私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。   作:まっしろたまご

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ゲヘナ一時帰宅はこれにて終わり。次からアビドスです。


『風紀委員会副委員長誕生』

 お泊り会から一夜明け、早朝。ホノカの朝は早い。

 

 乾燥機付き洗濯機で洗濯しておいた衣服にアイロンをかけることから彼女の一日は始まる。

 無論、毎日ではない。今日はヒナが泊まりに来ているから特殊だ。

 

 慣れた手付きで作業を終え、畳む。シワひとつない美しい仕上がりだ。まだすやすやとよく眠っているヒナの枕元に置いておく。

 

 

 一旦私服に着替え、朝ごはんの調理に取り掛かる。今日の朝トレーニングはお休みだ。

 彼女、風音ホノカは絶対に朝食を欠かさないことをポリシーとしている。徹夜でご飯を抜こうものなら、どこからともなく食料を持った彼女が現れると風紀委員たちの間ではもっぱらのウワサだ。

 

 よし、と声に出して気合を入れる。今日は少し時間もあることだし、鮭でも焼いてみよう。

 そう決意を固めたホノカは、ガサガサと冷蔵庫をあさるのだった。

 

 

 

***

 

 それから少しして、出来上がりかけの朝食のいい匂いが部屋に立ち込め始めた頃。鮭のいい匂いに誘われてか、身支度を整えたヒナが姿を現した。

 

「おはようヒナ。よく眠れた?」

「ええ。おかげさまで」

 

 そういって見せる彼女はいつになく好調といった様子で、毛並みのふわふわさからも元気が溢れ出していた。

 

「どうして私服なの?」

「今日は休もうかと」

「今日はあなたの就任式よ。主役が不在だったら成り立たない」

 

 目をぱちくりとさせるホノカ。それもそのはず、彼女は先の模擬戦の結果を受けて完全に不合格だとばかり思いこんでいたからだ。

 

「え……それじゃああの模擬戦はなんだったの……?」

「風紀委員会に入るのに必要なのは意気込みだけ。あれは力を測るためのもの」

 

 ヒナの言葉が進むにつれどんどん顔色が明るくなってく。終わるころには見たこともないような満面の笑みになり、着替えるためキッチンから勢いよく飛び出していった。

 

「鮭焦げてる……ってもういない……」

 

 二人残された鮭とヒナ。半ば黒く染まりかけている鮭を皿に移し、ヒナはホノカの帰りを待つのだった。

 

 

 

 

 

***

 

 

「おっはようございまーす!!!」

 

 元気のいい挨拶とともに扉が開かれる。風紀委員会の朝の日常であるが最近は見られなくなった景色だ。

 

「全くあなたは……いつもボリュームを落とせとあれほど……」

「いいじゃない。元気がよくて」

「い、委員長?!」

 

 ホノカの後ろからひょっこりと姿を現すヒナ。アコはこの二人が一緒に登校してくることは完全にノーマークだったらしく、ビクリと肩を震わせる。

 二人はそのままヒナのデスクへと歩いて行き、何やら書類を取り出してサラサラと何かを書きだした。

 

「就任式と言っても所属の同意書を書くだけだけど」

「ホントです。ちょっと期待して損しました」

 

 カチりとボールペンを鳴らし、書き込みを終える。ヒナが判を押し、それをまたデスクへしまい込んだ。

 

「これで大丈夫。風紀委員会にようこそ、副委員長」

「ええ。これからよろしく……って、何?ちょっと待って聞いてないんだけど」

「だから、副委員長。優秀な人材は近くに置いておきたいから」

 

 『いいわよね?』と部屋全体に問いかけるヒナ。まばらに納得の声があがり、ここに風紀委員会副委員長が誕生した。

 

 

 

***

 

 

 どうも皆さん、風音ホノカです。風紀委員会の副委員長になりました。

 新たな役職に就いたとなれば、やることは一つですよね。

 

 そう、挨拶回りです。

 

 と言っても挨拶しに行く場所は一つしかありません。そう、万魔殿(パンモデニウムソサエティー)ですね。あ~行きたくない。

 

 別に風紀委員会に入ったって挨拶に行くって何なんですかね。あっちはそこそこに嫌がらせをしてきているというのに。生徒会というのはこの世界においてはそんなに大きな権力をお持ちなのですかね。

 

 トントンと扉を叩くと、中から声がしました。入っていいそうです。

 

「お前が風紀委員会の副委員長か。キキキッ。ナヨナヨとした奴———」

「あ!この間のおねーちゃん!!!」

「む?この間のだと?」

 

 万魔殿の天使ことイブキちゃんじゃないですか。そういえばこの間厄介な輩に絡まれていたのを保護してイロハに託しましたっけ。

 

「うん!この間、怖い人に話しかけられてた時に助けてくれたんだよ!!」

「そうか……そうだったのか……!!すまない副委員長!!お前を勘違いしていたようだ!!」

 

 声でっかいですねこの人たち。いやポンコツなのは知ってるので恐るるに足らずとは知っているんですけど、どんどん同調して声が大きくなっていますよ。私の肩を掴んでバシバシと叩いてきてますし。

 

「え、っと……ともかく、ゲヘナ自治区のインフラ整備や行政関連は生徒会が担われているのは存じ上げています。なので、私は治安維持のほうに注力し、より生徒たちが安全に過ごせる街を作ることを誓います!!」

「お、おお!そうかそうか!!必要なことがあれば何でも言うがいい!!このマコト様が直々に力を貸してやろう!!!」

「ありがとうございます!!!!では!!!!私はこれで!!!!!」

 

 バタンと勢いよく扉を閉じ、生徒会室から這い出しました。つられて声が大きくなっちゃいましたね。これであいさつは終わり……さっさと帰りましょう

 

 

***

 

「何というか、不思議な方でしたね」

「む?イロハではないか。どこにいたんだ?」

「どうでもいいじゃないですか。それより、あの人のことですよ」

 

 先ほどの不思議な来訪者を思い返し、思索する。

 

「風紀委員会にしては友好的というか、なんというか」

「殊勝な心掛けの奴だったな。悪くない」

 

 ハァと溜息を吐くイロハ。本来マコトは風紀委員会のことをかなり嫌っているのは言うまでもない事実だ。しかし、マコトは個人としてホノカをかなり気に入っていた。

 

 風紀と万魔殿。本来相容入れぬはずの二つの組織をつなぐパイプのようなものがここに誕生する。

 

 

 

 そのパイプであるホノカが後に大きく未来を動かすことになると、今の彼女らはまだ知らない。

ホノカちゃんに使わせたいよって武器や技

  • パイルバンカー
  • グレード類
  • ジョジョみたいなラッシュ
  • そこらへんに落ちてたパイプ
  • その他(コメントへ)
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