五条封印解除RTA(ガチ)   作:ねうしとら

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術式の解釈

「砂、ねえ……」

 

 思い出すのはあの時の砂漠の呪霊だ。言語を操れたのかは分からないが、領域を使えるほどに強力な呪霊だった。術式の相性が良かったから祓えたものの、当時の俺のスペックでは手も足も出ないような相手だったはずだ。

 まあ、あいつのおかげで俺は領域に関する手掛かりを掴めたため、なんだかんだ感謝はしている。

 

 ここに砂が盛られているということは、この社に奉られている神格は、砂漠に関する何かなのだろう。その縁で、あの呪霊はここに来たと考えるのが妥当か。

 

 呪術などという日本神話や日本の宗教と密接に結びついていそうな概念を習得する場として、もう影も形もないとは言え神社を選択したのは間違いだったか?……いや、あれと戦えたことを考えると逆に良い選択だったのか。なにも考えてなかったけど。

 

 あと、術式の相性と言えば、俺の術式『あらゆる呪術の干渉を受けない』は、どこからどこまでが『呪術』で、どこからどこまでが『呪術ではない』のか、その線引きが非常に難しい。

 

 少し、俺の術式を調べてみて分かったことがある。

 俺の術式は、確証はないが非常に高い確率で『呪霊操術』『十種影法術』『赤血操術』の類が効かない。根拠は直感というか、俺の術式ならそれができるという確信のようなものがあるのだ。

 

 だが、これは普通に考えておかしい。

 

 はたして、呪霊操術の呪霊が呪術と言えるのか、赤血操術の血液が呪術と言えるのか、言えないだろう。

 呪霊操術の呪霊、十種影法術の式神は百歩譲って呪術と言えるとしても、血液が呪術?そんなわけないだろう。

 

 血液が呪術ならば全人類が呪術師であると言ってるようなものだ。

 

 では、何故俺に効かないと自信を持って言えるのか。そういうものだからと言ってしまえばそれまでなのだが、俺には一つ思い当たる節があった。

 

 それは、俺がいつも使っている術式が、既に()()()()であったと言う可能性だ。

 本来の俺の術式は、操術系統の既存の物体、物質を呪術を用いて操作するような術式とは相性が悪かったのだろう。しかし、俺には前世の記憶がある。それは、なにも『呪術廻戦』だけの知識では無い。

 魔術、魔法、超能力、異能力。そのような超常の力を題材とした作品は幾度となく目にしてきた。そんな俺だからこそ、術式に対する解釈は人一倍強かったのだろう。

 

 それらの知識を用いた結果、血液を操作するなんてことは普通の人間にはできない。故にそれは明確な異能の力であると認識することができたのだろう。そのため、赤血操術は俺には効かないのだ。十種や呪霊操術も似たような理論だろう。

 

 呪霊操術に関しては、一度取り込むという作業を挟むことから、取り込む前の呪霊はただの呪霊だが、取り込んだ後の呪霊は呪霊操術の一環だと捉えることもできる。

 

 あとは、『傀儡操術』の傀儡。言ってしまえばメカ丸の干渉は受けるだろうと思う。恐らく、物質世界にある目に見えて明確な質量をもった存在の干渉を受けないのは不自然だという固定観念が働いているのだろう。

 

 それに、俺でも呪力を込めただけの打撃を無効にはできそうもないし、『投射呪法』は天敵だろう。さすがにこれらを無効にするほど解釈を拡張できる気がしない。いや、投射のフリーズは効かないけど。

 

 そうなると、七海さんの拡張術式である瓦落瓦落の扱いはどうなるのだろうか。拡張()()だから、俺には効かない?それとも、ただの質量攻撃だから、俺にも効くのか?いや、彼のは破壊した対象に呪力を込めるだけだから俺にも効くか。

 

 術式の解釈次第でいくらでも能力を拡張できるのは、呪術の奥深いところだが、その解釈の拡張に一苦労する術式だってあるのだと考えると、一長一短だな。

 五条先生の無下限を、あれ以上拡張しろなんて言われてもそんな知識俺にはないし。

 

 しかし、俺の拡張術式にはデメリットと言えなくもないような副作用も付いてくる。

 

「術式を自覚した時から、既に無意識で拡張術式を使っていたと考えると、俺の術式に対する解釈はそれ以上成長しないと捉えることもできる。つまり、完全に成熟した状態で生まれたということだな」

 

 前世の知識で生まれた時から自我があった俺は、人よりも固定観念や価値観が固定化されているだろう。だから、これ以上の解釈ができるような知識は使い果たしたのではないか。ということだ。

 

 これ以上拡張術式の解釈を増やしたいのなら、俺以外の第三者の意見が必要になる。だが、俺にはそんな第三者はいない。というかいたら困る。

 

「もうここまで来ると呪術無効なんて生易しい術式じゃないよなあ。自分で言うのもなんだけど、解釈の仕方がキモすぎる。これは、超能力だから呪術!メカ丸の干渉を受けないのはなんか不自然だから呪術じゃない!とか曖昧模糊とした認識で術式が運用されるのか」

 

 己の直感に従っていれば何が効かなくて何が効くのかは分かるため、そこまで苦労はしなかったりする。

 

「赤血操術が効かないのなら傀儡操術も効かなくて然るべき。なんてことを言われたらその通りな気もするし、血液は呪術じゃないからただ血液を操作してるだけの赤血操術は効くだろなんて言われても、否定はできそうにない」

 

 いずれどこかで解釈を拡大していったら、傀儡すらも呪術であると解釈してしまうのだろうか。




つなぎ回。
これに関しては考えれば考えるほど意味がわからなくなってきたので、主人公の解釈次第で効かねぇなら効かねぇ。効くなら効くでいいよね!まあこれ以上解釈が拡張されることは無いけど。
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