私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。 作:まっしろたまご
装備のテストを兼ねて始まった私の身体テストは混沌を極めました。
例えばそう、グラウンドが抉れたり、盛大にヘッドスライディングぶちかましたり。
あとはオーディエンスにドン引きされたりしましたね。解せぬ。
「ホノカ……大変言いづらいんだが……」
「ええ、大体わかってますよ……」
「「今の技術じゃ測定できなかった……」んですよね?」
やっぱり。どうせそんなこったろうと思いましたよくそが。いやでもいいんですよ。すごい速いってことが分かったので。限界がマッハなんぼか分からなかったのは痛手ですが今まで通りの感じで行けばいいでしょう。モーマンタイです。
「こうなったら……ヒビキ。『アレ』を持ってきてくれ」
「ウタハ先輩……『アレ』はさすがに……」
「ホノカならきっと大丈夫だろう。頼んだよ」
うわ怖。技術者キャラが言う『アレ』って大体碌なもんじゃないって相場が決まってるんですよね。最終兵器とか自爆兵器とかそういうの。というかいまヒビキさん良心出てませんでしたか?人に向けるのもはばかられるってことなんですか?やめてくださいよ切実に。
「つ、連れてきた……けど……」
「ああ。ご苦労様。念のため離れておいてくれ」
「え、えっと……これは……」
「説明や解説が必要であれば!!!」
「三文でお願いします」
ぼんやりと思考を巡らせているわたしの前に連れてこられたのは恐らく警備ロボであろうロボでした。何で警備ロボか怪しいかと言われれば、すっごい特撮っぽかったんですよ。
体の部位ごとに色違いますし。すごい強そうな武器持ってますし。え、私今からこれとやりあうんですか?とても嫌なんですけど?
「このロボはクライアントに提出した試作機で!」
「倉庫の肥やしになっていたところを!」
「いま!持ってきたという警備用ロボットです!!」
「なるほど。本当に三文でありがとうございます」
警備用に特撮ヒーロー……?妙だな。気にしないでおきましょうか。そういう趣味のかたもいらっしゃいますし、まぁ多様性ですよ多様性。アイツ身長2mぐらいありますがなんとかなりますよヘーキヘーキ!!
「それではホノカ。構えてくれ」
「ぶちのめします」
ギギギ……という音と共にロボ(仮称)が臨戦態勢に移ります。ちゃんと油関節に刺してますかねこれ。私には関係ないことですが。
「レディー……ファイッ!!!!」
速攻!一撃!!勝利!!!拳を胸元に叩き込んで試合終了です。それ以上でもそれ以下でもありません。やはり速攻。速攻はすべてを解決するんです。というかしたんです。
「ホノカ……せめてちゃんと動き始めるまで待ってくれると……嬉しかった……」
「申し訳ソーリーですウタハさん……内に秘めるスピードを制御できなくなってしまって……」
見ればロボの胸部はべっこりとへこんでしまっていました。おいたわしや。ロボ。
っていうかこれ壊していいうやつだったんですかね。ちょっと待って考えれば考えるほど怖くなってきましたまっずい。
「そこの御仁よ……お困りのようだな……」
「その声は……?」
「わが名は勇者アリス……邪悪なる魔王を打ち倒すため仲間を集めている途中、そなたに出会った。ホノカよ……かなり優秀な格闘家と見た!我がパーティーに加入してはくれまいか!!」
ゆ、勇者パーティ―ですか……ッ?!きゅ、急展開が過ぎますよ!!!!!!