今回はちょっと我慢できず作った試験作です。とりあえずプロローグだけ作ってみました!
???Side
人は死ぬ時に、どういった感情を覚えるだろうか。
恐怖?
達成感?
諦観?
俺は、絶望だった。
小さな頃から、真っ当に生きることを尊び、小さな幸せを良しとし、人を苦しめることを嫌う親の教えを受けてきた。
そんな人間が順当に成長すれば、そういった生き方をするだろう。
真っ当に頑張り、真っ当に成長し、真っ当な人と婚約し、真っ当な子供を育て上げた。
自分で言う事ではないが優秀だった。だが、親の教えをよく守っていたうえ、そもそもその時代では大きなことを成し遂げられない生まれと環境だった為、野心をもって動くこともなかった。
そして、当時としては大往生といえる死ぬ直前。ひ孫にまで囲まれて誰もが俺の死を惜しんでくれた時だ。
俺は心から絶望した
真っ当に生き、人を苦しめず、小さな幸せをもって良しとする。それがある意味で立派で正しい生き方なのは認めよう。だからこそ、俺もそれをしてきていた。
だが、俺は死の直前に己の人生を振り返って、気づいてしまった。
俺が欲しているのは、そんなものではない。
だがもう遅い。どう頑張っても今から取り戻すことなんてできない。
周りの取るに足らない生き方をしている連中は、俺の絶望にも気づかない。
満足に生きれただろう。死別は悲しいけど、天国で穏やかに過ごせるだろう。こんな人生を送りたい。そんなことを考えている連中に、憐れみと侮蔑を覚えた。
失敗だった。何もかもを間違えた。現代風に言うのなら、親ガチャを完全に外してしまった。
もちろん、親ガチャの一言で全てを片付けるのは馬鹿の戯言だ。そういったことを言えるのは自力でできる範囲の全てをした後だろう。
そして、出来ることはもうない俺は絶望した。
それでも諦められない。
認められない。
終わりたくない。
そんな気持ちのまま俺は手を伸ばし―
至り、繋がった。
―だからこそ、俺は此処にいる。
「さて、そろそろ始めっか?」
「オッケオッケー♪ 賭けは俺の負けだし、アンタの部下として頑張るとすっさ? じゃ、いろんな世界をぶち壊そー♪」
「礼を言うぞ。おかげで我々は永遠の闘争を繰り広げられる。さて、どこから仕掛ける?」
「フフフ。面白いことになりそうだね。さて、誰から手懐けるんだい?」
今この場にいる、俺と同盟を結んだ者達がそれぞれの悪意を見せてくれる。
ああ、ここからが本番だ。
どうなるかは分からない。だが、この奇跡を逃しはしない。
俺は、暴れに暴れて悪意を振りまいてやる。
Other side
その瞬間、同時多発的に誰もが絶句した。
「ありえません!? 次元震が同時多発的に発生!? 影響を受けた世界の殆どが、観測不能です!?」
「なんだと!? あの星を中心にいくつもの星が消息不能だと!?」
「地球周辺が突如反応消失! 空間転移に近い反応ですが、インスペクターでもエアロゲイターでもありません!?」
「なんと、あの世界が消失したと!? どういうことだ!?」
そして、その瞬間に対応できたものは極僅か。
そのうちの一人は、身動きがろくに取れない状態で表情を珍しく強張らせていた。
「……まさか、あの邪神達が動いた?」
可能性を一つ悟りながら、しかしすぐに首を横に振る。
「いや、違うな。これだけのことができるのなら、流石に彼らも伝えているはずだ。……つまり、別件か」
卓越した頭脳ですぐに一端を悟り、そして彼は珍しく歯を食いしばる。
「咄嗟だったとはいえ、俺ですらこの状態が精いっぱい。最悪は隔離結界領域が解放されることだが、それも俺達の想像の範囲内」
警戒心を持ちながら、それでも何かできることを探る。
そして、気づいた。
通信を繋げていた為、かろうじて把握できる通信先の歪み。それが、何かを繋げる形で振り回されているということに。
「……賭けにはなるだろう。だが、他にできることもない」
自分は絡め捕られており、もはや自力ではどうにもならない。
だが、絡め捕られていない彼らなら、解き放てる。
「頼む。あいつが守ろうとした世界を、守ってくれ……っ」
この一瞬、彼のこの行動。
これが、この事態を打開する可能性を作り出す大きな要因の一つとなる。
のちにシェイキング・ワールド・ハザードと呼称される前代未聞の一大事件。あり得ないいくつもの世界の垣根を破壊する、異常を超える異常事態。
その世界の流れが大きく変じた、最大の功労者。
彼の名を、アジュカ・ベルゼブブという。
その、一時にも満たない前の時間。
この例外といえる事態のきっかけ。
それが、
イッセーSide
おっす! 俺の名前は兵藤一誠。駒王学園高等部三年生だ!
残念だが、只の高校生ではない。悪魔でドラゴンな高校生だ!
いや、嘘じゃないよ? この世界には悪魔もドラゴンも実在するし、天使も堕天使も妖怪も神様も巨人も存在する。
俺はひょんなことから悪魔になり、更に体を失ってドラゴンになってから悪魔に戻った。しかもその後も生死の境を彷徨ったことがある。
去年の春、高校二年生になってすぐに悪魔になってからだから、とんでもなく密度の濃い時間だよなぁ? しかも悪魔社会は階級制で、普通は下級悪魔になって数十年頑張っても中級に昇格できない。でも俺は上級に昇格して、事実上の貴族様だ。
……なんで、生きてるんだろう?
そんなことをふと思って、自分を振り返っていると、俺の到着に気づいた大人の人が、慌てて敬礼する。
「お待ちしておりました、おっぱいドラゴン様!」
そこは、せめて赤龍帝様にしてほしかった。
ちなみに赤龍帝は俺に宿る伝説のドラゴン様の称号で、おっぱいドラゴンは悪魔の世界ではやっている、俺をモデルにした特撮番組に主人公だ。
俺はおっぱいが大好きで、悪魔になる前に死ぬ直前もおっぱいのことを考えていた。一年足らずで上級悪魔になる熾烈な戦いの数々も、その多くをおっぱいのおかげで乗り越えられた。そんなこともあってか、俺をモデルにした「乳龍帝おっぱいドラゴン」は、悪魔をはじめとする異形の子供達の間で大人気だ。
……仏教の死後世界である極楽浄土でも大人気だけど。お釈迦さまや阿弥陀如来様が、死んだじいちゃんと一緒に助けてくれたのは……いいんだろうか?
『うぅ……勘弁してくれ相棒。こんな真面目なところでも言われるのか……っ』
う、御免ドライグ。
俺は宿っている伝説のドラゴンである、赤龍帝ア・ドライグ・ゴッホに謝りながら、とりあえず連れられてその場所に行く。
今後の和平の一環として、冥界の子供達がそれとなく人間世界の社会科見学をする。そんなイベントがあって引率役に呼ばれたはずの俺。
だけど、その最中に地震が起きたと思ったら、万が一に為に来てほしいと言われて転移してきた。
……悪魔に成り立ては、子供悪魔でもできる転位が魔力が無さすぎてできなかったんだよなぁ。
そんなことをふと思い出しながら来てみると、既に何人かがそれを調べていた。
なんていうか、ロボット物とファンタジーもので出てくる空飛ぶ船とか宇宙戦艦、それを足して二で割ったような不思議な物体がそこに在った。
なんか急に近くに転移して、墜落したらしい。意味が分かんないけど、たぶん誰も分かっていない。
「お気を付けください。この船ですが、我々のどの勢力でもない技術が使われているようです」
と、警戒をしていた戦士の人が教えてくれる。
この世界のどの勢力のものでもない技術。まるで、異世界の技術って言いたくなるな。
俺が下級悪魔から上級悪魔になる一年足らず。その短い期間で、異世界の存在は実証された。というか、俺に接触してきたことで実証された。
しかも実証を聞いたことで、異世界侵略をしたいなんて言う連中が出てきたから大変だよ。そいつは超強いうえに扇動の鬼才で、壊滅的打撃を受けた
悪魔になった俺は一万年以上生きることも可能だけど、だからって長すぎだよ。たまに通信はできるけど、それだって気軽にはできないしな。ちなみに他の人達に内緒にしないといけないし。
でも、だからこそ俺が呼ばれたんだろう。
異世界の物体と思えてしまう巨大な船が急に現れた。その近くに異世界の存在に接触を受けた英雄がいる。そりゃ呼びたくもなる。
俺も、子供達がコレの所為で大変なことになったりとかは嫌だしな。ここは頑張るとするか。
……問題は、どう頑張ればいいのかも分からないけど。
「どうしたもんかな?」
本当に困った。
とりあえず、今回のイベントは俺が呼ばれればいいだけだから、仲間達が来てないのも痛い。マネージャーの子はいるけど今は子供達を宥めたり、他の人達と後方で協議したりしているし。
俺って基本的に馬鹿だからな。勉強は赤点をとらないように一生懸命頑張る必要があるし、仲間内だと一番成績低いし。悪魔になって一念で貴族になってる分、覚えることもやることも多いから、あまり余裕もないし。
やることが分かってるならそれをやるだけなんだけど、そもそも分からないとなぁ……。
そう思ってると、足音が少し響いてきた。
「簡単だ。少し俺達の影響を受けるだけでいい」
「そーゆーことだよ、イッセーどん」
馴染みのある声に振り返ると、そこには馴染みのある奴がいた。
「デュリオに……ゲオルグ?」
そこにいた二人は、ちょっと意外性のある二人組だった。
髪が逆立っているのはデュリオ・ジュズアルド。
俺のように元々人間だったけど、天使になった奴だ。天界の
隣にいる眼鏡をかけた奴はゲオルグ。俺達がかつて戦った、禍の団の主要派閥だった、英雄派の幹部だ。今は色々あって、結構俺達側でも人気のある味方になってたりする。
どっちも上位神滅具っていう、ドライグの力より強力な力を持ってる。ま、俺も前人未踏の進化を遂げてる所為で、ちょっと簡単には比べられないけど。
ま、俺も含めた全員が対テロ特殊部隊でもある「D×D」のメンバーだ。英雄派のゲオルグは準メンバーといった方が近いけど、そんなわけでたまには会ったりする。
「で、二人はなんでここに?」
俺が聞くと、二人とも少し苦笑してる。
「イッセーどんと同じだよ、別件で近くにいたら呼ばれたのさ。……煮物フェスに来てただけなんだけどねぇ」
「結界魔法の使い手の会合に呼ばれていたのでね。だが、結果的に都合がいいという事だ」
なるほど。似たようなものか。
でも、それだと俺がいても場違いな気がするな。
そんなことを思っていると、ゲオルグは肩をすくめながら眼鏡の位置を治していた。
「だが都合がいい。あらゆる属性を支配するデュリオ・ジュズアルドの
なるほど。そういう事か。
それでちょっと安心していると、なんか急に後ろの方でドタバタしてきた。
なんだなんだと振り返ると、そこから金の髪をもった女の子が走ってくる。
っていうか、おっぱいドラゴン関係を含めたマネージャー業をしてくれている、俺の眷属でもあるレイヴェルだ。
「どうした、レイヴェル?」
「あ、イッセー様! それにデュリオ様にゲオルグさんもご都合がいいですわ!」
なんか慌ててるな、どうしたんだ?
首を傾げている間にレイヴェルはこっちまでくると、呼吸を整えながらデュリオとゲオルグの方に険しい表情を浮かべた。
「申し訳ありませんが、お二人のお連れ様が堕天使側から来たメンバーと、妙な雰囲気になってますわ」
その説明に、俺たちはちょっと首を傾げる。
異形の勢力は和平を結んでいるけど、まぁ去年まで冷戦状態だったからまだ揉めることもある。またゲオルグ達は元テロリストだったから、尚更だしな。
ただ、この状況下で軋轢ってわけでもないってのが妙だな。
そう思い、俺が一歩を踏み出そうとした時だった。
……後ろから、妙なオーラが出てきてるんだけど?
「……これ、やばくないか?」
思わずそんなことを言ったとたん、船が急に変なオーラを放つ。
なんかまずい、そう思って動くより、事態は早い。
おい、これって本当に………っ!?
次回からは序章となります。
この導入だとハイスクールD×Dの二次創作となりますが、基本的にはスパロボじみた多重クロスオーバー作品を目指しております。その当たりを考慮しつつやって以降かと思っております!