私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。 作:まっしろたまご
『美食の道も笑顔から、ですわ!』
アビドス砂漠の騒動から二週間とちょっと。風音ホノカは医者も目を見張るほどの速度で回復して見せ、退院してみせる。
傷口は全て塞がった。しかし傷跡だけは手を尽くしても消えず、医者達は頭を抱えた。
年頃の女の子の体に痛ましい傷跡が刻まれたままなのはいかがなものかと転院を薦めるものが多かったが、彼女は『これでいい』と言って聞かず、よく養生するようしっかりと釘を刺した後のことだった。
病院から釈放され、意気揚々と登校しようとしていた彼女は盛大に出鼻を挫かれる。それもそのはず、病院側からドクターストップが伝えられ、生徒会長の独断と偏見で養生期間もとい休学措置がとられていた。
完全に手持ち無沙汰となったホノカは自ずと睡眠時間が増え、適度な運動によって体の不調は回復。肌艶も良くなりクマは消えた。ついでに髪もサラサラになった。
体調も整い、手持ち無沙汰は更に加速を続ける。
かくして彼女は、何か面白いことを探してキヴォトスを這い回るゾンビと化したのである。
真昼間、ゲヘナ学園近くの公園にて。風音ホノカはコンビニで買った手頃なサンドイッチを頬張っていた。言い換えるならばベンチで項垂れ、現実逃避していた。それもそのはず、完治したのは体だけだからだ。彼女のメンタルコンディションは最悪も最悪、絶望のズンドコというやつである。
そんな彼女の元に、一筋の光が差す。
「副委員長様ではありませんか。こんな時間から何を?」
「……うわ。ハルナじゃん。今授業中の時間でしょ?」
「美食の追求に昼も夜も有りませんわ」
こんな真っ昼間からこの辺りをほっつき歩いているということは概ね先生と昼食を共にでもしてきたのであろう。人のいない時間を着実に狙っている。さすが、衣装が三つあるやつは格が違う。
「しかし、どうしてそんなに沈んでいらっしゃるのですか?やはり、“例の事件”が?」
「ま、そんなところです」
ちびちびとサンドイッチを減らすホノカを、ハルナがじっと見つめている。
「それはそれとして、それは食事を楽しんでいるとは言えませんわね」
ひょいとサンドイッチを没収。あっという間に完食する姿はいっそ美しく思える。
呆気にとられるホノカを担ぎ上げた。ハルナがホノカを拉致する時の基本フォームである。
「副委員長。どうか暴れないでくださいまし」
「今は副委員長じゃなくただのホノカです。好きにしてください」
「そうでしたか。それでは参りましょう」
担ぎ上げたまま……もといお姫様抱っこのまま、ゲヘナ学園内を疾走する。その足は一切の迷いなく給食部へと向かっていた。
バンと扉が開かれ、【準備中】の札を華麗にスルー受け渡しのカウンターまで辿り着けば、見慣れた顔で愛清フウカが現れる。
「ハルナ……またホノカにちょっかいかけてるの?」
「公園で燃え尽きていたところを保護したまでですわ」
そう言って状況をこと細かに説明するハルナ。誇張が8割を超えているがここで水を刺すのも無粋、静観に徹した。
ハルナが時に涙、時に笑いありの風音ホノカの物語を語り終える頃には、その場にいる全員がハンカチで目元を拭っていた。
無論大法螺であるがそれはご愛嬌。フウカの協力を得るための致し方ない嘘だ。
それからしばらくして。カウンターの上に、おにぎりとお味噌汁とお漬物が乗せられたお盆が三つ並んだ。
適当な席に運んで3人で手を合わせる。
「「「いただきます」」」
どうしてこうなった。そう、ホノカは思索するが答えは見つからない。が、方法はアレだったがせっかくハルナが設けてくれた場、フウカが作ってくれた料理だ。いただかなければ不作法というものだろう。
思えば、誰かと食事をするのは久しぶりだ。薄ぼんやりとそんなことを考えながら味噌汁に手をつける。
「……美味しい」
自然とそう零す彼女は、久方ぶりに笑顔を浮かべていた。
ホノカちゃんに使わせたいよって武器や技
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パイルバンカー
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グレード類
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ジョジョみたいなラッシュ
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そこらへんに落ちてたパイプ
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その他(コメントへ)