ひとまず、俺のこれからの方針が決まった。無理難題という事実を除けばだが。とりあえず、俺に求められているのは領域展開のみなので、体術ないし呪術師としての戦闘経験は無視でいい。
俺の術式があれば呪術で死ぬことはそうそうないだろうし。
結界術の師匠については、まあ、うん。無☆理。
とりあえず、俺が思いつく限りの結界術の使い手を思い浮かべてみる。
羂索、天元。以上。というか原作で結界術というものが何なのか具体的な説明がないのだ。
簡易領域使いということであれば範囲はまだ広くなる。九十九、三輪、日下部、五条、憂憂、直毘人、レジィ(厳密には彌虚葛籠は簡易領域ではない)、鹿紫雲、メカ丸(?)などなど。
帳も結界術の区分だが、補助監督でも使えるレベルの結界術のため、基礎の基礎といった所なのだろう。
この中から師匠にできる人物は、九十九か憂憂、日下部だろう。レジィや鹿紫雲は論外。まだ存在しない上に彌虚葛籠は難易度的に難しそう。というかその二人は出会った瞬間殺しに来そうだし。三輪は、年下だし。まだ一歳だろうし、呪術も知らない幼子だ。五条と直毘人は御三家だからダメ。てか禪院家がどこの馬の骨とも知らぬ輩に御三家秘伝の落花の情を教えるわけがない。日下部は……うーん。性格的に教えてくれなさそうなのと、呪術師にしては常識人っぽいので夜蛾学長に俺の事を伝えそうではある。憂憂もとい冥冥。無理。そんな金ない。
九十九。これが最も可能性がある。が、何処にいるのか全く分からん。それに九十九は特級だ。羂索に目を付けられている可能性が高い。世界各地を飛び回っているから羂索も追い切れないのだろうが、原作通りなら九十九は東堂を弟子にする。そうなると九十九を師匠にした際の利点である羂索の監視から外れる、というものが無くなる。東堂が弟子になれば、必然的に日本に留まるだろうからな。
だが、待てよ?原作にて羂索と九十九が戦う時があった。その時、羂索は九十九の術式が初見であるような反応を見せている。いや、総監部が九十九の術式情報を握っていなかったと言っていたか。羂索のこの口ぶりから察するに、もしや九十九本人のことはそれほど監視していなかったのでは?……これは、あるのではないか?冷静に考えて呪術総監部の情報を自由に閲覧出来る羂索ははっきり言って怖すぎる。だが、生憎と俺は呪術界に足を踏み入れるつもりはない。九十九は高専を嫌っているし、これ以上ない協力者になり得る。
それに、羂索羂索と不確定要素に怯え続けていては何も得られない。……ここは多少大胆に行動することが求められるか。
九十九が領域を使用出来ることは作中で明言されている。シン・陰流の使い手でもある。元星漿体であったことを考えると、結界術は得意であるのだろう。
決まりだな。師匠にするなら九十九由基が第一候補になる。
五条悟の庇護を受ける手段も考えてはいたのだが、そうなると高専に入学することになりそうなんだよなあ。高専に入ってしまうと、呪術総監部に俺の術式情報が流れることになるだろう。そうなると羂索の目に留まり、ゲームオーバー。
羂索のことを説明しようにも未来のことなので俺が言っても信用されないだろうし、何言ってんだこいつってなる可能性の方が高い。
五条相手に「未来であなたは封印されるんです!その対処法が俺の領域展開なんです!そして羂索っていう厄介な相手が……」なんて説明しても頭おかしくなったと一蹴されるのがオチだろう。最悪夏油のくだりで地雷踏む可能性がある。それに、万が一信じてくれたとして、その情報が上層部に漏れたらアウトだ。総監部の情報が筒抜けな羂索がいるのだから。
だが、羂索も人間であるし、肉体はひとつしかない。いや、あの紙袋被った呪詛師のような術式が無い訳では無いが。情報収集と言っても限度があるのだろう。
何より今は夏油傑という、羂索にとって喉から手が出るほどに欲しい肉体がある。羂索の興味はそちらに向いているだろう。
さて、希望は見えた。見えただけだが。この希望をどうやって手繰り寄せるか、それが問題だ。
九十九に弟子入りする方法は二つ。
一、偶然九十九と出会う。俺ができることは神頼みのみ。
二、弟子入り前の東堂葵を探し、河川敷での一幕に割り込む。
はぁーーーー(クソデカため息)
むっず!なんやこれ。
まず東堂が何処にいるのか知らん。じゃあ偶然に任せて九十九に会うか。無理に決まってんだろうが!どんな確率だよ。世界各地を飛び回る九十九が偶然日本に帰ってきていて、尚且つ東京都内のどこかにいる俺と偶然ばったり出会う?
ファーーーー。
ソシャゲで最高レア3枚引きする方がまだ確率的に有り得る。
多分東堂は同い年だが、前提として東堂は京都校である。逆説的に考えて生活圏は西日本であると導くことができる。終わりやね。
小学三年生の東堂を同じく小学三年生の俺が探す?
馬鹿言え小学生の活動範囲は学区内だけだわ。西日本に泊まりがけで行くような財力もなければ権利もない。補導されておしまい。最悪両親が警察に行方不明届けを出す。
クソッタレ。今この瞬間以上に自分の年齢を恨んだ事は無いぞ。
★
とりあえず落ち着いた。
師匠を付けることは不可能に近いことは認めよう。
今でも現実逃避したくなるが、もう散々現実逃避した。今後の方針を考えた方が幾分か健全だろうよ。
今後の方針と言ってもねぇ。独学で呪術を学ぶ以外にすることねぇっすよ。
さて、俺は今自宅のリビングのソファの上で寝転がっている。
五歳児なのでね。こんだけごろごろしてても許されるんすわ。
ニート?ハッ!ニートの定義を調べ直してきな!
いやまあ俺がソファで寛いでいるのは何も現実に絶望したが故の諦観ではない。ちゃんと呪力を練っているし、自分の呪力量の把握もしている。
最初は立ちながら集中していたのだが、微動だにしない俺を見て母親が心配しだしたのだ。だからソファで寝転がっている。
呪力は腹からだが、反転は脳で回す。とは、鹿紫雲一の台詞だ。
無限呪力のフルオート反転術式パチンカスを相手にした時の台詞である。
その台詞通りに俺は呪力を練っているのだが、これが案外奥が深い。
無駄に垂れ流させる呪力を抑える訓練や呪力操作での身体能力の強化、呪力に指向性を持たせたうえで放出することなど。結構やれることはある。
呪力操作自体の難易度は高くない。意外と独学でもなんとかなる。作中で虎杖が最初にやっていた訓練が、呪骸に一定の呪力を流すことだったし、基礎の基礎なのだろう。
呪力をいじっていて分かったことがある。俺の呪力量は多いほうなのだろう。宿儺や乙骨を除いてだが。一日中術式に呪力を流していても呪力切れになることがなかった。
ここから導き出せる推論は三つ。
一、俺の呪力量が多い
二、術式の燃費がすこぶる良い
三、その両方
恐らく、二と三はないと見ている。
なぜなら、それでは強すぎるからだ。術式による干渉を受けない能力など呪力の消費が多くて然るべきだと思う。
ソファの上で呪力を練りながら色々と考える。
領域展開は呪術の最終奥義。最初から領域について試行錯誤するより、基礎的な呪術を学んだ方が良いだろう。足し算も知らないのに微分積分なんてできないからね。
さて、がんばりますかね。
渋谷事変まで残り――12年10ヶ月
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主人公に師匠はいる?いらない?
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いるわボケ
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いなくていいかなぁ