というか自ら積極的に魔導弾をぶっ放して参加する最中、シルヴィアはふと隣のラシャルへ口を開いた。
「あ、そっちはしばらく待機してて。目標の魔力が健在なうちは、突っ込んだところで返り討ちよ」
「――しばらく待機すべしとのことです! 敵の魔力が減衰するまで、手出しは困難と!」
「……
通訳越しに伝達された言葉に、ラシャルは顔をしかめた。
「……お嬢。二人が巻き込まれているようだが」
「しょーがないじゃない、あの距離じゃ。自力で離脱するくらいしなさいよ」
「……」
シルヴィアの傍らに控えていたモルガダが、さすがに見かねて諫言を述べるものの、片手間に叩き落とされた。彼にできることは、黙って次の準備をしつつ、眼下の二人を見捨てることだけだった。
◇ ◇ ◇
一方、
『――ね、あたしと取引しない?』
強引に繋がれた念話に、思わず驚愕の表情を浮かべた。
『ほぅ……? カドレナの“魔公女”ともあろう者が、悪魔たる私の力を欲すると?』
『冗談じゃないわよおバカ。あんたみたいな薄汚いのと関わったら、それだけで魂汚れるじゃない』
『そうかそうか、残念だ。
吐き捨てるようなシルヴィアの念に、
『そ、“取引”よ。あんたに魂を捧げる“契約”じゃない。そこの違いを分かってくれるかしら?』
『――ほぅ……?』
しかし、シルヴィアはそうではなかった。
こういう女は
『――単刀直入に言うわ。そいつら、見逃してくれない?』
シルヴィアの要求に、
『その二人、あの子の「お気に入り」だからねぇ。姉貴分として、あの子が悲しむような事態は避けたいの。だから、今日のところはこれで見逃してくれると嬉しいんだけど』
『断る』
シルヴィアの念を、
『いやぁ、私としても残念なのだよ。しかしだね、私はかの反乱軍の一党と契約を結んでいるのだ。それを放り出してハイ裏切りますなどと、そんな不誠実な真似はできまい? きみたちの価値観で言うと――そうさな、「義理人情」というやつだよ』
『悪魔が人情語るんじゃないわよ、白々しい。笑っちゃうじゃないの』
『そんな薄っぺらい建前に騙されるほど、安い女じゃないわよ。大方、もう契約者は殺されたんでしょう? 「果たされていない契約」を言い訳に無理矢理稼働して、奪えなかった魂の替わりを、その二人で補填しようってわけだ。透けてんのよ、
シルヴィアの嘲罵に、
――いけない、いけない。
『……では、どうする? この私を動かすのに、君はどんな代価を提供してくれる?』
『
平静さを取り戻した
『こっちじゃ、悪魔研究もそこそこ進んでてね。――あんたたち悪魔にとって、「契約者の魂」はただの
あんたたちが本当に求めてやまないものは――
そして、シルヴィアはひとつのイメージを投影した。
――それは棺だった。人間の習慣通り、七ツ星が刻まれた棺桶。
そこには
『
ただ、これだけじゃ何の意味もないわ。術式を
語りかけるシルヴィアの念を、
“
『強大な魔力を持ちつつ、実体を有しない霊的存在……聞こえはいいけれど、その実、個我があやふやで確たる自我を保てず、「他者との契約」という形に縋ることしかできない、霞のような存在。膨大な魔力を宿しながら、その大半を自己統制に費やさなければ、あっという間に霧散してしまう脆弱なカタチ。
だからあんたたち悪魔は、「固有の肉体」を渇望している。偉大で強大な自身に相応しい、強靭で揺るぎない肉体を。――このあたしが手ずから提供してあげるんだから、対価としては十二分だと思うけど。どう?』
欲しい。欲しい。欲しい。欲しい。欲しい。欲しい。――その願望をシルヴィアに悟られないように、
彼女の言葉は正鵠だった。霊体という在り方は、とかくあやふやでいけない。自他の境界線が曖昧で、気を抜くとすぐに世界に溶け、“大いなる理”に噛み砕かれて消失してしまう。だから他者の認識を利用し、『契約』という形で定型化する。だが、そんなものは一時しのぎだ。『己』を確たるものにするもっとも基本的な在り方――すなわち『肉体』とは、あらゆる悪魔の悲願だった。
――焦ってはいけない。その冷静さを取り戻すことができたのは、
『――いいだろう。取引成立だ』
『ふふ、馬鹿じゃなくて良かったわ。賢いコは好きよ』
『私もだよ、“魔公女”様』
にやりと、互いに隠し切れない嘲罵を交わしつつ――彼らの交渉は成立した。それを最後に、彼らの念話はぶつりと断線した。
◇ ◇ ◇
最初に動いたのはシルヴィアだった。
「――フェーズ1完了! フェーズ2に移行、“
「了解、“
シルヴィアの鋭い声に、兵士たちが即応する。ごろごろと大きな音を立てて引き摺り出された
そして、異変は崚とクライドにも察知されるところとなった。雨霰と降り注いでいた魔導弾が、ぴたりと止んだ。しかし土埃の向こう側、斃すべき
「何だ……? 何が起きている?」
「残念だが、お遊びはここまでだ」
「――んだと?」
クライドの呟きに答えたのは、誰あろう
「“魔公女”様と
「何だと――!?」
一方、崚はすぅと目を細め、斃すべき敵へと白刃を向けるだけだった。経緯はどうあれ、『見逃してあげる』などと居丈高にのたまう輩ほど、信用に値しない存在はない。
「それを信じてやる理由があるとでも?」
「必要ない、彼女の方から証明してくれるからね。――ほら」
あくまでも撃滅の姿勢を崩さない崚を尻目に、
――ずどん、と目の前に飛来した。
二人は最初、大岩だと思った。着弾の衝撃波で土埃と霜とを吹き飛ばし、もうもうと舞う埃が晴れたころには、それが大岩ではなく
それは三者の誰を狙ったものでもなく、
「――どうする!?」
「ど、どうすると言っても……シルヴィア様が、本当に取引をなされたというのなら――」
崚は横目でクライドに問いかけたが、彼にも答えようのないことだった。意図が読めない。わざわざ取引という体をとったシルヴィアも、それに応じた
『では皆々様、御機嫌よう。刺激的なショーを楽しんでいただけたなら、感激の極みだ』
そう言い残して、
二人の目の前で、ごとごとと棺桶がうごめいた。中でいったい何が起きているのか――それを推察する術を持たないのは、僥倖といっていいか、どうか。ぐちゃぐちゃと何かを貪るような音が鳴り、しばらく続き――そして、止まった。ぎぃぃと軋みながら、棺桶の蓋が
そこにいたのは、果たして先ほど入っていった
ついに蓋を開け放ち、きらめく陽光の中で目を開いた
「この私を愉しませてくれてどうもありがとう。強き者、賢き者、私好みの愉快な人形劇だった。
――だが、馬鹿な女はもっと好きだよ!!」
「あっ――!?」
そう言い捨てて、
シルヴィアと
だが
悪魔と取引をする大胆不敵な女傑、その濃厚な魂を、帰り賃替わりにいただくとしよう――!!
「――同感よ。小賢しいバカは、扱いやすくて大好き!」
それこそがシルヴィアの狙いだった。
「ツァオバル磁界砲、全機起動します!」
魔導士隊隊長の号令とともに、シルヴィアの両脇に聳え立つ四つの砲が一斉に起動した。魔導兵器の類か。しかし所詮は人間の造った物、いまさら起動したところで手遅れだ。
その油断は、
「がっ――!?」
ぶちぶちと筋と神経を引き裂く激痛が、
何が起きた。何故。何故。何故。何故。何故、この“魔公女”はこの己に対して、そんな蔑んだ目を向けている――!?
「あんたも知恵者気取ってるんなら、『磁界』くらい知ってるわよね?」
激痛と赫怒と羞恥で狂う
磁界。何の話だ。その程度のことなど知っている。それがどう関係すると――
「世界を巡る力の流れのひとつ。鉄を引き寄せ、南から北へと流れていく力。――ま、『“星の内側”で北から南へ流れている』ってのがどうも正確らしいわね。
で……それを最近、雷の魔術で制御できることが解ってね。あたしたちは“魔導磁界”って呼んでるんだけど」
シルヴィアの説明を、その真意を理解できるだけの冷静さが残っていたのは、幸運というべきか、どうか。
「こ、れは――何、ぜ――!?」
「あら、結構元気ね? 出力上げるか」
「了解! 出力制限、第二段階を解除! 出力、三千五百マスヴァルまで引き上げます!」
「ぐが――!?」
動揺の呟きを漏らした
どうして。何故。磁界を操る術を手に入れたとしても、所詮そこまでだ。
――まさか。
「素体側には何にも仕込まれてなかったから、油断しちゃったでしょ? ま、事実そうだもの。
シルヴィア自身による種明かしと、
「――で、感想はどう? せっかく強靭な肉体を手に入れた途端、自らバラバラに引き千切られる激痛ってのは!」
けらけらと嘲笑うシルヴィアの言葉に、
何たる失態! 何たる恥辱! これまで何十人という魔術師が、
『舐ァァめるなァァァァ!!』
魔力を総動員し、力ずくで磁界から脱出する。ぶちぶちとその身を千切れさせながら、全身全霊を込めて四肢を振り上げた。後先などまるで考えていなかった。濃密な魔力の塊が、シルヴィアへと殺到し――
「そのくらいも織り込み済みよ。――
「了解、絶縁プレート除去! 総員、衝撃に注意せよ!」
シルヴィアは怯むことなく号令を下した。それに呼応した魔導士たちが、さっと両の砲の間に挟まれていたプレートを掴み、息を合わせて引き抜いた。
――磁界には、『極』という概念が存在する。異なる極同士では引き合い、同じ極同士では反発する。ここでは便宜上、地球における呼称にならい『N極』『S極』と表記させていただきたい。
磁界砲は、それぞれ縦二門に並べられている。縦列の上はN極、下はS極の磁界を放出し、そしてその双方が互いに吸着しないよう、両者の間に絶縁体で製造された分厚いプレートを挟まれていた。ここで、その絶縁プレートを除去すれば――異なる極の磁界が、何の障害もなく放出される状況になればどうなるか?
「ごぼっ」
その結果は、
これで、悪魔退治は完了だ。魔導士たちがふと気を緩めた瞬間、
『――マ゛コ゛ウ゛シ゛ョ゛ォ゛ォ゛オ゛オ゛オ゛!!』
その隙間から、極大の怨念が這い出した。
もはや肉とも鉄とも岩ともつかない、細胞組織の壊れたアメーバのようになりながらも、
「こ、これは――!」
「はいはい、狼狽えない狼狽えない。端からこの程度で仕留められるわけないでしょ」
そんな中、シルヴィアだけは平静を保っていた。背後に控えていた
「――ってことで、トドメは任したわよ」
彼女には見えていた。白と橙色、ふたつの輝きが氷河を踏み越え、断崖を力ずくで駆け上がってくる姿が。
「――ぜぇァァッ!!」
「はあぁぁッ!!」
崚とクライドがそれぞれに得物を振り上げ、力任せに振り下ろした。灼光が、火焔が、磁界砲の隙間から這い出す
『がはっ……』
ふたつの灼熱が迸り、
「――ったく、人使いの、荒い、女だな」
「窮地を助けてあげたんだもの、これで
急勾配を強引に駆け上がり、荒い呼吸の隙間に不満の言葉を差し込んだ崚の言葉に、シルヴィアはにっと不敵な表情を浮かべた。そんな崚の不遜な態度を、クライドがじっとりと見咎めたが、しかし彼自身肩で息をするばかりであり、制止の言葉を紡ぐには至らなかった。
とにもかくにも、これで仕事は完了だろう。歓声に沸き上がる
「一号機と三号機、融解しています! 暴発の危険があります!」
「二号機と四号機、反応断絶しました! 魔力暴走の危険あり、緊急停止措置を行います!」
「――あ、ちょっとぉ!? 何してくれてんのよ!?」
「うるせえ知るかこの馬鹿女!」
……磁界砲ごと目標を焼き斬った結果、虎の子の魔導兵器が全機損壊という結末を残して。
戦いの記憶:氷の悪魔、ベルベス
類稀なる強者との、死闘の記憶
その経験は、新たな地平を切り拓くだろう
あるいは、擂り潰して力の糧にしてもよい
知性を獲得した悪魔の多くは、固有の肉体を求める
霊体というあやふやな在り方は、その個我を揺るがし
故に他者に縋ることしかできぬ、耐え難い恥辱なのだという