シェイキング・ワールド・ハザード   作:グレン×グレン

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 とりあえず、可能な限りある程度の掴みが得られるまでは、毎日更新をしたいところ。

 ただ明日がかなり朝が早いので、一話分かけるかどうか不安だぜぇ……。


第二話 前哨戦はもうすぐそこに

才司Side

 

 

 

 

 

 

 

 なんというか、どう反応したらいいのかと言いたくなる。

 

 たまたま何となく故郷の近くにいたら、急に派遣されることになっただけでも驚きだ。

 

 そこに突然の再会。かなり戸惑っていたけど、意を決してやることをやろうとしたらこれだよ。

 

 ……とりあえず、謝るのは後だ。

 

 こんな状況で謝っても、反応に困るだろう。勢いを非常事態で誤魔化しているようで、卑怯な気もするしね。

 

 だからこそ、とりあえずはだ。

 

「とりあえず……久しぶり。ただ、この状況だと、ねぇ?」

 

 鈴乃屋五十鈴に行仁彩里。

 

 僕にとっての罪の象徴であり、輝かしい思い出の象徴。

 

 互いに思うところはあるだろうし、まさかこんなところで出会うなんて思ってもいなかった。

 

 ただ、同時にかつてのようには振舞えない。そして、今このタイミングで言うべきことはない。

 

 ただ、この状況はどうにかしないといけないわけだ。

 

 だからこそ、努めてビジネスライクに話を進めることにする。

 

「互いに色々あるだろうけど、今はやるべきことをやろう。お互い、立場もあるでしょ?」

 

 言い訳にしてないだろうかと自問自答しながら、それでも僕は優先順位を改めて設定する。

 

 それと同じように、五十鈴も目元を指で揉みながらため息をついて意識を切り替えたらしい。

 

「……ま、そうね。私達全員、やること色々あるでしょうしね」

 

 そう言うと、五十鈴は周囲を改めて確認する。

 

「分からないことが多すぎるけど、とりあえず今この近くにいる連中が何も知らない奴らだらけってことは分かったわ」

 

 五十鈴は周囲を確認して、戸惑っているか周囲を警戒している様子からすぐに判断がついたらしい。

 

 昔っから、こういう時は頼りになる。

 

 そう、三人で活動する時は五十鈴がリーダーになってたからね。

 

 とはいえ、懐かしんでもいられない。

 

 いきなり謎の巨大な物体が現れた。そこに現場で動ける人達が集まって、そして僕らが思わぬ再会をしたと思ったらこの事態。たぶんだけど、今この空間で浮いている人達全員が似たり寄ったりなのかもしれない。

 

 とりあえず、大半は巻き込まれた被害者なんだろうね。

 

「……で、でもどうするの?」

 

 と、そこで彩里の方が戸惑っている。

 

「私達三人で、これはどうにかできるのかな? その、ゲオルグさんもいないし……」

 

「確かにね。こっちもジョーカーが見当たらないし、現場の指揮官役が全く見当たらない」

 

 五十鈴もため息を吐きながら現状を口に出して、更にちらりとこちらを見る。

 

「悪魔側は完璧にさっぱりね。才司、あなたは堕天使側だけど……立場は?」

 

 僕がそれなりの立場ならって感じだろうね。

 

 ただ残念なことに、そうはいかない。

 

「残念だけど現場の実働。リーダーは悪魔側と入れ違いになってたから、転移されてる様子じゃ―」

 

 ない。

 

 そう言おうとした時だった。

 

「すぅううういませぇええええええっん!!」

 

 そんな、聞き覚えのある大声が響き渡った。

 

 誰もが驚いて上を見上げると、そこにはなんかたくさんの子供達と、保護者の方々と思われる大人の人がいた。

 

 そしてそんな彼らよりちょっと近づいている位置に、彼女がいた。

 

「この状況で推論が出せるものですけど、とりあえず協力してくれると嬉しいでぇええええす!!」

 

 と、いうかだ。

 

「エルシアさん!? 無事だったの!?」

 

 なんでうちのリーダーが!?

 

 確かおっぱいドラゴンを呼びに行って入れ違いになってたはず。なんでそんな離れたところから巻き添えに?

 

 あ、ということはあの子供達はおっぱいドラゴンが引率していた悪魔の子供達と親御さんか。これは責任重大だね。

 

「お、才司君も無事だったのかー! なら、こっからサポートよろしく!」

 

 と、僕に気づいたエルシアさんが元気よく手を振ってくれる。

 

 とはいえそこからすぐに冷静になり、周囲を確認してから、遠く離れた方向の船にぶんぶんと手を振りつつ、魔法陣を展開する。

 

 あ、船の方に魔法陣が展開されたね。

 

「すいません。ちょっとこの状況である程度推論が出せる者ですけど、足場代わりに使わせてもらっていいでしょうか?」

 

 と、エルシアさんが通信を続けていると、どうやら色よい答えが返ってきたようだ。

 

「あそこの船使っていいそうですー! あと、あっちも推論が出せるみたいなので、皆さんあっちに引っ張っていきますねー!」

 

 とりあえず、話はまとまったようだね。

 

 と、なると。

 

「……じゃ、二人は僕が運ぶ?」

 

 となるんだよねぇ。

 

 ただ、二人は揃って首を横に振った。

 

「あ、一人だけでいいなら自前で何とかなるから。彩里は?」

 

「大丈夫、五十鈴ちゃん。私は、たぶん才司君よりたくさん運べるよ?」

 

 ん~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その光景を、彼らは遠くから見つめていた。

 

 自分達のリーダー達が起こしたこの事態。だが何故か巻き込まれていない人が思った以上に多かったことで、偵察班として派遣されたのが自分達だ。

 

 状況次第では殲滅も前提に戦力を用意していたが、これは本当に想定外と言ってもいい。

 

「はーい。ロープから手を離さないでくださいねー。手を離されると後で回収するので怖いですよー」

 

「大丈夫でーす。この空間と人数なら、ロープを放さないでくれれば大丈夫ですからー」

 

「ほらほら、周辺警戒してるから、とりあえず落ち着いてねー」

 

 堕天使と悪魔、そして悪魔祓いが連携しながら、巻き込まれた状態の人達をロープに捕まらせてから引っ張る形で、時空管理局の旅行用の次元航行船に引っ張っていっている。

 

 周りの者達は大半が困惑しているが、しかし敵意がないこともあってか素直に従っている。

 

 ……これは想定外と言っていい事態だ。

 

 トップの目的上、利益の見返りに完全勝利のワンサイドゲームは捨て去られた。必然として、敗北する可能性を背負った状態で事に及ぶことになっている。

 

 だが、優位性は確保したうえで行う都合上、完全なイレギュラーは潰す方がいい。

 

 勝算はある。今の段階なら相手は連携が取れず、こちらは相応の戦力を会得した状態で活動している。

 

 ゆえに、彼は決断した。

 

「仕方ない。一仕事したうえでとれるだけとっておこう」

 

 そう呟き、しかし相応の手柄は得られるという確信がある。

 

 なにせ、巻き込まれた者達のうち二人はこちらがよく知る技術を使っており、一人に至っては顔ぐらいは知っている。

 

「よもや、貴女と再びまみえるとは思っていませんでしたよ……ダークグラスパー殿?」

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