さぁ、ここから進めていくぜぇ!
第一話 タイミング最悪な始まり
???Side
罪を犯した時、人はどういった行動をとるだろうか。
素直に自首をするというのは、意外と難しい。人は怒られることや罰を受けることを恐れるものだし、バレなければいいやと考える悪癖がある。
もしくはそもそも開き直り、そのまま悪の道をひた走るのかもしれない。そこまでではなくても、その後も気分で悪事をするような性根になり下がることもあるだろう。
……だけど、ちゃんと謝り、そして二度と繰り返さないように頑張ることが真っ当なんだろう。
僕は、それができなかった。そして、それをさせれなかった。
だからこそ、この六年間で僕はそれを戒めたい。
放浪した一年間。その後燻った一年間。そして、業を煮やされて叩き込まれ、色々と苦労した四年間。
それだけやって、
謝ってどうにかなることでもないし、許す気がないなら謝られるだけうっとおしいだけになるだろう。
だから、自分からは探さない。探す資格があるとも思えない。
でも、もしも会えたのなら。
その時は、必ず謝ろうと思っていた。
道を決定的に踏み間違えた。そう自覚するのに二年もかかった。
それも、奇跡的な偶然を受けて初めて自覚できた。自分のことながらろくでもない女だと思っている。
だからこそ、私は自分を許さない。
謝罪もしない。許されたいわけではないし、そもそもあれだけのことをしながら「後悔してますごめんなさい」なんて、自分が気持ちよくなるだけだろう。少なくとも、そう思えてしまうのに言ってどうするという感じね。
だからこそ、その後の人生をどうするかはすぐに決まった。
間違え、そして腐りはてたこの人生。せめて自分が踏みにじった二人と同じ目に合う者達を少しでも減らし、踏みにじられるものを一人でも減らす為に使おう。
自分自身でそれを成しえるのなら及第点。理想としては、例え死んでもそれに貢献できるほどの何かを成し遂げられることが最適解。
だからこそ、教会に拾われ悪魔祓いとして合格した直後。私は禁呪の被検体になることを即断した。
和平が結ばれたことで打ち切られたけど、そんなことは関係ない。残存する暗部部隊に属する形で、必要な汚れ仕事を真っ当な信徒達が少しでも背負うこと無いように生き続けた。
とはいえ、和平やクーデター、技術革新で思わぬ力を与えられたりもするけど。その才能があったと聞いたとき、私が何で歪んだのかを自己分析していたので、皮肉なものを感じたものだ。
……だからこそ、私から謝ることはない。
どんな謝罪をしても、きっと私は気持ちよくなる。そうでなくてもマシになる。だから、そんなことはしたくない。
だけど、もしもだ。
もしも、
その時は、私もこの意固地な自分に決別しても―
昔から、当たり前の毎日に退屈していた。
幼馴染達と一緒に、何度も裏山に入っていったのがいい思い出。それはきっと、幼子にとっては十分な非日常だからだ。
異形や異能を知らされない、真っ当な人間の世界。そこには非日常は物語の中にしかない。それは穏やかで心を温かくするものだけど、胸を熱くする激しさがなかった。
それでも大事な日常なのは分かっていたけど、だからこそ私は非日常を欲していた。
まるで漫画みたいな制服の学校に憧れた。でも、そこは難関校で入試に落ちてしまった。
ただ、その後の出会いは刺激的だった。今までにない経験と、優しくするだけでなく刺激を与えてくれる彼に夢中になっていった。
……その結果、私は二人を傷つけた。
そのことにも気づくことなく二年間も彼に弄ばれ、だけど何故かお金まで持たされて解放される。
その時になって私は踏み間違えたことを気づいたけど、もう私の日常は砕けていた。
両親は離婚し、後に聞いた話だと直後に優しく慰められた相手と熱愛の果て結婚。今では子供も生まれていて、私が入ってきてもそれが崩れるだけだ。そして、弟も失踪して未だ行方知れず。
二人も行方不明であり、私は非日常の力をもって生きるだけだった。
救いようがないことに、私は今でも非日常が大好き。だから、人間として神や魔王に挑もうとする英雄達に憧れた。
……そこで私が宿す非日常に足を引っ張られたけど、興味を持たれて近くにいることはできた。そんなことにどこかうれしい私はきっと、どうしようもない女なんだろう。
だけど、あの日常が嫌いかっていうと違うんだ。
だから、もし二人と会うことができたのならその時は―
―謝ろう。
三人のその共通する思いは、しかし世界ごと砕かれた。
Other side
「「「……えぇええええええええっ!?」」」
絶叫する三人の男女は、もれなく白髪だった。
長めに伸ばした男と女、そして少し長い止まりで外のはねている女。
三人は、気づいたら宙に投げ出されていた。
そして三人は落下しながら気づく。
地面がない。そんな、特殊な空間に自分達はいた。
「次元の狭間!? いや、空間の様子は間違いなく違うけど!?」
驚愕する白髪の男は、全体的に線が細く柔らかい。声も高く、女と言われたら信じるだろう。
「いやいやどうなってんのよ!? え、これテロの奇襲!!?」
動揺する白髪が外にはねた女性は、神父服のような上着を羽織っている。
勝気な印象を持ち、姉御肌な雰囲気を持っているが荒んだ雰囲気が吹き飛ばしかけている。
「奇襲攻撃なのかな!? でもこれゲオルグさんでも無理だよ!?」
狼狽する長い白髪の女性は、穏やかな雰囲気を持っている。
学園のマドンナといった雰囲気を持つ少女が、大人になったらこうなるのだろうという雰囲気を持っていた。
そして、三人は少しだけ我に返る。
「え、えっとこういう時こそ冷静になろう!? とりあえず人数確認、一番は僕です
白髪の男性がそう言うが、明らかに冷静でない状態だ。
それに半目を向けながら、一週回ってきたのか一番落ち着きかけている外ハネの女がため息をついた。
「はいはい、まず深呼吸してなさい。二番、
そして最後の一人に振り、残った長髪の女もきょろきょろしながらそれに応える。
「あ、うん。三番の
と、三人が自分自身を確認して、そして周囲の状況も確認する。
三人の周りには、かなり広範囲に浮かぶ形だが相当の転移者が出てきていた。
というより、控えめに言ってカオスの極みと言ってよかった。
「なんじゃこりゃぁあああああっ!? 俺のパフェが、俺のパフェがあんな遠くにぃいいいいいいっ!?」
「そこじゃないヨ銀ちゃん! ほら、私の酢昆布をとってくるある! そっちが先よ!?」
「そっちでもねえだろぉおおおおおおっ!! この状況明らかにやばいっていうか、意味不明だからね神楽ちゃん!」
なんか服装が時代錯誤気味の、天然パーマやチャイナドレスに眼鏡の三人組は、おそらく自分達と同じでそれなりに付き合いがあるのだろう。
この状況下でパフェや酢昆布に気を取られている辺り、かなり困惑しているようだ。
「あれ!? ビーモスは!? あ、皆本! どうなったのこれ!? また並行世界!?」
「と、とりあえず僕を引き寄せてくれ。……苦し紛れの広域
赤い髪の少女に引き寄せられる眼鏡の男性は、この非常時に冷静に状況を推測しているらしい。
ここまではいい、問題はここからだ。
「え!? ブルー、イエロー!? どこに行った!?」
「ええい! トゥアールとの通信も繋がらん! これはどういう事じゃ!?」
赤い幼女と黒い少女が、なんかSFチックなスーツを身に纏っている。ついでに言うと鎌や剣を持っている辺り、世界観が大きく違う。
そして更に大きく世界観が違ってきたのが、更にその後方
大きさが一回るぐらい違う赤と黒の機体が、互いを庇う様に周囲を警戒している。
更にそこから離れたところには、20mほどあるロボット兵器が六機ほど、互いをカバーする形で状況の把握に努めている様子だった。
そしてそこから別の方向には、まるでSFの宇宙船じみた大きな物体が浮かんでいた。
そこまで確認し、三人は顔を見合わせた?
「「「……ナニコレ?」」」
その答えを言える者は、残念なことにこの場には誰一人としていなかった。
グレン×グレンが各作品の主人公は、一癖がありすぎる系が多いです。
ですがこの作品の主人公である才司君は、かつて描いた作品のリボーンでなめしておりますので、比較的丸い方なのでご安心くださいませ。