宇宙世紀に転生憑依したのですが、失敗したうえにとんでもないことになってます~超?・機動戦士ガンダム   作:ひいちゃ

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宇宙世紀0079、サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に宣戦布告した。
その戦いで、全人類の半数が犠牲となり、人々は己の行いに恐怖した……。

* * * * *

南洋同盟は既にジャミトフに屈していた。

ペガサスJr.はその南洋同盟軍と、ティターンズの挟撃を受ける。
それによって窮地に陥った彼らを救ったのは、謎のゲリラ部隊であった。


Re:Act.29 『密林の激戦』

 戦いを切り抜けた俺たちペガサスJr.は、謎の通信に導かれ、密林にある彼らの拠点に招き入れられた。

 

 密林の中、開けた一角に着陸し、MS(モビルスーツ)を使ってカモフラージュ作業を行う。

 

 彼らのアジトは、その密林の近くにある崖に開いた大きな洞窟だった。その中に案内される。そこで俺たちを待っていたのは、一人のお坊さんと、ゲリラの兵士たちだった。

 

「ようこそ、ペガサスJr.の皆さん。私たちのアジトへ」

「助けていただき、ありがとうございます。地球連邦正統政府軍、独立機動艦隊所属。ペガサスJr.艦長ブライトであります」

「地球連邦正統政府の特使、クラウスです」

「自己紹介いただき、恐縮です。このベンガル同胞団のリーダーをさせていただいている、レヴァン・フゥと申します」

 

 そして、レヴァンさんは手を合わせて一礼した。本当に、仏教の僧侶という感じで、穏やかな感じがする人だ。悪い感じはしないが、何か俺の心に共鳴するものもあった。彼もニュータイプなのだろうか?

 

 そこでブライトさんが口を開いた。

 

「あの……助けていただいたのはありがたいのですが、なぜ私たちのことを?」

 

 そう聞かれ、レヴァンさんは手を合わせて再び一礼すると、穏やかに話し始めた。

 

「はい。ある方から貴方がたを紹介されまして。それで皆さんに感じるものがあれば支援しろと頼まれました」

「ある方……とは?」

「済みません。それは明かすわけにはいかないのです。そして皆さんの戦い方を見て、未来に導くささやかな光みたいなものを感じまして。それで助けることにしたのです」

「は……はぁ」

 

 レヴァンさんからそう言われて戸惑うブライトさんとクラウスさん。そりゃそうだ。こんなことを言われて戸惑わないやつなんていない。俺だって戸惑う。

 

 そこでクラウスさんが顔をしかめて言う。

 

「助けて頂いたのになんですが、南洋同盟が救国評議会についたのなら、彼らをこちらに着けるよう交渉するのは諦めたほうがいいかもしれませんな。一度報告のために引き返しましょう」

「あの、そのことなのですが……」

「何か?」

 

 そこで、レヴァンさんが持ちかけたのは、ある依頼だった。

 

「実は私たちは、南洋同盟を救国評議会、そしてティターンズの呪縛から解き放つために、革命を計画、準備しておりまして……」

「……」

「皆さんにはぜひそのための支援をお願いしたいのです。もちろん革命が成った時には、正統政府と同盟を結ぶことも検討しましょう。必ず結ぶと確約することはできませんが」

 

 それを聞いて、ブライトさんとクラウスさんが顔を見合わせた。

 

「いかがしますか? クラウス大使」

「彼の言うことに嘘はない気がするが……どう思う? アムロ准尉」

 

 そう言ってクラウスさんは、アムロの方を見た。(正統政府軍に入るにあたり、ソフィーたちは昇格したのだ) 意見を求められたアムロが、少し考えた末にうなずいた。

 

「はい。僕も、レヴァンさんは嘘をついてないように感じます。悪意は感じませんでした」

「そうか……アムロ准尉の言うことなら間違いないかもしれんな。わかりました、前向きに検討しましょう。返事は明日返させていただきます」

「よろしくおねがいします」

 

 クラウスさんの返事に、レヴァンさんは微笑み、手を合わせて一礼した。

 

* * * * *

 

 その夜、ソフィー(と俺)は、彼らのアジトである洞窟の中を歩き回っていた。なかなか寝付けなくて、散歩することにしたのだ。

 

 しかし……本当にこの洞窟は広い。おまけにまるで迷路のように入り組んでいる。マジの迷路みたいに完全に迷子になるくらい入り組んでいないのは幸いか。

 しかも、岩壁の様子からして、自然のものでないような感じだ。何か自然の洞窟から、脇道を彫り抜いたようだ。これだけのことをするのは、やはりレヴァンさんにペガサスJr.の支援を依頼したという、彼らのスポンサーの支援あってのことだろうか。

 

 まぁ、そんなこともあって、俺たちは時々ちょっと迷いそうになりながらも、洞窟の中をうろついていた。

 

 そうしているうちに、俺たちは洞窟の入口に出てきていた。そこには一人の若い男性が立っていた。

 

「やぁ、君はあのペガサスJr.のパイロットの一人だね。迷子になったのかい?」

「いえ、ちょっと散歩に……」

「そうか。僕はこの『ベンガル同胞団』に所属している、サイコ・ザクパイロット、ダリル・ローレンツ。よろしくね」

「は、はい、こちらこそ」

 

 そう言って握手をかわそうとするソフィーとダリルさん。だが、そこで俺とソフィーは気づいた。彼の手が……。

 

「ダリルさん、その手……」

 

 そう。彼の手は、まるでSFでよくあるロボットのような義手になっていたのだ。

 

「あぁ、これかい。僕はかつてジオンで戦っててね。その時の傷が原因で右腕と両足が義手義足になったのさ」

「え……」

 

 よく見ると確かに、彼の右手だけではなく、左手や両足までも機械の義手義足になっていた。

 

「あの……左腕も……?」

「いや、これは違うよ。あのサイコ・ザクに乗るためにね。それも義手義足にしちゃった……いや、ジオンの技術者にされたんだ」

「……!!」

 

 それに衝撃を受ける俺たち。いくら左腕一本だけと言えど、無理やり奪い、義手にしてしまうなんて……。

 

 同じことをソフィーも感じたらしい。震える声でダリルさんに問う。

 

「ダリルさんは……怒ったり憎んだりはしなかったんですか……? そんな身体にされて……」

 

 そう聞かれると、ダリルさんは夜空を見上げながら言った。

 

「そりゃあ僕だって、無理やりされた時には怒りを禁じ得なかったよ。僕は仏様じゃないんだから。でもね、今はこの身体になってよかった、と思ってる」

「どうして?」

「僕は両手両足を義手義足にしたことで、あのザク……サイコ・ザクをより自由自在に扱えるようになったんだ。いや、それだけじゃない。その力を、ティターンズからこの地を解放しようとしている同胞団のために振るえるんだから。誰かのためになる力を得ることができる、これって素敵なことじゃないかな」

 

 そう語るダリルさんは、誇らしげな表情をしていた。虐げられてる人や弱者のために戦う力を持つ、そのことに誇りを持っている顔だった。

 

 だからソフィーもかすかに微笑んでうなずいた。俺も心の中で。

 

「……そうかもしれませんね」

 

 星空は、ダリルさんの今後が少しでも明るいことを祈るかのように、優しく輝いていた。

 

* * * * *

 

 翌日。洞窟の一角に作られた簡素な会議室。そこで、ブライトさんとクラウスさん、そしてレヴァンさんと、『ベンガル同胞団』の幹部たちとが向かい合っていた。

 少しの沈黙。それからクラウスさんが一歩進んで手を差し出した。

 

「支援の件、了解しました。地球連邦救国評議会、そしてティターンズからこの南アジアの地と人々を解放するため、微力ですが協力したいましょう」

「おぉ、そうですか。ありがとうございます! 白い悪魔と木馬が協力してくれるとなれば、これほど心強いものはありません。よろしくおねがいします!」

 

 そしてクラウスさんとレヴァンさんが固く握手を交わす。会議場を明るい空気が満たす。

 その時だ! 同胞団の見張りが会議室に駆け込んできた。

 

「た、大変です! MS部隊がこの拠点に接近しています! どうやらティターンズの部隊のようです!」

「なんだって!? 皆さん、すみません。拠点を守るための支援をお願いできますか?」

「了解しました。よし、MS隊、出撃だ!!」

「了解!!」

 

 ブライトさんの号令を受け、アムロやソフィーたちが洞窟を出て、ペガサスJr.へと走っていく。ダリルさんもカモフラージュして隠していたサイコ・ザクへと走っていった。

 

* * * * *

 

 ジム・フリーダムに搭乗し、アムロのガンダムやダリルさんのサイコ・ザクなど他のMSとともに待ち構えていると、やがて敵の部隊が見えてきた。

 

 これは……。

 

「かなり撃退に苦労しそうな数ですね。気を抜いたら突破されるかもしれません」

 

 そう緊張感を持った声でアムロが言う。そう、ティターンズはかなりの数をこちらに向けてきたのだ。

 同じく緊張感に満ちた声で、ダリルさんがこたえた。

 

「おそらく南洋同盟領に駐留している部隊のほとんどを出してきたんだろう。あちらも、ベンガル同胞団を本気で潰すつもりになったらしい」

「……っ」

 

 ダリルさんの言葉を受け、カイがつばを飲み込む音が通信機から聞こえた。

 

「今更臆病風邪に吹かれたの? 軟弱者」

「冗談。やってやりますよ。軟弱者のレッテルを払拭できるほどにね」

 

 そう強がりを言うカイだが、やはりその声は少し震えている。

 

「しかしそれだけの数を出してきたってことは、こいつらを撃退すれば、より革命が成る可能性が高くなる、ということでもある。頑張っていこう」

「はい!!」

 

 ダリルの檄にソフィーがうなずく。そして戦いが始まった!!

 

* * * * *

 

「フリーダム・シルエット、展開!! 居候さん!!」

―――おう!! フルバーストだああぁぁ!!

 

 上空に飛び上がったフリーダムからのフルバーストが戦いの狼煙だ。

 放たれたビームや弾が、近づいてくるジムたちを次々と貫いていく。

 

―――それ、もう一発だ!!

 

 今度は上空のミデアたちをフルバーストで撃墜していく。攻撃は見事、四機のミデアに命中! ジムたちがそのミデアから飛び降りた直後、次々と不時着していった。

 

 続いては、ガンキャノンからの砲撃。それらの砲撃を浴びながらも、ティターンズのMSはひるまずにこちらに接近してくる。そして乱戦がはじまった!

 

「やあっ!!」

 

 アムロのガンダムがビームサーベルで、ジムを切り払う。さらに、もう一機のジムが撃ってきたマシンガンを、ジャンプしてかわし、着地と同時に、突っ込んできたそのジムに対してビームサーベルを振るう。

 マシンガンをビームサーベルで弾き飛ばされたジムに対して……。

 

「そこっ!!」

 

 ソフィーがビームライフルが発射!! コクピットを撃ち抜いて撃破した。

 

「やらせん!!」

 

 サイコ・ザクがジムに突進し、ヒートホークを一閃! その頭部を切断した。さらに早打ちガンマンのようにマシンガンを取り出し、さらに追い打ち! ジムは穴だらけになって倒れ伏した。

 

 カイのガンキャノンが、ビームライフルでジムを撃ち貫いた。そこで、一息ついたところで……。

 

「気を抜くんじゃないわよ、軟弱者」

 

 セイラさんの声とともに、ガンキャノンの背後から迫っていたジムが倒れ伏した。襲おうとした奴を倒してくれた。

 

「へいへい、今は気を抜いてる場合じゃないんでしたね……と!」

 

 そして戦っているうちに、一機のガンダムらしきMSがこちらに突っ込んできた! ……って、今現在、ガンダムってアムロの一機だけじゃなかったのかよ!?(陸戦ガンダムは別にして)

 

「またここで会うとはな、ダリル! 今度こそ決着をつけるぞ!!」

「イオ・フレミングか!!」

 

 イオが乗るガンダムがビームサーベルが振るい、それをダリルさんのザクがかわす。ダリルさんはヒートホークとザクマシンガンをしまうと、ザクバズーカを二本取り出して両腕にかまえる。

 

「乱れ撃つ!!」

 

 ザクバズーカ二刀流での乱れ撃ち!! しかし、さすがガンダムというべきか、イオはそのバズーカを機動性を武器にかわしていく。

 

「どうしたどうした! そんなスローじゃ、俺のロックにはついていけないぞ!!」

「なんの!!」

 

 まさに互角の戦いを繰り広げていく二機。そんな中、俺たちもティターンズのMS隊相手に激闘を繰り広げていく。

 

* * * * *

 

 サイコ・ザクと激しい戦いを繰り広げるガンダムのイオ・フレミング。その激しい戦いでも楽しさを感じるのを禁じ得ないのは、戦士としての性であろうか。

 

 その中、この攻撃の指揮をとるジャマイカンから通信が入る。

 

「なんだよ、今ノッてきていいところなんだがな!?」

「本機はこれから、ハイパーナパームミサイルを発射する。離脱できる機体は離脱せよ!」

「なっ!?」

 

 驚きの声をあげるイオ。どの機体も……少なくとも彼の指揮するムーア同胞団は……乱戦の最中で、離脱できる機体はほとんどない。

 そこで彼は今更ながら気がついた。前線で乱戦の中にいるのは、彼のムーア同胞団と、ティターンズの指揮下に入った連邦軍の一般部隊だけで、ティターンズの部隊は後方に位置していたことに。

 

 当然、イオは怒りに満ちた抗議の声をあげる。

 

「てめぇ、トチ狂ったか!? この乱戦の中、離脱しろと言われて簡単に離脱できるやつなんかいるわけないのは見ればわかるだろうが!?」

「黙れ、あれだけの敵を突破できない腰抜けが何を言うか! ならばせめて、ゲリラどもを撃滅する役に立てることをありがたく思うがいい!」

「なんだと!?」

「以上だ、通信終わる!」

 

 そして通信は切れた。イオはサイドスクリーンに拳を叩きつけると、眼の前の宿敵に通信を入れた。

 

「悪いな、ダリル・ローレンツ。セッションは一時中断だ。急なオファーが入っちまったんでな」

「なに?」

 

 そう言うと、イオはダリルの返事を待つこと無く、踵を返し、後方の、ジャマイカンが乗るミデアに向けてガンダムを飛び上がらせた。

 

 そしてビームライフルの射程に入ったところで、それを構える。

 

「き、貴様ああぁぁぁぁぁ!!」

「地獄で言ってろ!!」

 

 そしてためらうこと無くトリガーを引く!! ビームは見事、ミデアの操縦席を貫いた!! ジャマイカンは自らが為そうとした悪事にふさわしい報いを受けたのである。

 

 コクピットを失ったミデアはそのまま待機していたティターンズ部隊の上に落下!! 多くのティターンズのジムをその炎の中に巻き込んだのだった。

 

* * * * *

 

 ダリルさんと戦っていたガンダムが、突然通信を彼に送ったと思えば、指揮をとっていたミデアに飛んでいって、これを撃墜した。どうしたんだ、仲間割れか?

 

 しかしこれで、戦局はこちらに傾いた。指揮官を失った敵部隊は大いに統制を失ったのだ。満足な反撃態勢をとれないまま、こちらに押されていく。

 

 そこにまた通信。

 

「ダリル・ローレンツ、悪いが、そんなわけでセッションはまた次の機会だ。言っとくが、あんたの仲間になるつもりはないからな。決着はまた次の機会につける」

「イオ・フレミング……」

 

 ダリルさんがイオの言葉にそうつぶやく。しかし、あの、それって後々仲間になるツンデレ的フラグなのでは……。

 

「ムーア同胞団、及び連邦軍一般部隊各員に告ぐ。ここでの戦いはこれで終わりだ。離脱できる部隊はここから離脱しろ。無理なら降伏してもかまわん」

 

 そう言いながら、ガンダムは俺たちの前に着陸し、ビームライフルを突きつけて牽制する。まるで自分の身を盾としてでも味方を撤退させようとするかのように。

 その気持ちが伝わったからだろうか。今まで彼と戦っていたダリルさんはもちろん、ソフィーも他のみんなも、武器を構えたままではあったが、撤退していく敵部隊を追撃したり、撤退を阻止したりするようなことはしなかった。

 

 そして、残る機体が、ガンダムだけとなったところで、そのガンダムも後退をはじめた。

 

 それを見送る俺たちに、再び通信が入る。

 

「撤退を見逃してくれて感謝するぜ。ジオンは嫌いだし、あんたとは何度もやりあった仲だが、あんた自身は嫌いではないぜ。あばよ」

 

 そして上空に飛び上がり、そのまま遠くへと消えていった。

 

* * * * *

 

 そして、あの戦いのあと。

 

「抵抗してこない限り、南洋同盟軍の機体は叩くな! ティターンズの機体だけを叩け!」

「進め! 首相府を抑えるんだ!!」

 

 南洋同盟の首都、デリー。ここでは今、大きな動きが起こっていた。

 レヴァンさんたち、『ベンガル同胞団』が、先の戦いでティターンズを退けたことを利用して、南洋同盟各地に、革命のための工作を行った。

 

 それが功を奏して、今こうしてデリーで反ティターンズの革命が起こったのだ。俺たちペガサスJr.は革命の支援を行っている。

 激しい戦いになるかと思ったが、それほど大きな抵抗はないようだ。話によれば、ティターンズに屈従外交を強いられている政府に対する、国民の不満はかなり高かったという。それもあって、人々も革命への支持が高いという話だ。

 あとは、やはり先の戦いでティターンズの部隊を叩けたのも大きい。そのせいで、ティターンズ部隊も、俺たちに対して、かなり押され気味になっている。

 

「ソフィー、2時方向から敵が接近しているぞ!」

「はい!」

 

 ハヤトの管制を受け、ソフィーのフリーダムが、接近してきたジムをビームライフルで迎撃した。

 

* * * * *

 

 首相府。南洋同盟の軍務大臣ダハードは、レヴァン・フゥと数人のベンガル同胞団の兵士たちとともに首相室に向かっていた。ドアの前で立ち止まり、扉を叩く。

 

「入りたまえ」

「失礼します」

 

 扉を開けると、そこには首相席にしっかりと腰を下ろした首相のマガディがいた。何が起こっているか、これからどうなるかが既に理解しているかのようだ。

 

「ダハード君か。まさか君が、ベンガル同胞団と手を組み、革命を先導するとはな」

「私は南洋同盟を裏切ったつもりはありません。私はペガサスJr.と地球連邦正統政府に未来への光を見出し、それに南洋同盟の未来を賭けることにしただけです」

「その賭け、果たして吉と出るかね? もし凶と出たら、我が国と民たちはティターンズにより今以上の苦難を被ることになるぞ」

「レヴァン殿が吉と出ると見たのです。勝てる目はあるでしょう。それに、負けたら苦難が待ち受けているのは、私や同胞団の面々はもちろん、国民も理解済みのはずです。それでも彼らはティターンズから離れる道を選んだ。少なくとも私はそう見ています。反ティターンズの世論が高まっているのがその証拠です」

「……」

 

 そこで、マガディ首相は目をつぶった。彼の言葉をかみしめ、吟味するかのように。

 

「首相、もうあなた一人で全ての苦難を背負う時は終わったのです。この国の者一人ひとりが、苦難を分かち合いながらも、手をとりあって、それに負けずに進む。そんな時が来たとお思いになりませんか?」

「……そうだな。確かに君の言うとおりだ。わかった、私は首相の座を退こう。後は君たち……いや、君たちと国民に任せよう」

 

 決断をした首相に、新しい首相は深々と礼をした。

 

* * * * *

 

 そしてついに革命は成った!!

 

 南洋同盟に駐留していたティターンズ部隊は撤退あるいは降伏。現首相は退陣し、レヴァンさんのスポンサーだったという軍務大臣が新しい大統領となった。

 

 ただ、これで全てが終わったわけではない。自分たちから離反した南洋同盟を、地球連邦救国評議会、そしてティターンズは許しはしないだろう。俺たちの戦い、そしてこれからの情勢次第では、南洋同盟はティターンズに再び屈服し、今以上につらい状況に置かれるかもしれないのだ。

 

 しかし、それでも、彼らがそれを受け入れ抗う覚悟を持っていることと、今、こうしてとりあえずティターンズから解放されたことが喜ばしいことは、人々の微笑みを見てわかった。

 

 その中、新しい首相のダハード氏と、クラウス氏が改めて握手をかわしている。

 

「同盟に了承していただき、ありがとうございます、ダハード首相」

「こちらこそ。今はティターンズ及び救国評議会への対処と、国内の立て直しがあるゆえ、大きく動くことはできませんが、その時が来たら、必ずや駆けつけ、力をお貸ししましょう。そう、マリナ大統領にお伝えください」

「はい、必ずや」

 

 それを暖かい気持ちで見つめる俺たち。その中のブライトさんに、ミライさんがやってきた。

 

「ミライか、どうした?」

「えぇ。ペガサスJr.あてに通信があったの。場所はオーストラリア、相手は……前にアプサラスのことで協力してくれた、レオン少尉よ……」

「なんだと……?」

 

 また波乱が待ち受けている。そんな予感が、俺とソフィーの背筋を駆け抜けた。いや、それは他のクルーもだっただろう。




レオン・リーフェイと接触したペガサスJr.はオーストラリアに向かった。
しかしそこでは、ジオンの抵抗と、ティターンズの陰謀が彼らを待っていたのだ。

次回、『ホワイト・ディンゴ』

君たちは生き延びることができるか?

※次の更新は、7/13 13:00の予定です。お楽しみに!

※作者の就職が決まったので、これからは更新日がずれたり不定期になるかもしれません。そうなったら申し訳ありません(汗 でも未完結にならないように頑張ろうと思っています。

テテテUCのフロンタル、原作UCフロンタルの記憶を受け継いでてほしいですか?

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