宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

キャメル艦隊を突破したペガサスJr.はサイド6に入港した。
そこで主人公は、ソフィーの過去の一部を垣間見る。
一方、ペガサスJr.に敗れ去ったコンスコン隊には、凶悪な援軍が合流していた……。


Re:Act.17 『カレリナ隊強襲』

 サイド6周辺の暗礁宙域。そこに潜むコンスコン艦隊に、一隻のムサイ級が接弦していた。

 

 毒々しいカラーリングのムサイ。そのムサイ級のMS隊の隊長をしている女は今、コンスコン艦隊チベ級のブリッジにて、その艦長と向かい合っていた。

 

「待たせましたね。海兵隊第四小隊、ただいま到着したわ。これからそちらの支援任務にうつらせてもらう」

「あぁ、本当に待たされた。あの時、赤い彗星が駆けつけてくれなければ、全滅していたからな。遅れてきただけの働きは期待させてもらおう」

「任せてもらおう」

 

 そして女性……カテリナ・リースは、傍らの副隊長ネナカとともにチベの艦長室を後にした。やはりコンスコンの言い方が癪にさわったのか、二人の表情には不愉快さが貼りついていた。

 

「いけ好かないですね。あの司令官、ひそかに……」

「滅多なことをいうもんじゃない、ネナカ中尉。でもそうね。ああいうのは何らかの事故で死んでしまいそうなタイプではあるな」

「そうですね」

 

 互いににやりと不穏な笑みを浮かべるカテリナとネナカ。そして二人はそのまま、母艦であるムサイへと戻っていくのであった。

 

* * * * *

 

 一方、市街地と宇宙港をつなぐ出入口。そこを市街地に向けて出てきたシャアと副官を、一人の娘とひげ面の男が出迎えた。

 

「大佐!」

「ララァ、迎えに来てくれたのか。しかし、いつ到着するか、正確な日時は知らせてなかったと思うのだが」

 

 シャアがそういうと、ララァはくすくすっと微笑んだ。

 

「はい。でも、予感がしたんです。今日、大佐が到着しそうだという予感が」

 

 そこでシャアは、ララァの傍らの男性、フラナガン博士に目を向けた。フラナガンはうなずいて答えた。

 

「ララァはこの数日、急にニュータイプ能力を成長させています。まさか、大佐がこのコロニーに来る日まで当てるとは思いませんでしたが」

「仕上げは上々のようだな」

「はい。もう少しトレーニングを積めば、十分に戦力になるでしょう」

「それは楽しみだ」

 

 そうフラナガンとシャアが言葉をかわしたところで、ララァが頬を膨らませた。

 

「もう、大佐も博士も、仕上げとか戦力なんて言い方は嫌いです」

「すまん、気を付けよう」

「それで大佐、コンスコン艦隊の援護にはつかないのですか?」

「あぁ。そちらは海兵隊の部隊がやってくれるそうだ。我々も協力しようかと申し出たのだが、『大佐には他に重要な任務があろう。そちらを優先されよ』とやんわりと断られてしまったよ。嫌われたか、それとも気遣ってくれたのか悩むところだが」

 

 そこでララァがまた微笑んだ。うれしいことがあったのか。

 

「でも私は嬉しいです。大佐と一緒にいることができて。出発は二日後ですし、それまではここにいるんでしょう?」

「あぁ。その二日の間、出発の準備と休息をとって、それからテキサスに訓練に行く予定だ」

「ではそれまでの間、のんびりとすごしましょう。ドライブとかも行ったりしたいです。いいですよね、博士?」

「あぁ。あとは私や部下たちの仕事だけだからね。存分にはねを伸ばしてくるといい」

「よかった」

 

 そして四人で市街地に入っていくのであった。

 

* * * * *

 

 その頃、ソフィーと俺、そしてアムロは……。

 

「うわぁ、すごい雨ですね……」

「そうですね。コロニーの人も、ちゃんとした天候表くれてもいいのに……」

 

 電気自動車(エレカ)を走らせながら、雨に濡れていた。本当に災難である。

 

「済みません。僕がソフィーさんを誘ったりしなければ……」

 

 そう、アムロが再び親父さんに会いに行くにあたり、彼はソフィーに同行をお願いしたのだ。

 いやー、あの時はすごかったな。

 酸素欠乏症でパープリンになっていたせいか、親父さんはソフィーのことを彼女と勘違いしたり、赤飯を炊こうとか言って、ソフィーが顔を真っ赤に……

 

――居候さん?

――はい、ごめんなさい……。

 

 まぁ、そんなことがあって大変だったが、それが幸いしたのか、あまり場が暗くなりすぎなくて済んだ。

 

 さて、アムロにそう謝られたソフィーは微笑んで首を振った。

 

「いいえ。雨が降り出したのはアムロさんのせいではないですし、何より少しでもアムロさんの助けになれたらいいなって思いますから。でも、私でいいんですか?」

「はい。パイロットの中で、一番こういうのを頼めるのって、ソフィーさんぐらいしかいませんから」

「ふふふ、そう言ってもらえると嬉しいです。でもこの雨、どうしましょう……」

 

 本当にこの雨には困った。強くなりこそすれ、全然弱まる気配がない。もしかして、連邦軍に反感を持っている担当者がわざと降らしてるんじゃなかろうな?

 

 そうして必死に宇宙港にエレカを走らせていると……。

 

「あっ、あそこにコテージがありますよ」

「そうですね。あそこに雨宿りさせてもらいましょう」

 

 途中で見つけた湖畔のコテージに、向かっていくアムロとソフィーのエレカ。

 って、あのコテージは……。

 

* * * * *

 

 コテージの前に車を止め、ドアに駆け寄って叩いてみると、コテージの持ち主であるシャアとララァはご不在のようだ。仕方ないので、軒先をお借りすることにした。

 

――くれぐれも下を見ないでくださいよ、居候さん?

――わ、わかってるよ……。

 

 俺だってそれなりの分別はある……つもりだ。かくして、俺を含めて三人が軒下を借りて雨宿りしていると……。

 

「あの車は……」

「このコテージの持ち主でしょうか?」

 

 二人が見守る中、こちらにやってきた車は、コテージの駐車場らしきスペースに停まり、そして中から出てきた。

 それを俺は息をのんで待ち受けた。なぜなら原作通りなら、このコテージの主は……!

 

 果たして。

 

 出てきた二人のうち一人を見て、アムロとソフィーも息をのんだ。だが驚いたのは、向こうもだった。

 そう、やってきたのはジオンの赤い彗星ことシャア・アズナブルと、彼曰く「母親になってくれるかもしれなかった女性」ララァ・スンだったのだ。

 幸いなのは、俺以外の誰も、互いに面識がなかったことか。

 

「おや、君たちは連邦軍の……雨に降られて、ここに雨宿りに来たのかね?」

「は、はい……」

 

 そう答えながらも、アムロもソフィーも相手への警戒を緩めなかった。ソフィーなどは、拳銃をペガサスJr.に置いてきていたのを忘れ、腰ベルトの空っぽのホルスターに手を伸ばしているほどだ。

 それを見て、シャアが苦笑を浮かべる。

 

「そう警戒することはない。ここはサイド6だ。他のコロニーならともかく、ここで君たちをどうこうするつもりはない」

「は、はぁ……」

「それはよかったです……くしゅん」

 

 そこでソフィーがくしゃみを一つ。それに気が付いたシャアが微笑んで言った。

 

「これは気づかなくて申し訳ない。濡れたままでは風邪をひくだろう。服が乾くまで中で休んでいくといい」

「えええ!?」

「い、いいんですか?」

「もちろんだ。外に放り出したままでいるわけにもいかんしな」

 

* * * * *

 

 いいのだろうか?

 ソフィーとアムロ(、そして俺)は、シャアに招き入れられ、彼のコテージで雨宿りさせてもらうことになった。

 幸いにも、シャアに悪意はなかったが……。

 

――居候さん? 何か難しい雰囲気してますけど、どうしたんですか?

――いや、なんでもないよ。ただ、敵の軍人の家に入らせてもらうのって緊張するなって思っただけさ。

 

 と脳内会話をしながら、服を脱ぎ捨てていくソフィー。そこで隣の部屋から声がした。アムロの声だ。

 

「それにしても、驚きましたね。まさか、ジオンの軍人の家に迎え入れられるなんて」

「そうですね。でも、ジオンと言っても悪い人ばかりではないんですね。あの人からも悪い雰囲気は感じませんでしたし」

「はい。でも……」

「?」

 

 そこでアムロは何か思いつめたような、戸惑っているような声で言った。

 

「なぜでしょう? あの人、初めて会ったような気がしないんです。これまでに何度も戦ってきたような気が……」

「アムロさん……」

「僕の気のせいかもしれませんけど……。もしかしたら……」

「もしかしたら?」

 

 もしかしたらアムロもニュータイプの勘的なもので気づいたのかもしれない。あのジオン軍人がシャアではないかと。

 と、そこで。

 

「ソフィーさん? よろしいですか? 着替えを持ってきましたが」

「あ、はい」

 

 ソフィーの返事を待って、ララァが着替えをもって入ってきた。

 

「お二人の服はもう少しで乾くので、それまで待っててくださいね」

「あ、ありがとうございます」

「でも……」

「え?」

 

 そこでララァは、ソフィーのほうを見て意味ありげな微笑みを浮かべた。いや、その視線はソフィーではなく、その向こうにいる者に向けられているような気がした。

 

「ふふふ、ソフィーさんってなんか特別な感じがするんですね。ソフィーさんではない何かがいるような……」

「!?」

――!?

 

 『俺』の存在に気づかれてる!?

 だが驚くのはそこからだった。

 

――はい、そうですよ。安心してください。大佐には内緒にしておきますから。

――!?

 

 おまけに、俺の魂に直接話しかけてきやがった! さ、さすがはララァ・スン。伊達じゃねぇ……。

 

――嫌ですね、私は普通の女の子ですよ。伊達なんて言われる人じゃありません。そういう言われ方、嫌いです。

――お、おう……。

――あ、惚れないでくださいね。私には大佐という意中の方がいらっしゃいますから。

――しねーよ!!

――ふふふ。でも、あのアムロという方も不思議な方ですね。大佐と似た、でも違うような感じで。

――……。

 

 そこで、ララァからの会話は終わった。

 

「あ、あの……?」

「あ、ごめんなさい。それでは私は、アムロさんにも着替えを渡してきますね。ごゆっくりしてください」

「は、はい……」

 

 そしてララァは部屋を出て行った。ふぅ……。

 

――居候さん? どうしたんですか?

――いや、なんでもないよ。ただ、直接話しかけられて、からかわれただけさ。

――そうなんですか……。本当にあの人、とんでもない方ですね……。

――あぁ……まったくだぜ。

 

 そして、ララァから手渡されたパジャマに着替えたソフィーと俺は、部屋から出てリビングに戻っていった。

 本当にいろんな意味で、気が休まらないことになりそうだ。

 

* * * * *

 

 さて、リラックスしてもどこか休まらない一時を過ごしたソフィーたちがペガサスに戻ってすぐ、最低限の修理と補給を済ませたペガサスはサイド6を出発することになった。

 そして当然のことながらジオンの攻撃を受けた。しかも今度は、前の戦いとは様子が違った。

 

 なお、俺たちのジム・コマンドにミハルは同乗していない。宇宙に上がってからはミハルもペガサスのクルーとして認められ、今はフラゥの補佐としてカツレツキッカの世話を担当しているのだ。

 

 奴らは、自分たちの戦力が少ないことと、ペガサス隊がとんでもない強さの敵だとわかっているからか、無理な攻撃はせずに、やられないことを優先して立ち回ってくる。むやみに突っ込もうとせず距離をとったり、死角に回り込もうとしたり。そのせいで、こちらは攻めあぐねている状態だ。

 

 こちらも不利になることはないが、なぜだろう。俺はその中でわけのわからない不安を抱いていた……。

 

* * * * *

 

 コンスコンは焦りを感じていた。こちらのリック・ドム隊は指示を守り、無理な攻撃は控え、やられないことを重視して動いてくれている。

 焦っていることはそれではない。では何かというと……。

 

「むぅ……。海兵隊の連中はどうした。まだ動かんのか」

「はい……」

「このままでは、うまく戦っていてもやられてしまうぞ。あの小娘どもめ、秘策があると言っておきながら、何をしているのだ!」

 

 一方、その小娘どもこと、カテリナ隊はというと……。

 

「連中、なかなかうまく戦っているじゃないか」

 

 ピンク色のリック・ドムに乗ったカテリナがそう言いながら舌なめずりをする。

 それに、カテリナ隊専用カラーであるオレンジ色のリック・ドムに乗っているネナカがこたえる。

 

「はい。木馬の連中も、コンスコン隊に意識が集中している頃合いでしょう」

「あぁ。そろそろいいだろう。行くぞ! コーザハ、例の件は任せたよ」

 

 カテリナに言われ、部下であるコーザハ・シタワは了解の返事を送った。そしてカテリナが獰猛な笑みを浮かべる。

 

「よし、行くよ!!」

 

* * * * *

 

 その時だ!

 

 戦闘空域の近くにあった小さなデブリ帯。そこに隠れていたらしい三機のリック・ドムが、デブリから飛び出して突撃してきたのだ!!

 

 その突然の奇襲に、俺たちは態勢が整わず、浮足立ってしまう。しかもそれだけじゃない!!

 

『な、なんだこいつら!?』

『同士討ちお構いなく攻撃してくる!?』

 

 カイとセイラさんが戸惑いの声を発する。そう、奴らはこちらが乱戦中なのにも関わらず、同士討ち上等とばかりに構わず攻撃を仕掛けてくるのだ。

 

 そのなりふり構わぬ攻撃と、新たな敵部隊の力の前に、俺達は善戦から苦戦へと転落していった。

 

* * * * *

 

「な、なんなのだ奴らは!? こちらのリック・ドム隊もろともに木馬を攻撃しているだと!? 同士討ちではないか!」

 

 チベのコンスコン司令は、前方のリック・ドム隊からの通信と、前方で展開されている戦いを見て、驚愕し、怒りの言葉を発した。

 目の前で繰り広げられている味方撃ちを交えての戦闘には、彼には許されないものであった。いくら木馬を倒すためとはいえ、物事には限度がある。

 

「えぇい、彼女たちを呼び戻せ!! リース中尉を問いただし―――」

「こ、コンスコン司令!! 前方から直撃弾!!」

「!?」

 

 その次の瞬間、チベのブリッジをビームが直撃した!! コンスコンとブリッジクルーたちは、ビームに飲まれて瞬時に消滅したのである。

 

* * * * *

 

「こちらコーザハ。処理完了しました」

「よくやった。コンスコン少将、奮戦するも木馬からの直撃弾を受けて戦死。いい最期じゃないか。よし、それじゃ仕上げ行こうか!!」

「了解」

 

* * * * *

 

 俺たちは苦戦からなんとか転落しないように踏ん張り続けてきた。

 そして戦っていくうちにわかってきた。こいつら、正攻法よりも、このような味方撃ち上等な非道な戦い方を得意とする手合いだ! いや、得意というより、このような戦い方については手練れと言ってもいい。これまでも、このような戦い方をして戦果を挙げてきたのだろう。おそらくは自分たち以外の目撃者や関係者を残さず処理したうえで。

 

 義憤を感じるが、それだけでどうこうできるというものでもない。

 

「うわぁ!!」

 

 オレンジのリック・ドムのバズーカで吹き飛ばされたドムが、ハヤトに激突する!! そこを再びリック・ドムが射撃!! ハヤトのガンキャノンはなんとか撃破は免れたが……

 

「ハヤト、大丈夫ですか!?」

「あぁ。でも、このガンキャノンはもうだめだ。これ以上は戦えそうもない。機体を放棄して脱出するよ……」

 

 戦闘不能になるほどの損傷を受けたガンキャノン。見ると、両腕がちぎれ飛び、片足もまた破壊され、キャノンも片方が破壊されていた。その機体からハヤトが脱出する。

 

 カイが戦っていたドムが、背後からバズーカで撃ちぬかれ、爆散する!! その破片がカイのガンキャノンに飛んで行った。それが目くらましになったところで……。

 

『カイさん、よけて!!』

「!!」

 

 カイがガンキャノンを回避させるのと、そのガンキャノンに向けてバズーカ弾が飛んでくるのは同時だった。

 大破となる損傷は避けることができたが、それでも右肩にバズーカ弾の直撃を食らい、右肩のキャノン砲と右腕を破壊されてしまう。

 

「くそ、ちきしょうめ!!」

 

 そして奴らの毒牙は俺とソフィーのほうにも――!!

 

 リック・ドムと撃ち合いを演じるソフィーのジム・コマンド。そんな中、俺の脳裏に閃くものがあった。

 

―――やばい、ソフィー、よけろ!!

―――え? は、はい!!

 

 そしてソフィーが回避した瞬間。

 

 そのリック・ドムが後方からビームに貫かれた。リック・ドムは戸惑うかのような動作をしたのち、爆散した。

 

―――……!!

―――ひでぇ……。

 

* * * * *

 

「私のビームバズをかわすとは、なかなかやるじゃないか」

 

 ピンクのリック・ドムのカテリナは、自分のビームバズーカをかわしたジム・コマンドに対して、舌なめずりをしながらそう評した。

 そしてその次の瞬間には女豹らしい表情を浮かべて言い放った。

 

「だが、それも終わりだっ!!」

 

 そう言って、リック・ドムを突っ込ませる。次こそとどめを刺そうと。

 だが、彼女は気づかなかったのだ。その標的に訪れた変化に。

 

* * * * *

 

 あのピンクのリック・ドムが残骸や戦い続けるカイのガンキャノンや、セイラさんのGファイター、スレッガーさんのコア・ブースターに巧みに隠れながらこちらに迫ってくる。一撃必殺の機会を狙っているのだろう。

 

 だが、そのリック・ドムに対峙するソフィーの心は不思議と……いや、不気味なほどに冷めていた。同士討ちをする奴らへの怒りで逆に頭が冷えたのか。

 

 そして。

 

「スレッガーさん、その場を急いで離れてください」

「? わ、わかった!」

 

 スレッガーさんがコア・ブースターのアフターバーナーを全開にするのと、ソフィーがトリガーを引き絞るのは同時だった。

 

 コア・ブースターが飛び去るのと同時に、その背後のリック・ドムをビームが撃ち抜かんとする!!

 

「!!」

 

 リック・ドムがそれをなんとか回避する。だがそれと同時に、ソフィーはペダルを踏みこんでいた。

 

 ジム・コマンドは普通のMSでは考えられない機動性でリック・ドムに迫る! リック・ドムがビーム・バズーカを連射するも、ソフィーはそれをことごとくかわしていった。

 

 そしてビームサーベルを一閃!! リック・ドムの右腕を切り落とした!!

 

 そこに、別のリック・ドムが迫るも……!

 

「……」

『え? う、うわぁー!!』

 

 これまた鋭すぎる機動で、そいつの一撃をかわし、背後に回って一刀両断して撃破した。

 

 そのあともソフィーは、隊長機らしいピンクのリック・ドムと激戦を繰り広げた。まるで豹のような動きのリック・ドムに対し、ソフィーのジム・コマンドはその人を超えたような動きで立ち向かっていった。

 その動きは、あの灰ジムを思わせるほどだ。

 

 しかし、そんな動きでは……。

 

―――ぐ……ソフィー、我に返ってくれ……。

―――……。

 

 俺は苦しみ、呻きながらソフィーの声をかけるが、彼女からの返事はない。

 ソフィーは文字通り、ジム・コマンドを自分の手足のように使っている。いや、逆だ。むしろ、ソフィーがジム・コマンドの一部になってしまったような印象さえ受ける。

 だがそんな機動を繰り返していては、機体も、何より人体が持たない。ソフィーは強化人間でもなんでもない、ただの女の子なんだからな。

 実際、ソフィーの身体にはかなりの負荷がかかっている。そんな中でもソフィーが戦えているのは、怒りと命の危機が彼女の痛覚を麻痺させているのか、それとも彼女の何らかの資質か。その分俺はかなりの負荷を感じているわけだが。さらにいうと、コンソールにも、機体への負荷が限界を超えているというアラームが鳴っている。

 

 そんな中でも、ソフィーはリック・ドムを狙い続ける。そして、ビームライフルの一射で、リック・ドムの左肩を破壊した!!

 それで敵は戦意を失ったらしい。退却しようとしたそのドムをなおも追撃しようとするソフィー。しかし。

 

「きゃっ!!」

―――ぐっ!!

 

 いつの間にか追いつき、横に回っていたリック・ドムのビームバズーカを食らって、左腕を破壊される。

 しかしそれが幸いして、ソフィーが正気に戻ってくれた。

 

「こ、このぉ!!」

 

 それでも力を振り絞り、ピンクの退却を援護しようとするそのリック・ドムに立ち向かう。なんとかビームバズーカをかわし、ビームサーベルを薙ぎ払う。それでそのリック・ドムは撃破された。

 

 しかし、そこまでだった。

 

 それで、とうとう限界が来たのか、ジム・コマンドは小爆発を起こしながら糸が切れた操り人形に動き回り……。

 そして、それを横目に見ながらリック・ドムが飛び去る中、空中分解しながら宇宙の彼方に飛び去っていったのだった……。

 

 その中、俺たちの脳裏に、ミハルの叫び声が聞こえたような気がした。

 




* 次回予告 *

機体が大破し、消息不明となったソフィー。
彼女がそこで邂逅したのは、ある異邦者たちであった。
そこで彼女は、新たなる力を得る。二人がともに戦う力を。

次回、『新たなる剣』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、4/13 13:00の予定です。お楽しみに!

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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