宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
どうぞお楽しみくださいませ!
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ジャブローに到着したペガサス。だが、南米のジャングルで目を癒す暇もなくジオンの強襲があった。
奮闘する彼らは、自らが守る地の奥深くに眠る脅威が目を覚ましたことを知る由もなかったのだ。
俺とソフィーたち、ペガサス隊がジャブロー内部に入ってみると、そこは既に激戦地だった。
既に戦っているGMたちが10機。さらに8機が残骸となって横たわっていた。
相手は……6機!? わずか6機だけで、3倍のGMたちと渡り合ってたのか!?
でも、それは当然なのかもしれない。なぜならそのうちの一機は……。
―――赤い水陸両用!?
―――もしかして……赤い彗星か!?
その通りだった。その赤いズゴックは、1機のGMのビームスプレーガンをかいくぐり、その懐に飛び込み……。
「う、うわああああ!!」
そう、その右腕のクローで胴体を貫いたのだ。それはまさに、原作のあのシーンの再現……。
シャアのズゴックが、クローを引き抜いたと同時に、犠牲となったGMは崩れ落ち、哀れ残骸と化した。
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「また援軍が来たか。しかもまた木馬の連中とは。今日は運が悪い」
赤いズゴックの中のシャアはそう言うが、その表情には不敵さがはりついていた。
そして、目前のGMの一機がビームスプレーガンを構えるのを見て、シャアは顔からそれを消す。そして、僚機のズゴックの一機に通信を入れる。
「フラナガン、ここは私が引き受ける。お前は先に進め。MS生産工場を破壊するのだ」
「了解しました。しかし、相手は木馬の部隊です。大丈夫でありますか?」
「心配はいらん。確かにきついだろうが、足止めに徹すればなんとかなる」
「わかりました。お願いしますよ!!」
そして、フラナガンの乗ったズゴックは、僚機のアッガイとともに、その姿を消した。
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一方そのころ。ジャブローの地上部では、引き続き防衛隊と降下してくるジオン部隊との激戦が繰り広げられていた。
そのうちの一角での戦いは既に終局を迎えていた。しかしそれは異常な光景だった。たった一機のGMタイプのために、多くのジオン軍MSが撃破……いや、駆逐されたのだ。
ジャブローの指令室。そこでその戦いをモニターしていたスタッフが、防衛司令官のバスクに報告する。
「ユニットD、J地区に降下したジオン軍の駆逐を完了しました」
「そうか。それでは、すぐにユニットDを、O2エリアの守りにつかせろ」
それを聞き、スタッフは表情を曇らせる。
「ですが、タイムリミットまであとわずかしかありません。これ以上の戦闘は暴走の恐れが……」
「かまわん。先ほども言ったが、ジャブローを守るためならどんな犠牲も許される」
「はぁ……」
スタッフはそれ以上言えなかった。なぜならバスクの表情に、醜悪で凶暴なものを感じたからだ。
バスクにとって、『ジャブローを守るため』という理由は二の次なのは明らかだった。
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―――なっ!?
―――消えた!?
突然、俺たちの目の前から、ズゴックとアッガイ二機の姿が消えた。ステルスか!?
と思った次の瞬間には、奴らは俺たちのはるか後方に現れ、基地の奥のほうに向かっていった。
しかし、宇宙世紀にはここまで完璧なステルス技術はなかったはず……これは……ガンダムSEEDに出てきたミラージュ・コロイドか!? って、今はそんなことを考えている場合じゃない!!
―――ソフィー、急いで消えた奴らを追おう!
―――は、はい!
そして、ソフィーはアムロのガンダムに通信を入れた。
「アムロさん!」
「はい。彼らを追ってください。ここは僕とカイさんが引き受けます! ハヤト、お前はソフィーさんと一緒に行ってくれ!」
「わかった、任せたぞ!!」
そしてソフィーと俺のGMは、ハヤトのガンキャノンとともにジャブローの基地の奥へと向かっていった。
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俺……
―――居候さん! 主に追いかけてるのは私とハヤトさんです!
―――お、おう。というか、今はそんな場合じゃないだろ……。
もとい、ソフィーと俺、そしてハヤトが奴らに追いつくと、そこでは先ほどのズゴックとアッガイ、そして別ルートから侵入してきたらしいザクやグフが、一機の濃い灰色のGMタイプと戦闘を繰り広げていた。陸戦型GMのように従来のGMとは大型で、両足にミサイルランチャーをつけている。
外伝に出てきたジム・ブルーデスティニーのようだが、どこか違う感じがする機体だ。
しかしすさまじい。そのGMは怒涛という言葉では生ぬるいほどの攻撃で、周囲のMSたちを駆逐していっているのだ。その動きは、本当に人が乗っているのかと疑いたくなるほどだ。
俺たちは少しの間、その戦いぶりに圧倒され、呆然とそれを眺めていた。……って、それどころではないな。
―――よし、ソフィー。俺たちもあいつに加勢して、ジオンの奴らを叩き出そう!
―――はい!
「行きましょう、ハヤトさん!」
「あ、あぁ!!」
そして俺たちもその戦闘に参加した。ハヤトのガンキャノンの援護を受けながら、敵を撃ち抜き、切り払う。
もちろん、あのGMも修羅のような戦いぶりを見せている。マシンガンを乱射して、ザクをハチの巣にし、ビームサーベルでグフのボディを切り払い、両足のミサイルランチャーで敵をまとめて駆逐していく。
そして共闘していくうちに、敵はたちまち数を減らし、残るはズゴックのみとなった。やれやれ、なんとかなりそうだな……。
* * * * *
その時。『ユニットD』のモニターを担当していた士官のコンソールからアラームが鳴り響いた。
「どうした!?」
バスクの言葉に、士官は顔を青ざめ、震える声で答えを発した。
「ゆ、ユニットD……制御を受け付けません。暴走します!!」
「なんだと!?」
* * * * *
その時だ。GMタイプの動きが変わった! さらに凶暴さを増した……いや、凶暴そのものな動きをもってズゴックに襲い掛かっていったのだ。
その動きはまるで、怒りと憎しみに取りつかれた獣のような……!
ズゴックは右腕のバルカンで応戦するものの、GMはそれを獣のような動きで回避すると、ビームサーベルを振り下ろしてズゴックの右腕を切り飛ばした!!
ズゴックは後退して頭部のミサイルを発射!! しかし、GMタイプはそれらが着弾するよりも早く突っ込み、パンチでズゴックを吹き飛ばして踏みつけ、左腕をつかんで引きちぎった! そして……。
「う、うわあああああ、大佐ぁぁぁぁぁ!!」
通信機から聞こえるズゴックのパイロットらしき男の声。GMタイプはビームサーベルをそのコクピットに突き立てたのだ。しかし、それだけでは飽き足らず、何度もズゴックにビームサーベルを突き立てていく。それはまさに、仇敵に対する仕打ちのように。
それでしばらく突き立てた後気が済んだか……と思ったが違った。新たな獲物を見つけたかのように、こちらに視線を向けたのだ。
そして、ソフィーのGMがビームスプレーガンを、ハヤトのガンキャノンがビームライフルを構えたのと同時に……。
奴がこっちに突っ込んできた!!
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ジャブローの指令室には変わらずアラームが鳴り響き、緊張に包まれていた。
「ダメです、ユニットD、以前暴走中!! 友軍と戦闘を開始した模様!! このままでは戦闘で製造工場エリアにまで被害が及ぶ可能性があります!!」
「えぇい、なんてことだ……! 緊急停止させろ!!」
「り、了解です!!」
そして士官はコンソールを急いで操作する。しかし、それが報われることはなかった。
「ダメです、緊急停止も受け付けません!!」
「仕方あるまい。ユニットD・CPU04番は放棄する! 非常終了させろ!!」
「り、了解です!!」
そして士官は再びコンソールを操作しはじめた。
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ほぼ一方的だった。こちらに突っ込んできた灰GMはこちらに突っ込んできたかと思うと、ハヤトのガンキャノンの頭部をひっつかんで、そのパワーに任せてガンキャノンを振り回し、地面にたたきつけたのだ。そのパワーと衝撃で、ガンキャノンは頭部をもがれてしまった!!
「うわあ!!」
「ハヤトさん!!」
通信機から聞こえてくるハヤトの悲鳴に、ソフィーがガンキャノンのほうに視線を向ける。だが。
―――ソフィー。済まないが、ハヤトのことを心配している場合じゃないみたいだぞ!!
―――え……? あっ!!
そう、奴は次のターゲットをこちらに定めたのか、こっちに突っ込んできたのだ!!
ソフィーは機体を横に回避させて、攻撃をかわしながらビームスプレーガンを連射する。しかし、そのビームを灰GMは荒々しい動きでかわしてこちらに迫る!!
そこで俺はあることに気づいた。こいつの動き、どこかで見たことがある。どこでだったか……? そしてどうして……。
そうしていくうちにビームスプレーガンのエネルギーが切れた!! やむを得ずソフィーはそのビームスプレーガンを捨てる。
そしてビームサーベルを抜いた。しかし、その隙を奴が見逃すはずがなかった!! 突進しながらマシンガンを浴びせてきたのだ!!
「くっ……!!」
―――くぅ……!!
なんとかシールドで防ぐことには成功。だが、かなりの衝撃がコクピットを襲う。しかも、その間に奴はこちらに迫り……!
「きゃあ!!」
―――うわっ!!
強烈なパンチで俺たちのGMを吹き飛ばしたのだ!! そしてGMが地面にたたきつけられると同時に、視界が暗転する。まさか……ソフィーが気を失ってしまったのか!?
―――おい、ソフィー、しっかりしろ!! 奴が来るぞ!!
―――……。
ダメだ、俺が呼び掛けても反応しない。完全に意識を失っているみたいだ。死ななかっただけ幸いだが……でも、最悪な状況なのは確かだ。せめて俺の意識が身体を動かせれば……!
俺は暗闇のまま、見えざる灰の死神が俺たちのその鎌をふるうのを待つしかなかった。
だがなぜか、その時は来ることはなかったのだ。幸か不幸か。
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「CPU04番、非常終了処理、完了しました。ユニットD、停止を確認」
「そうか、それはよかった。しかし、またしても暴走とは技術者たちは何をしていたのだ!! 会議室に呼び出せ!! 奴らを一発ぶん殴らなければおさまらん!!」
「はぁ……」
暴走したのはバスクが限界時間を超えてユニットDを戦わせたせいだろう。そんな言葉を飲み込み、士官は通信機のスイッチを入れたのだった。
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―――ん……。
―――やれやれ、やっと目を覚ましてくれたか。
ソフィーの声とともに、視界が明るくなる。やっと目を覚ましてくれたらしい。あのまま意識不明の重体になっていたらどうしようかと思った。
そして周囲を見てみると、そこは病室のようだ。どうやらあの戦いの後、GMの中から助け出されたらしいが……あの灰GMはどうなったんだ?
「ソフィー……よかった……」
「無事でよかったです……。それじゃ僕は、みんなを呼んできますね」
そばにいたのはミハルとアムロだった。そしてアムロはミハルにそう言うと、病室を出て行った。
そして残ったミハルに、ソフィーが視線を向けて聞いた。
「ソフィーさん……私はいったい……? それにあのGMは……?」
「うん。アムロの話によれば、ソフィーにとどめにされる寸前にアムロが駆けつけてくれたそうで……」
ミハルの話によれば、俺たちがとどめを刺される寸前、アムロのガンダムが駆けつけてきて、灰GMと戦ってくれたらしい。
そして、灰GMはアムロとほぼ互角の戦いを繰り広げていたのだが、不思議なことに、突然苦しみもだえるような動きを見せると、くずおれて動かなくなったのだという。
「そうだったんですか……。心配をおかけしてすみませんでした……」
「うん。本当に心配したよぉ……。大丈夫? 痛いところはない?」
「はい、大丈夫みたいです……」
「あっ、ダメだよ、ソフィー。休んでいなきゃっ。出航するまで無理しないで休んでてっ」
「は、はい……」
そしてソフィーは、心配性を炸裂させたミハルによって看病されながら、休養することになったのだった……。
その中、俺はあることを考えていた。あの異常な灰GM。あの動き、いったいどこで……?
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一方そのころ。ブライトはバスクに食い下がっていた。
「そのような濁すような言葉では納得できません! いい加減、正直にあのGMが何なのか、教えていただきたい! こちらはパイロットが一人、同士討ちで死にかかったのですよ……うぐっ!!」
だがそのブライトの抗議は、バスクの鉄拳によってさえぎられた。
「な、何をするのですか!?」
「黙れ!! 私は、軍司令部からこのジャブローの全てを任されている。その私に対して反抗することは、連邦軍への反逆に匹敵する案件だ!! 軍法会議にかけられないだけありがたいと思え!! お前たちは、私の言うとおりに戦っていればいいのだ。このジャブローの中ではな!!」
「なんて言いぐさ……ぐふっ!!」
立ち上がりながらそう抗弁するブライトを、再びバスクの鉄拳が吹き飛ばした。
「何度も言わせるな。口答えするな。そして、あのGMのことは全て忘れろ!! そうすれば今のところは罪に問わないでおいてやる。出ていくがいい!! さもなければ、ペガサスのクルーを全員、軍法会議にかけるぞ!!」
「……了解しました……」
そしてブライトは諦めて指令室を出て行った。それを見送ったバスクは、怒りが冷めやらぬ様子で席に座る。
「あいつら、ニュータイプ部隊だともてはやされてつけあがりおって……。激戦地に捨て駒として送ってやる……!!」
「待ちたまえ、バスク君」
そこでやってきたのは、連邦軍の最高司令官、レビル将軍だった。
「はっ、これはレビル閣下……」
「彼らは私が目をつけた、この戦争の切り札になるかもしれない者たちなのだ。それを捨て駒にするのは勘弁してくれんかね?」
「……」
「それに、彼の言い分ももっともだよ。君だって、部下を自軍のわけのわからないMSに殺されたらたまったものではないだろう?」
「は……」
バスクはそれにうなずくことにした。本心とはまったく異なるのだが。
「しかしですな……!」
「落ち着き給え。もちろん、抗弁された君の気持ちもわからんではないし、連邦への反逆は言い過ぎだとしても、彼らの態度はちょっとよくないのもわかる。そこでだ。彼らは星一号作戦への陽動として、単独で送り出そう。それならどうかね?」
「そ、それなら……」
そう提案されて、バスクは少し溜飲を下げた。陽動、しかもペガサスJr.1艦となれば、彼らの受ける苦難はかなりのものがあるだろう。
「了承してくれて助かるよ。それでは彼らには私から指令を伝えておこう」
「は……」
そしてレビル将軍は指令室を出て行った。その彼をバスクは、幾分か敵意を秘めた複雑な視線で見送っていた。
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一週間後、俺たちの船、ペガサスJr.はジャブローを出発した。原作通り、ソロモン、ア・バオア・クーを攻略する星一号作戦のための陽動としてだ。
夕焼けの中進んでいくペガサスJr。その窓の外にペガサスと並行していくフラミンゴたちの群れが映った。それはまるで、俺たちを仲間と認めてくれているかのようだ。
その様子を見て、ソフィーが声をあげる。
「うわぁ……」
「本当にきれいですごいよね、ソフィー」
「はい……」
他のメンバー、アムロやハヤトも、窓の外を見て歓声をあげる。
そんな彼らをみつつ、ブライトさんがインターホンを取り上げた。
「手が空いている者は見ておけ。許可する。こんな光景、戦争が終わるまで見れないかもしれないからな」
それを聞きながら、ソフィーの目を通して外の素敵な光景を見ながら思う。
きっとこれから原作通り、俺たちには様々な困難が立ちはだかるだろう。いや、何者かによって捻じ曲げられたこの世界。それ以上の障害が立ちはだかることもありうる。
だが。
この素晴らしい仲間たち、そして相棒がいればきっとどんなことだろうと乗り換えられる。そんな気がする。
―――これからもよろしくな、ソフィー。
―――はい。でも急にどうしたんですか、居候さん?
―――いや、なんでもないよ。ただ言いたくなっただけさ。
そして俺たちのペガサスJr.は、フラミンゴたちとともに夕日の中に消えていったのだった。
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ジャブローのある一室。
そこで、部屋に鎮座したあるカプセルの横のコンソールで、一人の技術者がキーボードをたたいていた。
カプセルは、人一人が入りそうな大きさ。その表面には、『D-Unit CPU #004』という文字が刻まれていた。
キーボードをたたき終えた技術者が一息ついてつぶやく。
「調整完了……」
そしてコンソールをスリープ状態にして部屋を出る。
だが、技術者は気づいていなかった。そのカプセルの『中身』に、突然何かの異変が生じたことに。『中身』がある言葉を小声で発したことに。
オ……ニイ……チャ……。
1st Season is over...
Be Continued 2nd Season...
はい、これで超ガン1期は終了です!
この後は、少しお休みをいただき、3月から2期を連載しようと思っています。どうかその時をお楽しみに!!
それでは改めまして、超ガン1期を読んでくださり、ありがとうございました!
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
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受け継いでてほしい
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受け継いでてほしくない