シェイキング・ワールド・ハザード   作:グレン×グレン

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 ファーデンフロイツと覚えていた単語がシャーデンフロイデだということに気づいて、慌てて全部書き直しました。混乱されている方にはこの場を借りて謝罪いたします。

 それはそれとして、第一章の最終話です!


第十三話 言うべきタイミングは必要。それを見極めるタイミングはもっと必要

 

 

 

 

 

才司Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、本当にごめんなさい。その、衝撃的な再会だったからちょっと冷静になれなくって」

 

 あれはちょっと失態だったので、そこは素直に謝っておこう。

 

 特に関係がない現地の方々や、悪魔側である赤龍帝さんには失礼だったしね。

 

「その、私達幼馴染なんですけどね? ちょっとその……六年ぐらい前に色々あってそれ以来だったのよ。しかも、私は異形とは縁がない生活送ってたし」

 

 と、五十鈴がそう説明してくれる。

 

「それがジョーカーに付いて行ったら再会して、しかも堕天使と悪魔だし。……割とこう、パニックになりかけたわ」

 

 いや、そこは本当にゴメン。

 

 あの頃は、僕は自分が堕天使だったことを隠してたからね。五十鈴が驚くのも無理はない。

 

「黙っててゴメン。……まぁ、まさか彩里が悪魔だったとは思わなかったけど」

 

「そこは尚更ね。なんで和平前の人間側の地方都市に、堕天使と悪魔が揃ってんのよ……それも互いに知らずに?」

 

 思わず五十鈴と一緒に彩里に視線が向くけど、そこで赤龍帝さんが首を傾げた。

 

「あれ? でもゲオルグと一緒にいたよな?」

 

「そういやそうだね。英雄派って、人間であることを重視する組織じゃなかったっけ? なんで悪魔が?」

 

 ジョーカーさんも首を傾げてるけど、言われてみればそうだね。

 

「ん~。準神滅具に悪魔の力を振るう神器があったけど、それじゃないー?」

 

 エルシアさんがそう言うけど、今度はゲオルグが首を横に振った。

 

「いやそういうわけではない」

 

 あ、違うんだ。

 

 ただ、そこで話を続けたのは映像越しのアジュカ殿だった。

 

『そこについてはややこしくてな。俺からも説明しよう』

 

 なんでそこで魔王様が?

 

 困惑していると、今度は彩里が言いづらそうに手を上げていた。

 

「その……ね? 私、その……」

 

 ん?

 

 何故か彩里は彩里で凄くそわそわしていたけど、どうやら意を決したらしい。

 

「……私、魔王レヴィアタンの先祖返り、みたい?」

 

 いや、キョトンと首を傾げられても困ります。

 

 さん、はい。

 

「「はぁあああああああああああっ!?」」

 

 思わず五十鈴と一緒に絶叫したよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ファファファ。まさかこのようなことになるとは流石に想定外だったな』

 

「ええ。まさか我々が直接会いまみれる機会に恵まれますとはな」

 

『お主達には感謝しておる。奇跡的な偶然が生んだ縁ではあるが、我らにとって大きな躍進となってくれたのだからな』

 

「それはこちらも同じことです。我々だけではどうあがいても、地球連邦の打倒は不可能。決起するだけで異星人達に呑み込まれるのが関の山でしたからな」

 

『互いに譲れぬものがあり、そしてそれがあるからこそ、わしらは共闘ができた。……他の者も集まっておるのだろう?』

 

「ええ。既に各種技術を本格的に投入した、リリスの調律は進んでます」

 

『ならばよい。バルベリス達がおれば十分すぎる戦力だと思っておったが、これだけの事態では全く足りんだろうしな。少なくとも、数倍は欲しいところだ』

 

「それに関してはこちらにも手段があります。ひいては、下級に関してはこちらに一任していただきたい」

 

『よい。所詮奴らは悪魔ども故、例のシステムに使っても構わんとも』

 

「ありがとうございます。では、我々は準備を進めていると致します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……さて、赤龍帝はどう出るか。あの悪魔のことだ、必ず関わって動くだろうしな……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えっと、つまり?」

 

 なんか色々騒がしいことになったけど、とりあえず頭の中で整理してみた。

 

 まずは俺に大切なことを教えてくれた鈴乃屋さん。

 

「鈴乃屋さんは教会の戦士育成機関に入った時、デュランダルもギリギリ行けるレベルの聖剣適正があった」

 

「……凄まじい才能だな。天然物の聖剣使いはただでさえ希少であり、デュランダルは人工的な方法では到達できないレベルだ」

 

 ゲオルグも軽く感心しているけど。、鈴乃屋さんは軽くすすけた雰囲気になっていた。

 

「できれば、もっと早く知りたかったんですけどね。……ま、ギリギリ程度だったこともあるんで、もっと才能ある人に優先してもらうよう言ってますけど」

 

 ん~。元々異形とは関わりなかった人なのに、何故その才能が欲しかったのか。

 

 よく分かんないけど、まぁ人には色々あるからなぁ。

 

 流石にここで根掘り葉掘り聞くのもあれか。また機会があればでいいか。

 

 で、次はゲオルグの付き人できてた、行仁彩里(ぎょうにん さいり)さん。

 

「で、行仁さんは目覚めた神器だと思ってたのが、英雄派の入団試験の書類選考段階で異形の先祖返りをしてたと判明した……ってことですか?」

 

「そうなんです。ただ英雄派にはすっごく憧れてて、ゲオルグさんが付き人という形で似たような人とかが何人かって感じなんです」

 

 なるほどなぁ。

 

 異形と人間の混血って、基本的に肉体が異形よりになるからな。人間の可能性を追求することを目的とする、英雄派とは本来合致しないか。

 

 で、折衷案がゲオルグの部下ってことなのか?

 

「……まぁ、神話の英雄に神の血をひく者などもいるからな。それにかのメフィスト・フェレスと契約した先祖を持つ者として、そういった方面を考慮した試験採用といったところだ」

 

「というか、あれってノンフィクション系の作品だったのか」

 

 皆本さんがちょっと呆れてるけど、ま、色々あるよね!

 

「因みに、オズの魔法使いも僕らの世界だとモデルがあるんですよ。……赤龍帝はヴァルプルガと戦ったって聞きますけど、彼女の古巣がたまたま知られてネタになった仮説があります」

 

 そういったのは才司・ダウンフォール・津波黒さん。

 

 で、この人がある意味一番の曲者だ。

 

「で、津波黒さんはかなり前から堕天使の先祖返りってのが判明してて、今は水底の光のメンバーってことですか」

 

「うん。神器(セイクリッド・ギア)も一応持ってたからね。ま、そういうことで」

 

水底の光(ウチ)は訳ありの子が多いからねー。ま、それは後程の話ってことでー」

 

 エルシアさんがそう言うけど、色々あるんだなぁ。

 

「で、再会するまで何も知らなかったから、混乱してちょっと騒がしくなってたのが真相と」

 

 なるほど納得。

 

 揉めてたっていう割には、なんか対応がスムーズだったからな。意外だったよ。

 

 ちょっとギクシャクしているところはあるけど、それなら問題ないのかな?

 

 で、それはともかく。

 

「とりあえず、今後はどうするんですか?」

 

「そんなことは決まってるだろう」

 

 俺がそれを聞くと、ルルーシュさんが当たり前のように頷いていた。

 

 お、何かあるんだな?

 

「まずは地盤固めと情報収集。何よりもそこからだ」

 

 というと?

 

「そもそも文化どころか世界が違う者が、突然の事態で無差別に近いレベルで呼び寄せられているのだ。いくらLUNATWOという大規模の組織が地盤になってるとはいえ、この状況では足並みが揃うわけもない」

 

『付け加えるなら、そちらは空間そのものが大きく歪んで混ざり合っているようなものだ。まず相応の情報を集めなければ、少し遠出をしただけで存在そのものが消え去る可能性すらある』

 

 アジュカ様もそんなことを言うけど、正直ちんぷんかんぷんだな。

 

 ……ならやっぱり、俺は鍛えて備えておくしかないか。

 

 ただ、やっぱりちょっと気になることもある。

 

「でも、こんなことをした目的ってなんなんスかね?」

 

 と、アラドが俺も思ってたことを口に出していた。

 

 今考えても仕方がないのは分かる。だけど、とっても気になることだ。

 

 複数の次元を無理やり混ぜ合わせるような真似、簡単にできることじゃない。

 

 それをわざわざする理由、そんなものが分かるわけももない。

 

 ただ、最高幹部が最高幹部だからなぁ

 

「あのリゼヴィムが最高幹部だし、ろくでもない理由ってのは間違いないよなぁ」

 

「確かにねー。異世界の実証を知って、「そこに侵略してみたい」なんて理由であれだけのことやるような奴が最高幹部だしねー」

 

 エルシアさんも同意だけど、本当に碌でもないよなぁ!

 

「……冷静に考えると、禍の団の盟主組織で動機がまだまともなのって、旧魔王派ぐらいじゃない?」

 

「称号という形で王家の名を僭称する簒奪者を打倒し、国を取り戻そうとする王族の集団。……字面にすると本当にまだマシな理由だよね」

 

 鈴乃屋さんと津波黒さんが、そう言ってちらりとゲオルグの方を見る。

 

 ゲオルグは涼しい顔で受け流してるけど、何故か行仁さんが困惑してた。

 

「え、カッコいいよね!? 人間の限界に挑戦し、超常の存在に挑むってロマンだよね!?」

 

「「それでテロって……」」

 

 こればっかりは幼馴染でも問題らしいね。

 

 ま、本当に厄介だったしなぁ。

 

「ただまぁ、そういう奴らなだけあって強いしな! 頼りにしてるぜ?」

 

 本当に強いからなぁ。英雄派って。

 

 それにゲオルグは上位神滅具の持ち主で、それも結界に特化した禁手持ち。この状況では生命線になるかもしれない。

 

 本当に頼りになるっていうか頼もしいからな。子供達民間人を守る必要もあるし、頑張ってもらわないとな。

 

 ただ、なんかゲオルグは面食らっているけど。

 

「……ふっ。あの曹操が影響を受けるわけだ」

 

 なんか苦笑いされたんだけど!?

 

 え、俺、おかしなこと言ったか?

 

 戦ったからこそ分かる強さってものがあると思うし、何よりアザゼル杯本戦出場チームだぞ?

 

 どう考えても強いんだし、こういう時に頼りにしないでどうするんだよ?

 

 なんかよく分からなくて周りを見ていると、きょとんとしてたり感心している感じが結構見られてるっていうかなんて言うか。

 

 え……えっと?

 

「……なるほど。英雄と呼ばれるわけだ」

 

「うん。基本は良い子みたいですね」

 

 カイ少佐と高町さんがなんか納得しておられる!?

 

 え、え、ええ~?

 

「ま、お前はそれでいいってこった。そういうところ、一番の長所だろうから守っとけ」

 

 そうなんですか、銀さんとやら!?

 

「何はともあれ、よき若者が多く集まっているようだ。これは我々大人も頑張らねばなるまい」

 

「そうだな。ここまでされれば負けるわけにはいくまいて」

 

 藤堂さんとズラザベスさんも気合が入っておられますね!?

 

「え、俺って何かしたの!?」

 

 思わず気が合い始めてる明石さんや観束に振り返るけど、二人ともなんか笑ってるし!?

 

「うん、そういうのでいいんじゃない?」

 

「ああ、そういうのが大事だよな」

 

 え、えっと……もういいか。

 

 とりあえず褒められてるみたいで嬉しいです、頑張ります!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩里Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 いいなぁと、そう思う。

 

 ああなりたいと、そう願う。

 

 そう思ってると、ふと視界に才司君と五十鈴ちゃんが映った。

 

 二人とも気づいて視線が合って、思わず三人揃ってちょっと逸らす。

 

 この六年ぐらい、いろいろなことがあった。それはきっと、私だけじゃない。

 

 いろんなことがあって、いろんな経験をして、いろんなことを知った。

 

 それでも変わらないものもあって、変わったものだって確かにある。

 

 だから、そうだね。

 

 今、謝るのはきっと卑怯だ。こんな状況だと、許した方がいいという雰囲気になると思う。

 

 だから―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―謝るのは、この騒動が終わってから

 

 奇しくも、三人は同じ決意を同時にした。

 

 それが、良策となるのか愚策となるのか、それはまだ誰にも分らない。

 




 書いてて本当に思ったけど、多分一番あれだった旧魔王派が動機を字面で書くと一番まともに見えるのがアレですよね……。
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