宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

※なお、今回登場しているマスク氏は、Gレコのマスク氏とは全くの別人なのでご注意くださいませ。


Re:Act.12『ジャブローの脅威(前)』

「わぁ……」

 

 窓の下に広がる森を見て、ソフィーが声をあげる。

 

 ジオン軍の攻撃をしのいだペガサスJr.は、ついにジャブローのある南アメリカ大陸に到達したのだ! 俺はもちろんだが、おそらくはコロニー育ちが多いであろうアムロたちペガサスのクルーたちも、みな眼下にある天然の森林に圧倒されている。

 

―――そういえば、ソフィーもこんな大自然を見るのははじめてなのか?

―――はい。私もコロニー育ちなので。だからこんなすごい自然を見れて、とてもうれしいです! わくわくしてます!

 

 うわ、すごい。ソフィーの精神領域がキラキラしてて、まぶしいくらいだぞ。まぁ、俺もこんなどでかい自然を見るのははじめてで感動しているから気持ちはわかる。

 

―――本当にすごいですね。感動しちゃいます。居候さんはどうですか?

―――あぁ、俺もだよ。

 

 そして、その森の一角がパカッと開いた。どうやら、あそこが港の入り口らしい。ペガサスJr.は静かに、その入口へと入っていった。

 

* * * * *

 

 そして。

 

「それじゃ、私たちはそろそろ行くよ。みんな、元気でいなよ」

「はい、こちらこそお世話になりましたカレンさん、サンダース軍曹。お二人のほうもお元気で」

 

 アムロがそう言ったところで、サンダース軍曹が微笑んで手を差し出した。

 

「あぁ、ありがとう。みんな、この戦争が終わるまで死なないでくれよ。そしてすべてが終わったら、またみんなで集まって、再会を喜び合おうじゃないか」

「はい!!」

「やれやれ、それは隊長代理である私の言うべきことだと思うんだけどね……。まぁいいや。それじゃ、さようならは言わない。またね」

「はい、また!!」

 

 そして、カレンさんとサンダース軍曹は颯爽と去っていった。二人はこれから、色々な手続きを済ませたうえで、違う部隊に配属となるらしい。

 俺は二人のこれからの活躍と、何より無事を祈らずにはいられなかったのだった。多分それはみんなもだっただろう。

 

* * * * *

 

 一方そのころ。大西洋上に浮上している潜水艦、マッド・アングラーに一機の連絡機が降り立った。

 

 その連絡機から降りてきた男、フラナガン・ブーンを、かつて彼の上司だった男、シャアが出迎える。

 

「久しぶりだな、フラナガン。活躍しているようで何よりだ」

「少佐のほうこそ、ご活躍されているようで何よりです。なんでも、例の機関にも関与されているようで。おかげで、部下からもあちらの博士と名前が似ていることでからかわれて大変でしたよ」

「ははは。それは別に私の責任ではないのだがな。さて、報告は読んだ。木馬はジャブローに入ったようだな」

「はい。ですが、それについては中で……」

「うむ」

 

 そして、シャアとフラナガンは連れだって、マッド・アングラーの艦内へと入っていった。

 

* * * * *

 

「なるほど、ここに地上側の入り口があったのか。よくやってくれたフラナガン」

「私のおかげというより、どこかから流れてきたミラージュ・コロイドというステルス技術のおかげだと思います。あれは大したものですな。ギリギリの距離を保っていたせいもあるかもしれませんが、木馬やジャブローのレーダーに引っかからなかったどころか、目視でも見つかることなく、発見される気配を少しも感じなかったのですから。技術部の話によればあまり長続きはしないそうですが」

「まったく、技術部はあんな技術をどこから手に入れていたのか……まぁ、それは今考えるべき問題ではないな。地上部のほうはこれでいいか。水中のほうはどうか?」

 

 シャアの問いに、フラナガンは得意げな表情を浮かべてうなずいた。

 

「はい。同じくミラージュ・コロイドを施したアッガイに捜索をさせています。じきに報告が上がるでしょう」

「そうか。ではそれを気長に待つとしよう。報告が届き次第、この件を侵攻軍司令部に送るとともに、我らも水中から潜入工作のため出撃する」

「腕が鳴りますな。実は今回、少佐とともに出撃することを考えて、ミラージュ・コロイドを施したズゴックを一機、持ってきているのです。もちろん部下たちのアッガイも同様です」

「ほう、それは楽しみだ。私のほうも、ようやく専用のS型が届いたところだよ。これで安心して戦える」

 

 それとほぼ時を同じくして、副官が報告書を持ってきた。それを受け取って読んだフラナガンが再び笑みを浮かべ、それをシャアに渡した。

 

「どうやら、これで必要なものは全てそろったようですな。いよいよお祭りといきますか」

「そうだな。よし、中尉。ただちに侵入口の情報を司令部に送ってくれ。主力が攻撃を開始したときを見計らって、我らも潜入を開始する」

「了解しました。くれぐれも、せっかく届いたS型を壊さないようにしてくださいよ」

 

 副官の言葉に、シャアは苦笑を浮かべて言う。

 

「届いたのはS型だよ。そう簡単に壊すわけがないだろう」

「いえ、少佐の操縦技術は未知数ですから」

「私は本当になんなんだろうな……まぁいい。報告と出撃準備を頼む」

「了解です」

 

 そう言って立ち去る副官を見送りながら、フラナガンが面白そうに言った。

 

「いい部下をお持ちですな」

「いい部下どころか、世話焼きで口うるさい女房を持った気分だよ。まぁともかく、これから忙しくなるぞ」

「はっ!!」

 

* * * * *

 

 かくして、北米大陸カリフォルニア・ベースから、南米大陸に向けて、ガウの大群が出撃していった。それはまさに、今度こそジャブローを攻略するというジオンの意思を表すかのようなものであった。

 

 そしてそれと並行して、マッドアングラーからも、シャアとフラナガンの二機のS型ズゴック、そしてそのシャアの部下の二機のズゴックと、フラナガンの部下の二機のアッガイが出撃していった。

 

* * * * *

 

 一方そのころ、ジャブローの会議室では、ジャブロー防衛司令官のバスク・オム中佐と、軍政参事官のジャミトフ・ハイマン准将が、怪しげなマスクを身に着けた男と会談を持っていた。

 

「これではこれで取引は成立、ということで。先日提供したものとあわせて、提供させていただいた技術が、連邦の勝利につながることをお祈りしていますよ」

「ふん。ジオンにも活躍してもらわねば困るのではないか? ジオンに流した技術にも活躍して金を稼いでもらわねば困るであろうからな」

「よさぬか、バスク。マスクとやら、また何かあったらよろしく頼む」

「こちらこそ、その時にはよろしくお願いします。それでは」

 

 そして、マスクは会議室を出て行った。それを見送ったバスクが忌々し気に言う。

 

「ジャミトフ閣下、あまりあの男を信用しすぎないほうがいいのではないでしょうか? あの男、腹に何か隠しているような気がします。いつの間にか寝首をかかれることになるかもしれませんぞ」

 

 腹心たるバスクの忠言に、ジャミトフはわかっている、というようにうなずいた。

 

「わかっておる。だが、我らの目的を達するためには、あやつの技術は不可欠なものとなる。心配はいらん。あの男に背中は見せんよ」

「はっ……」

 

 そこに通信のコール音が鳴った。バスクがそのスイッチを入れる。

 

「バスク中佐、指令室にお戻りください。ジオン軍が大部隊で攻めてきました」

「わかった。すぐに行く。アレの出撃準備をしておけ」

「……了解しました」

 

 そして通信を切る。そこでバスクは改まってジャミトフに向き直り、笑みを浮かべた。

 

「それでは自分は防衛の指揮に戻ります。さっそくマスクからいただいた技術によるアレを使わせてもらいますが、かまいませんな?」

「うむ。だがやりすぎるなよ。横やりを入れられるわけにはいかんのだ」

「わかっております」

 

 そう言って、バスクは会議室を去っていった。

 

* * * * *

 

 ジオン軍が大挙して攻めてきたという知らせは、俺たちの元にも届いていた。

 

―――『俺』たちでなく『私』たちです、居候さん!

―――わ、わかってるよ……。

 

 それはともかく、敵の攻撃を受けて、ソフィーたちペガサス隊にも迎撃命令が出て、さっそくソフィーのGMをはじめとしたMS隊が地上に出撃していった。

 すると。

 

―――これはたくさん降りてきてるな……。圧巻だぜ。気をつけろよ、ソフィー。

―――はい。

 

 そして戦闘が開始された。ジャブローの守備隊に交じって、俺たちも降下してきたザクやドムを迎え撃つ。

 

 アムロのガンダムが、ビームライフルで着地したMSを撃ち抜いていく。カイのガンキャノンは降下してくるザクをキャノン砲でたたき落としていた。

 そしてソフィーのGMも。

 

―――ソフィー、二時から来てるぞ!

―――はい! えぇい!!

 

 接近してきたザクをビームサーベルで薙ぎ払い、グフが撃ってきたバズーカをシールドで防ぐと同時に、ビームスプレーガンに持ち替えて反撃! これを撃破した。

 

 これまでの戦いの成果か、少しではあるが余裕をもって戦えているソフィーたち。でもやはり、数が多い。次から次へとMSが降りてくる。

 倒せる敵だけ倒し、あとはジャブローの防衛隊の皆さんにお願いしている状態だ。

 

「ソフィー、上からまた降りてきてる!」

「はい、ミハルさん!」

 

 降りてきたグフにビーム・スプレーガンを発射して、これも撃破した。

 

* * * * *

 

 各所からの報告や指示が入り乱れるジャブロー防衛司令部。

 そこに驚くべき報告がもたらされた!!

 

「た、大変です! Jブロックに敵部隊が侵入!」

 

 それを聞き、指揮官のバスクの顔色が変わる。

 

「なんだと!? なぜ今まで侵入に気づかなかったのだ!?」

「それが……実際に潜入するまで、レーダーにもカメラにも反応がありませんでした……」

 

 それを聞き、バスクは苦虫をかみつぶしたような顔をする。

 

(やはりな……。あのマスクという男、ジオンにも何らかの技術を提供していたか。あの男はやはり信用ならん!!)

 

 しかし、そこまで考えたところで頭を切り替えた。やはり、ジャブローの防衛の中枢を担う男。伊達ではないのだ。

 

「えぇい、適当な遊撃部隊に、奴らへの対処を要請しろ! それと、『アレ』も出撃させるのだ!!」

 

 しかしそこで、オペレーターが表情を曇らせて反論した。

 

「しかしあれは……」

「かまわん! ジャブローが落ちるよりはましだ!! ここは連邦の大事な砦。それを守るためには、どんな犠牲も非道も許される!!」

「り、了解……」

 

* * * * *

 

 

 ジオン軍といつ終わるとも知れない戦いを続ける俺たち。そこにブライトさんから通信があった!

 

「MS隊各機、ただちにジャブロー内部に帰還してくれ!! ジオンの特務MSが侵入してきた!!」

「り、了解!!」

 

 そしてソフィーたちは、接近してくる奴らを迎撃しながら、ハッチからジャブロー内部へと帰還していった。

 しかし、これはまた気を引き締めていかないとな……。

 

―――気を引き締めていけよ。本拠地に潜入してくるなんて奴らだ。もしかしたら赤い彗星もいるかもしれない。

―――は、はい……!

 

* * * * *

 

 それと時を同じくして。

 ジャブローの格納庫の片隅で、あるMSのカメラアイが禍々しい光を放った。

 

 




ジャブローを守ろうと奮闘するペガサス隊。その彼らの前に再び相まみえる赤い彗星。

だが、彼らに迫る脅威はシャアだけではなかったのだ。
その脅威を前に彼らは生き延びることができるのか?

Re:Act.13『ジャブローの脅威(後)』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、2/3の予定です。お楽しみに!!

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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