宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

衛星軌道上に進出したペガサスJr.は、前方に立ちふさがるジオンのキャメル艦隊を突破する作戦を開始した。
思わぬトラブルにあいながらも、これを撃破した彼らだったが、そこにあのジムが暗雲とともに現れるのだった。



Re:Act.15『衛星軌道上の共闘』

 前方のジオン艦隊……おそらく原作通りならキャメル艦隊……を撃破したソフィーたち。だが、戦いはこれだけでは終わらなかった。

 なにか敵意あるものがこちらに接近してきたのだ。

 

―――あれは!?

―――この前のジム?

 

 そう。それはジャブローで俺たちが遭遇し、やられる寸前まで追い込まれたジムタイプだった。細かいところが微妙に違っているようだが。

 

 なぜだろう。そのジムからはジオンに対する激しい敵意が感じられた。殺気と言ってもいいかもしれない。

 そして奴はその敵意を表すかのようにビームライフルを構えた。その狙いの先にあるのは……!

 

―――いけない。あいつはコムサイを!!

―――えぇ!?

 

 そう、奴はムサイから脱出してきたコムサイを撃とうとしていたのだ!!

 降伏してきた敵を撃つのは条約違反だし、何よりも人道的にも許せないことだ。

 そしてそれはソフィーも同じようだった。俺が警告を発してすぐに、彼女はガンキャノンをジムへと突進させたのだ!!

 

「いけません!!」

 

 そして、ジムに体当たり!! 激しい振動がコクピットを襲う。だがそれが功を奏したのか、ジムが放ったビームは、ギリギリコムサイをそれてくれたのだった。

 しかし問題はそれからだった。ジムが殺気をもった様子でこちらのほうを振り向く。まさか、俺たちを敵だと認識したのか!?

 そのとおりだった。ジムはビームサーベルを抜くと、こちらに切りかかってきたのだ!! ソフィーはとっさにその手首を捕まえ、振り下ろされるのを阻止した。

 

「きゃっ!!」

―――くぅっ!!

 

 それでなんとか防げたと思ったのは甘かった。その態勢のままで、ジムはこちらのガンキャノンに蹴りを入れてきたのだ!! 吹き飛ばされるガンキャノン。またも激しい衝撃が俺たちを襲う。

 なんという威力……!! 乗っていたのがガンキャノンでなければ、この機体はスクラップになっていただろう……。

 そこに、ジムの両肩のバルカン砲が火を吹く!! 急上昇してそれをかわしていく。背後のムサイの残骸が穴だらけになる。

 だが次の瞬間には、俺たちの目前に、もうそのジムがいたのだ!!

 

―――なんという速さだ!?

―――本当に人が乗っているの!?

 

 そしてジムは腰のミサイルポッドからミサイルを発射した!! 再びバーニアをフルパワーにしてそれをまいていくが、またも奴はこちらに急接近してきて、蹴りを叩きつけてきた!!

 

「きゃあっ!!」

 

 そして吹き飛ばされた俺たちにビームライフルを向ける。やばい!!

 しかしそこに。

 

「ソフィーさん!!」

 

 アムロのジム・コマンドがビームライフルを連射して援護してくれた。ジムがそれをかわしていくうちに、こちらはなんとか態勢を整えることができた。

 さらにアムロはビームライフルを撃つが、ジムはそのことごとくをかわしながら、ジム・コマンドに迫る。なんてやつだ!?

 アムロの射撃は先読みも働いてて、かわすのは並大抵のことじゃないんだぞ!? それをやすやすとかわすなんて……!

 

 ジム・コマンドに迫った奴は、ビームサーベルを振り下ろす! アムロはビームサーベルを抜いて、それを受け止めた!

しかし、パワーが違うのか、アムロはどんどん押されていく。

 

「アムロさん!!」

 

 そこにソフィーが肩のキャノンで援護。ジムのやつにはよけられたが。無論アムロも回避したのは言うまでもない。

 再びジムはこちらに突撃! そこに、アムロのジム・コマンドがこちらに回り込み、機先を制してビームサーベルを振るう!! だがやつはこちらの上に回り込むように動いて、それを回避。肩のバルカンを発射!! アムロはそれを回避できたが、こちらはそれをもろに食らってしまった!! 幸いにも、ガンキャノンの装甲のおかげで小破ですんだが。ソフィーがお返しにと撃ったビームライフルも憎らしいことに回避しやがった。

 

 それからも、ソフィーのガンキャノンと、アムロのジム・コマンドは、件のジムと激闘を繰り広げた。だが、こちらは大苦戦。アムロの乗っているのがガンダムではなくジム・コマンドであるせいかもしれないが、それでもやられないようにするのが精一杯なのだ。

 

 そこに、さらなる脅威を知らせる通信が!!

 

「手のあいている者はペガサスまで戻れ!! ザンジバルがこの戦域内に入ってきた!!」

「えぇ!?」

 

 ついにシャアが追いついてきてしまったのか!?

 

* * * * *

 

 シャアの指揮するザンジバル級機動巡洋艦・ラグナレク。

 そのブリッジで、副官が上司に報告する。

 

「大佐、キャメル艦隊からの通信途絶、反応も消えたもようです」

「わかっている。この前方のムサイの残骸を目にすればな。それにしても、ドレンが私が来るまで持ちこたえられんとはな……。いや、さすが木馬と言うべきか。それでドレンは?」

「なんとかコムサイで脱出されたようです。あ、そのコムサイから通信が届きました」

「つなげ」

 

 少しの間のあと、通信スクリーンにかつての部下の姿が映し出された。

 

「大佐、ご心配をおかけしました。持ちこたえられず申し訳ありません」

「いやドレン、木馬が相手なら仕方ない。それよりも、貴様が無事でよかった。あとは我らに任せて、ラグナレクに移乗しろ」

「了解です」

 

 そして通信が切れた。シャアは一息つくと、背後の部下たちに向き直った。

 

「ドレンたちの頑張りを無駄にするわけにはいかん。ただちに出撃、木馬が何者かに手こずっているスキをついて叩く」

「はっ!!」

「私も出る。ゲルググの準備を」

 

 それを聞き、副官はなにか言いたそうな様子を見せる。それを感じ取ったシャアは、苦笑を浮かべながら機先を制するように口を開いた。

 

「いくら私の能力が未知数でも、技術本部から届いた貴重なゲルググを壊す真似はしないよ。安心してくれ」

「そうですか、なら少しは安心しました。でも気をつけてくださいよ」

「あぁ」

 

 そしてラグナレクから、三機のリック・ドム、そしてシャアの赤いゲルググが出撃した。

 

* * * * *

 

「くそっ、こんな時に来るとはよ!!」

 

 カイがそう悪態をつきながら、ガンキャノンの肩のキャノンを撃つ。が、ジオンのMS隊はそれを散開してかわした。

 

「いいから、黙って戦いなさい、軟弱者!!」

 

 セイラがそう言いながら、Gファイターのミサイルランチャーを斉射する。

 

 だが、敵部隊はそれもかわして、ペガサスJr.に迫った!!

 

「それっ!!」

 

 リック・ドムの一機が、ペガサスJr.からの対空砲火をかわしつつ、ジャイアント・バズを発射!! ペガサスの右舷に直撃!!

 

 激しい振動がブリッジを襲う。

 

「きゃあっ!!」

「右舷、弾幕薄いぞ、何やってる!! MS隊、敵のスカート付きを追い払え!!」

 

* * * * *

 

 ペガサスやカイたちが敵に苦戦している様子は、こちらからも見てとれた。一刻も早く駆けつけたいのだが……。

 同じ想いだったのか、ソフィーがアムロに通信を入れる。

 

「アムロさん」

「はい。こいつは僕が食い止めます。ソフィーさんはペガサスの援護に行ってください」

「お願いします!」

 

 そしてソフィーは、ガンキャノンのブースターを全開にして、ペガサスJrの空域へと急行した。

 

* * * * *

 

 アムロのジム・コマンドは、謎のジムと激しい戦いを繰り広げていた。

 

 ビームライフルを撃ち、ジムからのミサイルをかわしていく。そして激しく切り結ぶ。

 アムロはニュータイプ能力を全開にしているはずだったが、ジムはそれでもアムロを苦戦させるだけの能力を持っていたのである。

 それでもアムロがやられずにいるのは、この戦いの中で、アムロのニュータイプ能力がどんどん磨かれていったからであろう。

 

 だが突然ジムの動きが変わった。何かを感じ取ったかのように、ペガサスのほうに向きを変えたのだ。

 

「あいつ、まさかペガサスを!?」

 

 アムロはそれを止めようとするが、ジムはこちらに振り向くと、肩のバルカンを発射!! これを牽制する。

 なんとかシールドで防ぐことはできたものの、この一斉射でシールドは穴だらけになってしまった。

 それで牽制したところで、ジムはペガサスのほうに飛んでいくのだった。

 

* * * * *

 

 ソフィーがビームライフルを撃つ! だがリック・ドムはそれをかわし、ヒートサーベルを抜いて斬りかかってくる!!

 

「ソフィー、これを使え!」

「ハヤトさん、ありがとうございます!」

 

 ハヤトのガンダムが投げ渡してくれたビームサーベルを受取り、抜き放つ! ビームサーベルとヒートサーベルがぶつかりあい、激しい火花をちらした。

 

「くぅ……!」

 

 しかし、やはり向こうのほうが手練らしい。巧みな鍔迫り合いの末、こちらは態勢を崩してしまう。

 そこにリック・ドムがヒートサーベルを振り下ろそうとしたその時!!

 

「うわぁ!!」

 

 遠くから放たれたビームが、そのドムを撃ち貫いた!! その方向からやってきたのは件のジムだ。

 まさかやつが助けてくれたのか?

 

 そう思うのは早計だったようだ。奴はこちらを見据えると、ビームサーベルを抜き放ち、襲いかかってきたのだ!! どうやら、奴はまだこちらを敵と認識しているらしい。あくまで優先度はジオンのほうが高いというだけで。

 

 ソフィーはバルカンやビームライフルを撃ちながら後退をかける。だが、ジムはそれをかわしながら、なおも迫ってくる!

 目前に迫ったジムがビームサーベルを横薙ぎに振るう! ソフィーはそれを下方向に回避した。そして下に回り込み、キャノン砲を発射する。ジムはそれを回避。こちらに追撃を放とうとするが、そこにリック・ドムの一機が迫ってきた!

 

だが、ジムの奴は、アムロのガンダムに匹敵するほどの速さでリック・ドムに迫ると、造作もなく獲物を切り捨てた。

 

「なんてやろうだ……」

「カイさん、うかつな!」

「え? うわあっ!!」

 

 その次の瞬間には、カイのガンキャノンが、ジムのミサイルの直撃を受けて、右腕部を破壊されていた。

 まさに敵も味方もない。奴が敵と認識した者たちを見境なく葬っていく姿は、まさに狂戦士のごとしだ。

 

* * * * *

 

ブリッジのブライトは、目の前の修羅場に、どうしようもない脅威を感じていた。このままでは、ソロモンに向かっている友軍に合流する以前に、自分たちはこのジムに葬られてしまう。そう直感が告げていた。

 そして彼は決断を下した。

 

「フラゥ、向こうのザンジバルに通信をつなげ。一時的な停戦と共闘を打診する」

「えぇ!?」

「このままでは、向こうも我々も全滅だ。たとえ相手がジオンであっても、ここは力を合わせてあいつを退けるしかない。向こうもそう考えているだろう」

「は、はい!」

 

 そして、フラゥはザンジバルに通信をつなげる作業をはじめる。その結果はすぐに出た。

 

「つながりました。向こうの指揮官は出撃中だそうなので、中継するそうです」

「うむ」

 

 そして、ペガサスJr.ブリッジの通信スクリーンに、コクピットに乗ったシャアの姿が映し出された。

 

「通信を受けた。この状況で通信を入れたということは、貴官も同じ考えのようだな」

「えぇ。このままでは、我々もそちらも助からない。ここは共闘することが最善だと考えます」

「承知した。名高い木馬と、一時的にでもともに戦えること、誇りに思う。頼りにさせてもらう」

「こちらこそ、赤い彗星の力、頼りにしております」

 

 そして通信は切れた。ブライトはすぐさまフラゥに命じる。

 

「聞いての通りだ。これより我々は、一時的にザンジバルと力を合わせてあのジムを叩く。MS隊にもそう通達しろ!!」

「了解です!!」

 

* * * * *

 

 混戦から一転。俺たちはシャアたちジオン軍と協力して、あのジムに当たることになった。

 

―――居候さん! 『俺たち』じゃなく『私たち』です!!

―――わ、わかってるって……。

 

 まさかこんな展開になるとは意外だったが、でもシャアも一時的にとはいえ味方になってくれるのはありがたい。だって白い悪魔と赤い彗星だぜ!? こんなゴールデンコンビが結成されることが今までにあっただろうか? いや、このあと、グリプス戦役でも結成されるんだけどな。

 

 何はともあれ、シャアと一時的に手を結んだ俺たちは、彼らとともに謎のジムに挑んだ。

 

 シャアはもちろん、その部下もかなりの手練みたいで、シャアとうまい連携を組み、ジムを翻弄していく。

 俺たちだって負けてはいない。アムロのジム・コマンドをはじめとして、カイのガンキャノン、セイラさんのGファイター、スレッガーさんのコア・ブースター、そしてソフィーと俺のガンキャノン。みんなが見事なチームワークでジムとの戦いを展開していった。

 

 Gファイターとコア・ブースターがジムを翻弄しながら援護射撃を行い、俺とカイのガンキャノンが後方から砲撃。シャアとアムロがぎこちないながらも見事な連携でジムと渡り合う。リック・ドムはそんな二人をバズで援護だ。

 

 俺たちは、あのジムと互角に渡り合っていた。シャアたちが加勢してくれたおかげで、流れがこちらに向いてきたみたいだ。

 その中、俺はあることに気づいた。ジムの動きのクセにあるものを感じたのだ。あの動き……あれは、ソフィーの動きにそっくりじゃねぇか!? どういうことなんだ……?

 

 そうしているうちに、アムロのジム・コマンドがビームサーベルを振り下ろした! ジムが後退したところに、リック・ドムがバズを撃って牽制し、そこにシャアが突進!! ビームナギナタでジムの右腕を切り落とした!

 

 その時、ジムの気配が変わったような気がする。凶暴さのようなものが……まさか!?

 

* * * * *

 

 ペガサス隊とシャアたちがジムと激闘を繰り広げている宙域からやや離れたところにあるスペースデブリ帯。そこに一隻のコロンブス級が停泊していた。

 

 そのクルーの一人が、艦長らしき男に慌てた様子で報告する。

 

「た、大変です! CPUの憎悪レベルが制御範囲を越えようとしています! このままでは暴走してしまいます!!」

「なんだと!? ただちに帰還……いや、緊急終了させろ!!」

「は、はい……あ、ま、待ってください!!」

「なに!?」

 

* * * * *

 

 ジムの内部に封じられていたモノの中は激しい憎しみに満ちていた。それはジオンへの憎しみ、そして自分を『このような姿で生み出した』者たちへの憎しみ、そしてこの世界への憎しみ。

 

 眼の前の敵と戦ううちに、それらは本人にも抑えきれないほどに膨れ上がっていく。まるで『彼女』の魂をすべて飲み込むかのように。

 

 そして、心が憎しみに飲まれようとしたその時。

 

 声が聞こえた。優しい、諭すかのような声。暖かい声。それは不思議と、彼女の憎悪を溶かすかのようであった。

 

 そして、憎しみは声に溶かされ、いくらかではあるが霧散していった。『それ』は憎しみから解き放たれた冷静で状況を観察する。戦況はこちらに不利。

 

* * * * *

 

 まさか、また暴走か!?と身構えたが、そんなことはなかった。ジムは落ち着いたような素振りを見せると、そのまま撤退していったのだ。助かったのか……。

 

 だがその時だ。俺の意識にかすかな声が届いた。

 

―――ぃちゃ……。

 

 本当にかすかな声だが、不思議とどこかで聞いたことがあるような声。ソフィーの声でも、ミハルの声でも、ペガサス隊の誰かでもない。でもどこかで聞き覚えがある声。一体誰だ? それに、なぜあのジムから……。

 

 そんな疑問を俺に与えながら、ジムは遠ざかり、光の点となったのであった……。

 




* 次回予告 *

ペガサスJr.はサイド6に入港した。そこでソフィーは残酷な過去の悪夢に苦しむ。
一方、その宙域では、コンスコン艦隊がペガサスJr.を狙っていた。

次回、『サイド6の悪夢』

君たちは生き残ることはできるか?

※次の更新は、3/30 13:00の予定です。お楽しみに!!

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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