私気づいた。銃より拳のほうが強いんじゃないかって。   作:まっしろたまご

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『補修授業部の何気ない1日』

「ここは因数分解を使う範囲で……そうそう、その調子です」

 

「あ、当たり前でしょ!私は正義実現委員会のエリートなんだから!」

 

 

 第一次学力試験に向けて学習を続ける補修授業部。それぞれ黙々と机に向かう中、私こと風音ホノカと先生とヒフミさんは教える側としてあちらこちらへ走り回っておりました。

 

 

「……しかし、意外だな。ホノカがそっち側とは」

 

“無断欠席とか遅刻とか多いって聞いてたしね”

 

「いやぁ……まぁ言っても小テストぐらいの範囲ですし……」

 

「それでも!一人でもできる側として教えてくれるのは大助かりですよ!」

 

「ありがとうございます。ヒフミさん」

 

 

 やれやれ、学力試験に使われる科目がキヴォトスやトリニティ独自のものでなくて安心しました。私とて前世では教職を志して挫折した一般人、高校の範囲ぐらい教えられないで先生に憧れるなどと言語道断です。無断欠席云々についてはノーコメント、一時期全てを投げ打って体を鍛えていましたから……欠席連絡もどこに入れたら良いのかわからないし、不可抗力ってやつですよね。

 

 

“……ホノカ?どうしたの?”

 

「失礼、少しぼんやりとしていました。呼びましたか?」

 

“いや、呼んだのは私じゃなくてコハルだよ。見直しと答えが合わないんだって”

 

「ここ……答えに途中式がついてなくて……」

 

「ああ、これですか。ちょっと待ってくださいね」

 

 

 暗算で間違いを探す私をじっと見つめるコハルさんはとても真剣そうな表情。この子がエロ本持ち込んでるとか信じられないんですけど。なんでもないです。人間誰しも意外な一面というのは持ち合わせているものですからね。ずっとこんな感じで入られてもコハルさんらしくないと言いますか、やはり勉強している時よりはハナコさんやアズサさんたちと戯れている時の方が数段楽しそう……いや、これは当然のことですか。

 

 

「多分、ここで符号を換え忘れてますね。だから後の式でズレが出ているんじゃないかと」

 

「……本当だ!ありがとう」

 

「いえいえ、お気になさらず」

 

 

 再び机に向かい始めたコハルさんを見てふと思ったのですが、この子って原作でもこんな感じでしたっけ。あやふやな記憶ですが、どこかで一回パニックになってから真摯に取り組むようになったような……?いや、あやふやな記憶ではなんともいえませんね。

 次に気にかけるべきは……こちらをニコニコとした表情で見つめるハナコさんですね。

 

 

「……ハナコさん。進捗はいかがですか?」

 

「うふふ……♡」

 

「いやうふふじゃなくて……言いたいこととか聞きたいことがあったらきちんと言ってくださいよ?……人間、言わないとわかんないことの方が多いんですから」

 

「あらあら♡それは私の弱くて敏感な部分も教えてほしい……と?♡」

 

「ええ、そうですよ。言い方はアレですけどね」

 

 

 否定はしませんよ、否定は……って、なんですかその目は。みんな揃ってこっちを見て。ちょっとそんなに驚くことないじゃないですか。センシティブは良くないと思いますしハナコさんの言葉遣いは勘違いを産みやすくもありますけどそれは親愛の証であってというか一定の距離感はあれど敵意はないというアピールかなぁなんて勝手に思い込んでいたのですがもしかしてこの世界の彼女はただの変態痴女だったりするんですかええ確かにその可能性もありますよねなにしろこの世界はブルーアーカイブであってゲームではないのですから私や姉のような異分子が紛れ込んだことによってバタフライエフェクト的なそれでそうなっているという可能性もなくもなくなくないのでは……

 

 

おちつきましょうか。

 

 

 はい、落ち着きました。

 

 

「……じゃあ、今晩少しご相談に上がらせていただいても?」

 

「……ええ。構いませんよ」

 

 

 耳元で急にささやかれたのでびっくりしてしまいましたがモーマンタイ。

 

 ただ、問題は別。この『話し合い』で、きっとハナコさんは何かしらのアクションを仕掛けてくるでしょう。どうにか、昼間のうちに策を考えておかないと……




カザネ(何あのピンクの小さい子……可愛い……)
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