私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。   作:まっしろたまご

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いい感じに佳境ですね。


『Q.E.D』

 

 

 あなた達がこれから遭遇する預言者は、セフィラの最上位に位置する、天上の三角形の一角。

 そのパスは理解を通じた結合。【違いを痛感する静観の理解者】の異名を持ちます。

 それは……ビナー(Binah)です。

 デカグラマトン(神名十文字)の預言者を相手に、あなたのいる【シャーレ】はどこまで耐えられるでしょう?

 あなたが積み重ねてきたその繋がりの力が、果たして新たな神の御前でどれだけの意味を持てるでしょう?

 あの少女たちの神秘は、新たな神の神秘に比肩しうるでしょうか?

 そうです。これは非常に興味深い研究なのです。

 

 

 ……先生、あなたは神を目の当たりにしたことがありますか?

 

 

 なるほど……それは何よりです。

 

 

 しかし今回は、あなたの知っているそれとは、少し違うと思いますよ。

 

 

 

 そしてホノカさん。私たちと同じく外側から召喚され、この世界の結末を知るあなたを、アレは決して見逃しはしないでしょう。

 ええ、新たなる神の静観は、偽りの神を打ち倒すべく、既に破られているのです。

 

 ベアトリーチェによってこの世界に堕とされたあなたが、舞台装置に徹するのか主人公として生きるのか。そろそろ決めるべき時が来たのではありませんか?

 

 

 

***

 

 預言者、ビナー。異名は【違いを痛感する静観の理解者】。力の化身に破壊された被害者の一体。総力戦の度ペンキまみれにされる。

 私の知り得る情報はこんなものでしょうか。あとは面白味もないので割愛です。

 

「カイザーの件で支援をお願いした風紀委員会と通信が繋がりました!」

 

 アビドス、シャーレ、便利屋を積み込んで市街地にとんぼ返りするヘリの中、アコから連絡が入りました。

 

《状況の報告を行います。カイザーPMCは既に沈静化、ヴァルキューレの方に引き渡しが済んでいます。しかし、突如地震と共に巨大な蛇のような機械が現れ、現在まで沈黙を続けています》

 

「簡潔にまとめていただき、ありがとうございます。直ぐに合流致しますのでしばしお待ちを」

 

 流れるように通信を切断、恐ろしい速度で適当な交差点に着地。場所が場所ですが今は非常時。致し方ありません。

 ほどなくして風紀委員会の権力者衆と会合。今の私はシャーレ所属ですので先生の隣です。

 

 権力者……と言っても行政官と委員長なんですが。私の体をまじまじと見つめたヒナにため息を吐かれました。

 お互いの動きを確認し、あの蛇型の鉄塊をどう退かそうか難儀していたときでした。

 

 

「Ooooooooooooo!!!!!」

 

 

 耳をつんざく爆音。音の発生源を見やれば、先程まで沈黙を貫いていたビナーくんの頭の上にヘイローが浮かび上がっていました。とどのつまりは、眠りから覚めて起動したと言ったところでしょうか。

 

 そんな事を考えていると、光の宿った目と視線が交わります。ゾワリ、と背筋を舐められるような感覚がしました。まさに蛇に睨まれた蛙とはこのこと。『私』に対して向けられた明確な殺意。

 

 

 ———突っ立ってたら、殺される。

 

 

 ほぼ直感でそう感じました。予感は的中、たまらず横に避けた私の真後ろを真っ白なビームが掠めていきました。アレって多分『アツィルトの光』ですよね?ビナーくんの行動の中では一番マシなものと記憶していたのですが記憶違いでしょうか。

 

 不幸中の幸いなのが、狙いが私だったということ。アレがタンクの皆さん……ホシノやハルカならまだしも、そのほかの皆さんや先生に直撃していたらと思うとゾッとします。しかもビナーってことは防御タンクが機能停止させられますしね。回避タンクの私がタゲを取って当然でしょう。

 

 

 しかし相対するは神の存在証明をも可能とする超高性能AI。私だけを狙うのは効率が悪いと判断を下したのでしょう。背中の砲門が開き、たくさんのミサイルが飛来します。ただし、私ではなく先生の方に。

 

「……不味いですッ」

 

 先程も言いましたが、タンク以外があの攻撃を受けたらマジで冗談になりません。先生なんてもってのほか。

 急いで手甲のように纏わせていた神秘を壁のように作り変え、先生達の保護に回します。

 

 ですが、この選択は正解であり不正解でもありました。

 

 ちょうど私の死角になる場所から発射されたミサイルが飛んでくるのを確認しました。できたとて避けられないし防げないんですが。まだ咄嗟の防御とかは苦手なんですよ。

 

 グッと歯を食いしばって痛みや衝撃が来るのを待ちます。が、ミサイルは私に着弾するほんの少し前の場所で何かにぶち当たり、真っ黒な煙が私を包みました。

 

「え、えっと……お怪我はありませんでしょうか……」

「……?だ、大丈夫だけど君は?」

「い、伊草ハルカと申します……私なんかが来てすみません……」

「あ〜いや、ハルカの怪我は大丈夫?」

「問題ありません……鍛えてるので……!」

 

 私とミサイルとの間に飛び込んで身代わりになってくれたのは、便利屋68のハルカちゃんでありました。というか原作でこんなに頑丈でしたっけ?彼女。ひとまずは感謝、差し伸べてくれた手をとって立ち上がります。

 

 

 

 少し考えて思いました。この世界はブルアカであってゲームではないのではないかと。

 そして、本来はゲームと同じ道筋を辿るはずだった運命が、私のようなバグが存在することで、少しずつずれていっているのではないか、と。




運命の歯車が狂い始めます。

ホノカちゃんに使わせたいよって武器や技

  • パイルバンカー
  • グレード類
  • ジョジョみたいなラッシュ
  • そこらへんに落ちてたパイプ
  • その他(コメントへ)
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