宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。


Re:Act.27 『地球連邦正統政府不正規隊』

 俺たちペガサスJr.とラグナレクの艦隊は、ランバ・ラルを迎え、大急ぎでラサに向かっていた。

 

 軍の急戦派の連中が立ち上げた『地球連邦救国評議会』の軍『ティターンズ』の部隊が、『地球連邦正統政府』のあるラサを襲おうと動いている。それを迎え撃ち、奴らの思惑を砕かなくてはならない。

 艦隊は少し無理をしながらラサに向かっていた。急がなくてはならない。現在、正統政府には戦力はない。ティターンズがラサに襲えば、そこでゲームオーバーだからだ。

 

 の、はずなのだが……。

 

「艦長、ラサの市街地にMS(モビルスーツ)の反応! 識別反応はティターンズのものです!」

 

 レーダー手のオスカーの報告に、ブライトさんがうなる。間に合わなかったのか……!?

 

「むぅ、もう始まっていたか……! 首脳部は無事なのか!? すぐにラサに通信を! MS隊はすぐに発進だ!!」

「了解!!」

 

 ブライトさんの号令一下、ソフィー(と俺)たちは一斉に、ブリッジを走り出た。それからすぐに、ソフィーのフリーダムやアムロのガンダムをはじめとしたペガサスJr.のMS隊、刹那のELSクァンタ、そしてラグナレクからシャアのゲルググと、ランバ・ラルのグフ・カスタム(あれから予備パーツで修復されたのだ)、そして部下のドムが発進していく。なお、どの機体にも、リフターの完成版が装備されているのは言うまでもない。

 

* * * * *

 

 周囲の施設を破壊しながら、ジムの部隊が前進する。破壊しながら進むのは、救国評議会に抵抗する者への見せしめの意味もあるのだろう。

 

 そしてジムの一機が、ラサの中央部、かつてのラサ市庁舎……現在は正統政府の庁舎となっている……の近くまでやってきた。正統政府の瓦解は目前に迫っていたのだ。

 地球連邦正統政府の大統領、マリナ・マーセナスは不安げな表情で、迫りくるジムを見つめていた。その瞳にわずかながらの希望を秘めて。

 

 その時!

 

 そのジムが突然、頭部を吹き飛ばされて擱座したのだ。そこに、政府閣僚の一人、フレーゲルが大統領執務室に駆け込んで言う。

 

「援軍だ! 援軍が駆けつけてきてくれたぞ!! やはり高貴な者には助けの手が差し伸べられるのだ!!」

 

 そのフレーゲルの言葉は、マリナに届いていなかった。彼女の瞳には、件のジムを倒した一機のMSが接近するのが映っていたからだ。

 

 彼女と少なからぬ縁のある機体を見つめて、彼女はつぶやく。

 

「刹那……」

 

* * * * *

 

「マリナ……間に合ったか……」

 

 フリーダムのコクピットに、刹那の安堵の声が届く。だがすぐにそれは、険しいものに変わる。

 

「よし行くぞ!! ティターンズの奴らを、この町から追い出すんだ!!」

 

 その刹那の言葉に、ソフィーがすぐに返す。

 

「了解!」

「よし、刹那・F・セイエイ、ティターンズのMSを駆逐する!!」

 

 そして突っ込んでいき、残り二機のジムを剣で切り払って沈黙させる。さすが刹那だ。俺たちも負けてられないな。

 

「どうやら、あの部隊だけが先行していたようで、残りの部隊はそう深くまで侵攻していないようだな」

 

 そうランバ・ラルが分析し、それにハヤトが指示を下す。

 

「よし、それなら奴らの前方に展開、敵を町の郊外まで押し出して撃退するぞ!!」

「了解!!」

 

 ハヤトの指示にアムロがすぐさま応えて、Gファイターに乗ったガンダムを突進させる。そして飛び降り、ジムをビームサーベルで一刀両断する! それはまさに、第一話でデニムのザクをビームサーベルで一刀両断したあのシーンの再現のようだった。

 

 それを見た他のジムたちがうろたえる。

 

「し、白い悪魔……!!」

「油断は禁物だぞ、無法者たちよ!!」

 

 そのジムたちの背後にランバ・ラルのグフ・カスタムが着地し、ヒートサーベルで一刀両断!

 シャアのゲルググやソフィーと俺のフリーダムも、着地し次第攻撃を開始する。

 

 シャアのゲルググがビームライフルとビームナギナタで大立ち回りを演じ、ソフィーのフリーダムも空中を舞いながらビームライフルを撃ち、ビームサーベルで薙ぎ払っていった。

 

 しかし、奴らが動揺していたのは、少しの間だけだった。さすがに正統政府の拠点を落としにくるだけあって手練ればかりということか。すぐに立ち直って応戦してくる。

 

 戦場はどんどん郊外のほうにうつっていきながらも、乱戦になった。

 

* * * * *

 

 ミデアの一機に乗ったジャマイカン・カニンガン大尉は、戦況に歯噛みしていた。こんなこともあろうかと手練ればかりを編成していたのが幸いしたが、それでも戦線は硬直、いやむしろ押されていたのだ。

 

「ぬぬぅ……奴らめ……。空挺、準備はできたか!?」

 

 すぐさま、野生味を感じた声がかえってくる。

 

「こちらヤザン隊、いつでもいけるぞ!!」

「よし、奴らが主力隊に意識を向けている隙をついて降下、勝負を決めてこい!!」

「了解した!!」

 

* * * * *

 

 それからソフィー(と俺)たちは、ティターンズの奴らを町の郊外まで押し込んでいた。

 こちらにはアムロとシャア、そしてランバ・ラルという三枚看板がいるおかげで、戦いは大いにこちらに傾いていたのだ。さすがに手練れということもあり、そうかんたんに崩せそうもないが、このぶんでは、奴らを追い払うことは難しくないだろう。

 

 ……だがなぜだろう? ニュータイプの勘というものなのか、俺は心の片隅に言いようのない不安が巣食うのを止められなかった。

 そしてそれは現実のものとなったのだ!!

 

 それは、ペガサスJr.のMS隊の指揮をとる、EWACSジムを駆るハヤトからの警告だった。

 

「これは……!?」

「どうした、ハヤト?」

 

 アムロの質問に、ハヤトは愕然とした口調で返した。

 

「このラサに向けて、HLVが降下してきているぞ! このコースでは、ラサの反対側の郊外に着陸する!!」

「なんですって!?」

 

 ソフィーが声をあげる。見ると確かに、一つの光点が降下してきているのがわかった。

 そしてそれと同時に、俺たちと戦っているGMたちが攻勢を増してきた。俺達にやられないように、だが俺たちを逃さないように。

 その狙いは俺でもわかる。あのHLVの邪魔をさせないように、ここに釘付けにするためだ。

 

「くそ、奴ら、俺たちをここまでおびき出すのが狙いだったのかよ!?」

「いや、それにしては最初の方の、連中の攻勢は本気のようだった。それすらも欺瞞か、それとも俺たちの戦いを見て、それで作戦を変更することにしたのか……」

 

 カイの言葉に、ハヤトが焦ったようにそう返す。それにアムロも震える声で同意を示した。

 

「そうですね。でも、今はそれは重要なことでは……」

 

 そうしているうちに、ついにHLVがラサの郊外に着地した!!

 

* * * * *

 

 着地したHLVから出てきたのは三機のジムだった。そのうちの一機に乗る男が僚機たちに通信を入れる。

 

「無事に着地に成功したな。ラムサス、ダンケル、機体の具合はどうだ?」

「こちらは問題ありません、ヤザン少尉」

「こっちも大丈夫です、はじめましょう。少尉」

 

 部下たちの報告を受けたヤザン少尉は、満足そうにうなずくと、野獣のような表情を浮かべ、部下たちに号令を飛ばす!!

 

「よーし。主力の連中には貧乏くじ引かせて済まないが、おいしいところは俺たちがいただかせてもらうぞ!! 任務開始だ!!」

 

 そして三機のジムは一斉にラサ中心部、地球連邦正統政府の庁舎に向けて走り出した!!

 

* * * * *

 

 三機の新手が町の中心部に向かっている中、俺たちはいまだに、ティターンズのMS隊と激闘を繰り広げていた。

 奴らの攻撃は激しく、それでいて無理をすることもなく、俺たちはなかなか新手のほうに向かう隙を見いだせなかった。このままでは……!

 

「このままでは、奴らに政府を制圧される……! 誰か、駆けつけられる者はいないか!?」

 

 ハヤトから悲痛な通信が入る。しかし、返ってきた返事も悲痛なものばかりだった。

 

「ごめんなさい、僕は無理です!」

「私とスレッガーさんも無理みたい。ペガサスJr.にも戦闘機隊が襲いかかってきてるの。そいつらの相手で手一杯だわ」

「隙ができれば、量子ジャンプで駆けつけられるのに……! くそ、マリナ……!!」

 

 刹那からの悲痛な叫び。

 そしてついに、新手が、政府庁舎と目の鼻の先まで迫ってきた。万事休すか……!?

 

 その時!!

 

 どこかから飛んできたキャノン弾が、ジムの一機の頭部を直撃!! 吹き飛ばした!! 一体なんだ?

 

* * * * *

 

 キャノン弾が飛んできたほうを見ると、そこにはキャノン砲を構えた一機のMSがいた。

 

 よく見ると……それはガンダムだった。あちらこちらを他の機体のパーツで間に合わせたのかちょっと不格好ではあるが、それは確かに陸戦用ガンダムだった。かく座されて放置されていた機体を修復したのだろうか?

 

 さらに、そのガンダムの周囲から対MSライフルやバズーカが発射され、ジムたちを襲う!! ガンダム(のパイロット)に率いられたゲリラか何かだろうか。

 その攻撃にさらされ、新手のジムたちは足止めをくらい、それ以上の進撃を止められていた。

 

 その様子に、俺たちと戦っている奴らも動揺しているようだ。そしてそれが起死回生のきっかけとなった!!

 

「今だ!!」

 

 刹那のクァンタがジムの一機をGNソードで一刀両断!! 次の瞬間には粒子となって消えた。隙をついて量子ジャンプしたのだ。

 

「何!?」

「目標を駆逐する!!」

 

 そして次の瞬間にはELSクァンタの姿は、政府庁舎の直近、頭部を吹き飛ばされたジムの目前にあらわれていた。そしてそのままソードを薙ぎ払う!!

 

「う、うわぁ、少尉ぃ!!」

 

 刹那の刃は、ジムの胴体を一刀両断。パイロットの断末魔とともに爆散させた。

 

 もう一機がマシンガンをクァンタに乱射する。だがクァンタはそれをソードで防いだりかわしたりしながら、さらにGNソードを振るう!! それによって、ジムは右腕を切り落とされた。命の危機を感じた奴はすぐさまバックステップで後退する。

 

「なんて奴だ……。やむをえん。ここは撤退するぞ!!」

 

 このまま戦えばやられると判断したのだろう。隊長機らしきジムは元来た方向に撤退していった。その後を追い、部下のものらしき腕を失ったジムも逃げていった。

 

 その頃には俺たちのほうも、戦況がこっちに圧倒的に傾いていた。

 

「もらった!!」

 

 アムロのガンダムが、ビームサーベルでジムを袈裟斬りにする。

 

「居候さんっ!!」

―――おうっ!! 落ちろおぉぉぉぉ!!

 

 ソフィーのフリーダムが上空に飛び上がり、フルバーストで敵を殲滅していく。

 

「青い巨星の名、まだまだ健在だということを見せてやろう!!」

 

 ランバ・ラルのグフ・カスタムがガトリングをジムに浴びせ、もう一機のジムに突進し、ヒートサーベルで一刀両断にする!!

 

 それからもソフィーたちの猛攻は止まらず、ついに奴らも撤退を開始したのだった。

 

 それを見送る俺たちのもとに、あのガンダムから通信が入った。それは聞き覚えのある声だった。

 

「久しぶりだな。みんな、相変わらずのようで何よりだよ」

 

―――その声は……。

「シロー隊長!?」

 

 そう、かつて俺たちとともに戦った第08MS小隊のシロー・アマダ隊長だった。

 そしてガンダムの胸部ハッチが開いて出てきたその姿も、まさにシロー隊長その人だったのだ。

 

* * * * *

 

 戦いを終えた俺たちは、地球連邦正統政府の面々に迎え入れられた。

 

 閣僚たちの一人、きのこのような髪型の男が称賛の言葉を送ってくれた。

 

「おおっ! よくやってくれた民主主義を守る騎士たちよ! 君たちなら必ずやってくれると思っていたぞ! やはり高貴な私の見た目に間違いはなかった!!」

「はぁ……」

 

 きのこ男……正統政府の広報担当の大臣、フレーゲル議員というらしい……の話に、ブライトさんがたじろいでいる中、俺たちはシロー隊長……いや、元隊長か……と再会を喜び合っていた。

 

「そうですか。ゲリラに入って……」

「あぁ。そのまま静かに暮らすつもりだったんだけどな」

 

 そう言ってシロー隊長は苦笑した。なんでも、彼とアイナさんがお世話になっている村にも、地球連邦救国評議会とティターンズによる弾圧の手が及んできた。それにいたって、MSの操縦が可能ということもあり、自警団から発展したゲリラに参加することになったんだそうだ。

 

「それで奴らが、正統政府のあるラサを攻めようとしているという情報を得て、守りに来たというわけなんだが……まさかそこで君たちと再会できるとは思わなかったよ」

「私もです……。でも、お元気そうでよかった」

 

 また別の方向では、マリナ女史と刹那が見つめ合っていた。

 

「刹那……」

「マリナ・マーセナス……あなたの前世で俺が言えなかった言葉を言わせてほしい」

「はい……」

「対話のために戦い続けてきてわかった。あなたが正しかった」

「ありがとうございます……。私は、前世の記憶でしかあなたのことを知りません。ですが、私の心のどこかが言っています。嬉しいと……」

 

 そこで、一人の男がソフィーたちのところにやってきた。って、あの人はガンダムUCに出てきたローナン・マーセナスじゃないか。リディの父親だ。

 

「ペガサス隊の諸君、それにゲリラの諸君、助けてくれて感謝する。それで改めて君たちに依頼したいことがある。会議室に来てほしい」

「あ、はい、了解しました」

 

 そして一同は、ローナン氏に案内されて会議室に入っていった。

 そこで彼から語られたのは……。

 

「我々を正統政府の軍に……ですか?」

「そうだ。我々地球連邦正統政府には現在、戦力はない。今回は君たちが来てくれたおかげで助かったが、もし今度同じことがあれば、我々が無事でいられる保証はないだろう。そこで君たちやゲリラの諸君を我々の軍として迎え入れたいのだ」

「なるほど……。ただ……」

 

 ブライトさんが眉を潜めた。こちらにはある懸念事項があるのだ。

 それを読み取ったローナン氏が再び口を開いた。

 

「わかっている。君たちのもとにいるドズル・ザビ氏や、ともに戦ってくれたシャア大佐やランバ・ラル少佐のことだろう。ジオンと袂を分かち、抜けてきたのなら、同志として受け入れることに問題はない」

「それはよかったです」

 

 その後、話が詰められ、ソロモン近海で俺たちが助けたジオンの敗残兵たちも、正統政府軍の兵士として受け入れられることになった。宇宙にいるエターナルとレナウンも正統政府軍に受け入れられたことは言うまでもない。

 そして俺た

 

―――居候さん!!

―――……。

 

 もとい、ソフィー(と俺)たちの船、ペガサスJr.は、正統政府軍の独立機動艦隊『不正規隊(イレギュラーズ)(命名フレーゲル氏)』として編成されることになった。エターナル、レナウンも同じく不正規隊に編入された。シャア大佐のラグナレクは、キシリア派(仮名)からの出向扱いとして、やはり不正規隊に編入されるそうだ。

 

 さて、こうして地球連邦正統政府軍に所属することになった不正規隊だが、さっそく初任務が与えられることになった。それは。

 

「南洋同盟に、ですか?」

「あぁ。君たちやジオン兵たちを受け入れたとはいえ、いまだ我々の軍事力は貧弱だ。このままでは、救国評議会に対抗するのは不可能だろう。そこで、旧地球連邦に所属していた勢力の中で有力な勢力の一つ、南洋同盟。彼らを取り込むか、同盟してその力を借りることで活路を開きたいと思う。そのための交渉に行くさいの護衛をお願いしたい」

「わかりました。ですが、その間のラサの守りはどうします?」

「うむ。シャア大佐のラグナレク、及びそのMS隊にお願いしようと思う。赤い彗星と青い巨星、そしてシロー中尉の元ゲリラの歩兵部隊がいれば、なんとか持ちこたえることができるだろう。ジオンとも対峙している現在、ティターンズもそう簡単に大軍を出すことはできないだろうからな」

「了解しました。不正規隊、交渉団の護衛を務めさせていただきます」

 

 そして俺たちの新たな戦いがはじまろうとしている……。

 




不正規隊(イレギュラーズ)に編入されたペガサスJr.は、交渉のために南洋同盟へと向かった。
しかしそこでは、ティターンズの罠が待ち構えていたのだ。

次回、『南洋同盟へ』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、6/29 13:00の予定です。お楽しみに!

※作者の就職が決まったので、これからは更新日がずれたり不定期になるかもしれません。そうなったら申し訳ありません(汗 でも未完結にならないように頑張ろうと思っています。

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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