五条封印解除RTA(ガチ)   作:ねうしとら

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乙骨と縛りを結べたと思い込んでる藤原君。
十三年も原作に触れてなかったから縛りの条件を忘れちゃったカナ?


覚醒

 さて、俺の黒閃経験のために、原作からして強力な呪霊がいそうな仙台を散策すること早二時間。

 なにも見つからんかったので岩手へ行きます。

 

 いや、見つからんかったわけではないが、白昼堂々呪いを祓えるかと言われると無理ですよね。そういう場所に湧いていました。人は襲わなそうだったのでご安心を。帳を下ろすわけにもいかないので無視だべ。

 

 岩手盛岡にある叔父叔母夫婦の家に行き、荷ほどきをしてその日は終了。

 

 翌日になり、岩手散策をすることにする。

 

 乙骨に関しては、分からん。ガバった。

 原作ファンとしての興味が、呪霊捜索という大義名分を得てしまったがために暴走したな。

 

「危機感の欠如、ね」

 

 原作での漏瑚と五条の台詞を思い出す。

 

「八年。呪術を学んできてもうそれくらい経つ。二年前に七海さんに注意されたが、慢心は身を滅ぼすな」

 

 八年間も見つかってなかったからいけるやろと変な自信が湧いてしまっていたか。

 後悔先に立たず、だな。反省。

 

「だが、今後はもっとリスクが上がる。黒閃の経験のために俺と同等か少し上位の呪霊を探す過程で、夏油にバレるリスクもあるし」

 

 夏油傑。五条、羂索に続いて怖い相手だ。

 もし、夏油に俺の術式がバレたら、夏油の記憶が読める羂索にバレて詰む。

 

「こんなことしてないで俺も第二の人生を謳歌してぇよ」

 

 嘆いたって仕方がない。

 

 

 さて、俺は今、岩手で呪霊捜索をしているのだが、廃墟にてかなり強力な呪霊を見つけた。

 

「落ち武者か?なんにせよかなり人間みたいな見た目してんな」

 

 ゾンビ武者と言った所か。

 

 そう思い観察していると、呪霊の手に持っていた刀が光った。

 

「ッ!」

 

 光ったと思ったら切っ先が俺の鼻先にあった。

 速い。速すぎる。

 

 なんとか見てから回避したが、ギリギリだ。

 

「……あの刀、本物かよ」

 

 そう認識した瞬間に、俺は斬撃の呪力を手に纏わせた。

 

 踏み込んで間合いに入る。

 一手、二手、三手。金属同士がぶつかり合うような音がする。

 

 四手。俺の右腕が切り刻まれる。

 

 五手。首元に突きを食らいそうになるが何とか躱す。

 

「チッ。基礎的な体の使い方からして不利だな」

 

 相手は武術の達人だ。打ち合ってみて分かった。

 呪力量も出力も、こちらが勝っているのに、何一つとして致命打を与えられない。

 

「呪霊なら呪術で戦いやがれ!」

 

 全く呪術を使ってこない。

 それどころか、呪力による身体能力の強化しか使っていないように思える。

 

 完全に相性が悪い。天敵だ。

 

「黒閃どころじゃねぇぞこれは」

 

 黒閃を出すには極限の集中状態が必要だが、これでは躱すのに精一杯で攻撃の瞬間に集中できない。

 

「特段パワーがあるわけでも、常識外れの速さがあるわけでもない。ただ巧い」

 

 静と動。この二つの状態を完全に制御している。

 動いたと思ったら止まり、止まったと思ったら動く。

 

 刀を使うのならば振りかぶるという動作があるはずなのだが、それがない。気づいたら斬られているし、斬られたと思ったら次の行動に移られている。

 

「錯覚と言うやつか」

 

 予備動作が見えないのは痛い。

 

 俺は、この数年で出来るようになった小手先の技術。しなる斬撃を使う。

 しかし、最小限の動作で防がれる。

 

「だが、この攻撃は連続性が武器だ」

 

 高速で振り続ければ相手は防御するしかない。

 その隙に、俺は左手で呪力放出の準備をする。貫通力に極振りした呪力だ。これを頭に当てられれば確実に祓える。

 

「死ね」

 

 俺は貫通力のある呪力を放出した。はずだった。

 

「なッ!?」

 

 俺の左肩に嫌な感触が広がる。

 目の前の呪霊は俺に向かって持っていた刀を投擲していた。

 その刀は俺の左肩を貫いていた。

 

 しかし、呪霊も俺に左腕を斬られている。

 

「左腕を犠牲にして刀を投擲したか……!」

 

 だが、もう武器も片腕も失っている。

 俺の勝ちは揺るがない。

 

「……は?」

 

 次の瞬間、俺の首には一つのナイフが深々と突き刺さっていた。

 

 暗器だ。今この瞬間にも、目の前の呪霊が懐からナイフや手裏剣を取り出していた。

 

「ごぼ、ごぼごぼ」

 

 お前、武士じゃなかったのかよ。

 

 そう言いたかったが、首に刺さったナイフのせいで言葉が出ない。

 そんな俺に興味も示さず、呪霊は暗器を投擲する。

 投擲された暗器は、左目、左足の付け根、腹部にそれぞれ刺さった。

 

 クソッたれ。

 

 なんとか力を振り絞り、首のナイフ抜く。栓となっていたナイフが抜け、血が流れる。

 そして、俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 死。

 

 それを経験するのは二度目だ。

 いや、実際にはまだ死んでいないが、このままでは死ぬだけだ。

 

 ふざけんな。

 

 まだ。まだ終われない。なぜ羂索でもないやつに負けて殺されなくてはならないのだ。

 

 死が、すぐ隣に感じる。だが、生憎恐怖はない。それどころか、どこか確信があった。

 まだ死なないと。

 

 呪力の核心は死に際で掴むものだ。五条がそうだった。

 なら、()()()()()()()()()()()は?

 

 死に際で呪力の核心が掴めるのなら、俺は既に死んだ経験がある。

 二度目の死に際。ならば、そこで呪力の核心に迫れるのは道理だろう。

 

 これが、呪力の核心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――反転術式。黒閃よりも先に習得するとは思わなかったぞ」

 

 刺さったナイフを全て引き抜き、反転術式をかける。

 

「ハイになるってこういうことね。ああ゛ー。今なら何でもできそう」

 

 起き上がった俺を見て、呪霊は真っ先にナイフを持ち、俺の首を目掛けて斬りかかってきた。

 しかし、そのナイフが俺の首を斬ることはなかった。

 

「手に斬撃を纏えるなら、首にも纏えたっていいよなァ?」

 

 そう、俺は首に纏った斬撃の性質を持つ呪力をさすまたの形にして受けたのだ。

 

「術式反転――『黒』」

 

 俺の術式は順転で『呪術の干渉を受けない』能力。では、反転は?簡単だ。『呪術の干渉を受ける』転じて、『あらゆる呪術の適性が上がる』

 

「まァ、生得術式は除くがな」

 

 だが、基礎的な呪力操作からして、今までとは比べ物にならないステージにある。

 結界術、式神術と言った術式を必要としない呪術の適性も大幅に上がっている。

 

 そして、この状態の俺は

 

「黒閃を五回に一回くらいの確率で打てる」

 

 目の前の呪霊が特段身体能力に俺との差があることがないのは分かっている。武器を失った相手に拳を叩き込むのは難しいことではない。

 

「ここからはギャンブルだぜぇ?」

 

 まずは一発。

 瞬間、黒い花火は微笑んだ。

 

「黒閃!ははッ運がいいねぇ!それ、もう一発!」

 

 二発、三発、四発。

 

 その全てが黒く光る。

 

「もう一発!……あァ?」

 

 俺が五発目の黒閃をキメようとしたら、呪霊は体を維持できなくなって霧散した。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?消化不足なんだが!」

 

 まあ、仕方ない。

 

「チッ。まあ今日のところは帰るか。少し頭を冷やそう」

 

 

 

 

 

-------------

 

 

 

 誰もいなくなった廃墟。そこに一人の男が訪れた。

 

「ふむ。()()()()()()()()()()()()を持った呪霊がいると聞いたが、既に祓われていたか。最近運がないなぁ。砂漠の呪霊といい、強力な呪霊を取り込もうとやってきたら既に先を越されてるなんて。まあいいか。次だ。次に強力な呪霊の情報が得られたら、何としてでも取り込んでやる」

 

 

 




『黒』の状態では普通に呪術を食らいます
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