私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。 作:まっしろたまご
今孤立している私たち以外はどうやら先生の指揮下に入ったようです。
イオリやヒナ、アルやムツキで大火力を狙えますし、中段からはアビドスの面々が絶え間なく牽制射撃を続けています。風紀委員会も歩兵隊だけではありませんし、数の面でも圧倒的です。
向こうのミサイルはホシノとヒナが全力で叩き落している模様、あの二人の共闘。エモい。
まぁそれは一旦おいておいて。問題は私とハルカです。ここから背を向けて先生たちのほうへ一目散……というのも私の脚力をもってすれば不可能ではありませんが、ハルカとその武器を抱えて走るというのであれば話は別。
私はなぜか重量以上にスピードの減速を食らうようです。そういう奇跡の性質として割り切ってはいますが、今のような状況になるとどうしても厳しいものがあります。
「ど、どどどどどうしましょう……何も考えずに来てしまって帰る手立てが……」
「私に、考えがあります」
「それは一体どういう……?」
「私が前線に飛び込んでターゲットを取ります。ハルカちゃんはその隙に皆と———」
「お供します!」
「本気ですか?死ぬかもしれませんよ?」
「わ、私がお役に立てることは捨て身の特攻位しかありませんから……えへへ……」
ハルカちゃんだけでも逃がそう……というか本隊に合流して火力を出して欲しかったんですが、本人からの志願があったのならば致し方なし、というかご厚意に甘えましょう。
ミサイルの直撃を受けてピンピンしてるほどの耐久力ならあるいは、という希望がなかったわけではない。しかし、何が起こるか分からない戦場にこの子を連れて行くのは……
「さっきの戦いで、『命に代えても守る』って言ってくださったのが嬉しかったんです。ですから……私も……お返しがしたくて……」
「じゃあ、一個だけ。死なないって約束して」
「え、っと……はい、わかりました……?」
「それでよし。二人で帰って来よう」
それ以上の言葉は必要ありませんでした。一斉に隠れていた遮蔽から飛び出し、一気にビナーの懐へ。
ビナーのターゲットは今、完全に本隊のほうへ向いています。だったら、一直線のバカ凸でも大丈夫。
「最高速度でブチ抜きます!!!」
最大まで加速するにはまだまだ助走が足りませんが、それでも速さで言えば亜音速。威力は相当のものになるはずです。
全霊を込めた右ストレートがビナーの腹部に炸裂します。反動はとてつもないものでしたが、それは拳の重さの証。盛大な音を立てて患部が大きく凹みます。
「う、うわあああああああ!!!」
続いてハルカがそこにショットガンを叩き込みます。その数なんと五発。
的だけはバカでかいですからもちろんクリーンヒット。傷が広がり、内部の配線がちらりと確認できました。
ダメージは通っている。このまま続ければ、じわじわとではあるが削り殺せる。
そう思っていたのも束の間に、私は知ることになる。
新たなる神として誕生した『理解者』が、なぜ私にできることができないでしょうか。いや、そんなことがあっていいはずがありません。たとえ奇跡を手にしていようと、私はどこまで行っても人間なんです。神の領域にはたどり着けないです。
『メキメキ』という音が響き、先ほど開けた穴が見る見るうちにふさがっていきます。それはまさに、私が自分の体を直したのと同じ神秘の使い方でした。
つまりこいつは、自身の内包する神秘を再構成して自分の体にすることができるということ。小火力でじわじわと削っていく作戦は死んだわけです。大火力でこんがり、もとい一撃で致命傷を与えなくてはならなりません。
そうなればまずその役として名前が挙がるのはヒナですが、彼女が得意とするのは一対多の殲滅戦。タイマンの強さはその延長線上だから致命傷にはなりえないでしょう。
ならば先ほどのように私が拳で解決しましょうか?否、それは不可能でしょう。武器をうまく扱えないというデメリット上、装甲を凹ませるに至っても貫くことはできないですし。
正直な話、八方塞がりです。些細な傷は治されると分かった以上かなりの作戦が死にました。頼れるのはもうもはや田中角栄先生(仮称)しか……
ぶつぶつと新しい考えを模索していると、ちょうど真後ろのほうから、ビナーのものとはまた別の神秘のうねりを感じます。
振り返ってみると、先生が『大人のカード』を使おうとしているところでした。
それをみて、私。思ったんですよ。
あれって、
ここからの行動は、クソガキと言われても致し方ありません。ですが、後悔は一切ありません。打開策は、すでに見つかりました。
***
「だめですよ。先生。
“ほ、ホノカ?!何してるの?!”
持ち前の超スピードで大人のカードを奪い取り、先生をたしなめるホノカ。
彼女もまた、大人である。それを知る者はこの場に存在しない。強いて言えば遠くからこの戦いを観戦する黒い人影だけであろう。
驚きの声とともにカードを取り返そうとした先生は驚愕する。彼の目の前で、『本来ありえないはずのことが起こっている』
“どうして……君は生徒のはずじゃ……”
「そうですね。ですが、このカードは間違いなく私のことを『大人』であると認めていますよ?」
先生が発動待機状態にし、淡い光をまとっていたカード。本来それが何者かに奪われたりして先生の手から離れた場合、直ちに待機状態は解除され全く役に立たない薄いプラスチックに戻る。
だが、今回においては違う。何しろ、
“待って待って!!それはすごく危険なもので———”
先生の制止もむなしく、眩い光がその場を埋め尽くす。
今ここに、『奇跡』が起こった。
「やっほー☆ホノカちゃん先生、募集に応えて出てきたよ!!」
銀河を思わせるヘイロー。純白の羽は大きく広げられており、淡いピンク色の髪は横でお団子にされ、花の髪留めで留められている。そして極めつけは、ティーパーティーの一員であることを表す制服。
「初めましてですね。
「わーお。まだ出会ってないのに大胆だね?」
「出会ってはいませんけど、ミカのことはよく知っていますから」
「そっか……そこまで言われちゃうと、頑張っちゃうしかないね☆」
未来過去問わず、絆を結んだ生徒を呼び出すことができる。それこそが、『大人のカード』。
たった一人、されど一人。彼女、聖園ミカが召喚されたことによって、戦況は大きく傾くことになる。怪訝そうな生徒たちの顔が希望に満たされるのは、彼女の実力を目の当たりにした後であった。
総力戦、開幕。
ホノカちゃんに使わせたいよって武器や技
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パイルバンカー
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グレード類
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ジョジョみたいなラッシュ
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そこらへんに落ちてたパイプ
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