宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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ペガサスJr.とラグナレクは地球に戻ることになった。
ティターンズの手から、地球連邦正統政府を守るためである。

しかし、そのために大気圏突入をしようとしていた二隻に、狗と、そしてジオンが襲いかかった。
ルシアの働きでこれを切り抜けたものの、ペガサスJr.たちは強硬突入することになったのだった。


Re:Act.26 『ランバ・ラル再び』

 その荒野の町の酒場で、男は一人酒を飲んでいた。

 男は、主も理想も捨て、しかしなお理想を求めていた。主の変節、それによる戦いの悪化が彼にそうさせたのだ。

 

 なぜこんなことになったのか。

 新しい自分の主は誰か、新しい理想とは何か。

 

 それを自問自答しながら、男はさすらっていた。

 

 そこで、男の耳に届く音。聞き間違うはずもない。それは彼が今までに聞き慣れた音、MSの駆動音だからだ。

 男は苦笑を浮かべ、カウンターにコインを置いて立ち上がった。

 

「巨星の旦那……」

「私はもう青い巨星などではない。ただのランバ・ラルだ」

 

 そう言ってランバ・ラルは酒場をあとにした。かつての自分の異名のような青空が、今は何か皮肉に見えた。

 

* * * * *

 

 ペガサスJr.とラグナレクは無事に大気圏降下に成功した。いや、無事とは言えないな。

 言い直そう。なんとか大気圏降下に成功した。

 

 では、なぜ無事とは言えなかったというと、降下できたのはいいけど、ろくにコースの計算もせずに突入したので、降下位置が地球連邦正統政府のあるラサ近郊から大きくそれてしまったからだ。

 現在位置はイベリア半島のあたり。フラゥの計算によれば、何事もなければ、なんとか『ティターンズ』の襲撃前に、ラサにたどり着ける、とのことだ。

 

 ふと見ると、窓から下を見ているアムロが渋い顔をしている。あぁ、そういえば彼はこのあたりで母親と再会し、苦すぎる親離れ、もとい、決別を果たしたんだったか。

 

 そこで。

 

「艦長、近くの町の近くに戦闘の反応が!!」

「なに!? ジオンか『ティターンズ』の襲撃を受けているのか!?」

 

 ブライトさんがそう言ってすぐに、フラゥが報告を返す。

 

「どうやらそのようです! 町からジオン部隊の攻撃を受けていると救援要請が!!」

「むぅ……」

「どうするんだい艦長? 立ち寄ったらラサに着くのはかなりギリギリになるかもしれないが」

 

 スレッガーさんがそう軽い調子で聞くが、ブライトさんの答えは最初から決まっていたようだ。いや、みな同じ考えかもしれないが。

 

「確かにラサに向かうのは急がねばならないが、ジオンの襲撃している町を助けないわけにもいかん。ただちにその町に進路をとれ!!」

「了解!!」

 

 ミライさんがはっきりとした口調でそう返す。クルーたちも異論を唱えなかったところを見ると、やはりみんなもブライトさんと同じ考えだったようだ。

 

―――あなたも、でしょう? 居候さん

―――まぁな。

 

* * * * *

 

 そのころ、一宿一飯の恩義を受けた町を守るため、グフ・カスタム一機でジオン部隊と渡り合っていたランバ・ラルは苦境にあった。

 ガトリングと盾が装備された左腕は既に破壊され、ヒートソード一本で戦いぬいてきた。ジオンを抜けてからメンテ不足に加え、激しい戦いによる消耗と損傷で機体にガタが来ていて、メインモニターも時々映像にノイズが入るようになった。

 

 そこでジオンの隊長からの通信が入る。

 

「ランバ・ラル大尉、軍に戻り、この町の攻略に力をお貸しください。総帥も、軍に戻れば今回のことはなかったことにしようと言われておいでです」

「好意はありがたいが、だがお断りする。このランバ・ラル、朽ちていても腐ってはいない。一宿一飯の恩義を捨てるほど薄情ではないのでな」

「そうですか……残念です」

 

 そして通信は切れた。

 

 そしてジオンのMSたちが一歩を踏み出した。

 最後の戦いが迫る中、ランバ・ラルはふと苦笑をもらした。

 

「我が戦いの人生もこれで終わるか……。しかし、かつて地球を攻撃していた私が、地球の町を守るために戦って果てるとは……ふふ、それも悪くない」

 

 その彼の苦笑を知らず、ジオン軍のザクやドムがさらに一歩を踏み出す。それでも、ランバ・ラルのグフは退く気配を見せなかった。

 

 そこで!!

 

 迫っていたザクの一機が上空からのビームで撃ち抜かれて爆散した!

 

* * * * *

 

 町の付近に到着した俺たちの目に映ったのは、一つの町をめぐり、ジオンのMS同士が対峙している様子だった。

 仲間割れか?……ってあれもしかして、ランバ・ラルのグフ・カスタムじゃねーか。彼が町を守ってくれているのか?

 

「どうやら間に合ったようだな。MS隊ただちに出撃! あのグフに助力し、ジオンを撃退するんだ!!」

「了解!!」

 

 さらにラグナレクからも通信が入る。

 

「私も出よう。白い悪魔と赤い彗星、二人が並び立てば、奴らも大いに萎縮するだろう」

「わかりました、お願いします」

 

 そして、すぐさま、ペガサスJr.からアムロのガンダムにソフィーのフリーダムをはじめとしたMS隊。そしてラグナレクからシャアのゲルググと彼の部下のドムが発進していった。(ララァはラグナレクには同乗していない。宇宙にいるフリーダムでシャアの帰りを待つ、とのことだ。エルメスは地上では使えないから仕方ない)

 

 そして、シャアの狙い通り、ガンダムと赤いゲルググを見たジオン軍は大きく動揺したようだ。

 

「し、白い悪魔と……赤い彗星だ!!」

「馬鹿者、陣形を崩すな!!」

 

 そんな中、まずシャアのゲルググがドダイから飛び降り、ツイン・ビームソード(ビーム・ナギナタ)で、二機のドムを一刀両断した! さらにアムロのガンダムが、シャアの背後から襲おうとしていたザクをビームライフルで撃ち抜き、さらに着地ざまにもう一機のドムを両断した!!

 

 それで、奴らは混乱に陥ったらしい。そりゃそうだ。白い悪魔と赤い彗星が目の前に現れ、友軍機に対してそんな衝撃的な攻撃をしてきたら、俺だってパニックに陥る。

 今のでジオンの部隊は統制をほぼ失い、烏合の衆と化した。その中に俺た

 

―――居候さん!!

―――……。

 

 俺達、もといソフィーたちも飛び込み、乱戦に加わっていく。

 EWACSジム(仮)のハヤトが、ビームライフルを撃ちながら、見事な指揮管制を行い。

 乱戦の外側に着地したカイのガンキャノンが支援砲撃。

 

 ソフィーのフリーダムもビームライフルやビームサーベルで奮戦する(もちろん、俺もソリッドシューターで援護だ)。

 

 暴れまくるアムロとシャアは言うまでもない。

 

「おのれ……だが、退けば死! ここで退くわけにはいかん!!」

 

 その中、隊長機と思われるゲルググが、シャアのゲルググに襲いかかった。実弾ライフルを撃ちながらシャアのゲルググに突っ込み、そしてツイン・ビームソードで斬りかかる!!

 さすが隊長というべきか。敵のゲルググは実弾ライフルを撃ち、ツイン・ビームソードで斬りかかり、荒削りながらも怒涛のような攻めをシャアに繰り出す。本当に流石と言うべき。一般兵なら……いや俺でも、こんな激しい攻めを受けたら、たちまちのうちにやられてしまいそうだ。

 そんな攻撃を、シャアはある時はバックステップで、またある時はジャンプで、かわし、受け流していく。驚くべきことに、ツイン・ビームソードで受け止めるようなことは一度もしていない。化け物かよ、いや化け物だったわ。

 

「なかなかやるようだが……ツイン・ビームソードの扱いがまだまだだな。ツイン・ビームソードとはこう使うものだ!!」

 

 そしてその攻撃の隙をついて、シャアがツイン・ビームソードを一閃!! ゲルググの両腕を切り落とした!!  そして華麗に流れるようにくるりと身を翻し、コクピットにビームの刃を突き刺し、それでゲルググは沈黙した。

 

 これがジオンの奴らの士気を崩壊させたのか、残った兵士たちは機体を捨てて逃げ去っていくのだった。

 

* * * * *

 

 戦いが終わり、ブライトさんはランバ・ラルをペガサスJr.のブリッジに招き入れた。

 

「我々がたどり着くまで、あれだけの部隊を相手に持ちこたえるとは。まだその実力は錆びついてはいないようだな、青い巨星」

 

 感心したようにそう言うシャアに、ランバ・ラルはかすかに表情を緩ませて応えた。

 

「そうでなければ、二つ名を持つエースは務まらないのではありませんかな? 赤い彗星」

「確かにな」

「それに、あなたのほうこそ鮮やかな戦いぶりでした。ルウムからさらに腕を磨いたようですな」

「とんでもない。私はまだまだ若輩だよ」

 

 そこで軽く笑い合う二人。そこで、ランバ・ラルが思慮深い顔を見せた。何か感慨深さも感じる。

 

「それに、私自身も驚いているのです。一宿一飯の恩義がある町とはいえ、何かを守るためにあれだけの力が出せるとは」

「ラル大尉……」

 

 そこでランバ・ラルはペガサスJr.のクルー一同を見渡して、感心したような、得心したような表情と声色で言った。

 

「少年をはじめとしたあなた方木馬の面々が、なぜあれほど強かったのか、わかったような気がします」

 

 そこでシャアはブライトさんのほうを見た。ブライトさんが、何かを認めるかのようにうなずく。それを確認するとシャアは、ヘルメットを脱いでマスクを外し、その素顔をさらした。そして。

 

「ランバ・ラル。ジオンの軍人、赤い彗星、シャア・アズナブルとしてではなく、ジオン・ダイクンの子、キャスバル・ダイクンとしてお願いする。どうか私たちに力を貸してはもらえないだろうか」

 

 そしてランバ・ラルに向かって一礼する。

 

「キャスバル様の名前を出されては、私に否やはありません。喜んで力をお貸ししましょう。ただ、一つだけ条件があります」

「条件……?」

 

 そしてランバ・ラルが出した条件。それは……。

 

* * * * *

 

 戦いのあった町の郊外。そこで二機のジム(ともに予備機だ)が対峙していた。そのうちの一機にはアムロ、そしてもう一機にはランバ・ラルが搭乗している。

 そう、ランバ・ラルが出した条件とは、アムロとの一騎打ちだったのだ。さすがに模擬戦ではあるが。

 

「本当にやるんですか? ラルさん。模擬戦とはいえ……」

 

 そうソフィーがランバ・ラルに問いかける。そう、これはランバ・ラルの気持ちの問題。本来する必要のない戦いなのかもしれない。模擬戦とはいえ、何かの間違いでどちらが死ぬことになるかもしれない。

 だが、ランバ・ラルに迷いはなかった。

 

「あぁ。馬鹿なことをと思うだろう? だが私にはこれまで君たちとやりあってきた経緯がある。そのケジメをつけなければならんのだよ。それに、少年との決着をつけたいという気持ちもある。それが大人であり、何より戦士というものだ。つくづく、戦士という人種は御しがたいな」

 

 そこでランバ・ラルはひとしきり笑った。そして。

 

「では行くぞ、少年。準備はいいか?」

「は、はい」

「勝負だ!!」

 

 そして決闘ははじまった。

 

* * * * *

 

 すごいの一言だった。

 

 ランバ・ラルのジムの攻撃を、ニュータイプ能力フル活用でさばきながら反撃していくアムロもさすがながら、そのアムロの反撃をかわしながら、乗りなれないはずのジムを自在に駆って攻め立てていくランバ・ラルもさすがだ。青い巨星の名は伊達ではない、ってところか。

 

 アムロ(のジム)が振るった模擬戦用の剣(刃はない)を、ラル(の駆るジム)が盾で受け止める。反撃でラルが突き出した剣をアムロがバックステップでかわし、ビーム・スプレーガンでペイント弾を撃つ! それをラルはなんと剣で薙ぎ払った。そして同じくペイント弾で反撃!!

 アムロがそれを横に飛んでいってかわし、ペイント弾を撃つ。それをラルがかわしたところで、そこに狙いすましたかのように一撃。そのペイント弾をラルは盾で防いだ。盾がペイントで染まる。

 

「すげぇ……俺たち、あんな化け物とやりあってたのか……?」

 

 そうカイがあっけにとられたような感じで言う。本当にそのとおり。オデッサではじめて戦った時もそうだったが、本当に化け物すぎる。

 

―――本当にアムロさんもすごいですけど、ラルさんもすごいですよね……。

―――あぁ。よくオデッサであれだけ持ちこたえられたもんだ。

 

 しかし、さすがにニュータイプとして覚醒しているアムロと、ニュータイプではないランバ・ラルではわずかにしろ実力に差があるということか、そのうち、アムロが攻め、ランバ・ラルが守る展開が増えてきた。それどころか、危うく一撃をもらいそうになるところまで出てきたのである。

 

「さすがは白い悪魔ということか……。だが私も青い巨星。ここでそのままやられるわけには……いかん!!」

 

 そしてランバ・ラルはアムロのジムに向けて突進した。アムロのジムのペイント弾を、ある時は飛び交わしながらかわし、またある時は盾で防ぎながら迫る。

 そして接近戦の距離になったところで、アムロが剣を突き出した。しかし、それこそがランバ・ラルの狙いだった! 剣が右腕を捉えた。その衝撃をランバ・ラルのジムのシステムが感知し、右腕の機能を停止させる。右腕をやられた扱いだ。

 しかし彼はそれでも勝負を諦めてはいなかった。左腕の剣を切り上げるようにふるって、アムロの左手から剣を弾き飛ばしたのだ!!

 

「もらった!」

 

 そして返す刀で剣を振り下ろす。それがアムロのジムを捉えればランバ・ラルの勝ちだ。

 しかし。

 

「斬り捨て、ごめ……何!?」

 

 ジムからもれる、ランバ・ラルの驚愕の声。そう、アムロは、なんとその剣を真剣白刃取りしたのだ!!  そして蹴り飛ばすと、コクピットに向けて剣を突きつける。

 

 そして、一瞬の沈黙。

 

「勝ったと思ったが、まさか白刃取りという手で切り返してくるとはな。これでは私が勝てぬわけだ」

 

 その声に、悔しそう、残念そうな気持ちはあったが、後悔は感じられなかった。

 彼にアムロが返す。

 

「それはあなたがいてくれたからです。あなたに言われた『MSの性能で勝ったのを忘れるな』。その言葉を、それに感じた悔しさを糧として、いつかあなたを超えるために力を磨いてきたんです。あなたは……僕が乗り越えるべき、父親のような方でした」

「父か……。息子に超えられるのも、また父の宿命か。だが悪い気はしないな。それでは息子がどこまでやれるか、そばで見届けさせてもらうとしようか」

 

 ランバ・ラルのジムが立ち上がろうとする。そこにアムロのジムが差し伸べた。

 

 その父子の姿を、夕日が美しく照らし出していた。

 




ついに、ペガサスJr.はラサへと到達した。
しかし、ジャマイカンは野獣を用いて、正統政府を葬ろうとする。

その時、ペガサスJr.たちを救ったのは……?

次回、『地球連邦正統政府不正規隊』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、6/22 13:00の予定です。お楽しみに!

※作者の就職が決まったので、これからは更新日がずれたり不定期になるかもしれません。そうなったら申し訳ありません(汗 でも未完結にならないように頑張ろうと思っています。

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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