プロヒーロー御用達の町工場   作:エドモンド橋本

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 「ちょっと!!お客様に対して開口一番失礼でしょ!!」

 

 勢いよく詰め寄って来た金髪美女(黙ってれば)ヒーロー、ピクシーボブこと土川さん。

 

 「毎回毎回同じこと言わせないで貰いたい。来るなら事前に連絡を」

 

 「うぐっ!き、急に決まったから仕方ないでしょ!」

 

 「急に決まって直ぐ来れる距離じゃないでしょ。移動中でも連絡くらい取れる筈だ」

 

 「んぐぐぐ!!アンタ相変わらず後輩の癖に生意気ね!」

 

 「常識の話をしてるんですよ俺は」

 

 頭をガシガシ掻きながら奇声を上げる土川さん。口に出しては言わないけどアラサー女性がする行動としては果たしてどうなのだろうか。

 

 「磁牧、ごめんなさいね。私の方からも謝るから、どうか話を聞いてもらえないかしら」

 

 「我も謝罪しよう。すまなかった」

 

 「ごめんね!」

 

 「だそうよ」

 

 土川さんの前に出て謝罪する送崎さん、茶虎さん、知床さん。そして3人の背後からドヤ顔で見てくる土川さん。まだアンタからの謝罪を受けてねえよと言いたいが時間の無駄か。

 

 「はあ、2階へどうぞ。話くらい聞きます」

 

 「すまないな。つまらないものだが、これ、皆で食べてくれ」

 

 「あ、これはご丁寧にどうも」

 

 茶虎さんからお土産を受け取り、事務員の双葉さんに預ける。何だかんだで普通に茶虎さんが1番常識人だよな。送崎さんも常識人ではあるが、たまに悪ノリするからな。

 

 「さてと、御用件は?」

 

 2階の打ち合わせ室に入ると、4人と向かい合う形で席につき、早速話を聞く事にした。

 

 「私達、春先に雄英のヒーロー科3年の特殊レスキュー訓練を担当するの」

 

 「はあ」

 

 送崎さんの話に頷いては見たが、正直意味が分からない。それとウチと何の関係があるんだ?

 

 「訓練は勿論私有地でやるんだけど、正直雄英のヒーロー科3年ともなると、やっぱり強者揃いなんだよね」

 

 「我々は訓練の内容から立地、設備、仮想敵の出現時間、暴走範囲など事細かに決めたのだ」

 

 「鋼君にはその確認をお願いしたいんだよね!」

 

 「……何故俺?」

 

 この人達ウチに入ってくる時ちゃんと看板見たのかな?ウチは磁牧製作所、板金や金属加工がメインの会社だぞ。ヒーローの訓練について口出しする変な企業じゃねえ。

 

 「へ?だって、鋼君だから!」

 

 「理由になってない。そもそも、それってプッシーキャッツの皆さんだけの話じゃないでしょ?雄英が関わるのに、簡単に情報を教えて良いんですか?」

 

 「許可なら取ったわよ」

 

 「誰に!?てか俺聞いてねえし!!」

 

 雄英がそんな簡単にOK出すか?あそこは基本的に教師陣の多数決で物事決まるだろうに、何人が賛成した?誰が賛成した?2、3人嫌な顔が浮かぶな。

 

 「一応これが現地の見取り図、それとこれが映像、あと訓練内容とその流れはこの書類を見てくれ」

 

 テキパキと書類やらディスクやらを並べる茶虎さん。もう完全に逃げ場を失った。そもそも一般人の俺がプロヒーローから逃げられる訳がない。諦めて映像や見取り図、書類に目を通す。何度も言うが俺はヒーローの訓練にあーだこーだ言える人間ではない。だが、俺も元雄英生。ヒーロー科の奴らと共同で課題をこなしたり、こんなサポートアイテムを作ってくれだとかも言われた。何となく水準は見えてる。俺は髪を掻き上げてオールバックにして後ろに結ぶ。

 

 「良いんじゃないすか。特に問題なさそうだけど。え、何?」

 

 「……ワンチャンありか」

 

 恐ろしい表情で俺を見てくる土川さん。もはやヒーローがして良い顔じゃないぞ。

 

 「放って置いて良いわ」

 

 「時間を取らせて済まなかった。アドバイスや気になった点はないか?」

 

 「あ、ああ、気になったのは、この3人」

 

 俺は茶虎さんから渡された資料の後半に纏められた参加者リストを見せる。ヒーロー科の生徒達の情報が一覧になっているような大事なものを俺みたいなのに見せるのは本当にどうかと思うが、今は黙っておく。

 

 「通形ミリオ、天喰環、波動ねじれ。この3人に今回の訓練はぬるいだろうな」

 

 「……何故?」

 

 少し顔を顰めた送崎さん。他の3人も目を見開いたり、顔を傾げたりなどしている。特に怖いのは茶虎さん。雰囲気が完全に変わってる。俺食われるんじゃねえか?

 

 「こいつら、サー・ナイトアイや大阪のファットガムの事務所でインターンしてますよね?敵を確保する姿をニュースで見た事ある。俺の代のヒーロー科にあんなレベルの奴らはいなかった。言い方は悪いが、下手なヒーローよりよっぽど優秀だ。それくらいは分かる」

 

 チラリと4人を見るが、やっぱり表情は変わらない。

 

 「色々言いましたが、この内容で進めて良いと思いますよ。この3人のレベルに合わせると、他の生徒がついていけないでしょうし」

 

 「……やっぱり貴方は、いや、何でもないわ。助言ありがとう」

 

 「磁牧に頼んで正解だったな」

 

 「流石だにゃ!」

 

 「やっぱ唾付けておくべきかしら」

 

 「じゃあ今日はこれで、って何だ!?そんなにじり寄ってくんな!!」

 

 納得したのか片付け始める3人を他所に怖い顔のまま近付いてくる土川さんと取っ組み合いになったが、最終的には茶虎さんが回収してくれた。

 

 「そうだ、またコスチュームのメンテナンス頼めるかしら?」

 

 「いや、まあ、構いませんけど、一流メーカーに依頼した方が良いと思いますよ?アフターサポートとかしっかりしてるし」

 

 「私は貴方に頼みたいのよ」

 

 帰り際に声をかけて来た送崎さんに大体みんなに言ってる事を伝えるが、悪戯っぽく笑って茶虎さんが運転する車に乗り込んだ。

 

 「磁牧、世話になったな」

 

 「今度はちゃんと連絡するわね」

 

 「バイバーイ!」

 

 「開けときなさいよ」

 

 「何をだよ」

 

 騒がしい一団は去っていった。どっと押し寄せる疲労感に思わずへたり込みそうになるが、何とか耐えながら仕事をこなす為に事務所に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 慌ただしい年度末が過ぎ去り、桜舞う4月が訪れる。新生活に心躍らせる若者がいる中、俺はと言うと。

 

 「は、はは」

 

 見慣れた校舎、見慣れた校門。

 

 「数年ぶりだな、雄英高校」

 

 スーツ姿で母校の前にいた。

 

 

 





書いてなかった主人公のプロフィール

名前 磁牧鋼星(じまき こうせい)
所属 磁牧製作所
個性 磁気
容姿 やる気を感じられない垂れ目が印象的。少し長めの髪を作業中はオールバックにして後ろに結んでいる。体型は筋肉質。
誕生日 7月5日(22)
身長 185㎝
血液型 A型
出身地 静岡
好きなもの 野球、昼寝

個性については、磁気によってあらゆる金属を自在に操る系です。マグ姉の上位互換で、ワンピースのキッドがやってる事が大体出来ると思って貰えば良いです。


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