シェイキング・ワールド・ハザード   作:グレン×グレン

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第六話 反撃のドルオタ

 五十鈴Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここで来たっての、赤龍帝が!

 

 なんで来たのか分からない。ただ、ジョーカーや英雄派のゲオルグも来ているようだわ。

 

 一体何が何だか分からないけれど、これなら勝てる。頬がにやけるのが止まらない。

 

「え、なに!? なにあれ!?」

 

「なんじゃこりゃぁあああああっ!?」

 

 周りで戦ってる連中が困惑しているけれど、ま、知らないのなら当然ね。

 

「勝ち誇りなさい! 私達の世界で超強い連中が来てくれたわ、三人も!」

 

 私も流石に、喜びを隠せないわね。

 

 ええ、だって―

 

「単独で小国を滅ぼせるような、化け物クラスの強者が三人も来たわ! 形勢は完全にひっくり返ったわ!!」

 

「……なにそれ? 超度(レベル)7みたいじゃん!?」

 

 赤毛の女の子が驚いているけど、貴方も大概よ。

 

 先刻から、撃墜されたデカブツの残骸を触れもせずに振り回してアルティロイドやWシリーズを三桁近く吹っ飛ばしてるし。

 

「脅威度変更。被害考慮を排して殲滅を選択……コードATA、発動」

 

 と、Wシリーズとやらが飛び掛かってくる。

 

 これは、自爆!?

 

「そうはさせんさ」

 

 その瞬間、Wシリーズは霧に包まれて消え去っていく。

 

 なるほど、来てくれたようね。

 

「お待たせー。いや、間に合ったみたいで何より何より」

 

 更に大量の雹が敵を制圧する中、舞い降りたのは三人の男。

 

 ……ふふ、戦局をひっくり返す英雄のご登場ね。

 

「やれやれ。次元の狭間というわけでもないようだが、何があったというのか」

 

 嘆息しながら興味深そうに周囲を確認するのは、英雄派のゲオルグ。

 

「ほんとお待たせ、五十鈴さん。とりあえず、こいつら全員倒せばいいんだよねっと」

 

 さらりと凄いことを言い、それを実際に実行するのは天界の切り札(ジョーカー)、セラフ候補の転生天使であるデュリオ・ジュズアルド。

 

 そして最後の一人。赤と黒の鎧を纏った最年少は、頭の鎧を消すとサムズアップをして、声を張り上げた少年に笑顔を向ける。

 

「ありがとな、リレンクス! 君の声が届いたおかげで間に合ったぜ!」

 

「……うんっ!!」

 

 世界の英雄、乳龍帝おっぱいドラゴン。

 

 最優の赤龍帝……兵藤一誠。

 

「じゃ、とりあえずこいつらを片付けるか!」

 

「そうだな。まずはそれが必要か」

 

「すぱっといこっか。……子供達が不安がるしね」

 

 その瞬間、私達はこの事態を乗り越えることが確立した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

才司Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 助かった。本当に助かった。

 

 上位神滅具保有者二人に、イレギュラー極まりない進化を遂げた二天龍の片割れ。

 

 増援としては最高に近い。形勢は完璧にひっくり返った。

 

「チャンスだ! このチャンスに畳みかけるよ!!」

 

 僕も出し惜しみはしない方がいいだろう。

 

 先が読めないので、手札を温存していたけれど、こうなったら遠慮はしない。

 

 これはとっても疲れるんだけど……っ

 

「瞬け、千雷丸」

 

 伏せ札の二つを即座に開帳。

 

 具現化されるのは、青い龍を模した右腕全体を覆う鎧に、そこから飛び出る剣のセット。

 

「離れないでね。範囲指定が面倒だから!」

 

 そして瞬時に発動し―

 

「なんと!?」

 

 ヴァンプギルティを含め、広範囲にスタンガンレベルの電流を一秒だけ発動。

 

 それにより、周囲を囲んでいた民間人は全員が悶絶して倒れ伏した。

 

「……悪いね。これは疲れるから、長期戦に備えて出し惜しみしていたんだよ」

 

 ちょっと得意げになりたくなるけど、とりあえず警戒は解かないで否とね。

 

「こ、広範囲の低出力雷撃? それもこの広範囲って、凄い……」

 

「と、とにかく死なせない範囲で抑えたんだな? なら、あとはあいつだけか!」

 

 お姉さんはともかく、テイルレッドはすぐに我に返って剣を構える。

 

 ああ、先を踏まえれば避けたい手札だったけど、この状況なら短期決戦も狙えるしね。

 

 このまま一気に。そう思ったときだ。

 

「……まえ……で……んか……」

 

 そんな、呟きが聞こえてきた。

 

 振り返ると、なんか和風っぽい感じの格好をしたメガネの少年がいる。

 

 ん~。持ってるのは普通の木刀か。それだとまずいな。

 

「危ないから下がって……」

 

「お前……でも……人間……」

 

 止めようとしたけど、まったく聞いてない。

 

 そしてその視線は、ヴァンプギルティに鋭く向けられている。

 

「……何のつもりか知らないが、命が惜しくば下がるがいい。私は属性力を狩るに辺り、抜け殻のままにせず命を奪うことをもって―」

 

 そう言いかけた、その瞬間。

 

「お前の母ちゃん何人だぁああああああああっ!!!」

 

 一瞬で間合いを詰めたその少年が、僕らを通り過ぎてヴァンプギルティに殴り掛かった!?

 

「ぬぅ……ぐほぉぅ!?」

 

 咄嗟に日本刀でガードしたヴァンプギルティが、しかし抑えきれず殴り飛ばされた。

 

「……あれ、普通の物理じゃ倒せないんじゃなかったっけ?」

 

 思わずそう言うけど、テイルレッドも凄く困惑している。

 

「そのはずなんだけど。戦闘員(アルティロイド)ですら、属性力が無けりゃ野生の熊以上の戦闘能力があっても倒せないんだけど」

 

「ぐ、具体的だね。……じゃあ、お兄ちゃん達でもダメなのかぁ」

 

 本当にテイルレッドの例えが具体的かつ非現実*1的で、ポニーテールの人も納得の仕方がおかしい気がする。

 

 いや、そこはいい。

 

 問題は、殴り飛ばされたヴァンプギルティも驚愕していることだ。

 

「馬鹿な!? 属性力はもとより、異能を持ち合わせていない者が拳でエレメリアンに害するなど……はっ!?」

 

 困惑するヴァンプギルティは、我に返ると手元を確認する。

 

 そこに、ヴァンプギルティが持っていた刀がない。

 

 殴り飛ばされら時に落ちていたそれを、眼鏡の男の子が手に持っていた。

 

「……てめぇ……っ! アイドルを奉じるとか言っときながら、そんな虚ろな連中を使って応援しようってのかぁ? ……アイドルに対する礼儀が無いにもほどがあるぞ、あぁん!?」

 

「「そんな理由で怒ってるの!?」」

 

 思わずポニーテールの人と一緒に絶叫したけど、テイルレッドは思わずうんうんと頷いている。

 

「分かる。俺もツインテールを応援するのなら、出来る限りそれに見合った力や態度を身に着けるべきだと思うからな、うん」

 

 ……あ、この子も変人だ。

 

 異形社会と相性が良さそうだなぁと思いつつ、僕は気を取り直す。

 

 そして気を取り直してから見てみると、ヴァンプギルティが落とした刀を持った眼鏡の少年は、その刀から強いオーラを迸らせていた。

 

 それを見たヴァンプギルティも驚愕していたようだけど、やがてどこか苦笑の雰囲気を浮かべつつ立ち上がる。

 

「……芸能偶像(アイドル)属性の属性刀を、私以上に扱える少年よ。よければ名前を聞かせてくれ」

 

「天道無心流恒道館道場……否」

 

 武芸者だったかと思っていると、急に彼は首を横の振り―

 

「寺門通親衛隊隊長……志村新八じゃぁあああああああっ!!」

 

「「……そこで言い直すの?」」

 

 思わず、サイドテールのお姉さんと一緒に首を傾げたよ。

 

「……そうだな。許せないところがアイドル(そこ)に在るのなら、名乗るのはそこだよな」

 

 テイルレッドちゃん。君はそれでいいのかい?

 

 うんうんしみじみ頷かれても、困るよ?

 

 そしてこの空気を無視し、互いに見据え睨み合う志村新八君とヴァンプギルティ。

 

 そしてどこからともなく戦闘が始まろうとしたその時。

 

「もらったぁあああああっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジガンスパーダとか言われてた兵器の残骸が、ヴァンプギルティを押し潰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとぉおおおおおお!? タイミング最悪すぎなんですけどぉおおおおおおっ!?」

 

 はしごを外されて、新八君が思いっきり絶叫したよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 な、なんか状況がさっぱり分からない。

 

 急に謎の船を中心にオーラが放たれたと思ったら、俺達は謎の空間に巻き込まれていた。

 

 たまたま近くにデュリオとゲオルグがいたから、三人で連携して安全を確保したけど、それ止まり。

 

 どうしたものかと思っていた時にあの人が連絡をくれなきゃどうしようもなかったぜ。

 

「……で、アジュカ様。奴らが黒幕でいいんでしょうか?」

 

『可能性段階だがな。幸いこの空間を解析できたので、大体の情報は把握できている』

 

 俺が通信で確認すると、通信越しから俺達悪魔のトップである、魔王アジュカ・ベルゼブブ様が返事をしてくれる。

 

 アジュカ様が通信をくれたおかげで、俺達は何とかここまでこれた。

 

 最もそれには困っていたけど、子供達がおっぱいドラゴンを求めてくれたおかげだ。

 

 ははっ。昔次元の狭間で、子供達がおっぱいドラゴンの歌を歌ってるのが聞こえたのを思い出すぜ。

 

 ま、それはこの際置いとくか。

 

「っていうか、あんなデカいの簡単に投げ飛ばせるんだな。凄いじゃん、明石さん」

 

「まーね! 中身が空なら、タンカーだって飛ばせるからね!」

 

 こっちに来る前に合流した、明石さんと協力してこうして俺達が難敵を潰しに来たわけだ

 

 ちなみに絡繰りは単純。

 

 たまたま小破止まりだった兵器の電気系統に俺が倍加って力を流し込んで、暴発する前に明石さんが奴にぶつける。

 

 普通の物理攻撃が効かないらしいけど、伝説のドラゴン様の力だからな。それが混ざってるなら通用するだろ。

 

「ご……がぁ……っ!? なんだ、この力は!?」

 

 狼狽している吸血鬼怪人だけど、今の攻撃でボロボロだ。

 

 そして他の連中はほぼ片づけた。残りもデュリオとゲオルグが受け持ってるから、すぐに終わるはずだ。

 

 だから、こいつをとっ捕まえて全部吐かせる。

 

 相手が女なら、おっぱいの声が俺の質問に答えてくれる乳語翻訳(パイリンガル)でどうにかなる。ただ相手が男っぽいので、たぶん無理だろう。

 

 場合によっては倒すしかないかもな。でも、容赦する必要はないか。

 

「観念しろ! お前達の存在は許せないけど、降参するならこれ以上は殴らないぜ!」

 

「ぶっ飛ばし足りないけど、降参するなら勘弁してあげるよ! どうするの!!」

 

 俺も明石さんも、エレメリアンの存在は決して認められない。

 

 だからこそ、これでも結構我慢してるんだ。

 

 ……だって、だって―

 

「この世からおっぱいの存在を消すような連中相手に、俺は決して手加減なんてできないからな!?」

 

「そうだよ! 私が眠らせた心の中のおっさんも怒りで覚醒する悪辣外道!! 吹っ飛ばすよ!?」

 

 ―おっぱいが滅びかねないとか許せねえええええええ!?

 

「何の話だぁあああああ!?」

 

 なんかメガネがうるさいけど、こっちは余裕がないんだよ!?

 

「……あ~。属性力が奪われると、その属性に関する物も失われるんだよ。例えばツインテールの属性力が失われると、過去に撮った写真までツインテールじゃなくなるぐらいで」

 

「あの、因果律とか時系列とか色々なものがおかしくない?」

 

 なんか女性陣が困惑しているけど、とにかくまったくもって許せない!

 

 おっぱいを、おっぱいを愛する気持ちを奪うことでおっぱいを奪い取るなんて!

 

 許せるものか、許せるものかよ! そんな邪悪な種族、見つけ次第滅ぼしたいぐらいだ!!

 

 ……耐えろ俺。耐えるんだ。あいつらは許せないけど、それでも我慢しないといけないんだ!

 

 でも、相手も降参する気は欠片も無い。

 

「笑止! 同胞を命惜しさに売るほど、我らが誇り無き駄犬と思ったか!!」

 

 飛び上がる吸血鬼怪人は、オーラを凝縮するけど……小さいな。

 

 その程度で、俺達を、倒そうだって?

 

「なめんじゃねえ!」

 

 いいだろう。なら反撃の狼煙をデカく打ち上げてやる。

 

 俺は四つの砲身を展開すると、素早くオーラを集中する。

 

 疑似とはいえ、龍神化の鎧だからこそ放てる大技。今の俺の最大火力の一角。

 

 見ているか、元凶共。

 

 これがお前達が敵に回した連中の本気ってやつだ!!

 

「吹っ飛べ、(インフィニティ)ブラスタァアアアアッ!!」

 

 俺は、遠慮なく必殺の一撃をぶっ放した!

 

*1
異形が絡まない場合




「俺、ツインテールになります」と「銀魂」を参戦作品にすると決めたてから、電撃的にひらめいた。

「あれ? ドルオタって属性力モテるんじゃね?」と。

新八君、初手から超強化。獲物についての説明はまた後程。

ヴァンプギルティが芸能偶像属性なのは、今後新八君のライバルキャラとして激突させるつもりで設計したからです。そして親衛隊長がブチ切れるようなやり方をさせ、ぶちのめされた結果獲物を奪われたことで互いに因縁が成立させましたー。

 そして共鳴している兵藤一誠&明石薫。たぶんだけど、イッセーにとっては総二と同レベルで共鳴する余地があると思う。女王の中に眠るオッサンが、今再び目覚める時が来た!!
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