宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。
* * * * *
コンスコン艦隊と激突したペガサス隊は、ジオンのカレリナ隊の凶悪な攻撃を受けた。
そしてその結果、ソフィーは行方しれずになった……。
「お兄ちゃん……!」
意識に浮かぶ映像。これはソフィーの夢ではない。俺のものだ。
幼い頃の俺と遊ぶ、これまた俺より少し年下くらいの少女。俺は彼女に見覚えがある。
彼女は、俺の後を元気についてきて、戯れあう。
「どう、お兄ちゃん? 似合ってる?」
中学のものらしいセーラー服を着て、その姿を俺に見せる少女。
その姿は、とてもかわいらしく、まるで天使のようだ。
俺の答えを聞いた少女がほほえみを浮かべる。まるで花のつぼみが開いたかのような、可憐で柔らかい笑みを。
「お兄ちゃん、私ね……」
あることを報告する少女。その嬉しそうな表情に、俺自身も嬉しくなる。
俺がそのことを祝福すると、少女はその表情をさらに輝かせて笑った。その笑顔は太陽よりも明るいかのようだ。
それで俺は思い出した。どうして今まで忘れていたのだろう。そうだ、あの声は……。
そこで相棒の意識が覚醒したらしい。視界が光に包まれていく。
* * * * *
―――ん……ソフィーも目が覚めたか。よかったぜ。
―――おはようございます、居候さん……。一体ここはどうなんでしょう……?
そう返して、ソフィーが周囲を見回す。視界に映るのは、真っ白な天井、真っ白な壁。そして、部屋に並ぶベッド。どうやら、ここは医務室のようだが……。
「もし、お目覚めになられましたか?」
ノックとともに、ドアの向こうから前世で聞いたことがある声が聞こえてきた。え?
おいおい、まさか……。
そして入ってきたのは……。
―――ええええええ!?
―――……?
いや、これを驚かずにいられようか。入ってきたのは、独特の衣装に身を包み、とても神聖で高貴な顔立ちをしたピンクの髪の女性。
そう、あのラクス・クラインが入ってきたのだ!! その傍らにはガンダム00の主人公、刹那・F・セイエイもいる。
「は、はい……。助けていただいて、ありがとうございます……。あの、あなた方は……」
ソフィーがそう聞くと、ラクス様(彼女はあまりに貴すぎて、呼び捨てにすることができないのだ)は、貴すぎるほどのほほえみを浮かべて答えた。
「はい。この船の責任者、ラクス・クラインですわ。よろしくお願いしますわね」
「この船の厄介になっている、刹那・F・セイエイだ」
SEEDシリーズの歌姫と、ガンダム00の主人公が並び立つなんて、すごすぎるだろ! ホワイトベースの連中と会った時はすぐに適応した俺も、これには驚きと興奮を禁じ得ない。
そんな中、俺の心中を知る由もないラクス様は、再び微笑んで口を開かれた。
「この付近の宙域に漂流していた
そうか、あのリック・ドムたちにやられて……。本当に彼女たちに助けてもらえてよかった。下手したらそのまま宇宙の塵になっていたかもしれなかったからな。
ん、待てよ。リック・ドムたちにやられて……。
そこで同じことをソフィーも気づいたらしい。
「ペガサスJr.は!? 早くペガサスJr.に戻らないと……!!」
そう、俺たちの母艦、俺たちの家、ペガサスJr.。あの船は今もソロモンに向かっている。そしてジオンに攻撃されているかもしれない。しかし、ガンキャノンは二機とも中破、大破し、まともに戦えるのはアムロのガンダムだけのはず。早く駆け付けたいところだが……。
―――待てよ、MSはどうするんだよ? 俺たちのジム・コマンドは……。
―――あ……。
そう、ソフィーと俺の愛機ジム・コマンドは、あのリック・ドムたちとの戦いで、空中分解してしまったのだ。戦うどころか、もう乗ることも使うこともできないだろう。
しかし、ラクス様はそこでまた微笑みを浮かべた。
「心配ありません。あなた方には新しい剣を用意しておりますわ」
「え!?」
と、そこで。置〇龍〇郎氏の声で放送があった。
「ラクス、ブリッジに戻ってくれ。ジオンのものらしきMSが接近中だ」
「わかりましたわ。助けた方に新たなる剣を託してから参ります」
って、バルトフェルドもいるのかよ!! さすがにキラやアスランはいないようだが……。
「それではついてきてください。あなたの新しい剣をお見せしますわ」
* * * * *
一方そのころ、宇宙の暗闇の中をエターナルめがけて突き進むMSの一隊があった。量産型のザクとは異なる部分を持つ海兵隊専用のFs型ザク。その群れの中に一機だけ、海兵隊用のゲルググに乗るシーマ・ガラハウは面白そうな表情を浮かべて独り言ちた。
「ただの武装商船を襲えなんて、上層部はどうしてこんなわけのわからない命令を出すのかね? まぁ、私らにぴったりの仕事ではあるがね……野郎ども、ぬかるんじゃないよ!」
「へい!!」
部下たちの返事に満足したような表情を浮かべると、シーマはゲルググのスロットルレバーを押し込み、ゲルググをさらに加速させた。
* * * * *
ソフィー(と俺)が、ラクス様と刹那に連れてこられたハンガー。そこには、刹那のELSクァンタと、バルトフェルドさんのものと思われるガイア・ガンダム。その二機の他にもう一機、MSが佇んでいた。
「え……?」
―――え……?
ほぼ同時に声を出す俺とソフィー。そう、そのMSは俺たちがそれまで乗っていた……。
「これ……私のジム・コマンドですか?」
ソフィーがそう聞くと、ラクス様は微笑んで言った。
「はい。大破していたジム・コマンドを私達と、刹那さんの世界の技術を使って修復したんですの。それと同時に、開発した試作装備も施しておきましたわ」
そう、俺たちのジム・コマンドには、背部になにか折りたたまれた羽のようなユニットが取り付けられていた。待てよ、これってまさか……。
俺の考えを読み取ったかのように、刹那がうなずいて説明してくれる。
「展開時には、両肩に二連ビーム・ランチャー、両腰にこれも二連のソリッドシューター、そして高機動スラスターユニットが展開し、高い攻撃能力と、機動力を発揮できるようになっている」
「名付けるなら……そう、ジム・フリーダムってところでしょうか」
「ジム・フリーダム……」
やっぱりフリーダムの装備か!! 基本は宇宙世紀の技術をもって作られたようだが、それでもある程度再現してしまうなんてすごすぎだろ。エターナルにはAGEデバイスでも積んであるのか??
「でも、これだけ火器があったら、FCSが……」
一方、ソフィーがそう心配そうに戸惑って続ける。確かにそうだな。ビーム・ランチャーにソリッドシューター、さらにビームライフルまであったら、もうFCSがややこしくて大変じゃないだろうか。ソフィーでさばけるんだろうか。
だが、その俺とソフィーの懸念に対する答えを既に用意したかのように、ラクス様が微笑んでおっしゃった。
「大丈夫ですわ。あなたは一人ではないのでしょう? お二人ならきっとできますわ」
「!?」
ソフィーの中に俺がいるということに気づかれてる!? 本当にララァに気づかれたことといい、サイド6に来てからこっち、驚かされてばかりだ。そこに、ララァの時と同じように、俺の魂に声が届いた。
―――ラクスには俺から話しておいた。俺は脳量子波を感じ取れるからな。その応用で、ニュータイプの感応波も感知できる。
―――は……はぁ。
便利だな、イノベイター純粋種。
―――それで、このフリーダムの追加武装……フリーダム・シルエットのFCSはマニュアルの他に、お前の感応波と連動するようにセッティングしてある。
つまり、俺が思う通りに、FCSを制御できるってことか。
その俺の心中の問いにも、刹那は答えてくれた。
―――そういうことだ。だからお前がその分のFCSを担当して、彼女を助けてやるといい。
―――はぁ……ありがとうございます。
と、そこにまたもバルトフェルドの声。
「ラクス、刹那とお嬢ちゃんの出撃はまだですか? 奴らは、もうそこまで来ていますよ」
「わかりました。刹那、お願いできますか? それと、そちらの方も助けてもらえると助かります」
答えは決まっていた。
「はい!」
「了解した」
そして刹那はELSクァンタのほうに向かっていった。そして俺たちも……。
―――ってちょっと待った。ノーマルスーツ着ないとっ。
―――あ、そ、そうでしたっ。それと、俺たちではなくて、私たち、ですからねっ!
―――お、おう……。
というか、久しぶりだが人の地の文を読むなよ……。
* * * * *
そして出撃していきなり、敵のバズーカがこちらに向けて飛んできた!
―――いきなりきたぞ、防げ!!
―――はい!!
シールドでバズーカ弾を防ぐ。見ると、茶色っぽいカラーのザクが突っ込んでくる。どうやら、相手は海兵隊みたいだな。ということはシーマ様もいることだろう。これは出し惜しみしていられる状況じゃなさそうだ。
―――いきなりだが全開でいくぞ! フリーダム・シルエットを展開してくれ!!
―――え、でも私一人ではFCSが……。
―――ラクス様が言ってただろ? 俺に任せておけって。
―――は、はいっ!
ソフィーの操作で、ジム・フリーダムの背面のフリーダム・シルエットが展開!! 両肩に二連の小型ビーム・ランチャー、両腰にこれまた二門のソリッドシューター……バズーカのようなものが展開される。
そして俺の視界には、ソフィーが見ている景色にオーバーレイするようにFCSの画面が重なった。俺が意識を向けるとともに、その標的を表すマーカーに、ロックオンのマーカーが重なっていく。そして。
―――吹き飛べええぇぇぇ!!
そしてビーム・ランチャーとソリッドシューターが一斉に火を噴いた!! 一機はソリッドシューターをかわしたようだが、残り三機はビームとソリッドシューターを食らって中破、または大破したようだ。
―――すごい……。
―――おっと、感心してる場合じゃないぜ、ソフィー!
―――あ、はい!!
ちょうど、ザクの一機がヒートホークを手に突っ込んできていたのだ。ソフィーもビームサーベルを抜いて迎え撃つ。
そして、ビームサーベルとヒートホークがぶつかりあった!!
そのままつばぜり合いを続けるソフィーと俺のジム・フリーダムと、敵のザク。さすが海兵隊仕様というべきか。パワーもそれなりに強化してあるようで、なかなか押し返すことができない。
そしてそこに! シーマ様のものらしきゲルググが、こちらの横から狙いをつけてきた。やばい!!
砲門がほとんど前を向くフリーダム・シルエットの構造上、横の相手に対して迎撃することはできないんだ。このままでは……!
そこに一条のビームが!! ゲルググはビームライフルを構えた右腕を撃ちぬかれてしまう。ライフルはすぐさま左腕に持ち替えたが。
見ると、刹那のELSクァンタがこちらを援護してくれたのだ。助かった……!
そして、ELSクァンタは真っ赤に染まったかと思うと、猛禽のようにゲルググに向かっていった。トランザムだ!!
トランザムの高機動で、ゲルググを嵐のように攻め立てる刹那もすごいが、それをなんなくさばいて、反撃を返すシーマ様もすごい。こんな戦い、めったに見られるものじゃないぞ……って、のんびり見てる場合じゃないな。こちらも頑張らないと。
「たぁっ!!」
そこで、ジム・フリーダムがザクに蹴りを入れた! 吹き飛ばされたザクに、俺がソリッドシューターの照準を合わせる。
そして発射!! ザクは、ソリッドシューターの直撃を受けて爆散したのだった。
一方、刹那のELSクァンタと、ゲルググの戦いも佳境を迎えていた。幾度もぶつかり合うクァンタとゲルググ。しかし、何度目かの激突で、ついにELSクァンタの剣が、ゲルググの左腕を切り落としたのだ!!
「くっ、なんてやつだい。次はこうはいかないよ!!」
そして、ゲルググはこれ以上の戦闘を断念し、残ったザクたちとともに引き上げていったのだった。やれやれ、なんとかなったか。しかし、すごい戦闘力だな、このジム・フリーダムは。
しかし、そこで安心するのはまだ早かった!!
「まだだ。この前のジムが接近してきてるぞ。気をつけろ!!」
「!!」
* * * * *
バルトフェルドさんの声に、俺たちがその方向を向くと、たしかにこちらに向かってくる光を見つけた。
そしてその光はやはり、ジャブローで俺たちを襲い、また、宇宙に出てすぐの戦いでも襲ってきたあの灰色のジムだった。
そのジムに対し、刹那のELSクァンタが向かっていく。そして二機が激突し、そしてすれ違って交差した。そこで俺はジムにビーム・ランチャーとソリッドシューターをロックオンした。
そして発射!! しかし、ジムはまるでそれがわかっていたかのように、ビームもソリッドシューター弾も回避しやがった。
ジムのゴーグルアイがこちらを睨みつけた! そのゴーグルアイに、俺は殺意を感じたような気がした。そしてジムがクァンタを蹴り飛ばし、こっちに突っ込んできた! こちらのソリッドシューターやビームライフルをかわしながら、さらに迫る!!
「!!」
ソフィーは、ビームサーベルを抜き、ジムを迎え撃つ! 斬りかかってきた灰ジムのビームサーベルとぶつかりあい、スパークが奔る!
やはりパワーはあちらのほうが上だ。そのパワーの前に、こちらはどんどん押されてしまう。
「こ……このぉ!!」
ソフィーはフリーダムの頭部バルカンを発射!! 灰ジムはそれを左腕でかばいながら後退をかけた。そこにソリッドシューターを発射!! その一発はジムのシールドを破壊したが、のこり一発はかわされてしまった。
灰ジムと激闘を繰り広げるソフィーと俺、そして刹那。獰猛でありながらも、ただそれだけではない戦い方を見せるやつに、俺たちは翻弄されっぱなしだ。刹那がいてくれなければ、このジム・フリーダムでもやばかったかもしれない。
しかし、やつと戦いを繰り広げるうちに、俺はあることに気がついた。いや、前々から感じていたことに確信を抱いた、というべきか。
こいつの戦い方、そして動きのクセ。それは間違いなく、ソフィーのそれとどことなく似ていたのだ。細かいところは違うが、ほとんど瓜二つ。だとするなら……!
再び灰ジムが突っ込んできた! そして再びビームサーベルがぶつかりあう!!
―――よし、ソフィー。今度はパワーを上げて、こちらが押してやるんだ!!
―――わ、わかりましたっ!!
機先を制してこちらが逆に押してやる。それが功を奏して、さっきとは逆にこちらが灰ジムを押す形になった。となれば……。
やはり、やつの脚が動いた。今だ!!
―――後退しながら、バルカンをお見舞いしてやれ!!
―――……はい!
ソフィーが俺のアドバイス通りに後退と同時にバルカンをお見舞いする。灰ジムは蹴りを空振りして態勢を崩すと同時に、フリーダムのバルカンを浴びた。
「えええぇぇぇいっ!!」
そしてビームサーベルで斬りかかる! 態勢が崩れた奴はかわすこともできず、右腕で防ぐことしかできなかった。光の刃が灰ジムの右腕を切り落とした。やった!!
しかし、そこまでだった。追撃を放とうとしたフリーダムも態勢を崩したのだ。これは……!
―――まさか……。
―――パワーダウン!?
くそ、なんてこった……! ビーム・ランチャーの撃ち過ぎでジェネレーターがパワーダウンを起こしたのかっ!
俺達のパワーダウンを見てとった灰ジムが、お返しとばかりに俺たちのジム・フリーダムを蹴り飛ばした!
「きゃあぁ!!」
―――くぅ……!!
さらに、吹き飛ばされた俺たちにとどめをさそうと、予備のビームサーベルを左腕で抜いた奴が突進してくる。やばい……!!
そこに。
「させんっ!!」
刹那のELSクァンタがGNファングを飛ばし、灰ジムを牽制してくれた! そこにさらにやつに突進! ビームサーベルの一閃で左腕をも切り落とした。助かった……。
それで、これ以上は無理と判断したのか、灰ジムは踵を返して撤退しようとした。
その時。
俺たちは見た。
GNファングによって切り裂かれた奴の腹部。そこのスペースに鎮座するカプセル。そこには一人の少女らしき人物が封じられていた。その顔は……。
どこか、ソフィーに似ていたのだ!!
「お姉ちゃ……! ……!!」
それが彼女のトラウマを呼び起こしたのか、ソフィーはまた過呼吸の発作を起こしてしまった!!
―――お、おい、ソフィー、しっかりしろ!!
―――……!
必死に声をかける俺。しかし、ソフィーの混乱は治まる気配を見せない。やばい、ここを襲われたら……。
しかし、幸いなことに襲われることはなかった。灰ジムは踵を返すとそのまま離脱していったのだ。
だが、衝撃はそれだけではなかった。去り際にその灰ジムから聞こえてきた言葉。
―――お兄ちゃん……。
―――……!?
どこか幼さと親しさを秘めた少女の声。それは間違いない。聞き間違えるはずもない。あいつの、俺の妹の声。それは間違いなく、あの灰ジムから聞こえてきたのだ。
なぜだ。なぜあいつの声が、ソフィーと似た娘の中から……?
なんとか過呼吸の発作から立ち直り、涙目で灰ジムを見送る相棒と、あいつの声に混乱した俺を見送られて、灰ジムは宇宙の暗闇の彼方へ去っていったのだった。
あいつは、一体……?
済みません。ちょっと執筆が遅れてしまいまして。
次の更新は、再来週、4/27 13:00とさせていただきます。
その代わりに、来週は以前ひいちゃが執筆したリプレイを掲載させていただきます。
4/27をお楽しみに!
それでは次回予告、どうぞ!
* * * * *
ペガサス隊はソロモン攻略の前哨戦として、コレヒドールの攻撃をすることになった。だがそれは、彼らを邪魔者として見ている者たちの罠であった。
ソフィーたちは、その毒牙から仲間たちを守ることができるのか?
次回、『コレヒドールの罠』
君たちは生き延びることができるか?
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
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受け継いでてほしい
-
受け継いでてほしくない