宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

28 / 45
宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

ペガサスJr.はラサの救援に成功した。
そして彼らは、正統政府の独立機動艦隊として編成され、南洋同盟へ向かうことを命じられる。

彼らの新たな旅が再びはじまる。




Re:Act.28 『南洋同盟へ』

「ネズミどもの様子はどうだ?」

 

 地球連邦救国評議会正規軍・ティターンズの司令室。そこでティターンズの総帥ジャミトフは、ペガサス隊の動きを追跡している部下にそう尋ねた。

 

「はい。ラサを出て、そのまま南に向かっているようです。進路からして彼らの行き先は……」

 

 レーダーを見ながら報告する部下に、ジャミトフは得心したようにうなずいた。

 

「インド……南洋同盟か。おそらくは、かの勢力の力を借りるため、交渉に向かうつもりなのであろう」

 

 そこでジャミトフは口元を歪めた。

 

「だが彼らにとって不運なのは、南洋同盟が既に我らに屈したことを知らなかったことだな。ふふふ……」

 

 そう、既に南洋同盟は救国評議会そしてティターンズの圧力や脅しに屈し、彼らの支配下に入ってしまっていたのだった。

 そして、ジャミトフは通信員のほうを振り向いて口を開いた。

 

「よし、南洋同盟の連邦政府領事館に連絡せよ。南洋同盟首脳部を動かし、ネズミどもを処理せよ、と。奴らがいなくなれば、正統政府を名乗っている小物どもなど、どうとでもできる」

「ははっ」

「それと、バスクにも回線をつなげ」

「はい」

 

 通信オペレータがコンソールを操作すると、通信スクリーンに、彼の腹心であるバスク・オムの姿が現れた。

 

「ご無沙汰しております、閣下。そちらでは色々大変なようですな」

「まぁな。だが、これぐらいどうということはない。それはそうと、宇宙のほうはどうだ?」

「はっ。今の所、ジオン側に大きな動きはありません。何か企んでいるうえに、奴らのほうも獅子身中の虫が騒いでいるようですな」

 

 バスクの報告を聞き、ジャミトフは満足そうにうなずいた。

 

「そうか。ということは、奴らはすぐには動かないと見ていいな?」

「はい。分析チームも同じ分析結果を出しております」

「うむ。それでは……」

 

* * * * *

 

 一方、南洋同盟首都デリー。そこの首相府では地球連邦からのある通達について、会議が紛糾していた。

 

 閣僚の一人がテーブルを叩いて激昂する。

 

「連邦政府はどういうつもりなのだ! 旧連邦に所属していたとはいえ、我々は独立した一勢力。それに対して強圧的に軍事行動を命令するなど!」

 

 それに対し、もう一人の閣僚が、悄然した様子で返す。

 

「しかし、我々は既に救国評議会とティターンズに屈した身。私としても彼らの態度に対して思うことがないわけではありませんが、その要請に従わないわけにはいきますまい。それに、今やこの地球圏を席巻する勢いの彼らと、彼らに比べれば取るに足らない小勢力である正統政府。どちらに従うべきか、考えるまでもないでしょう」

 

 それに、他の閣僚もうなずく。

 

「確かに。それに、もし彼らに逆らえば、ティターンズは必ずやその圧倒的な力を、この南洋同盟に対して振るうかもしれませぬ。そうなれば、この南洋同盟はおしまいです」

「むぅ……」

 

 そう言われて、激昂していたタカ派閣僚も、言葉を失って座り込んだ。

 

 それから少しの沈黙。やがて、南洋同盟政府を束ねるマガディ首相が口を開いた。

 

「地球連邦救国評議会の要請に従うことにする。地球連邦救国評議会の怒りを買い、多くの国民の命を犠牲にすることは避けなければならん」

「わかりました……」

 

 多くの議員が、苦渋の表情で首相の決定に同意を示す中、マガディ首相は一人の閣僚が思慮深く何かを考えているのに気づいた。

 

「どうしたのかね? ダハード大臣」

 

 首相に問われた一人の若き閣僚、ダハードがその表情のまま口を開いた。

 

「いえ。ただ憂慮しているのです。このままでは、結局我らは救国評議会の駒として使い潰されるだけなのではないかと……」

「だがこれは仕方ないことなのだ。国民の命を犠牲しないためにはこれしか道はない。わかってくれたまえ」

「はい。わかっております」

 

 それで会議は解散した。

 

* * * * *

 

 会議室を出たダハードに、一人の秘書が近づいてきた。

 

「どうした? 何か特筆すべき調査結果があるのか?」

「はい。良い結果と悪い結果の2つがありますが、どちらからお聞きになりますか?」

「……それではまず悪いほうから聞こうか」

 

 答えを聞いた秘書が、レポートの一枚を手にとって報告をはじめる。

 

「はい。先日の国民の意識調査の結果、我が南洋同盟が救国評議会との屈従外交に甘んじていることについて、反対の意見が7割を超え、8割に届こうかという勢いになっています。また、それにあわせてデモの回数が先月から8割も増えました」

「……戦時中でなければ、選挙で負けて、政権が倒れてしまうところだな。いや、今まで革命が起こらなかったことが奇跡か」

「首相の穏やかな人柄によるものでしょうな。もっとも、人柄でこの厳しい時代を渡っていけるほど、この世界は甘くはありませんが」

「真理だな。それで、良い報告は?」

 

 そこで秘書は、にやりと笑みを浮かべた。それは、起死回生の一手を見つけたという表情であった。

 

「はい。地球連邦正統政府からの特使がこちらに向かっている、というのはお聞き及びだとは思いますが」

「あぁ。先程の会議でもそれについて大盛り上がりだったよ。そういえば、救国評議会からはどんな船かは聞かされなかったが」

「はい。その特使が乗っている船ですが……ペガサスJr.だということが判明しました。かの木馬と言えばおわかりになると思いますが」

 

 それを聞いて、ダハードの表情に微笑みが戻った。

 

「木馬……かの白い悪魔がいる艦か。あの艦がいるとなれば、正統政府が救国評議会に対抗できる目が出てくるかもしれないな」

「はい」

「とはいえ、既に攻撃は決定したことだし、何より木馬が参画したからとはいえ、それで正統政府が救国評議会に勝てると決めつけるのも楽観的すぎる」

「それで正統政府と組んでしまい、彼らが負けてしまえば、我らも一蓮托生ですからね」

「あぁ。ここは考えどころだ……」

 

 そしてしばし考え込むダハード。それを秘書は黙って見つめ続けている。

 

「よし、『僧正』に伝えろ。木馬を見定め、それで彼らに希望が見いだせたら、彼らを支援せよ、と」

「なるほど。我らが表立って支援することはできないから、ということですか」

「そういうことだ。それに木馬を試す意味もある。僧正なら相手を見誤ることがないだろうし、木馬がわが軍の攻撃を退けることができれば、彼らと手を組む選択肢も出てくるだろう。だがまずは、結果を見てからの話だ」

 

 そして二人はそのまま執務室へと入っていった。

 

* * * * *

 

 ソフィーと俺たち、ペガサスJr.はラサを出て、一路南へと向かっていた。

 

 インドを中心とする、南アジア一帯を統治する勢力、南洋同盟。それを取り込むなり、同盟するなりの交渉のためだ。

 そのためもあり、この艦には俺たちの他に、交渉のための全権委任大使として、マリナ女史と同じく、ガンダム00世界からの転生組であるクラウス氏と、あとオブザーバーとしてフレーゲル議員も乗り込んでいる。

 

 フレーゲル議員が色々話してきて騒々しかったが、それでも道中は特に何事も起きず、無事に過ぎていた。

 

 だが、そう簡単にはいかないらしい。

 

 艦内にアラームが鳴り響いた!

 

「艦長、ティターンズの部隊が接近!!」

「やはり来たか……」

「ですが、様子が変です。距離を取り、積極的に仕掛けてくる気配がありません」

 

 そのオスカーの報告に、ブライトさんが眉をしかめた。

 

「どういうことだ? 我らを監視しているのか、それとも何か企んでいるのか……。念のため、警戒を怠るな。MS(モビルスーツ)隊もスタンバイしておけ」

「了解!」

 

 ブライトさんにこたえ、アムロがブリッジを出て行った。そのあとにソフィーや他のパイロット組も続く。

 

* * * * *

 

 ティターンズと遭遇してからも、敵が何かをしてくることはなかった。

 不気味な緊張感の中、南洋同盟へと向かうペガサスJr。だが、ティターンズの狙いは、そう時を経ずして明らかになる!!

 

 南洋同盟との国境地帯付近で、ペガサスJr.の前方に南洋同盟の部隊が展開していたのだ!!

 

 フラゥが愕然とした表情で、ブライトに報告する!

 

「艦長、前方の部隊から通信! 『我らは既に救国評議会の影響下にあり。心苦しいが貴艦へ刃を向けん。健闘を祈る』とのことです……!」

「なんてことだ、既にティターンズの手が伸びていたとは……!」

「ど、どうするのだ、ブライト艦長!?」

 

 慌てふためいてそう聞いてくるフレーゲル議員に、ブライトはしばし考え悩み、そして口を開いた。

 

「仕方ありません。この場を切り抜けて、出直してくるしかないでしょう。よし、MS隊出撃! 北のティターンズ部隊を攻撃して突破口を開け!! それと、南洋同盟の奴らはなるべく撃破しないようにしろ。これ以上下手を打って、奴らの敵対心を高めたくはない」

 

 そして乱戦がはじまった!!

 

* * * * *

 

 かくして、ソフィーたちが戦闘を開始した!! アムロのガンダムとセイラさんのGファイター、ソフィーのフリーダムがティターンズの部隊に当たり、カイのガンキャノンがその後方から支援。ハヤトのEWACジムがブリッジの直近で指揮および直掩、そしてスレッガーさんがコア・ブースターで南洋同盟の部隊を牽制というフォーメーションだ。

 

「そこっ!!」

 

 アムロのガンダムが、ビームライフルで敵のジムを貫く。かと思えば、別のジムの弾をかわしていき、そこからGファイターに乗ったまま、そのジムに突進!!

 

「あわせてください、セイラさん!!」

「わかってるわ!!」

 

 そして、ジムが撃った弾をジャンプして回避!! そして舞い降りながらジムをビームサーベルで一刀両断!! 爆炎を背後に、Gファイターに再び着地。すげぇ!!

 

―――って、感心してる場合じゃないな。ソフィー!

―――はい! フリーダム・シルエット、展開します!!

 

 フリーダムの背後のビーム・ランチャーとソリッドシューターが展開し、俺の視界にFCSのスクリーンがオーバーレイする。

 

 ピッ、ピッ、ピピッ……。

 

 多くの敵に意識を向けてロックオンしていき……。

 

―――落ちろおぉぉぉ!!

―――えぇぇぇぇいっ!!

 

 ビームライフルとビーム・ランチャー、ソリッドシューターのフルバースト!! 多くの敵を撃ちぬいていった。

 

「やれやれ、まさかこんなことになるとはねぇ」

 

 スレッガーさんのコア・ブースターが、南洋同盟のジム部隊からのビームをかわしながら、自在に宙を舞い、ジムの一機が乗った無人型コア・ブースターにビームを放って撃破し、ジムを地面に叩き落す。

 

「スレッガーさん、うかつだぞ!!」

 

 そのコア・ブースターを上から狙い撃とうとするジムに、ハヤトのEWACジムがビームライフルを撃ち、頭部を吹き飛ばして、乗っていた無人型コア・ブースターから吹き飛ばす。

 

「ふぅ、助かったぜ。油断は禁物だな」

 

 そう言って、スレッガーさんが別のジムに向かっていく。

 

* * * * *

 

 それからも俺……おっと、ソフィーと俺たちは戦い続けた。だが、事態は好転する気配を見せなかった。

 

 何しろ、前方のティターンズも、後方の南洋同盟も、数が多いのだ。大軍というほどではないが、それでもペガサスJr.とMS四機、そして戦闘機二機では、手に余るほどの規模である。しかも挟み撃ちにあっているのだ。

 

「下部第53ブロックに被弾!」

「修理班、ただちにダメコンに当たれ! 右舷、弾幕薄いぞ! 何やってる!!」

 

 ペガサスJr.が艦体に直撃弾をもらう。

 

―――ソフィー、後ろだ!!

―――……!!

 

 ソフィーと俺のジム・フリーダムに、ティターンズの黒塗りのジムが迫り、ビームサーベルを振り上げる!! やばい!!

 そこに。

 

 シュゴウッ!!

 

 極太ビームがはなたれ、そのジムは撃破した。ビームが撃たれたところを見ると……。

 

「お姉ちゃん!!」

「よかった、助けることができたようだな」

 

 そう、ソフィーの姉、ルシアの乗るヴァーチェⅡだった。

 

「お姉ちゃん、まだ回復してないんですから、無理したらダメですよ……っと!!」

 

 ソフィーがそう言いながら、飛んできたビームを回避し、ビームライフルで反撃する。

 

「そう言ってられる状況ではないだろう? 妹が苦闘の中にいるのに、ゆっくりと寝ていられるものか」

 

 ルシアのヴァーチェⅡが、GNフィールドでビームをはじきながら、ビームキャノンで撃ち返す。

 

「もう……。戦いが終わったら、しばらく休んでいてもらいますからね」

「あぁ。何事もなければそうする」

 

 そして二人同時に、二機のジムを撃破する。

 

―――結衣もだぞ。無理しやがって……。

―――うぅ……ごめんなさい。

―――やれやれ……。

 

 それからも奮闘する俺たち。しかし、やはり突破できる目途は立たなかった。このままでは、消耗の末にやられるのではないかと思われた。

 そうしていくうちに、ティターンズのジムが、俺たちを突破して、ペガサスJr.のブリッジに迫った! ハヤトは迎撃しようとするが間に合わない!!

 

 その時。

 

 どこかから飛んできたミサイルがジムに命中! ジムはミサイルに胸部を撃ち抜かれて爆散した!

 さらに、ヴァーチェⅡをバズーカで撃とうとしていたジムに対して……。

 

「させん!!」

 

 何かゴテゴテとしたものをつけたザクが突っ込んできて、ヒートホークでバズーカごとジムの右腕を斬り落とした!

 ジムは爆散したバズーカから離れて、ビームサーベルに持ち替えようとするが……。

 

「させんと言った!!」

 

 ザクはさらに追撃!! バズーカをジムのコクピットに突き付けて発射!! ジムを撃破したのだった。

 

* * * * *

 

「艦長、通信です!!」

「何!? どこからだ!?」

「わかりません。ただ、ティターンズと南洋同盟軍とも違うようです」

「むぅ……つなげ」

「は、はい」

 

 そしてフラゥがコンソールを操作すると、スクリーンに一人の僧侶の姿が映し出された。

 

「おぉ、つないでもらえましたか。ありがとうございます」

「あの、あなた方は……?」

「私は南洋同盟の反政府勢力『ベンガル同胞団』の指導者をさせていただいております、レヴァン・フウという者です。話は後にしましょう。これから皆さまを援護します。通信で誘導しますので、敵を突破してきてください」

「おおっ!! 思わぬ助け!! やはり神はこの高貴な貴族を見捨てなかった!!」

 

 歓喜に騒ぐフレーゲル議員を横目に、ブライトはうなずいて答えた。

 

「わかりました。援護感謝します。よし、ミライ! 通信の方向に進路をとれ!!」

「了解!!」

 

 ブライトの指示に従い、ペガサスJr.は回頭し、この乱戦から脱出しようとする。ティターンズと南洋同盟の部隊はそれを阻止しようとするも……。

 

「こ、これは!?」

「う、うわぁ!!」

 

 密林地帯に潜んだ伏兵からのロケット弾やミサイルを受け、陣形を乱してしまう。

 

「よし、この乱れに乗じて、一気に突破するぞ!!」

「はい!!」

 

 そしてその陣形の乱れを突いて、一気に突き崩し、どうにか両軍を突破して難を逃れたのだった……。




南洋同盟内の抵抗勢力に迎え入れられたペガサスJr.。
だがそこをティターンズの部隊が襲う。

その中聞こえてきたのは、戦場には似合わぬロックだった。
ロックともに戦う戦士が不正規隊を襲う。

次回、『密林の激戦』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、7/6 13:00の予定です。お楽しみに!

※作者の就職が決まったので、これからは更新日がずれたり不定期になるかもしれません。そうなったら申し訳ありません(汗 でも未完結にならないように頑張ろうと思っています。

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

  • 受け継いでてほしい
  • 受け継いでてほしくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。