宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム 作:ひいちゃ
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。
* * * * *
ソフィーと主人公は、異世界からの来訪者、エターナルに助けられた。
そこで彼女はそれまで乗っていたジムに代わる新たな剣を授けられる。
だが、そこで彼らは、懐かしい謎を目にするのだった。
連邦軍の宇宙での拠点・ルナツーとジオンの要塞ソロモンとの中間地点にある空域。そこで、ペガサスJr.は、連邦軍の先鋒艦隊と合流していた。その先鋒艦隊の旗艦・レナウンのブリッジで待っていたのは……。
「待っていたぞ、ホワイトベースの諸君。あの頃がまるで嘘のように凛々しくなったな」
「とんでもありません。私達はまだまだ若輩です、ワッケイン大佐」
そう、かつてルナツーでホワイトベースの面々と相対したワッケイン大佐であった。
「さて、さっそく本題に入ろう。これからペガサスJr.には、我々の小艦隊とともにコレヒドールの確保任務についてもらう」
「コレヒドール?」
「うむ」
そこでワッケインの副官がタブレットを操作すると、前面のスクリーンにソロモン周辺の宇宙地図が表示された。その一点にマーカーが点灯する。
「この暗礁地帯だ。ここは、ソロモンに侵攻するにあたって重要な地点にあり、ここに我が軍の橋頭堡を築くのはソロモン攻略にあたって重要な要素となる」
「ですが、それはソロモンも把握しているはず。ここを守るにあたって、向こうもかなりの戦力を配置しているのではないでしょうか? そこを我々とワッケイン大佐の艦隊だけで叩くのはきついのでは……?」
ブライトがそう言うと、ワッケインは苦笑を浮かべた。そしてそのまま話を続ける。
「わかっている。だが、これ以上戦力は避けないようなのだ。攻略指揮を担当するバスク大佐の話では、最初は諸君ら単艦に任せようとしたぐらいなのだからな」
「我々単艦に?」
「あぁ。ペガサス隊の実力ならなんとか可能だろう、と言ってな。さすがにそれは無謀だと思ったので、私が無理に支援の許可をとったのだ。私はバスク大佐とは対立している派閥にいるから、てっきり却下されると思っていたのだがな。意外とあっさりと許可が降りたよ」
それを聞いて、ブライトをはじめペガサスクルーが顔をしかめた。ワッケインの話から、バスクが対立しているワッケインごと、自分たちを害しようという意図を感じたからだ。
「……了解しました。ワッケイン大佐の脚を引っ張らないように努力します」
「だから、謙遜がすぎるぞ。ここまでの戦いをくぐり抜けてきたホワイトベース隊の力、頼りにさせてもらう」
そう言ってほほえみながら手を差し出すワッケインと握手を交わし、ブライトは他のクルーたちとともに、
ペガサスJr.に戻っていった。
自分たちの前に立ちはだかる苦難と闇の予感を感じながら。
* * * * *
一方、ソロモンへ向かっているペガサスJr.を追うエターナル。
そこではさっそく、連邦軍の怪しい動きを捉えていた。
「連邦軍の一部隊が本隊と別れて別行動をとっている……ですか?」
エターナルのブリーフィングルーム。そこでそう聞くソフィーに、バルトフェルドさんがうなずいて答える。
「あぁ。しかも、その様子が尋常じゃない。航路は大筋ではソロモンに向かっているようだが、かなり巧妙にカモフラージュされていて、しかもこれに対する情報統制がかなり厳格だ。刹那のELSクァンタとイノベイター能力、そしてティエリアのサポートがなければつかめなかったほどにな。そしてそれだけじゃない」
続いてスクリーンに、映し出されたのは、艦隊の後方の輸送艦群。それを見て、俺はバルトフェルドさんの言いたいことがわかった。
「艦隊の護衛態勢はもちろんだが、特にこの輸送艦の護衛がとても厳重なんだ。まるで、やばいものが積んであるかのように。これはよろしくないものを感じるな。そう、これはまるで僕たちの世界にあった……」
そのバルトフェルドさんの後を、ラクス様が沈んだ顔で続けた。
だが、二人の様子も仕方ないかもしれない。なぜならそれは……。
「そう、ピースメーカー隊のようですわね」
―――ピースメーカー隊……!!
―――居候さん、知っているんですか?
ソフィーに答えてやる。もうここまできたら、隠しているわけにもいかないだろうしな。
―――あぁ。ラクス様たちの世界にあった、敵勢力に対する核攻撃部隊だよ。
―――そんな……!!
ソフィーは絶句する。それから、彼女の核に対する恐怖やら怒りやらが強く感じられた。
「まさか連邦軍はソロモンで核かそれに相当する兵器を使うつもりなんでしょうか……!?」
「ありえると思う。まさかボアズ攻略戦のような景色を見ることになるとは思わなかったよ」
沈む室内。そこでラクス様が決然と顔をあげる。
「バルトフェルドさん、それは違うでしょう? 見ることになる、ではなく見なくて済むようにしなくては。血のバレンタインのような悲劇は決して許してはなりません。そうでしょう?」
「おっと、そうでしたな。確かにあのような惨劇を見るのは一度でたくさんだ。我々の全力をもって、これを阻止しなくては。刹那とお嬢さんも協力してくれるか?」
「もちろんだ」
バルトフェルドさんの問いに、刹那が強くうなずき、同意の意を示した。そして俺達も答えは決まっている。
「はい! ソロモンで使われれば、ペガサスのみんなも危ないかもしれませんし、何より核かそれに近いものが使われるのを許すわけにはいきませんから!!」
ソフィーの答えを聞き、ラクス様とバルトフェルドさんがともにうなずいた。力強く。
「よし、決まったな。ダコスタくん、全速前進。目標はその連邦軍艦隊、そして目的地はソロモンだ!!」
「了解!!」
* * * * *
一方その頃、ペガサスJr.は、ワッケイン艦隊とともに激戦の中にあった。
ブライトの懸念した通り、ジオンもペガサスJr.とワッケイン艦隊が向かったコレヒドールに大部隊を配置していたのだ。その戦力は、ペガサス側の倍で、熟練度もかなりのものである。
次から次へと押し寄せ、攻撃を仕掛けてくるリック・ドムを迎撃し、切り結んでいく。アムロのガンダム、カイのガンキャノンをはじめとするペガサスJr.のMS隊も、ワッケイン艦隊の
その中、ワッケイン艦隊から供与された予備機のジム・コマンドを駆るハヤトに、ある変化が生まれていた。
ペガサスJr.のブリッジ上方で戦っていたハヤトはふと見ると、この位置からならペガサスJr.隊各機の位置が見渡せることに気がついた。
そして、敵の布陣も。
両軍の布陣から、ペガサスJr.の右舷が薄くなり、そこに敵がつけ込もうとしていることに気づいたハヤトはすぐに、セイラとスレッガーに通信を入れた。
「セイラさん、スレッガーさん! リック・ドムが二機、ペガサスの右舷を突こうとしているぞ! ただちに迎撃に回ってくれ! 俺がそっちのフォローに回る!」
「わかったわ!」
「OK!」
そして、セイラのGファイターとスレッガーのコア・ブースターが、ペガサスJr.の右舷側にまわり、接近していたリック・ドムを迎撃した。セイラのはなったビーム砲が一機のリック・ドムの左腕を破壊し、もう一機とともに一時離脱する。
その様子をブリッジから見ていたブライトが、感心したようにつぶやいた。
「ハヤトにあのような才能があったとはな……。MS隊の指揮を彼に任せるのもいいかもしれん……」
「え?」
「いや、なんでもない。独り言だ」
ブライトは、後ろを振り向いて怪訝そうに聞いてきたミライにそう返し、再び前方を見据えるのだった。
さて、戦いはまだ続いている。ハヤトが戦術能力を開眼したことで、流れがペガサス側に傾いてきたとはいえ、相手も手練。そう簡単に崩れはしなかったのだ。
「そこっ!」
アムロが振り向きざまに、背後から接近していたリック・ドムにビームライフルを放つ! ビームは見事にリック・ドムの胸板を撃破し、爆散させた。
その隙をついて、別のリック・ドムがバズーカを発射! アムロはガンダムを宙返りさせながら、ビームライフルを発射した。とっさにドムが回避したので、そのビームはリック・ドムの左足を破壊しただけに終わった。そのリック・ドムはバズーカを撃ちなから後退した。
激戦を繰り広げるペガサス隊。だが彼らは気づいていない。彼らに、バスクの毒牙が迫りつつあることを。
* * * * *
コレヒドール近くに暗礁地帯に伏せている小艦隊があった。エターナルが発見していたあの艦隊だ。
そのブリッジの艦長席に座る性格の悪そうな男……ジャマイカン・ダニンガンに副官が報告する。
「ジャマイカン大尉、各機体への加粒子反応弾搭載完了。準備完了しました」
「そうか。連中がこちらに気づいた様子は?」
「ありません」
部下からの報告を聞き、ジャマイカンは満足そうな笑みを浮かべて言った。
「よし、ピースメーカー隊発艦。攻撃ポイントに向かえ。くれぐれも、ジオンや木馬に気づかれるなよ。確実に一網打尽にしてやるのだ」
「了解であります。よし、発艦!」
ジャマイカンや副官の指示に逆らう者はおろか、反感を持つ者はいない。それはそのはず。彼の艦隊はこの任務のための急ごしらえの艦隊。クルーもそしてピースメーカー隊のメンバーも、みな減刑を条件にこの任務に参加した死刑囚たちなのだ。
そして、ジャマイカンの艦隊から大型のバズーカを構えたザクたちが発進していった。傍目には核バズーカを持ったザクC型にしか見えないだろう。
それらは邪な意思を秘めたまま、指定されたポイントへ向かっていった。
* * * * *
「くそ、遅かったか! あと少し補足するのが早ければ、出撃する前に艦ごと沈められたかもしれなかったのに!!」
「なんてこと……!!」
謎の艦隊からザクが発進した……いや、してしまったのを見て、バルトフェルドさんが歯噛みし、ソフィーが絶句する。
今からでは、核ごと破壊するのは不可能だ。その爆炎で、こちらもやられてしまうからな。
追尾している途中で、謎のジム・ナイトシーカーの部隊に足止めを食らったのが大きく響いてしまった。それで、一気に距離を引き離されてしまったのだ。
その中、ラクス様が苦渋に満ちた表情で言う。
「まだ終わったわけではありませんわ。こうなってしまった以上、ペガサス他の皆様をコレヒドールから脱出させることを優先しましょう。ただちに出撃準備を」
「了解した!!」
そして、刹那を先頭に、パイロットたちが一斉に格納庫へと走っていった。
そして、さっそくジム・フリーダムとELSクァンタの発進準備が行われる。フリーダムの背後には大型の機動ユニットが装着されていた。かつてフリーダムガンダム用として、エターナルに搭載されていたミーティアから大型ビーム砲やミサイルランチャーなどの兵装を省いたような形状のものだ。
そのジム・フリーダムのコクピットに乗るソフィーに、バルトフェルドからの通信が入る。
「いいか。ミサイルやザクを撃ち落とそうとするんじゃないぞ。もしあれが核だとしたら、フリーダムの武装の射程距離では、撃ち落とせても爆発でこちらがやられかねん。もしそれを免れたとしても電磁場でやられる可能性もある。くれぐれも、ペガサスのもとに駆けつけ、彼らを脱出させることを優先するんだ」
「俺のクァンタも、量子ワープですぐに後を追う。心配はしなくていい」
「わかりました。ソフィー・リオノウンズ、ジム・フリーダム、行きます!!」
その声とともに、ジム・フリーダムは流星のようにコレヒドールに向けて飛び立っていった。
* * * * *
コレヒドールでは相変わらず、激戦が繰り広げられている。だが、ペガサスJr.のほうは消耗が無視できなくなってきた。
ジオンとしてもコレヒドールをそう簡単に渡すわけにはいかないようで、あれから再び増援を送り出してきたのだ。
「くっ、このっ!!」
アムロのガンダムが、ビームサーベルでザクを切り払う。
「カイさん、ペガサスの4時方向から敵! 迎撃を!!」
「へいへい! 本当に忙しすぎるぜ!っと!」
「いいからふんばりなさい、軟弱者!」
「わかってるよ!」
ハヤトの指示のもと、カイのガンキャノンが別方向からペガサスJr.に迫るリック・ドムを、肩のキャノン砲で迎撃する。それで悪態をつくカイにセイラが叱りつける。
「右舷、弾幕!! ミライ、回避だ!」
「了解!!」
ペガサスJr.も必死に防戦を続けていた。
しかし、消耗と数の差で迎撃が追いつかない中、ついに一機のリック・ドムがMS隊やペガサスの対空砲火をくぐり抜け、ブリッジの目前に到達し、バズーカを構えた!!
「!!」
息を呑むブリッジクルーたち。しかし、その次の瞬間、そのリック・ドムはどこかから飛んできたビームに貫かれて爆酸した!!
「なんだ!?」
「本艦の上方、4時方向からMSらしきもの、接近……! これは……ジムタイプです!!」
「友軍か!? 識別信号は?」
「識別信号は……これは……ペガサスJr! ソフィーさんです!!」
そう。それはついに駆けつけてきたソフィーのジム・フリーダムだった。
* * * * *
―――どうにか間に合ったようだな。でもここからが本番だ。やっちまおうぜ!
―――はい! フリーダム・シルエット、展開します!
ソフィーの返事と同時に、ジム・フリーダムの背部のフリーダム・シルエットが展開する。そしてそれ同時に、俺の視界にFCSの照準スクリーンがオーバーレイした。俺がそれと同時に、ターゲットをロックオンしたのは言うまでもない。
―――落ちろおおぉぉぉ!!
俺が叫ぶと同時に、両肩部のビームランチャー、両腰のソリッドシューター、そしてビームライフルが一斉に発射!! それは敵のザクやドムを貫いていった。
それから少しして、ペガサスJr.から通信が入る。
「ソフィー、無事だったのか!?」
「はい。心配かけてすみませんでした。それより、時間がありません! 急いでこの空域から脱出してください!」
「なに、どういうことだ!?」
「連邦軍の一部隊が、核かそれに値する兵器で、この暗礁地帯を薙ぎ払おうとしているんです。早くしないと、みなさんも巻き込まれます。早く脱出を!!」
「なんだと!? そんな味方殺しに近いことを!?」
そこに、アムロからも通信が入る。
「ブライトさん、ソフィーさんの言っていることは正しいと思います。さっきから感じるんです。得体のしれない悪意が、この空域……いえ、僕たちを狙っていることを」
「アムロの言うことなら間違いはないかもしれないが……フラゥ、ワッケイン大佐のレナウンに通信をつなげ」
「了解!」
すぐに正面のスクリーンにワッケインの姿が映し出された。
「要件はわかっている。こちらにも通信が届いていたからな。それで、その話は信用できると思うかね?」
「はい。アムロ曹長も同じようなことを言っております」
「ニュータイプのお墨付きなら、間違いなかろうな。任務放棄になってしまうが、任務に固執して、友軍の卑劣な行為に部下や君たちをやられるわけにはいかん。我々も君たちと同調し、脱出しよう」
「了解しました。よし、MS隊に告ぐ! 敵の手薄なところに集中攻撃をかけて切り崩し、そこから突破、離脱する1!」
「了解!」
そして、ペガサスJr.とワッケイン艦隊は脱出に転じた。砲火とMS隊の火力を前方に叩きつけて、それで開けた穴に突入していく。
しかし、ジオン側はそれを許すまいと攻撃を仕掛けてくる。ソフィーやペガサスJr.がコレヒドールからの脱出をこの空域のジオン部隊に勧告しているが、ほとんどのジオン将兵は連邦の策だとして取り合わず、攻撃を仕掛けてくるのだ。
そして必死に脱出行を繰り広げる中……。
「ミサイル10発、確認!! あと5分でコレヒドールに着弾します!!」
「間に合うか……!?」
ミサイルが刻一刻と迫る中、ペガサス隊は必死に前方の敵を撃破しながら進んでいく。
アムロのガンダムがビームライフルとバズーカの二刀流で敵MSを撃ち落としていく。
ソフィーのジム・フリーダムが、フルバーストで多数のMSを撃破していく。
そして突破していく中、一機のドムがペガサスの上空から……!!
「させん!!」
そこに、ELSクァンタが、ドムに切りかかり、奴を一刀両断してくれた。助かった……!!
そして、やっとコレヒドールから脱出できたかどうかというところで……。
ついに、コレヒドールにミサイルが着弾!! 宙域を巨大な火球に包み込んだ!!
* * * * *
コレヒドールから離れた暗礁宙域に身を潜めている、ジャマイカンのピースメーカーの母艦艦隊。
その旗艦である黒いサラミスのブリッジの立つジャマイカンは、遠方に巨大な火球が膨れ上がるのをほくそえみながら見ていた。
「うまく言ったな。これで、バスク中佐の目論見の通りに……」
しかしその直後、そのジャマイカンの思惑を打ち破る報告が届いた!
「ま、待ってください、大尉、あれを!!」
「なに!?」
その火球から出てくる三つの影。それはまさに、ペガサスJr.とレナウン、そしてワッケイン指揮下のサラミスだった。間一髪、なんとか脱出に成功していたのだ。一隻足りないのは、おそらく間に合わずに轟沈してしまったのであろう。
その様子を見て、ジャマイカンはヒステリーになったように、わめくように命じた。
「えーい、死にぞこないめが!! ピースメーカー隊に連絡! あのゴキブリどもを始末せよ! このままではバスク中佐に顔が立たぬ!!」
「了解です」
そしてそこで副官があることを思い出し、ジャマイカンに耳打ちした。
「大尉。それで、クルーたちやピースメーカー隊はいかがいたしましょうか?」
「む、そうであったな。これにわしらが関わった証拠を残すわけにはいかん」
「わかりました。それではこちらで処分しておきましょう。ピースメーカー隊も、死にぞこないたちを始末した後で同じく」
「うむ、任せたぞ。それが済み次第、わしらはランチでこの艦を脱出する」
* * * * *
その数十分後、彼のサラミスからランチが一隻発進した。そしてその直後、息絶えたクルーたちを内部に残したまま、そのサラミスは謎の爆沈を起こしたのだった。それは彼の艦隊の他のサラミスやコロンブスも同じく、である。
* * * * *
さて、なんとかコレヒドールを脱出した俺たちは、エターナルと合流した。
その直前に、あのミサイルを発射したザクと交戦したが、相手はそれほど練度は高くなかったようだ。
ものの見事に、アムロのガンダムとソフィーと俺のフリーダム、そして刹那のELSクァンタに一蹴されたのだった。いや、本当に大した苦労はしなかった。さっきのコレヒドールの戦いに比べたら軽いもんだったとも。
さて、そんなことがあった後、ソフィーと俺たち、そしてペガサスJr.の面々とワッケイン大佐は、エターナルのラクス様たちに迎えられた。
「ご無事で何よりです。この武装商船エターナルの責任者を務める、ラクス・クラインですわ」
「連邦軍大佐、ワッケインです」
「ペガサスJr.の艦長、ブライト・ノアであります。助けていただき、感謝いたします。しかし、まさか連邦軍があんな非道な真似を働くとは……。これはただちにジャブローに戻って糾弾しなくては……」
ブライトさんがそう決意を固めかけたところで、ワッケイン大佐が悲痛な表情を浮かべて、それを止めた。
「それはやめたほうがいい。我らはその非道な行動の被害者、生き証人。その我々が連邦軍に戻ろうとすれば、黒幕は絶対に我らを葬りにかかるだろう。暗殺を含めた色々な手でな」
「……」
「暗殺とまではいかずとも、連邦軍の中には、君たちがジオンと共闘し友軍と戦っていたという噂が流れている。黒幕がそれらを捏造して君たちを反逆者として仕立て上げることも考えられる。連邦軍に戻るのは我々にとって自殺行為だ」
それを聞き、ブライトさんはさらに表情を沈ませる。そのジムに対するためとはいえ、その噂はほとんど真実だからだ。
「確かに……しかし、それではどうすれば……」
頭を悩ませるブライトさんとペガサス一同。そこにラクス様が提案を出してくれた。
「それでは、私たちと行動を一時ともにしてはいかがでしょうか?」
「あなたたちと……ですか?」
「はい。この戦乱には深い闇のようなものを感じるのです。それにここまで関わってしまった以上、もはや見て見ぬふりするわけにはいきませんわ。この闇を暴き、この戦いを終わらせねばならないと考えます。皆様もそれに協力していただければ幸いと思うのですが、いかがでしょうか?」
「……」
悩むブライトさん。やはり、古巣である連邦とことを構える可能性があることを思うと抵抗があるのだろう。
そこにソフィーが声をかけてやった。
「ブライト艦長、この人たちはいい方々です。彼女の言う通りだと思いますし、私もこの人たちに協力したいです」
「ソフィー……」
さらにアムロも。
「僕も同じです。邪魔者を敵ごと葬ることをよしとする奴らと一緒に戦いたくはありません」
カイは軽い口調ながら嫌悪感を込めて言う。
「俺もだぜ。戦っているときに背中をグサリなんてごめんだよ。ミハルと戦うことになるのは辛いけどな。まぁ、その時は説得すればいいだけの話だしよ」
その後、ハヤトからもミライさんからもスレッガーさんからもセイラさんからも、反対の声は上がらなかった。
そこでブライトさんはワッケイン大佐のほうを見る。彼は、苦笑しながら、首元から階級章をはぎとってうなずいた。
それでブライトさんの決意も固まったらしい。
「わかりました。助けられた恩もありますし、連邦の闇を晴らすにはそれしかないらしい。同行と協力に同意します」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いしますわね」
そこでラクス様は柔らかく微笑んだ。やれやれ、とりあえず話はまとまったらしい。
と、そこで俺はあることに気が付いた。この場にいるはずの人が一人いないのだ。
やはりそれに気が付いたのか、ソフィーが傍らのカイさんに聞く。
「あの……カイさん。ミハルさんはどうなさったんですか? この場にいないようですし、さっき……」
そう言うと、カイは顔を沈痛の表情にゆがめて言った。
「あぁ。お前があの戦いで戦死したと知ってな……。それでお前の仇を討ちたいと、別部隊に転属したんだよ……」
「……!!」
なんだって……!?
* 次回予告 *
敗残兵狩りからジオンの敗残兵を守ろうとするソフィーたち。だが彼女はそこで、衝撃的な再開をすることになる。
それは一年戦争が残酷さを増す兆候だったのか?
次回、『ラスティ·ハウンズ』
君たちは生き延びることができるか?
※次の更新は、5/4 13:00の予定です。お楽しみに!
テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?
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受け継いでてほしい
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受け継いでてほしくない