私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。   作:まっしろたまご

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今回のお話について、重大なミスをやらかしました。詳細はリンク先の活動報告に書いてあるのでご確認いただけると嬉しいです。


『ミレニアムに行こうよ(n回目)』

「おっはよーございまーす!」

 

 清々しい1日は美しい挨拶から。どうも、風音ホノカです。

 

「おはよう。昨日はお疲れ様」

「あ、委員長もお疲れ様です」

 

 挨拶を返してくれたのはヒナヒナのシナ委員長。また遅くまで仕事してやがりましたねこの子。

 

「委員長、()()ますか?」

「ええ……お願いするわ……」

 

 もはや何回目かもわからなくなったハグ。ハグはストレスの何%だかを軽減するって話をしたら定期的にこんな感じで抱き合う関係になりました。エッチな意味じゃないですよ。

 

「……ッスゥー……」

 

 以前のお泊まりの時、吸ってやろうと画策していたら逆に吸われるというか尊厳破壊を受けた私ですが、今日も元気に生きてます。というか吸われてます。解せないですね。ホノ×ヒナルート入っちゃいましたねこれは間違いない。

 

 ええ、ええ。わかっていますよ。私はそんな無粋な真似はいたしませんとも。あくまでヒナが寄りかかれる相手が増えたらそれはとっても嬉しいなって。あわよくばエデン条約編での一時退場とかなくなったらいいななんて思ってませんよ?

 

「……んぁ?委員長……何を……?」

「イオリさんおはようございます。気にしないでください」

「こないだも吸ってたよな……お前は何かやばい成分でも含んでるんじゃないか?」

「失礼ですね。合法ですよ」

 

 話しかけてきたのは仮眠をとっていたイオリでした。というか朝の風紀委員会って死屍累々なんですよね。アコもチナツもイオリも大体この時間にいる時は大体ぶっ倒れてます。私は外勤続きだったり病み上がりだったりでなかなかこっちに来れてないので歯痒いものがありますね。

 

「委員長……そろそろ……」

「もうちょっと……」

 

 最近割とコレが噂になってたりするらしくて、先生に吸われかけました。ヒナを吸いなさいよヒナを。

 まあそのおかげで完全に力で抑えていた委員長にちょっと支持者がついたともっぱらの噂です。

 

「ありがとう。元気が出たわ」

「問題ないですよ……って見違えましたね」

 

 私の平たい胸を離れたヒナはとても瑞々しくなっていました。なんかキラキラとしたオーラも放っています。

 え、くっついてくる前シワシワのピカチュウみたいな顔してましたよね?やっぱり私やばい成分でも含んでいるんですかね?

 

「さて。仕事の時間よ」

「はい。そのつもりできましたけど?」

「ミレニアムに行ってきなさい」

「え、何でですか?」

「手紙が来てるって言ったじゃない……だいぶ待たせてるから早くいってきなさい」

 

 こってり忘れてました。そういえばトリニティとミレニアムから手紙が来てて、先にトリニティから片づけたんでしたっけ。情報量が多すぎましたし仕方ないでしょう。うん、仕方ないですね。

 

「これさえ終わらせれば、ひと段落で次の準備に取り掛かれるから。頑張って」

「そういわれちゃ頑張るしかないですねぇ……行ってきます」

「ええ。行ってらっしゃい」

 

 来たばっかなのにミレニアムにレッツゴーです。持ち物はカバンにまとめてありますし、このまま直行でいいですね。トリニティよりは幾分かマシなのは気が楽ですね。

 

 

 よし、駅まで行くのもアレですし、走っていきましょう。

 


 

 

  どうも。到着した風音ホノカです。

 

 二回目のミレニアムサイエンススクール。やっぱりクソでかいですね。ミレニアムタワー。靴さえ何とかすれば、ギリ上れそうではあります。

 

 そういえば、今履いてるコレ(作ってもらったシューズ)、プロトタイプでしたっけ。

 試作品なのにかなりの無茶をさせてしまいましたね。これは呪われても致し方なし。壊れてしまった暁にはきちんとお焚き上げさせていただきましょう。

 

 約束の時間にはまだまだかなり早くついてしまい、サイエンススクール内をぶらぶらと歩いて時間をつぶします。

 

 途中、冷酷な算術使いがモモイとアリスを追い掛け回していました。パヴァーヌ編はもう始まっているみたいですね。あの子たちの漫才を遠くから眺められただけでもありがたい限り。

 弱った心にモモイがよく染み渡ります。

 

 個人的に、パヴァーヌ編1章とエデン条約編1章には絡めないかなぁなんて思ってるんですよね。あそこはユニット紹介と言いますか、ゲーム開発部と補習授業部がメインのシナリオですから。

 

 しかし、エデン条約編には何とか参加しないといけないんですよね。何でかっていうと青春宣言を生で見たいから。

 

 嘘です。あのシナリオ綱渡りすぎるからです。

 

 アズサが折れたら終わり、古聖堂で死者が出ても個人的には敗北。サオリがミカに負けてもダメ。ムニス君に負けるなんて言語道断です。

 

「……思ってたよりバドエンルートが多いですね……どうしたものか」

 

 副委員長にもなれましたし、ゲヘナバカマコト会長のお気に入り(?)もいただいていますし、個人的な理由で知らされないということもないでしょう。

 

 しっかし、最速でも関われるのが調印式から。

 その後怒涛のイベントラッシュを経てvsベアおば……

 

 冷静に考えて無理では??

 いやいや、おかしいですよ。先生は脇腹撃たれてあれですしサオリはカスみたいなコンディションでゴリラ(ミカ)に善戦しますし。やっぱ綱渡りすぎますって最終編しかり。

 

 一旦頭を振って思考を整理します。

 

 まあそんなことを言っても、私には類まれな超スピードがあるので間に合わないということはないでしょう。

 

 しかーし、一つだけ問題があります。

 

 それは、この世界にきてからブルアカの記憶が薄れつつある。ということです。

 

 厄ネタ的なあれではなく。

 記憶力的なあれで。

 

 いや、しかたない。仕方ないんですよ。もともとうろ覚えでしたし。

 何なら一周しかしてませんし!

 

 忘れる前に書き留めておくべきでした。ええ。私のミスでした。

 

「あ~~~~~も~~~~~~~~考えたくな~~~~~~い!!!!」

 

 どっかりとそこらへんにあったベンチに座り込んで、溜息を一つ。

 やっちまいました。視線がかなり集中しています。はっずい!

 

 ざわざわヒソヒソとお話をしているモブちゃんたちの中から、一人ずいずいと私の前に出てくる子がいました。

 

「あの……もしかして、この間大怪我をされていたかたですか?」

「あ、もしかして帰りに声をかけてくれた子ですか?」

「そ、そうです!覚えていてくださったなんて……」

 

 この間……ネル先輩にボコボコにされたときですね。包帯ぐるぐるで帰宅する私を哀れに思って駅まで送ってくれたモブちゃんがいました。

 

 そんな心優しいモブちゃんが彼女というわけです。

 やっぱりミレニアムは最高ですね。どこかの性格が悪い方々とは大違いです。おい聞いてるかトリカスモブどもお前らのことやぞ。正実モブちゃんはいい子だから許す。

 

「あ~……申し訳ないんですが、お礼に渡せるようなものは持ってないです……」

「そ、そんな!何かもらうためにやったわけじゃないので!とにかく、ご無事でよかったです!」

 

 しかし、ここで逃がしてしまうのは日本男児の恥。ギリはきっちり返します。

 

 

 ……死ぬまでに。

 

「れ、連絡先を交換しましょう!ちゃんとお礼をさせていただかないと気が済まないです」

「そ、そこまでおっしゃられるなら……よろしくお願いします……!」

 

 やったぜ。これで業務連絡しか届かないモモトークも、少しは年相応の通知が来ますかね。

 うんざりですよ。休日に呼び出しの通知しか来ないの。

 

「そ、そういえばあなたはどのような御用でミレニアムに?」

「ああ。エンジニア部の方々に呼ばれてきたんですよ。靴の件でいろいろと」

「あ、ウタハ先輩がおっしゃっていたお客人ってあなたのことだったんですね……!」

 

 あ。エンジニア部。自分で行っておいて今思い出しました。時間大丈夫ですかね?

 

 

 

「あ」

 

 

 

 かんっぜんにやらかしました。過ぎてるじゃないですか時間。

 

「さっきの口ぶりから察するに、エンジニア部の子ですよね??」

「は、はい。そうですけど、どうかしましたか?」

「急がないといけなさそうなんで、近道教えてください!お礼は後日します!!」

「いいですよ!お礼はいりませんけどね!」

 

 言質取ったり。担ぎ上げます。

 

「ちょちょ、な、なにしてるんですか?!」

「足は私のほうが早いです!道だけ教えてください!道だけ!」

 

 ダッシュでエントランスを駆け抜け、説教中だったユウカに見つかって怒られかけましたが何か叫んでたことには私の後方遥か彼方。ミレモブちゃん(仮称)は目を回しながらも懸命にナビを続けてくれています。

 

 健気なミレモブちゃんのサポートもあり、何とか遅刻は軽傷。五分程度の遅れに済みました。

 

 ありがとうミレモブちゃん。R.Ⅰ.P.ミレモブちゃん……

 


 

「お、遅れました!!!」

「おや、来たね」

 

 遅刻五分。されど五分。器の大きなウタハさんのおかげで許されました。どうも、遅刻魔風音ホノカです。

 

「それじゃあ、早速場所をグラウンドに移そうか。使用の許可は取ってあるからね」

「グラウンドですか」

「試作品ver0.2を作ってみたからね。データが欲しいんだ。説明は道すがらコトリに受けるといい」

「説明が必要ですか?!」

「ああ。ホノカ君にver0.2のシューズについて教えてあげてくれ」

 

 あ、まずいっすこれ。ウタハさんからの指示ですしマジで止める人がいません助けてミレモブちゃん(仮称)。

 ミレモブちゃん?返事をしろ!ミレモブちゃん!ミレモブちゃーーーん!!

 

 私のスピードで伸びてるんですね。ええ。これは報いです。きちんと受けましょう。

 

「説明しましょう!と言いましてもver0.2についてきちんと知っていただくにはまずver0.1のことから知っていただかねばいけません!というわけでver0.1についてから説明しましょう!まずver0.1は、ホノカさんの身体データを取るために突貫で形にされたモデルです!そんじょそこらのシューズとは耐久力が違いますが特徴はなんと言ってもその機能性!!バイタルチェックや速度計、それらで取ったデータをサーバーに接続し遠隔で健康状態を把握することだってできます!なお今回はそこで亜音速や音速が確認されたので特別ゲストとしてヴェリタスの元部長にして特異現象捜査部の明星ヒマリさんがいらっしゃっています!!脱線してしまいましたがつづいてver0.2の解説です!ver0.2はver0.1で収集したデータをもとに、よりホノカさん向けに調整を重ねたモデルになっています!ホノカさんの走り方は段々と加速していくタイプよりも瞬間的な加速が多くみられましたので伸縮性を向上!剛性の高い素材を靴紐に採用し神秘による強化が少なめでもスペックを発揮しやすくなっています!」

 

「データを元に調整されたってことですね」

「つまりそう言うことです!」

 

 とんでもなく長ったらしい説明を一行にまとめてやりました。キヴォトスで死ぬまでにやりたいことのうちの一つが済みましたと同時にグラウンドにつきました。

 

 

 ……オーディエンス多くないですか?いや、さっきの説明で特異現象捜査部が来ていることは知っていましたがセミナーの太ももにゲーム開発部にネル先輩にその他モブちゃんズってとんでもないですね。

 エンジニア部の変な実験ってそんなに有名な娯楽か何かなんですか?

 

「……来た」

「やぁヒビキ。テストの要を連れてきたよ」

「どうも、テストの要です」

 

 察しましたよ。ver0.2を履かせて能力テストをしようって言うわけですね。

 そうなら早めにアップしておきましょう。私が怪我したら委員長もといヒナちゃんが泣きます。

 

「おや、察しが早いね。その通り、シューズの機能テスト及び君の身体テストだ」

「なるほど……ところで肝心のシューズは?」

「心配ない。ヒビキが用意してくれているよ」

 

 シューズを受け取って履き替えると、オーディエンスから『おお〜』って聞こえました。私はマイケルジャクソンか何かなんですか?

 悪い噂はたくさん立てましたけど人気になる要素はなかった気がしますけど。

 

「それじゃあ早速。軽い跳躍から———」

 

 ごうって感じの音と一緒に飛び上がります。鳥ってこんな感じなんでしょうか。オーディエンスから悲鳴が上がります。

 あ、7階だかの窓から見ているリオ会長チッスチッス!

 

 そろそろ勢いがなくなってきました。待って待って、着地のこと考えてなかった。

 まぁいいや。神秘パワーでなんとかなりますよ。

 

 地面が近づいてきました。着地の勢いは……膝で殺す!

 

「あ、なんとかなった」

 

 さぁ沸けオーディエンス。ゲヘナ副委員長の名を耳に焼きつけてやるんです!

 

「ホノカ君……君は蛙か何かなのか……?」

「ウタハさんって要所要所で失礼ですよね……」

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