流星群に願いを 作:キチガイの人
主人公視点ですが、書いてるとこっちも頭おかしくなりそうですわ。
補足ですが、主人公妹の転生を知っているのは田中だけです。アイツその重要情報を誰にも言ってません。それを踏まえて、どぞ。
続きが気になる終わり方をした自覚はあるので、次話は早めに出したいなぁ。
原作『推しの子』において、カミキヒカルとはどういう人物だったのか。
そりゃもう原作読み進めたり、二次創作に触れてアイドル様に脳を炭火焼された皆様方には、そう多く語る必要もないだろう。
俺が知る限り、超絶簡単にネタバレ含めて伝えると、コイツが間接的にアイドル様を殺害したとされる人物で、あくまでも憶測だが、他の芸能人殺害にも関与している超危険人物。んで自身が価値を見出した奴が
原作完結前に死した身なので、『カミキヒカル』が本名なのかすらも分からない。故に、当時は出番も少ないことから、コイツの人物像が掘り下げられる前に俺が御陀仏したこともあって、推定黒幕の背景というものはイマイチよく分かっていない俺。
場合によっては、アイドル様がコイツに殺された理由として、アイドル様側にも問題点がある可能性だってある。多分あり得ないと思うが、大前提としてコイツが本当にアイドル様の殺人教唆犯なのかも明言されていない。
まぁ、現にアイドル様が原作ではお亡くなりになっているのは事実なので、俺から見れば警戒すべき相手なのは間違いない。
「──だからぁ、エッハンッ、ララライの連中のヒ、無理矢理引き止められて、芸能界とかいう大ホきヒなハ、クッカテゴリーに比べたらぁ、ズズッ、ネェ、折り合いをつけるっていうハァハァことで、もう一生懸命ホントにハァハァ……演劇やら何やらヘヘヘハハハハアアアア!!↑↑ カミキヒカルの原作問題行動は……グズッ……アイちゃんのニートゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑、アイちゃんのみンゥッハー↑、グズッアイちゃんのみならずぅぅう!! ニシンニミヤ……芸能界全体の問題じゃんっ!! ……そういう問題ホォホッホー! 解決シタイガ為ニィ! 僕ハネェ! ウハハハハァァァ! 誰がネェ! 『ダデニ転生シデモ! オンナジヤオンナジヤ』オモテェー!」
「「………」」
「ズゥーット、警カイシテ来タンだよ!? せやけどアイちゃんの原作通り来て変ワレヘンカラァ、ソレヤッタラァ僕ガァッ!! …ハァハァ…ハァッ、出会わないようにしてぇ、文字通りぃ! ゥンハハァン!!↑↑ 命がけでッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑ ア゛ァアン!!!」
この野々村ヒカルに警戒する価値があるのか甚だ疑問ではあるが。
某兵庫県議会議員の記者会見のように、意味不明な言語で泣き散らすイケメンに、俺と大将は何とも言えない表情になる。
リョースケのみならずカミキヒカルまでもが転生で腐れ縁であることが判明した数日後、推定黒幕から食事の誘いを受けた俺。熟女キラーから推定黒幕の無害性を事前に聞かされていた俺だったが、それでもカミキヒカルへの警戒心が心の底にあった。
しかし、この男が腐れ縁とかに関わらず、味方であったにせよ敵になるにせよ、会えるのであれば会っておいて損はないのは確かであり、強力な助っ人である大将が構える『西国無双』を密会場所に設定したのである。
何が起こっても大将がいれば何とでもなる。そう思って、万全の構えで今回の食事に望んだ俺だったが、
「この世界線をォンフンフンッハ、コノ、コノセァアアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!! アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン! コノセカォァゥァゥ……ア゛ー! コノジョウキョウヲ……ウッ……ガエダイ!」
「……これが少年の警戒していた黒幕とやらかね?」
「……いや、もうちょいダークでミステリアスな男だった気がする。まぁ、確かに、言ってることがミステリアス過ぎて何にも伝わって来んけど」
これが演技なのであれば大したものだが、それを俺の前でやる意味はないので、このカミキヒカルは中身がアレな腐れ縁なのだろう。ってか野々村な時点でふざけてんのかと思ったけど、精神的に限界なのか、どうやら『ガチ』だわコレ。
原作では殺り方が汚いカミキヒカルだったが、この世界線では泣き声が汚いカミキヒカルらしい。どっちにせよ汚い。
イケメンの汚い泣き声は大将がラーメンを運んでくるまで続き、運ばれて来た豚骨ラーメンを目にするとスッと表情を元に戻す。さすが役者、オンオフの切り替えを賛辞するべきなのか、あれ嘘泣きだったのかと問い詰めるべきなのか一瞬悩む。
麵をすする前に
「豚骨スープの圧倒的『これだ!』感がヤバい……あー懐かしいぃぃ……やべ、涙出てきた。あー、豚骨ラーメンやっぱ好きだわぁ」
「……そりゃ良かったな」
「なんかもう疲れてきたなー。もうララライ辞めて地元帰ろうかなー。今世は生まれも育ちも関東だけど」
カミキ、芸能人やめるってよ。
「原作崩壊が著しいなオイ」
「あってないようなもんでしょソレ。肝心の原作黒幕が、品行方正で清廉潔白な僕だよ? いいじゃん、アイちゃんは死なずにドームライブ成功させてハッピーエンド。ゴローせんせは……まぁ、うん、さりなちゃんとの思い出を胸に前を歩き始めるエンドでさー」
「とりあえず品行方正と清廉潔白を辞書で引いてみようか」
「……僕としては、五反田カントクのママさんとどう関係を持つのか真剣に悩んでいるリョースケの対処を、先に考えるべきだと思うけどねぇ」
「頭おかしいんじゃないのかアイツ。え、マジで? 俺『NTR』と『ヒロインは五反田監督の母親』のタグ付いた作品とか見たくないんだけど」
どんだけネットの海に潜ったとしても、特に後者のタグ付き二次創作が出てくることはないだろう。それを、『推しの子』世界線にリアルで転生した俺が体験するのだけは御免
万が一にでも、今後五反田カントクと会ったときに、まともに顔を見れる気がしない。
「……ま、まぁ、、あの人妻ニアのことは置いておこう。アイツと五反田家の問題やし、正直関わり合いたくない」
「それには同感」
「お前も別に芸能界から消えるのは禁止はしないけど、星野とのアレコレだけは進めてから消えろよ?」
「え、ごめん何の話?」
こってり豚骨スープが五臓六腑に染み渡るわー、これは勝ち確ですわーと、呑気に麺をすする推定黒幕に、俺はため息をつきながら睨む。
「星野の死亡フラグが消えたのは十分理解した。となると、残すは双子生まれてハッピーエンドしかないやろ。そうするには、星野とお前が肉体関係持たんとアクルビが生まれんだろうが。ゴロー先生生存ルートならアクアは生まれん可能性あるけど、少なくともさりなちゃんの転生先であるルビーは生まれてきて欲しいじゃん?」
「……んー、ん? ……え、ん?」
リョースケとカミキヒカルがこの世界線で無害となった以上、
最近の彼女は俺なんぞに現を抜かしているように見えなくもないが、所詮は一時の気の迷いに過ぎない。そんな迷走中のアイドル様にしてやれることは、何とかしてアイドル様と無害化した原作黒幕との仲を取り持つことだろう。どうすりゃいいのか見当もつかないが。
原作の出産次期から逆算した場合、あんまり時間が残ってない。ここは転生組は言わずもがな、当事者の原作黒幕には頑張ってもらおう。
……と思っているのだが、返って来た返答は「何言ってんのコイツ」みたいな疑問符だった。
何か不明点でもあるのだろうか?
「えっとさ、純粋な疑問だけど……■■はアイちゃんのことをどう思ってる? 死ななきゃそれでいい感じ? それともアイドルとしての大成してもらえばOK? ……アイちゃん自身の幸せとか度外視?」
「んなわけ。アイドルとしての活躍を願うにしても……彼女が幸せに暮らすことが第一だろ。だから愛情注げる双子の存在が不可欠だし、その双子の遺伝子の片方持ってるお前の協力を頼んでるんだろうが。違うか?」
「ほうほう、なるほどなるほど。次の質問なんだけど、アイちゃんと■■って付き合ってるんだよね?」
「ビジネスパートナーな? 自慢しているように聞こえるから口にしたくないが、なんか知らんけど今の星野はなぜか俺に執着してるんよ。んなことしてる暇はねぇってのに」
「ほーほーほー、なーるほどねー。ちなみになんだけどー、アイちゃんは■■のことが好きっぽいんだけど、そこら辺に関してはどう思ってる?」
「……あれじゃないか? 星野とは施設からの付き合いだし、母親失踪時に一緒に居てフォローしてた時期があったし、一緒に居ることが当たり前みたいになってたからな。それを異性としての好意と勘違いしているだけじゃないかと思う」
はえー、なるほどねー。カミキヒカルは大将の方をチラッと見て、俺の話を真剣に聞いているのか分からない回答をする。
俺に対する質問に関しても、話半分で聞いている様子で、どちらかというと俺自身を観察しているようにも見える。なぜそんなことをするのか?と聞かれても理由は思い浮かばないが、吟味するように考えながら質問しているようではあるので、原作黒幕も何か考えがあっての言動なのだろう。
「原作でも描写があっただけのにわか知識なんだけど、未成年での出産ってリスク高いって話。あれはアイちゃんが自身の意志で、必要だと判断しての出産だったはず。でも、今の■■はそれをアイちゃんに強要しているようにも聞こえるのは気のせい? そこら辺はどう考えてるの?」
「……まぁ、確かに若年での出産は危険って聞いた気がするが、
「OK、理解した。
後半部分は聞こえなかったが、やっと原作黒幕の腐れ縁にも理解してもらったようだ。
俺はいくつかの昔話に花を咲かせ、今世での情報交換を軽く行い、メールアドレスと電話番号を交換して解散した。
原作知識を共有する仲間も増えたことだし、アイドル様のハッピーエンドの為にも頑張るとしよう。彼女の幸せを願い、思い浮かべながら俺は帰路につくのだった。
『──さぁてと、■■にも
黒く輝く星を携え、歪んだ笑みを浮かべるカミキヒカルに気づかずに。
♦♦♦
「──やぁやぁ、急に呼び出してゴメンね? そんなに時間を取らせる気は──なくはないけど、まぁ、ゆっくりしていってよ。ここのご飯は僕が奢るからさ」
「星野さん……えっと、別に距離感がどうのこうのって話じゃないけど、名前で呼んでもいいかな? あ、シオンの友達だから別にいいって? ありがとねー」
「あと僕と■……もとい、シオンは友達じゃないから。腐れ縁だから。戦略的互恵関係だから。そこんところ間違えないようにヨロシクね?」
「呼び出した理由? うーん、どこからどう話したものか」
「アイちゃんも難しい話は嫌だろうから、単刀直入に言わせてもらおうかな」
「君は世間にシオンのことを『彼氏』として公開していると思うんだけど」
「
「あー、ごめん。簡潔に言い過ぎたかな?」
「正確には──金輪際、シオンに関わらないで欲しい」
「……そう怒らないでくれると嬉しいな。あ、ダメ? そうですか……」
「最初に言っておくけどね? 別に嫉妬心だったり、僕が君のファンでユニコーンガンダムだからって理由じゃないよ? むしろ、君のアイツに対する本気度を知ることが出来たよ。君は本当にアレが好きなんだねぇ」
「僕としてもアイちゃんには幸せになってほしい」
「君の恋を応援したい」
「でもね」
「ダメなんだよ」
「僕だって本来なら他人の恋路に首突っ込んでかき回す趣味はないよ。正直言って、僕も異性にトラウマ抱えている身だからね。勝手に幸せになってって話。君が誰を好きになるかは君次第だ。誰と付き合おうとも、僕がそれを止める権利はない」
「でもアイツはダメだ」
「アイツだけは、ダメなんだよ」
「諸事情により君が何を望んでいるのか、何を求めているのか、おぼろげだけど僕は知っている」
「だからこそ、僕には分かるんだよ。君がアレのことが好きだとしても、君が望むものは手に入らないって。アレに君が求めるものは与えられないって」
「酷なことを言っているのは重々承知している。だから、頭を下げてお願いさせてもらうよ」
「あの人間
「お願いだ」
「これ以上、君に迷惑はかけられない」
「僕らの世界が産んでしまった悲しい
【主人公】
原作知識持ちの転生者。ぶっ壊れ系主人公。
【大将】
原作を履修してない転生者。アイ君がドームライブ前日に殺される? つまり私が前日に警護すれば万事解決だな!(死亡フラグ完全消滅のお知らせ)
【星野 アイ】
中堅アイドル様。一緒に晩御飯食べてるし、一緒に風呂入ってるし、一緒のベッドで寝てるので、主人公は事実上の恋人。
【カミキヒカル】
原作知識持ちの転生者。嫌な役目はいつも僕だ。(半泣き)
【リョースケ】
原作知識持ちの転生者。祝・wiki復活。つかコイツの本名
【田中 太郎】
原作知識持ちの転生者。出番なし。秘密主義の権化。妹の投入時期は慎重に。
【???】
原作を履修してない転生者。出番なし。多分思考回路と言動が原作黒幕よりヤバいかもしれん。
次回:アイ「でもそれって君の感想だよね?」カミキ「せやな」