アーキバスの一般AC乗り(休止)   作:ルビコーン

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フィーカおじさんからのお便りです。
Q「この前別企業のレーションを食べたんだが...なんだあの発砲スチロールみたいな物は...」
A「マヨネーズと醤油があれば行ける行ける」


5日目

am8:00

 

布団の中からおはようございます。

敗北合コン戦士です、はい。

 

あの後なんとかスウィンバーンさんのアルハラ会議を逃げ出した訳だけど気付いたらみんなノックダウンしてて虫の息のチェイに聞いてみたらメーテルリンクさんが暴れて酒を煽りまくってこうなったらしい。

なんでも「私の酒が飲めないんですかぁ!?」とか言って度数の高いやつを飲ませまくってたとか、ペイターが動画を撮っていたらしいので後で見せてもらおう。

 

ちなみに例の大豊娘娘は仕事があるので早々に帰ったとか何とか。

連絡先すら聞けてねぇ...てか他の子もあの3人のせいでまともに話せてない、許さんぞヴェスパー。

 

まじで虚しいな...そこのソファで寝てるのがチェイじゃなくて女の子ならなぁ...

アニメとか漫画ならお前女だったのか!?展開が期待されるこの状況だが現実は実に残酷である。

とりあえず腹いせにおでこにアーキ坊やの落書きでもしておこう、こいつは昨日の合コンでも結構モテてたしな、日頃の恨みだよイケメンくん。

 

上手にベイ太郎にヘッドロックをキメるアーキ坊やが書けたところでそろそろ仕事に向かうとしよう、今日はAC乗務じゃないから気が楽だ。

とはいえ仕事の指示をしてきたのがスウィンバーンさんだから少し嫌な予感はする、しかも場所が再教育センターって...え?俺じゃないよね?

 

てかスウィンバーンさん酔いすぎてペイターに引きずられて帰って行ったけど大丈夫なのだろうか、メーテルリンクさんは途中でぶっ倒れてそのまま格納庫に放置している。

最近セクハラに厳しいからこれが1番だね、うん。

 

まぁいなかったらいなかったでのんびりしてよう、結構物騒な名前をしているが簡易的な手術を行ったりするだけなのでそこまで倫理観がぶっ飛んでる場所でもない...はず。

スウィンバーンさんもそこまで強化手術だヒャッハー!ってタイプでもないため収容所としても面が大きい。

 

どちらかと言うと閣下が担当するファクトリーって場所がやばい、行くのも嫌だし連れていかれる側になるのはもっと嫌だね。

なんでも再教育センターで手術の効果が見られなかったりかなり腕利きのパイロットだったりはこっち行きになるらしい。

1度だけ怪しげな荷物運ばされたことあったけどもう雰囲気がダメだった、なんというか人はいるんだけど人気がないって言うか職員も生気を感じないんだよね、人形屋敷って言うか...うわ、思い出しただけで寒気がしてきた...さっさと仕事行こっと。

 

 

 

着替えを済ませ部屋を後にする、二日酔いのせいか行先のせいか分からないがいつもより体が重い。

センター何ヶ所かあるが今回はこの施設の最下層にあるセンターだ。

入口の解錠に必要なカードーキーは事前に渡されている、というよりいつ呼ぶかわからんから持っておけ状態...ガバガバ過ぎでは?

 

入れば病院のような清潔なエントランスが広がっている、ここは研究員などもよく来るため人通りも多い。

皆眼鏡をかけていかにも頭が良さそうだ、自分の場違い感がすごくて早く帰りたくなる...

 

センターはレベルごとに区画分けされているのだが今回呼ばれているのは1番等級の低いレベル1だ。

何を基準にレベル分けされているのかは分からないけどレベルが高いほど手術の適応能力が高かったり戦闘技術が高いらしい。

逆にレベル1などは子供や旧世代の強化手術を施された者、手術の適応度が低かったりする者が多い。

 

だからと扱いが雑なのかと言うとそういう訳でもない。

旧世代の強化手術は今でもわかっていないことが多くコーラルの調達も難しいため経過観察が行われる。

適応できず何らかの副作用が出た者も治療方法の模索の研究に呼ばれるため雑に扱われることは無い。

これのどこに倫理観があるんだ!と思う人もいるだろうけどファクトリーよりマシ、というより捕虜とかの収容所と考えればまぁ普通なのかな...とそう言い聞かせている。

 

危険度で考えれば低レベルは精神安定状態であれば特に問題は無いため区画内であれば割と自由に施設内を移動することが出来る、特にこれといった娯楽がある訳では無いがシミュレーターはあるらしい。

なんでも元パイロットの戦闘技術の測定のために設置されたらしいが今じゃパイロット経験者は即刻高レベル区画行きかファクトリー送りになっているため使われることが無くなったんだとか、おかげで今は子供たちの遊具へと成り代わっている。

 

今もかなり行列が作られている、大型モニターに映し出される2機のACの戦いはなかなか見応えがあった。

動きもめちゃくちゃいい、ブースターを吹かしながら結構な速度で撃ち合っている、この時点で俺より強いのでは?

 

武装もかなり多種多様なメーカーのものが見受けられる、おそらく実機を反映させているのではなくシミュレーター内でアセンとかを組んでいるのだろう。

よく新商品が出た時は俺もやる、つい最近出た《VE-66LRA》レーザーライフルを装備しているので更新も定期的に行っているっぽい、変なところで気が利くんだよなスウィンバーンさん。

 

てかいつもは時間厳守!指導!のスウィンバーンさんからまだ連絡がないあたり多分二日酔いだな、いつも待たせている側だし対戦でも見ながらのんびりさせてもらうとしよう。

 

 

 

1時間ほど観戦したが戦闘が途切れることは無い、それぞれ得意なアセンがあるのか色々な組み合わせの戦いが見ることが出来て面白い。

フロイト隊長が見たら多分大喜びするだろう、それどころかあの人なら参戦しかねない。

 

特にあの後シュナイダー系のACを使っているパイロットはすごいと思う、高速で動きつつレザライを的確に当てている、FCSにいいものを積んでいるのもあるだろうがそれでもすごい精度、俺ならあんな高速で動きながら当てるなんて無理。

負け抜け方式で戦闘が行われているが3戦は絶対残ってるし抜ける時も自主的に抜けている、間違いなく俺よりは強いね。

アセンの違いもあると思うけど普通に操作技術が高い、さっきから攻撃が当たってるところを見ないし...フロイト二世かな?

 

と言うよりもここ俺より強い人がうじゃうじゃ居てビビる、これが英才教育ってやつか、スウィンバーンさんの指導が行き届いてるね、うん。

全員が強化手術受けてるわけじゃないと思うんだけどなぁ、子供の成長って早いですね。

 

「おい、お前」

 

背後から声をかけられる、ソファに深く座っているので首だけでそちらを見ると10代...おそらくは16歳位の茶髪の男の子がわかりやすく訝しんだ目でこちらを見ている。

 

「俺?」

 

「お前以外に誰がいるんだよ!」

 

なかなかいい声量だ、モニターのある部屋では興味無さげに戦闘を見続ける人と呆れた目線を送る人達で二分していた。

 

「てめぇここの人間じゃないだろ?何してやがる?」

 

「何って...待ち合わせかな?」

 

「はっ、こんな所で待ち合わせとは随分といい趣味をお持ちじゃねえか」

 

「それは俺もそう思う」

 

「あ!?それはどういう意味だよ!?」

 

「理不尽...」

 

さっきも言ったけどここ収容所みたいな場所だから普通待ち合わせなんてしないのよね、しかも収容区画内だし。

エントランスで待ってても良かったんだけどあそこ気まずいんだよね...聞こえてくる会話も訳分からんしあんま長居しててもなにあの人みたいな目で見られそうだし...

それならシミュレーターに集中してる分こっちの方が変な注目浴びなくて済むと思ったんだけどなぁ。

 

「研究員...は無いな...となると迷子かここの新入りってところか?」

 

どの辺を見て研究員じゃないと思ったのかなぁ?おじさん怒らないから言ってみな?ん?

 

「ん......迷惑...ダメ...」

 

「...もう終わったのかよ」

 

「よゆー」

 

もう1人増えた。

歳は彼と同年代くらいだろうか、白髪でさっきの男の子に比べ大人しそうな感じがする。

...なんだかてえてえ波動を感じるな、いいですね、こういう正反対な性格カプは推せます。

 

「終わったなら部屋に戻ってアセンでも考え直しとけよ、なんか用か?」

 

「この人...嘘ついてない...多分...」

 

「ここで待ち合わせしてるって話か?クソ企業の連中がこんなとこでくつろげるは思えないけどな」

 

「それは...この人が変なだけ...」

 

しれっと変人扱いされたけどまぁいいか、もう空気みたいになっちゃったし観戦の続きでもしてよう。

てえてえに挟まる野郎は脳天パイルってMT乗りのおじちゃんも言ってた。

 

後続のAC達もさっきのシュナイダーAC乗りに負けず劣らずの戦いをしている、正直同じ機体を用意出来れば即戦力になるのでは?というACも何機か見かけるし。

ベイラムとか解放戦線から連れてきたわけだからこちらの戦力になるわけないんだけどね、てかなんで敵になる恐れがあるのにACの操縦訓練させてるの?

...さては考案者はフロイト隊長だな?

 

とここでこれまたすごい動きをするAC発見。

軽量機体にQB性能の高いブースターを積むことで可能となる超高速移動、しかもあれは《ALULA/21E》だから尚のことすごい挙動になっている、それでも制御出来ているところを見るとしっかり出力調整をしているのだろう、俺がやったら勢い余ってそのまま地面とかに衝突する。

まぁその前に不可に耐えられずに気絶してると思うけど。

 

そういえばシミュレーターの設定で振動やG負荷を再現するモードがあるがここのはどうなっているのだろうか、実機でのテストや模擬戦では有効になっているがここで有効にしているとしたらあの動きはまじでなんなんだろう。

ヴェスパーでもあんな動きをできる人は限られている、ストライプ連中ならほんと1人くらいしか知らない。

 

「すげえ回避だな」

 

「...おじさんも...できる?」

 

「おじ...あっ...いや...あんなことしたら体無くなっちゃうよ...ははは...」

 

おじさん...おじさんか...そうか...そうか...

...誰かこの中にお医者様はいませんかね?

 

「あ?体が無くなるって...何言ってんだ?」

 

あぁ、やっぱりここのは負荷再現はされてないんだな。

そりゃ生身の子供も使うやつで負荷なんて再現してたら何人病院送りになるか分からないもんな。

 

「負荷無い...だから...できる...」

 

「いやぁ...どちらにしろ無理かな...普段あんな動きしないし...」

 

「へぇ...普段からAC乗るんだ...」

 

その言葉にこの場にいた子達が一斉にこちらを見る。

あれ...また僕何かやっちゃいました?

 

 

 

pm1:00

 

「もう無理...勘弁してくれ...」

 

あれから何故かシミュレーターに押し込まれ連戦に連戦を重ねているわけですが見た通りみんな強い、初めは俺も実践を重ねている訳ですから経験の差でなんとか7割くらい勝ってたんだけど1時間もすればみんな適応してきてボコボコにされちった。

特に例のシュナイダーACとか一部のACには1回も勝てなかった、恥ずかしくないんですか?

 

「今日はやけに騒がしいと思っていたが...君だったか」

 

「ラスティさぁん...」

 

V.IV ラスティ、彼もまたヴェスパー部隊の1人。

短期間でヴェスパーの上位に君臨しているあたりメーテルリンクさんと同じタイプなのだろう、俺みたいな下っ端にも結構話しかけてくれる紳士でヴェスパーの数少ない良心。

 

そんな良心がなんでこんなところに?

 

「あっ先生!」

 

子供たちがラスティを囲む、皆笑顔であり彼もまた子供たちに微笑みかけている。

俺の時あんなにも興味無さそうだったのになんで?やはり顔か?顔がいいからか?

てか先生って何!?俺も呼ばれたいんだけど!

 

「君たち...止めないか...すまないね」

 

「いえ、それより羨まs...随分親しげですね」

 

「あぁ、ここには何度か来ていてね、シミュレーターの使い方とかを教えるうちに先生なんて呼ばれるようになってしまったよ」

 

へぇ...子供たちに戦い方を教えれば先生なんて呼ばれるのか...

...いや無理だわ、さっきボコボコにされたばっかだし。

 

「それより君はどうしてここに?」

 

「スウィンバーンさんと待ち合わせしてるんですけど...待ってる間ここにいたら模擬戦に付き合うことになってしまって」

 

「あぁそうだったか、いつも時間がある時は私が相手をしてあげてるんだ」

 

そりゃ強いよな...

てっきりフロイトさんあたりが練習相手にでもしてるんだと思ってた、確かに言われて見れば高機動機体が多かった。

ヴェスパーであんな感じの挙動をするのはラスティさんくらいだし教えるのも上手そうだもんなぁ...

 

「それと...スウィンバーンならレベル3区画で何やら不機嫌そうにしていたぞ」

 

「え?」

 

確かメッセージではレベル1区画って...

あっ、今日の朝にレベル3区画に変更ってメッセージ来てたわ、やっべぇ...

てか朝からずっと待ってるの?今昼だよ?

 

「あはは...ちょっと行ってきます...」

 

「あぁ...頑張れよ」

 

 

 

この後めちゃくちゃ指導された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、スネイル」

 

「...フロイト隊長殿、どのようなご要件で?」

 

相変わらずつまらない部屋にはいつも通り黙々と書類を処理しているスネイルの姿があった。

 

「なに、欲しいパーツがあったんだがスウィンバーンに断られてな、今月の予算少し引き上げてもらおうと思ったんだが」

 

「...わかりました、V.VII には私から伝えておきます、購入するパーツをリストにして後ほど渡してください」

 

「あぁ、わかった」

 

いつも通り予算の増額をしてもらうことに成功する、今月はアイツの分のパーツも買ったから余計カツカツだった、そんなところに大豊から新しくマシンガンが出たんだ、買わずにはいられない。

 

「ところで、先日のストライダー討伐ですが...」

 

「すまん、この後シミュレーター予約してるからもう行く」

 

どうせまた無断出撃の件だろう、聞かなくてもいいな。

ここに長居する必要も無いし、さっさと誰か見つけてシミュレーター室に行こう。

後ろで呼び止めている声が聞こえたが面倒なのでさっさと部屋を後にする、時間がもったいない。

 

また試したいアセンを思いついたんだ、今度あいつに会うまでに組んでおこう。

最近では誰も相手してくれなくなったからな、アイツが相手をしてくれるのは助かる。

最近は動きも良くなってきているしこの調子でいい練習相手になってもらいたいものだ。

 

 




戦友♡

という訳でみんな大好き前衛彼氏面さん一瞬の登場です。
なんでわざわざ解放戦線の子供たちがいる場所にいたんですかねぇ...おじさんわかんないや。

あと待ち合わせ場所の勘違いはほぼ僕の実体験です、みんなはしっかり連絡確認するんだぞ♪

※貯めてた他作者様の作品を読み漁るので次話は少し遅くなります
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