私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。 作:まっしろたまご
「ここは私達に任せて先に行きなさい!!!」
アビドス砂漠、カイザーPMCがワラワラと湧き出る砂漠に、陸八魔アルの宣誓が高らかに響く。
「トリニティだけでなく便利屋まで呼んでいただけるとは……流石です。先生」
「ん……私はホノカが来ると思ってた……」
耳をたたみ、しゅんとするシロコ。それと同時に、アビドスの面々の関心は『今日からまたそちらへ向かう』と連絡を残し消息を絶った友人へと向けられる。
「ホノカちゃん……大丈夫でしょうか……?」
「心配……」
“ちょっと待って、今、ホノカからモモトークが……”
「本当?!すぐに確認して!!」
颯爽と登場した便利屋を置き去りに、アビドスの面々には安堵の色が広がる。
“アロナ。受信の履歴とかから向こうの座標を特定できない?”
「できます!スーパーOSのアロナにお任せを!!先生がご確認の間に特定しておきます!!」
“えっと、連絡の内容は……『遅れてごめん、すぐ向かう』……?”
「特定できました!!場所は……超高速でこちらに向かってきています!!このままじゃぶつかります!!衝撃に備えてください!!!」
耳をつんざく轟音が響き渡る。衝撃波でがれきが吹き飛ばされ、風圧で巻き上げられる砂は大竜巻のごとしだ。
「や、先生。心配かけちゃいましたかね?」
べっとりと血痕の付着し、ところどころには銃創。袖が破れて露になった腕には凄惨な火傷が伺えた。
“どうしたのその怪我?!大丈夫?!”
「コンディションは最悪、気分は上々です。便利屋の皆さんとここを抑えるので、先生たちは先に行ってください」
“どうしてそれを……でもホノカ、君を置いていくことはできない。とりあえず下がって治療を―――”
「私なんかのことはどうでもいいんです!」
普段の落ち着いた彼女とは似ても似つかない叫び。不意の大声に先生ですら思わず肩を震わせた。
「私は今無事が確認できたからいいじゃないですか。なら、まだ安否が不明な人の救助に全力を注ぐべきです」
“でも……”
「どっちみち私はここで死んでやるわけにゃいかんのです。時間を無駄にしないでください」
“……うん。わかった。でも、事が済んだら病院だからね!!”
「いわれなくてもわーってますよ」
バタバタとホシノの捜索へ向かう先生たちを見送り、便利屋のほうに向きなおる。
「ひ、酷いケガじゃない!!本当に大丈夫なの?」
「大丈夫です。あなた達は私が命に代えてもお守りいたしますので」
一切の傲慢さを捨て去った宣言。今度こそ、勝ち戦開戦のファンファーレだ。
***
少し前…………
***
状況はクソ。本当にクソです。砲撃の死亡確認だけじゃなく念入りに何発か打ち込んでいきやがりましたねあいつら。失血が止まりません。本当にまずいです。
「カヒュッゲッホ……あ~……いってぇ……」
ツルギのように異常な治癒力があれば、なんて思いましたがなかなかそんなわけにはいきません。あれもきっと神秘の産物か何かしらの奇跡なんでしょうが、それが分かったところで何の解決にもなりません。
抉れた部分がじくじくと痛みます。正直ヒナにしごかれたときがかわいく思えてくるほど。
ふと思いました。もしかしたら、肉体を神秘で再構成させたりできないでしょうか。ええ。ご存じの通り反転術式です。本当にありがとうございました。
突飛な発想だとは思いました。でも、できる手立てがあるんですよ。
まず根拠として挙げられるのが、私が神秘を明確にとらえられるということ、そして構成するのが私の肉体だということです。
障壁としてアウトプットするならともかく、なれ親しんだ自分の肉体を-から0にするのに不可能がありましょうか。いいえ、そんなわけありません。
目指すは、普段通り100パーセント全回復とまでいかずとも最低限の止血。
幸い戦闘中ではありませんし、集中も神秘も、すべてのリソースを治療に注ぎ込めます。
神秘をどうにかこうにかこねくり回していると、先に銃創のほうが治りました。ご丁寧に銃弾も体外に押し出して。
もしかして、『新しく作る、埋める』とかじゃなくて『元に戻す』ことを重視していたからでしょうか。つくづく不思議な力です。
わざわざ痕まで消している暇はありません。さっさと肉が無い脇腹の治療に移りましょう。
「ふぅ~……痛ッててて」
治る際の痛みもなかなかのものでしたがそれでも死ぬよりはマシ。失血でフラフラにはなりましたが、何とか立ち上がって先生に一報入れておきます。気絶してる間にあたりはすっかり夕暮れ時です。
っと、遠くのほうで何かが着弾するような音がかすかに聞こえた。
夕暮れ時、アビドス編、着弾の爆発音……ここからはじき出される結論は一つ。
「もうホシノの救出作戦までストーリーが進んでいましたか……!」
どうやら私がゲヘナでウダウダとやっている間に一章は佳境を迎えていたようです。
モモトークを確認すれば、セリカからの鬼電やスタ連とともに一つの座標が送られてきていました。恐らくここで今彼女らはカイザーと交戦中なのでしょう。
「……行かなきゃ」
そう思った時にはすでに駈け出していました。体のコンディションは最悪のはずですが、神秘によって再構成された肉体はいつになく好調、能力的にいえば300パーセントと言っても過言ではないかもしれません。
今ならきっと———
「『音』の壁だって突き破れる!!!」
かくして、私はソニックブームとともに憧れの先生の元へと飛び出したのでした。
“その身体は、きっと神秘で出来ていた”
ホノカちゃんに使わせたいよって武器や技
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パイルバンカー
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グレード類
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ジョジョみたいなラッシュ
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そこらへんに落ちてたパイプ
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その他(コメントへ)