私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。 作:まっしろたまご
「こほん。話題がずれたな」
「ええ。本当に」
「誰のせいだと———いや、なんでもない。君たち姉妹を相手取るとどうしても苛立ってしまう」
体感時間的には数十分ぐらいで終わりましたお説教。いや〜長かった。
「それでだね。君に頼みたいことがあるのだよ」
「楽しいですか?」
「本当になんなんだ君は。聞いて自分で判断したまえよ」
「また話題がずれたな。君に頼みたいのは……『私の護衛』だ」
めんどくさそうですね(直球)。いや、私に頼むってことはそれなりの理由があるんでしょうが。
「ちなみに、姉の方には話を通してある」
「話を通してあるとどうなるんです?」
「知らないのかい?とんとん拍子に話が進む」
この人大丈夫ですかね。ゲヘッパリに護衛頼むなんて先生でもしませ―――いや、あの人はしますね。
「仕方ないだろう。信用出来て話が伝わる相手は君しかいないのだから」
「何を言っているんですかあなたは」
「私は交友関係が狭い。そしてトリニティ内部には信用できる相手はいない。外部で、且つ実力があってつながりのある人物を絞り込むと見事に君しかいないわけだね」
「いやまぁ私は構いませんけど……」
面倒なのは立場なんですよね。外交官はほかの国に積極的に赴きますが私は外交官ではないので。
今回だって特例中の特例ですしね。本来外交の場に風紀が積極的に介入していくべきではないと思ってるんですよね。マコト様その辺は優秀なので。バカですけど。
「私としては問題ないんですけど……」
「なにか問題でもあるのかい?」
「私そこそこ地位のある人間なのでそれは無理だと思うんですけど」
「手厳しいな。だが……君はまだカオリの本領を知らない」
セイアさんってこんな感じでしたっけ?まぁいいや。思考放棄です。
「姉がどうかしたんですか?」
「彼女は……有言実行の鬼だ。うちの派閥にいなかったらと思うと正直ゾッとするレベルで、彼女の対人交渉能力は高く買っている」
「はえ~~」
そういわれてもピンときませんね。記憶の中では喋り方は硬い、いいお姉ちゃんって感じでしたし。でも本人不在ってなった時前もって指名しておくぐらい上に立つ才能がある人物なんでしょうね。そこらへんはちょっと感じました。
「いや……私もトリニティに行けば色々メリットを享受できるのは間違いありませんが……」
「なら、決まりだね。じきに連絡がいくと思うから、精々泊まりの準備でもしておきたまえ」
「どこ目線なんですか?」
「上から目線だよ」
「やかましいわ」
ゲヘナの人間がトリニティに行くとなると……あとはわかりますね?魔女ミカと同じぐらいの待遇を受けると思うんですけど、現実ってもっと優しかったりしますかね?しない?そうですか。
精々、なんて言われちゃいましたし、さっさとお話は終わりにしましょう。今回のお話前よりちょっと長引きましたし。
「それじゃ、私は寝ます」
「ああ。こんどこそ、次は現実で会おう」
「行けたら行きます」
そんなしょうもない問答を交わしていると、意識がだんだんと曖昧になっていきます。明晰夢から眠りに落ちる感覚って感じでしょうか。まあいいでしょう。明日のパフォーマンスのため、私はもう休みます。