旭日から来た人(コラボ小説)   作:とある名無しの抜刀隊

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(海側)第一話 倒せ〇〇!護衛艦ファイト<上> [Mr]

 

 

 

 

 

嫌な夢を見た。

 その証拠に、山中は目覚めが悪く、部下が言うには起こすまでうなされていたようだ。

 どんな夢なのか、今は起きた後だからはっきりしないが。

 

 彼は部下から各部署の報告を聞いた。聞いたところ損害はほぼ皆無なようだ。レーダーも正常に作動しているし、武装なども故障していないし、他2隻とも通信はできる。

 ただ一つ気がかりなことは…

「どこにも連絡がつかないのか?」

 ええ、と言って副長が頷いた。

「横須賀海上司令部や陸上司令部はおろか、自衛隊の基地、司令部等にも連絡したが駄目でした。レーダーには不備がないようなんですけど」

「レーダーがいかれたわけじゃないってことか…」

 山中は険しい表情をしながら頭を捻った。妙なことが多すぎる。まず、なんで司令部などと連絡がつかないのか、については、あの謎の台風にぶつかった衝撃で船員が全員気絶して、知らぬ間にどこかに漂流してしまったと考えることはできる。だがそう考えても損害がないってのはおかしい。少なくとも、もりゆきのような4000トン級の護衛艦で、あんな大きい台風に正面衝突したと考えれば、浸水被害、いや武装の一部やレーダーが壊れて最悪中破なんてなってもおかしくないからだ。

「一応周辺の確認等は行っているか?」

「現在それぞれの哨戒ヘリで付近を捜索させています。まあ周辺に陸地などは見当たらないのでここがどことは断言できませんが、怪獣などの恐れはありますし」

「悪いな。そこまでさせてもらって」

「大丈夫ですよ。艦長起きなかったし、私だって臨時指揮の経験ぐらい積んでおきたかったですから」

 そう言って副長はニッコリと笑った。

 

 

 

「ったく何が起こってんのか、上にも繋がらんってのはよ」

 もりゆき搭載ヘリSH-64K、コールサインシーガル1の機長である野上サブロウは、荒い口調でそう言った。

「おい、新塚、お前はなんか思い当たることとかあるか?」

「こういったことに遭遇したことないのでなんとも…」

 彼の後方に座っている新塚ヨシオも、心底では現実を受け止めれてないようで何度か目を瞬きさせていた。

「まあ、だろうな。こんな目にあったやつがいる方が珍しいぞ」

 新塚はですが、と言って続けた。

「思い当たることはあります。信憑性とかは薄いですが」

「なんだ?言ってみろ」

「かわぐちかいじって知ってますか?」

 野上はウーンといった顔になる。

「ほら、最近だと沈黙の艦隊って映画の、原作漫画とかを担当してた人ですよ」

「あー、確かにそんな映画聞いたことあったなぁ。で、そいつがなんかしたのか?」

 新塚はうんうんと頷く。

「この作者の描いた漫画の一つにジパングというのがありましてね…」

「ジパング、あの日本の別名とかだっけか?」

「まあ、タイトルの由来ではありますね」

 彼はそこで一旦言葉を切った。

「それで、内容を説明すると、日本の護衛艦が嵐に巻き込まれて、それでミッドウェー海戦の直前にタイムスリップしちゃうって内容なんですけど」

「まさか、うちらもタイムスリップしたとか言い出すんじゃないだろうな?あくまで漫画の話だし、そのまま真に受けるわけにはいかんぞ」

 野上の言葉に対し新塚も頷いた。

「確かにこれは漫画の話です。ですが、このような事態が現実にもあったんですよ。たとえば…日清戦争の時の軍艦の畝傍が、シンガポールのあたりで行方不明になった話とか」

「嵐に遭ったか、怪獣にでも襲われたんじゃないか?」

「いや、この事件はそんなのとは毛色が違うんですよ。まず、この畝傍の遺留品が全然見当たらなかったんです。沈んだと思われた場所には、装甲板とかはおろか、制服の布切れすら見当たらなかったそうです」

「なるほど、無視はできんってわけか…」

 野上は頭を抱えながら先のことについて考えていた。

 その時だった。新塚の表情が変わる。

「野上さん、ソノブイに反応ありました。目標からは生命反応を探知。おそらくは…」

「怪獣だな」

「ええ、すぐにもりゆきに連絡します」

「了解した」

 野上は彼に頷くとすぐに機体を動かした。目標は現在60ノット、早くても30分以内には3隻に接近するほどのスピードで来ている。

 再び新塚の表情が変わった。

「おいおい嘘だろ、冗談じゃない」

「なんだよ、怪獣がどうしたんだ」

「対艦誘導弾、そして巡行誘導弾です…」

 彼は馬鹿なといった表情になる。

「は、怪獣が誘導弾撃ったってのか?んな馬鹿な。幻覚でも見たんじゃねぇのか?」

「嘘じゃありません。これは対艦誘導弾で間違い無いです」

 彼はそう言って頷く。表情からして嘘をついてるようにも、錯乱してるようにも見えない。

「すぐにもりゆきに連絡します」 

「ああ、了解した」

 理解が追いつかない野上は、一体どうなってるんだと頭をかいた。

 

 

 

「シーガル1の連絡によると怪獣がこちらに接近、そして誘導弾に似たものを射出したようです。発射数は4」

 報告に対して山中は動じずに命じた。

「副長、俺はCICに降りるから操艦は任せたぞ」

「了解しました」

 

 山中は艦に設置されているラッタルを降り、戦闘指揮を行えるCICへと向かった。

 

 

 

 

 

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