ヒカルが突如スーツの男に誘拐された。二人は建物でできた影の中にズブズブと入って行ったから、きっと男の個性なんだろう。
瞬間移動系の個性、しかも影の中を移動できるんだと思う。
ヴィランにあったのはこれが初めてじゃ無かった。昔ヘドロのようなヴィランが中学生を人質にとる事件に私も遭遇した。
商店街は燃えて、その人質の子は苦しそうで。ヒーロー達も悪戦苦闘してる最中に。
一人の少年がヴィランに向かって走って行った。人質と同じ制服だったから友達だったのかも知れない。オールマイトが来なければ彼もヴィランに襲われていた。だけど彼はヒーローでもないのに一人で立ち向かった。
私には彼と昔のヒカルが重なって見えた。
幼稚園生の頃、同じ園の無個性の子が虐められてた。その時ヒカルがいじめっ子相手にまだ個性も発現してないのに立ち向かった。
その日から、私はヒカルのお陰でヒーローに憧れた。
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「ヒカル!」
「どうしてここがわかったの? ここ廃墟ビルだよ?」
「ここの風だけな生温かった。こんな所に人が居るなんておかしいからね」
「風系の個性か、まあいいよ。殺してあげる」
私だってヒーロー志望なんだ。ヒカルを私だけで救い出す。警察にはもう連絡した。すぐにヒーローも来てくれる筈。だから私がすべき事はヒカルを風で安全な所に運ぶこと。
「あなたと戦う気はないの!」
ヒカルを風で持ち上げ部屋から出す。後は逃げるだけ。
「逃げる気か? 言っとくが俺の個性は瞬間移動系だ。逃げられないぞ?」
「きっと影の中に入れるって個性でしょ? だからこうするの!」
私はヒカルを抱えて廃墟ビルの窓から飛び降りる。そのまま空風でを飛ぶ。
空中には影がはない! アイツは私達を追うことができない。ヒカルの目隠し、口輪を取る。
「リコ! ごめん俺のせいで」
「いいよヒカル。私ヒーロー志望だもん!」
夕日が輝く空を飛びながら私はヒカルに聞く。
「ヒカル、さっきの続きなんだけどさ。もう一度やり直せるかな。私達」
ヒカルが笑顔で口を開ける。
「もちろんだ「グサ」
後ろから何かに押された。それがナイフに刺されたってことに気づいたのはヒカルの顔とアイツの声でわかった。
「俺の個性を見誤ったね。俺の個性は『影踏』。光が当たらないところにいつでも瞬間移動できるって能力だよ。つまり君の背中にも瞬間移動できるんだわコレが」
風が操れなくなった私はヒカルと共に落ちる。そのまま下にあった建物の影に落ちて元の廃墟ビルに戻された。
背中が熱い。触ると血が手についた、頭がぼーっとする。
あ、死んだ。
私これから殺される。
ヒカルは拘束されながらも倒れた私に近づこうとする。
「リコぉ!! リコぉ!!!」
ヒカルの声が遠くなる。考え事ができないぐらい脳が働かない。
最後だ。最後の力を振り絞ってヒカルにいうんだ。
「ひ、かる。ごめんなさい。ごめんなさ、、、」
そよ風 リコ 16歳 4月10日 死亡
読了ありがとうございます! 更新遅れました、すいませんでした!