私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。   作:まっしろたまご

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書き方ちょっと変えてみました。読みづらければ戻します。


『確かに存在した記憶』

 まるで宮殿のような校舎。美しく保たれた礼拝堂に某ピンクのあの方が腰掛けていそうな噴水。

 そう。ついにきてしまった。我がゲヘナの宿敵であるトリニティ総合学園に!

 

「ふふふ……緊張なんてしていませんとも……あ〜お腹痛……」

 

 これから会う人のことなんかを考えると胃がキリキリと痛みます。なんでティーパーティーの三人と面談なんでしょうか。意味わっかんないです。

 3対1で私が何か悪いことしましたかね?切実に理由が知りたいです。

 

 緊張云々は一旦置いといて。校門あたりで案内の人が来るって聞いてたんですけど、なかなか来ませんね。もしかして少し早すぎたんでしょうか。

 トリモブちゃんズからの陰口や視線が痛い痛い……というか普通に暴言聞こえましたよ。誰ですかゲヘナの主戦力はみんな貧相って言ったのは!

 イオリはまだマシでしょう失礼な!

 

 前世でも言われてましたけどゲヘナより民度悪くないですか?どっちもどっこいですね。おそらく。

 

 チラリと腕時計を見れば、そろそろ予定時間の5分前になるところでした。

 公的なお仕事の際は絶対15分前行動。前世からの私のポリシーです。今回はゲヘナのイメージにも関わることなので驚異の30分前行動。実はちょっと後悔してます。

 

 そんなことを考えながら正面校門の真ん前でぼんやりとしていると大きな羽を広げた人物が悠々と歩いてきました。まさかあの孤独なsilhouetteは……

 

「あ、お待たせしちゃったっすかね?申し訳ないっす」

 

 で、でたー!仲正イチカ!!仲正イチカです!!

 正義実現委員会のガチエリートにして他学園の生徒とも関係良好!トリニティ屈指の常識人枠ですよ……下手に刺激しなければ。

 

「いえ。5分前行動は基本ですから、お構いなく」

「じゃあ早速ご案内するっす。生徒会が使ってる場所は結構遠いんで」

 

 『行くっすよ〜』と先導してくれるイチカさんに連れられて歩く校内はとても平和な物で、銃声一つしませんでした。

 聞こえる物といえば、生徒達の平和なざわめきと耳に心地いい環境音。さすが、気品漂うお嬢様学校です。

 

「……平和ですね。ゲヘナとは大違いじゃないですか」

「いやぁ。わりとそんなこともないっすよ〜?言ってもここもキヴォトスなんで、些細なことが銃撃戦に発展することだってザラに———」

 

 そうイチカさんが言い切る前に、正面にあった校舎の二階の窓から爆煙が噴き出しました。

 

「……割といつもこんな感じっすね……」

「結局どこも変わらないんですね……キヴォトスって……」

 

 ため息を吐きつつも、走り出すまでは早いです。おそらく少し行った先で『待っててくれ』とでも言い残す予定だったのでしょう。全力疾走に小走りでついて行ったらギョッとされました。

 

「無理についてこなくていいっすよ?危険っすから」

「いえ。私も治安維持機関(風紀委員会)の者ですから。見逃せませんよ」

「副委員長さんがきてくれるなら百人力っすよ〜!一応腕章渡しとくっすね!」

 

 ポイッと投げられたのは正義実現委員会の腕章。トラブルの解決に向かうならこれをつけていて損はないと。

 こんなに簡単に渡していいんですかねこれ。

 

 っと、それは一旦置いといて、事件の概要を確認です。

 イチカさんが言うには、あそこは茶会研究部の部室だからおそらく茶道部の襲撃だろうと。

 普段から方向性の違いでよく対立しており、軽い撃ち合いはよくあるんだと、走りながら聞きました。

 

 いや、名前に反してファンキーすぎませんかね?『気に入らないから爆破』ってやってること美食研究会(テロリスト)と何も変わんないですよ?

 

 恐ろしや、トリニティ総合学園。これまた私怪我して怒られる流れじゃないですか?大丈夫?

 

 状況の確認と作戦会議をしているうちに、茶会研究部の部室、入口前に到着しました。

 風穴が空いているとはいえ、中は逃げ場の無い密室。秘密兵器の出番です。

 しかし、その前にイチカさんにガスマスクを渡しておきましょう。思ってたより似合ってて面白いです。

 

「えっと、これは……」

「ガスマスクですよガスマスク。突入に必要なのでつけといてください」

「え、ちょ、何するつもりなんすか?!」

「平穏に、且つ迅速に終わらせる方法ですよ」

 

 我が秘密兵器カバンから取り出されたるはコンビニで買った無数の催涙ガスグレネード。

 ここまで説明すればお分かりでしょう。ピンを抜いた催涙グレを部屋に放り込みます。なかなかたのしい。

 

「オラッ!!催涙!!」

 

 言いたいセリフも言えました。これより突入です。ええい暴れるな!ガスの中で深呼吸しろ!

 

 さっさと銃を取り上げて制圧……が終わる頃にはまさに死屍累々と言った様子でした。

 催涙ガスからはさっさと救出しましたし、植物性のものを選んで買っておいたので後遺症も大丈夫、なはずです。

 

「いや〜派手にやったっすね〜」

「でも、うまく行ったでしょう?」

 

 ひと段落とガスマスクを外し、イチカさんから受け取ろうと近寄ると、みるみるうちに顔が青ざめ、スススと後ろへ下がっていきました。

 

「あ〜、ちょっと近づかないでほしいっす……目が……」

「いやいやまさか……そんなわけ……」

 

 突入して生徒を担ぎ出したのは私だけです。甘んじて一応袖の確認のために顔を近づけてみま———

 

「痛っっっっっったい!!目が!!待って痛い!!」

「あー!何してるんすか!救護!誰か救護!!」

 

 ごろごろと床を転げ回る私の顔面に、誰かが水をぶっかけてくれました。

 誰かはわかりませんがありがとう。

 

「あ、モモトークで軽く報告したら、お茶会を遅らせたいって知らせが入ったっすよ。又聞きっすけど、よかったっすね」

「こう、なんていうか……よかったというかよくないんですよ……」

 

 転げ回っていた姿勢のまま水溜りの中でジト目の私と、ニコニコと報告するイチカだけがその場に残されたのでした。

 

 


 

「いいじゃないっすか。なかなか似合ってるっすよ?」

「あ、ありがとうございます……」

「実力も申し分ないだろうし、むしろ後輩としてほしいぐらいっすね!」

 

 催涙成分を雑に洗い流された私はびしょ濡れになってしまっていました。

 それを見かねた(?)イチカさんに正義実現委員会の部室へ。

 そして偶然居合わせたハスミさんに事情を説明。手渡されたのは正実の制服でありました。

 

「ああ……ええ。よくお似合いだと思いますよ」

 

 イチカさんのおかげで渋々協力していただけましたが、そう言えばこの人ゲヘナのことめっちゃ嫌いじゃないですか。

 確か風紀委員会のまともな皆さんとはギリギリ共闘できるぐらいですし、態度には気をつけないといけません。深々と頭を下げておきましょう。

 

「事後処理をさせてしまった上制服までお貸しいただきありがとうございます。申し訳ない」

「そこまで頭を下げる必要はありませんよ。元々はこちらの仕事ですから」

「そ、それでも!何かをしていただいたのであればきちんとお礼をするのが礼儀です!」

「……しっかりされているんですね」

 

 ああ〜怖い。本当に怖い!対応がドライなのが一番怖いんですよこういう丁寧な口調の人って。

 いっそ邪険に扱ってくださいよ!そうすればこちらも割り切れるっていうのにチクショウ!

 

「あ、そろそろ行くっすよ〜、ホノカちゃん。準備してくださいっす」

「は、はい!すぐ行きます!」

 

 最後にもう一度感謝を告げて、私は正義実現委員会の部室を後にしました。

 ご招待をいただいたティーパーティーにはこのままの制服で向かうことになりました。ナギサ様はともかくミカさんがおそらくいると思うので見た目での警戒度は下げられる……いやむしろこれを着ていることでさらに嫌われたりしそうです。

 

 セイアさんはこの間、夢から出られないって言ってましたし襲撃はもうあった後。

 2人+会った事ない姉のお茶会にゲヘナから参戦することはかなり気まずいです。

 

「もしかして、緊張するっすか?」

「はい。なんやかんや他校のお偉いさんと1人で会うのは初めてなので」

「ハスミ先輩にも気に入られてたっぽいっすし、大丈夫っすよ!」

「あ、あれでですか……?」

 

 イチカさんとはここまでの道中や待ち時間でかなり打ち解けられました。これはもうヒフミちゃんに続いて2人目のトリニティの友達ができたと言っても過言ではないのでは?

 

「この扉の先で、お三方がお待ちっす。健闘を祈るっすよ」

「……ありがとうございます」

 

 さぁ。吉が出るか蛇が出るか。懸念事項は『姉が何者なのか』と『ミカの好感度をいかに下げないか』。

 落ち着いて一度深呼吸。大きな木製の扉を開くと、そこには夢で見たのとほぼ同じ光景が広がっていました。

 

「事情はお伺いしております。風音ホノカさん。どうぞおかけください」

 

 入るや否や、ややフライング気味で歓迎してくれた栗色のロングヘアの女の子が桐藤ナギサ。その正面に座っているピンク髪の天真爛漫そうな子が聖園ミカ。そしてその間の、私と()()()()髪の色をしたのが……

 

「やぁ。風音ホノカさん。わたしは風音カオリ、君の()()()()()()()()。よろしくね」

「私がホストの代理を務めている桐藤ナギサで———」

「案内ご苦労様☆それで副委員長さんはどこかな?」

 

 ミカさん以外の二人から盛大な溜息が漏れました。

 きっと事前に説明があったのに聞いていなかったんですね。だから私を正実の子と勘違いしたと。

 

 あ、程なくしてロールケーキがぶち込まれました。名シーンとは別ですが見れて嬉しい。

 

「すまない。彼女はこういう場が苦手なんだ」

「政治的な場ではありませんよ。カオリさん。()()()()お茶会です」

「それは無理があるだろうナギちゃん。まぁ、そんなわけだ。気楽にしてくれて構わないよ」

 

 カオリさんに促されて着席。ちょうど彼女が正面で、右手にミカさん。左手にナギサさんがいる形の円形テーブルです。とても気まずい。

 

「しかし、本当に他人行儀なんですね。もう少し砕けた態度でも構いませんよ?」

「いや、彼女は昔事情が……いや、事故に遭ってね。ゲヘナに編入する以前のことは覚えていないんだ」

「そ、そうなんですか?」

「本人も自覚はないだろうがね。だが、()()()で共に過ごした時間も綺麗さっぱり忘れているというのは、いささか寂しいものがある」

 

 『あそこ』……とはどこなんでしょうか。確かにそういえばゲヘナで意識がはっきりとしたのは編入して少し経った後だったような。それから昔を思い出そうとすると、ズキリと激しい頭痛がしました。

 

「……ホノカ。本当に、私のことを……もう一人の姉のように慕っていた『サオリ』のことも……忘れてしまったのかい?」

 

 『サオリ』……というとアリウススクワッドのサオリでしょうか。私はまだ知り合っていないはずなのですが、どこかで、いや。『あそこ』で……会ったことがあったのでしょうか。

 

 うんうんと唸って考えているうちに、だんだんと頭痛が引いていきました。

 

 そして、私の頭に溢れ出したのは、『いつかの過去、確かに存在した記憶』だったのでありました。

ホノカちゃんに使わせたいよって武器や技

  • パイルバンカー
  • グレード類
  • ジョジョみたいなラッシュ
  • そこらへんに落ちてたパイプ
  • その他(コメントへ)
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