プロヒーロー御用達の町工場   作:エドモンド橋本

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お仕事ついでに新登場の社員紹介。


USJ修復作業

 

 

 速報で入って来た大多数の敵による雄英高校襲撃。負傷したヒーローは3名。今年から雄英高校の教師に就任したオールマイト。彼は流石に軽傷で済んだが、重症者にイレイザーヘッドと13号。襲撃を受けた施設は、俺が昔、13号と一緒に作った、USJだった。何とも言えないまま、固まってしまった俺の元に、根津校長から連絡が届いた。

 

 

 

 

 「ん〜、どこも酷えな」

 

 根津校長からの連絡はUSJ修復作業の依頼。現在雄英高校は敵による襲撃を受けた事で、外部業者などの入場を規制している。その為、雄英側が信頼出来ると判断した俺に依頼が来たわけだ。

 

 「すまないね。忙しいのにこんな事頼んでしまって」

 

 「我々教師の失態なのに、教え子に尻拭いをさせる形になって、本当に申し訳ない」

 

 俺に対して頭を下げるパワーローダー先生とセメントス先生。サポート科に在籍していた俺にとって、この2人と黒瀬さんには本当にお世話になった。無理矢理結ばれた協力関係ではあるが、恩返しにしては易いものだ。

 

 「気にしないで下さい。技術なら一流企業にも負けません。磁牧製作所の職人にかかれば、2日で元の状態に戻して見せますよ」

 

 「頼もしい限りだね」

 

 「何かあれば直ぐに連絡してくれ」

 

 雄英施設の建設や修繕にとって欠かせない2人も、今回は対策会議やら何やらで拘束されっぱなしのようだ。それでも疲れを感じさせない背中は、流石ヒーローと言ったところか。

 

 「鋼ちゃん、水難ゾーンと倒壊ゾーンが元の状態よりも激しく損傷している。僕はそちらに向かわせてもらうよ」

 

 声をかけて来たのは優しい顔立ちの初老の男性。資材の仕入れを担当してくれているシゲさんだった。熱くなりやすい源さんを嗜めるのが上手く、円滑なコミュニケーションを取れる人で、親父からも潤滑油のような存在だと言われていた。

 

 「了解です。一応、1人だと危険なので川田と向かって下さい」

 

 「うん、分かったよ」

 

 笑顔で頷いたシゲさんは、USJの入り口で工具を運んでいる川田の方へ向かった。ウチで1番ガタイの良い川田は、寡黙で表情が変化しない為、コミュニケーションが取り辛いが、キッチリと仕事をこなす為、非常に優秀だ。それにシゲさんと組ませれば、更に効率が上がる。まさにゴールデンコンビ。

 

 「さて、問題はここだよな」

 

 地面が抉れ、瓦礫が飛散したセントラル広場。あのオールマイトと敵が殴り合った事による損壊。まさか日本にオールマイトと張り合える奴がいたとはな。校長から聞かされた時は正直嘘だと思った。

 

 「ま、敵の事なんか俺が考えても仕方ねえか。それよか仕事仕事」

 

 俺は原型を留めていない広場の噴水に目を向ける。まずは瓦礫だな。金属なら俺が運べば良いけど、コンクリや石ってなると、バラシ屋コンビに頼むか。

 

 「解斗!溶ちゃん!」

 

 倒壊ゾーンに向かおうとする青年2人に声をかける。

 

 「ういっす、何か変更すか?」

 

 「ああ、先に広場の瓦礫をバラシてくれ」

 

 「なるほど、了解しました」

 

 軽い口調の解斗とは違い、真面目に頷く溶ちゃん。性格は真逆だが、2人の仕事の相性は非常に良い。解斗の個性《分解》は、自分の触れたものを、サイコロの形に分解する。サイズも調節出来るため、加工に活かす事も可能だ。因みに3分以内であれば、触れる前の状態に戻す事も出来る。そして溶の個性《溶解》は、ものによるが、触れた物質を溶解し、液体に出来る。基本的には鋳物を作る仕事が多いが、こう言った現場では、解斗と共に、邪魔なものを片っ端から溶かして貰っている。

 

 「じゃあ、やるかあ」

 

 「うん、始めよう」

 

 バラシコンビに任せてる間に俺も修理の準備をする。

 

 「新卒君達に頼むか」

 

 「呼びました?」

 

 もの凄い勢いで俺の前に現れた元祖新卒君。うん。彼は今年で2年目だからもう新卒ではないが、呼ばれ慣れたか。

 

 「あ〜、夕島、お前は源さんのサポートに行ってこい」

 

 「分かりました!」

 

 全力ダッシュで去っていった。夕島。彼の個性《元気》は、疲れを知らず、常にMAXパワーで動ける。そして翌日使い物にならなくなる。だが夕島の場合、個性を発動しててもしてなくても見分けが付かないから非常に困る。

 

 「社長、工具お持ちしました!」

 

 「Capo、指示を願います」

 

 呼ぼうかと思ってたらわざわざ自分たちの方から来てくれた優秀な今年の新卒組。平島研磨君とアリア・ペネトレイションさん。我の強い社員達が多いウチの工場にも既に慣れて来たみたいで嬉しいよ。

 

 「バラシ屋コンビの解体が終わったら、地面の整地して、噴水の修復に入るから2人とも準備お願い」

 

 「分かりました!」

 

 「D`accordo、お任せください」

 

 指示を出すとテキパキ動き始める2人。社員ばっかに働かせて、楽する社長なんてゴミになりたくない為、俺も個性を使って金属を回収する。

 

 

 

 

 『13号は重症でね。今は会えない』

 

 あえて聞かなかったのに、校長は教えてくれた。黒瀬さんは、災害救助を得意としている為、戦闘には向いていない。でも、生徒を守る為に立ち向かったのだろう。あの人も、ヒーローだもんな。

 

 

 

 『見て磁牧君!これは僕の考えた、ウソの災害や事故ルーム!通称、USJ!!』

 

 『ダメでしょ』

 

 『え!?』

 

 『怒られるよ』

 

 『な、なら今から君も共犯者だ!僕の計画に協力してよ!』

 

 『タダで?』

 

 『む、そ、それなら、ランチラッシュの昼食1ヶ月!どう?』

 

 『う〜ん、まあ、良いか』

 

 『よし!これで僕達は今日から共犯者だ!!』

 

 『それがヒーローのセリフかよ』

 

 

 

 「はあ」

 

 集めた金属を片すと、地面に付いた血痕が見えた。敵のものか、オールマイトか、イレイザーヘッドか、生徒の誰かか、それとも。

 

 「気分悪いなあ」

 

 

 

 

 

 

 





 磁牧製作所社員一覧その2

 崔ノ目解斗(さいのめ かいと)
 個性《分解》

 熱又溶(ねつまた よう)
 個性《溶解》

 平島研磨(ひらしま けんま)
 個性《研磨》

 アリア・ペネトレイション(アリア ペネトレイション)
 個性《貫通》
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