シェイキング・ワールド・ハザード   作:グレン×グレン

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 よっしゃ何とか連投成功!!

 何とか序章は毎日投稿をしたいところでっす!


第三話 シャーデンフロイデ

才司Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 引っ張って集まるだけ、と思ったけどそうもいかない。

 

 一回協同する流れになれば、それによって飛躍的に事態が動くことがある。今回の場合、連携することで広い範囲にいた巻き込まれた人達を見つけてしまい、カバーするのに時間がかかった。

 

 そして同時に、僕達がくることになった謎の巨大な船を発見。とりあえずそこに着地して、人を連携して集める方向になって約ニ十分。

 

 とりあえず、辺りで見つかった人は全員集められた。

 

 その上で分かったことだけど、巻き込まれた人はグループ分けができるようだ。

 

 謎の人型ロボットに集まっている人がいる。

 

 小型の方から降りてきた人に畏敬の念を向けている人がいる。

 

 船から降りてきた女の子に老若男女が沸いているところもある。

 

 SFチックな格好のところは、赤い方にばかり声援が沸いている。

 

 時代錯誤な感じの人はちょっと統一感がないけど、こっちは格好で分かり易い。

 

 あと何故か、当たり前のように異能みたいなものが見えているのに変な騒ぎになってないところもある。

 

 そしてまぁ、こちらはこちらで子供達を宥めている形だ。

 

 色々困るけど、それはともかく十分だった。

 

「じゃ、それぞれ代表の方が集まったようなので話し合いしますねー」

 

 エルシアさんが言い出しっぺとして音頭を取る形で声を上げた。

 

 ちなみにエルシアさん。巨大な船にのっかってからそれぞれグループわけが出来そうになっていたので、代表者を決めての話し合いに持ち込んだらしい。

 

 で、こうして何人かで集まって前提条件の確認という話になった。

 

「すいませーん! 俺達パンピーだらけなんですけど、どんな事態なんですかー? もしかしてそちらさんがやらかした案件だったりしますかー?」

 

 と、天然パーマの男性がいい加減な雰囲気でそんなことを言ってきた。

 

 ……うん、たぶんだけどアザゼル総督とかに近いタイプだ。シリアスな時でも状況次第でいい加減なことをするタイプだ。

 

 ま、だからこそ慣れているのでエルシアさんは気にしない。

 

「う~ん。神の子を見張る者(ウチ)とか神話勢力(おなかま)さんでもこれは物理的に無理ですから、たぶん違うと思いまーす」

 

「……え? 規模がデカくなければやってるかもしれないの? ろくでもない組織か何か?」

 

 マジ返しでちょっと引かれたけど、否定できない。

 

 そっと僕は視線を逸らすけど、逆に別の代表者の方と視線が合ってしまった。

 

「こちらも状況の予想に対象はアテがあるが、まずはそちらの推測を聞きたい。……時間に余裕があるかもわからんしな」

 

 あ、髭が似合うダンディな人だけど、真っ当な人みたいで安心だ。

 

 ま、エルシアさんも軽口に軽口を返すことはあっても真面目な人にからかいを見せる人じゃないから大丈夫か。

 

 まぁ、別の意味で大丈夫じゃないんだけど。

 

「……真面目に本題を言いますけど、たぶん複数の異世界から強制的に召喚された感じですね」

 

 あ~。やっぱりそう来たか~。

 

 それとなく後ろを確認すると、付いてきた五十鈴も彩里も遠い目をしている。

 

 うん、そうなるよね……。

 

「……やはりそうなるか……」

 

 そして髭の人、なんか理解が早いんですけど。

 

 逆に天然パーマの人は、軽く引いている。

 

「いやいやちょっとタンマ! たくさんの異世界人が召喚って、どんなクロスオーバー? そんな、ギャグとか映画でもめったにないっていうか……冗談やめてよ?」

 

 言いたくなる。それは言いたくなる。

 

 それに他の人達も困惑気味の人が多いし―

 

「―それは難しかろうて」

 

「―そうだね、可能性は低くないかな?」

 

 ―と、同時に否定的な意見が出てきた。

 

 眼鏡をかけたSFチックな格好の女の子と、サイドテールにしている二十代ぐらいの制服を着た女性だ。

 

 色々ツッコミたい視線がSFチックな子の方に向けられるけど、まぁこれはいいとしよう。

 

 異形の中にはこの年代の格好をしている大人もいるし。この辺は事情が分かるまではうかつに指摘しない方がいいし。

 

 でもまぁ、実際そう言いたくなるのも分かる。

 

 確実に荒唐無稽だしなと思ってると、二人はちらりと互いを見ながら再び口を開いた。

 

「異世界間の移動をこんな雑に行うなど、技術的にも無駄に難易度が高すぎるわ。他に方法はいくらでもあるじゃろうて」

 

「異世界間から呼び寄せるのはいいけど、こんな乱暴な方法なんてリスクだらけだよ? 絶対に余計なコストがかかってるし」

 

 ただし、同時に放たれた言葉は真逆に近かった。

 

 互いにきょとんとした表情を向けるけど、これってもしかするとまずい事態?

 

「……どういうことだ? 異世界間の転移……にわかには信じられんが」

 

「そうですね。それに何かが決定的に食い違っている意見ですし」

 

 壮年の男性と眼鏡の男性が首を傾げているけど、これどこから突っ込んだらいいのか。

 

 もう指摘する内容が困惑の多重玉突き事故になってそうで、エルシアさんで説明ができるんだろうか?

 

 そう思っていると、エルシアさんはゴホンと咳払いをしながら注目を集め直した。

 

「困惑するのは当然ですけど、私が知っている技術なら複数の異世界といった規模でなければ似たようなことは可能です。ただ、事がこの規模となるとそれ以上のことはさっぱりですし、まずはお互いの世界について大筋に説明を交わすぐらいが―」

 

 そういう形で話をまとめようとしたその時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女の推測はほぼ的中ですよ。大筋は正解ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その声と共に、視界の隅で魔法陣が大量に展開された。

 

 あの転位術式、こちら側の魔法使いか!

 

「チッ! 元凶が挨拶にでも来たっての!?」

 

「たぶん敵だね! お約束の説明タイムだね!」

 

 舌打ちする五十鈴に、何故かちょっとわくわくしている彩里。

 

 とはいえ同時に臨戦態勢。というか、臨戦態勢必須だよ。

 

 あれ、禍の団(カオス・ブリゲート)についた魔法使いの使っている術式だ。旧魔王派の一族に関与している者もいる。

 

 ってことは、あれはほぼ敵だ。

 

「下がってください! 転移で敵が来ます! テロリストです」

 

 素早く前に出て警戒する中、魔法陣から転位が始まっている。

 

 そして出てきたのは―

 

『『『『『『『『『『『はいっはいっはいっはいっ♪』』』』』』』』』』』

 

 ―なんか法被を着てサイリウムを振り回しながら行進する、人間だった。

 

「……敵、かね?」

 

「……いや、十中八九国際テロリスト的なあれだったんですけ、ど?」

 

 首を傾げる壮年の方に、エルシアさんも迎撃態勢を取りかけた態勢で困惑している。

 

 ほぼ全員が呆気にとられる中、更に現れるのが―

 

『『『『『『『『『『『モッケモッケモッケモッケー♪』』』』』』』』』』

 

 ―なんか戦隊ヒーローの戦闘員っぽいのが、同じ格好で同じ動きをしている。

 

『『『『『『『『『『『………?』』』』』』』』』』』

 

 思わず、代表者と補佐の人達が全員困惑中。

 

 ただ、二人ほど真剣に強張った表情をしている。

 

「あれは戦闘員(アルティロイド)!? ってことは、アルティメギルか!」

 

「おいそこの白髪男! 貴様らアルティメギルと戦っておったのか!?」

 

 SFチックな格好の女の子達が困惑するけど、逆にこっちが困惑する。

 

「いや、あれは新顔かな? っていうかそちらの敵なら……どこの神話の方?」

 

「何故そこで神話が出るのだ? いや、まぁ神話にあやかる存在はいるが?」

 

 エルシアさんと黒い方が困惑するけど、もう何が何やら分からない。

 

 ただ、幸運なことに答えはすぐに出た。

 

「答えは簡単です。我々エレメリアンと隠れ禍の団(ヒドゥン・カオス・ブリゲート)が連携をとっているだけですよ、ダークグラスパー殿」

 

 不幸なことに、説明するのが敵だってことだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五十鈴side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その存在は、一言でいえば吸血鬼のような怪人。そういうべき存在だった。

 

 特撮番組に出そうなタイプの怪人。禍の団の連中とは毛色が違う以上、これは異世界案件ってことになりそうね。

 

 ったく。こんな時にジョーカーも赤龍帝もいないとか、まずいわね。

 

 しかもそいつを中心とする形で、戦闘員みたいな連中と一般人っぽい連中がオタ芸をぶちかますとか、頭が痛くなるわ。

 

 天界の切り札(ジョーカー)、デュリオ・ジュズアルドのお付きとしてきた私、鈴乃屋五十鈴は真剣に頭を抱えたくなった。

 

 うっかり口を滑らしたことで、二度と帰らないことすら考えていた故郷に連れてこられる。

 

 その近くで謎の船が出てきたという非常事態で派遣される。

 

 そしたら私が傷つけた、罪の象徴ともいえる幼馴染二人と再会する。

 

 再会した時につけようとしたケジメを考えたとき、なんか妙な空間に転移される。

 

 そして今度は、禍の団の連中と組んだ特撮怪人が出てくるって。

 

「……サプライズのフルコースにしても、悪趣味でしょ」

 

 思わず小さくぼやくと、それがきっかけになったのかなってないのか、特撮怪人が両手を広げて声を張り上げる。

 

「初めまして、数多の世界の住人達よ! 私はこの事件を引き起こした多次元連合組織、シャーデンフロイデのメンバー。そして人々の心沸かせる世界の無形文化財を尊ぶ者」

 

 大仰なしゃべりに一撃を叩き込みたいけど我慢我慢。

 

 色々話してくれそうだし、そこは我慢して聞き出さないと―

 

「アイドルを崇めるもの、芸能偶像(アイドル)属性のヴァンプギルティだ! L・O・V・E・素敵なアイ☆ドル♪」

 

『『『『『『『『『『アイ☆ドル! アイ☆ドル!!』』』』』』』』』』』

 

『『『『『『『『『『モー☆ケー! モー☆ケー!』』』』』』』』』』

 

「「アホかぁあああああああああっ!!」」

 

 思わず絶叫したわよ。ついでに言うとハモったわよ。

 

 ちらりと確認すると天然パーマの白髪が思わず絶叫していたわね。

 

 木刀を構えてあっちも戦闘態勢だったらしく、肩透かしを通り越した意味不明な現象に絶叫したんでしょう。

 

 他の大半が真面目に取り合う気力を失っているけど、なんか近未来系変身ヒロインじみた二人組だけは真剣に構えをとっている。

 

「シャーデンフロイデだと!? お前、アルティメギルじゃないのか!?」

 

「ヴァンプギルティじゃと!? まさか、貴様は……っ」

 

 なんで真剣な状態になってるの?

 

 あのインパクトが悪い意味でありすぎる奇想天外に即座の臨戦態勢。え、慣れてるの?

 

 と、ヴァンプギルティとかいう特撮怪人も、黒い方に懐かし気な表情を浮かべている。

 

「……ふっ。直接お会いするのは初めてですな、ダークグラスパー殿。おっと、今はテイルブラックと名乗っているのでしたな?」

 

 ゆ、有名人なのかしら?

 

「ふっ。ダークグラスパーなる愚か者は、死の二菱(ダー・イノ・ランヴァス)が副将、プテラギルティが確かに屠った。ここにいるのはツインテイルズが一人、テイルブラックでしかないわ!」

 

 ……あ~、なるほど。

 

「光墜ちヒロインとかそういう系列なわけね」

 

 思わずそう呟いたわ。

 

 と、赤い方がちょっと鋭い表情を向けてきた。

 

「おい、もうブラックは―」

 

 何か言いたいようだけど、まぁ読めるから私は手を前に出して遮るわ。

 

「こんなところでとやかく言わないわよ。つーか、テロリストが半年ぐらいで英雄やら貴族やらアスリートって感じで大歓声で歓迎される魔境に住んでるし」

 

 なんなら隣の幼馴染が参加してるっぽいし。

 

 寄りにもよって英雄派って。禍の団の一派閥にって。才司が堕天使側のメンツってのも驚いたけど、それ以上よね。

 

 半分ぐらい私の所為だろうけど、流石にちょっと落ち込みたいわね。

 

 なるべく早めに片付けて、やけ酒でもしようかしらと思えてきた。

 

「あ~確かに。こっちも攘夷志士(テロリスト)が国家元首に成り上がったりしてっしな」

 

 天然パーマの方も、中々の魔境に住んでるようね。

 

 ま、それはともかく集中集中。

 

 困惑気味な空気はまだ続いているけど、とりあえず聞くべきことはあるわね。

 

「……ちょっとしゃべったついでに聞くけど、あんたらって世界を股にかける悪の組織ってことでいいの?」

 

 どうも好き放題語りたい系っぽいし、聞き出せれば御の字かしらね。

 

 ただ、サイドテールで制服を着た女は怪訝な表情を浮かべている。

 

「……世界間の犯罪活動? そんなことをしていて、管理局が気づいてないなんて……っ」

 

 そうとう警戒態勢が跳ね上がっているわね。

 

 ったく。掴みがアレすぎて、どうも緊張感が維持しづらいわね。

 

 ただ、ヴァンプギルティは肩をすくめると、彼女に対して同情するような感情を見せてくる。

 

「時空管理局の職員殿だったか。知らないのは当然だ」

 

 やはり黒幕側ってのは嘘じゃないようね。

 

 おそらく、この場に呼ばれた連中の国家レベルでの来歴ぐらいは分かっているとみていいわね。

 

 さて、どう語る?

 

「……我々の活動()()はそんな規模ではない。文字通り世界としての規格がずれている領域をまたにかける組織なのだからね」

 

 ……どういうこと?

 

 なんかスケールが大きすぎて、状況が掴めていないんだけど。

 

「どういうことだ! お前たちは属性力(エレメーラ)を奪っている、それだけだろう!!」

 

「それは違うぞ、テイルレッドよ」

 

 テイルレッドとかいう赤い幼女の言葉に、ヴァンプギルティは首を横に振る。

 

「私はアルティメギルではない。そしてアルティメギルの活動範囲は属性力に連なる世界だが、シャーデンフロイデはそれすら超える次元の活動をしている」

 

 そう語るヴァンプギルティは、自慢げに両手を広げる。

 

「例えるなら別々の木だ。アルティメギルは所詮、属性力という根幹を品種とする木の一つで活動をする集団。我々シャーデンフロイデは、今この時、七つの木々の枝を一つずつ束ね、強引に混ぜ合わせているようなものだ」

 

 ……おい、ちょっと待った。

 

 正直、色々と聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど。

 

「……一つ、あらゆる神話宗教伝承の殆どが実在し睨み合いながら、つい一年ほど前に瞬く間に和平が結ばれ、直後に異世界の存在を知覚したばかりの世界」

 

 私達を見て、指が一本立つ。

 

「一つ。精神力を力として変換する技術が存在し、またそれそのものによって生まれし悪鬼が心を奪い続ける世界の集合体」

 

 テイルレッドとかブラックとかを見たうえで、二本目が立つ。

 

「一つ。宇宙に数多の恒星間国家が存在し、それらの侵略を人型機動兵器によってはねのけている世界」

 

 髭の軍人を見て、三本目が立つ。

 

「一つ。宇宙中に様々な文明が存在し、それらによって侵略されながらも和睦と独立を果たした星がある世界」

 

 天然パーマの男を見て、四本目。

 

「一つ。電気技術に特化した科学技術の発展と、集合的無意識に連なる二種の異能が存在する世界」

 

 もう一人の軍人の男を見て、五本目。

 

「一つ。先天的な超能力者が過去より生まれ、それが国家戦略すら左右するようになった世界」

 

 眼鏡の男性を見て、六本目

 

「一つ。数百年前の大戦乱から、先天的要素に頼る魔法技術を中心とした超世界間組織が存在し、先史文明の魔導遺産などの管理を行う世界」

 

 サイドテールの女を見て、七本目。

 

 それらの指を立てながら、ヴァンプギルティは宣言する。

 

「我らはそんな世界観の共通する存在、地球を基点として悪意を楽しむ存在。ゆえにこその黒い喜び(シャーデンフロイデ)である!!」

 

 ……規模がやばすぎるでしょうに!!

 

 乳神とかクリフォトとか、そんな次元じゃないって最悪じゃない!?




 とりあえずオリジナルの敵勢力、というか黒幕組織といったところです
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